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「健康食品」の表示方法を国が再検討しているらしいけど、余計なお世話かも⁉

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「健康食品」って気軽に使っていますけど、そもそも健康食品ってなんだかご存知でしょうか?

そもそも健康食品とは

健康に害を及ぼさない食べ物、あるいは健康になるための食べ物という解釈で大きな間違いはないのですが国側はいくつかの基準を作っています(国が使用する言葉で「健康食品」と定義されているもの自体が無いという不思議)。
健康食品として皆さんが考えているものは大きく三つに別けられます

特定保健用食品(トクホ)

健康を増進させたり、健康を維持する役に立つ食べ物で、国の審査が必要なかわりに、広告で効果・効能を言うことができる。例えば「中性脂肪を抑える」とか「血圧が高めの方へ」的な表現が可能となります。

栄養機能食品

多くのサプリメントがこれに含まれます。ビタミンC1000mgとかの栄養成分を表示をすることができるのですが、一定の基準があるだけは国による審査は必要ありません。

単なる食品

なんとはなしに体に良さそうな食べ物で、国の審査もなければ基準もありません。

実態とかけ離れた「健康食品」の宣伝文句___産業・業界___東洋経済オンライン___新世代リーダーのためのビジネスサイト

誇大広告を規制するための表示方法の再検討なら良いのですが、どうも内情は違っているようです。

特定保健用食品の問題点

現時点で「トクホ」として国の審査に合格した食品は1000くらいありますが、効果・効能を製造販売している企業が行なって国に対して大量の書類を提出して「お墨付き」を頂く制度となっていますので、多大なコストを時間が必要となりますし、審査している国側でもあの「エコナ」を承認してしまったという暗い過去があります。

特定保健用食品は実際問題としては大企業独占状態となっていますので、派手ないかにも健康になる、ひょっとして病気の治療になる、薬の替わりになる的に捉えている方も多いのです。病気であるなら医療機関を受診した方が効果もハッキリしていますし、健康保険の対象である場合は費用面でも利点があるのになぜ、このような中途半端な分類が必要なのか理解しにくいのです。国の財政を脅かす医療費を抑制するために、自己責任で病状を改善しなさい、と言われているようで⋯。

ちなみに医薬部外品によって「カネボウ白斑事件」は引き起こされています。

栄養機能食品の問題点

ある一定基準を満たしていれば表示が可能だけど、国は審査していない、という不思議な状態に置かれている食品です。例えばビタミンCが1000ミリグラム含まれていると大きく表示している食べ物をお菓子状、サプリ状、飲料にして実際に表示されている栄養素と量が含まれていれば全く問題ありません。

スーパーでレモンを売る場合に「ビタミンC何g❗」って売り込み方をするでしょうか?本来ならば通常の食生活で得られる栄養素をある意味むりやりに抽出して食品に含ませたものが、「栄養機能食品」ってわけになります。わざわざ国が審査する必要がないけど、表示するならしっかり表示した栄養素を含ませておいてね、ビタミンCが何にどのような効果・効能があるというのは消費者がご自分で判断してください、ってことになります。

気になる成分があったら自分でしっかり調べる習慣をつける必要があります。

実態とかけ離れた「健康食品」の宣伝文句___産業・業界___東洋経済オンライン___新世代リーダーのためのビジネスサイト 2

上記東洋経済オンライン『実態とかけ離れた「健康食品」の宣伝文句より

単なる食品で体に良さそうなものが大問題❗

例えばエナジードリンクと呼ばれる飲み物があります。学生が徹夜で勉強する時にがぶ飲みする場面が映画などで知れ渡って常飲している人も多いのですが、これは国の審査もなければ基準自体全くありません。実はこの健康面になにがしかの影響を与えるイメージのある単なる食品に対して政府主導で検討が加えられています。「3.一般健康食品の機能性表示を可能とする仕組みの整備」ということで第10回規制改革会議で話がでた様子です。1.8兆円にも及ぶ健康食品市場に対してなにか手を打たないと、というムードで会議は進んでいることが読み取れます。
現在、国の考えとしては「健康食品」という分類も定義もないのですが、市場を拡大する、消費者にニーズがあるというだけでワザワザ規制下或いは管理下にある意味支配下に置く必要性があるんでしょうか??そのくせに国は審査はしないというのは栄養機能食品との違いが全く理解できません。企業サイドの自己責任の範囲で効果・効能を健康的なイメージがある食品に使用して良い、ということに将来なりかねませんので、消費者も食品の栄養素に対する理解を深める必要がでてくると思われます。

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http://www.unasige.com

患者さんが飲んでいる薬を一元化して管理できることを目指した「お薬手帳」でさえ持参しないで、来院する方が多い上に将来は「お食事手帳」的に口にしているもの全部を管理できるシステムが必要になってくるかもしれません。笑
昔っから、「ウナギと梅干し」「天ぷらとスイカ」とか、おばあちゃんの知恵的に「食い合わせ」してはいけないというものがありますから。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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