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カネボウの体質か?「白斑被害者を地雷原」って、その前に白斑の治療を急げよ❗怒

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昨年カネボウの美白化粧品を使用していて、皮膚がまだらに白くなる「カネボウ美白化粧品白斑被害事件」がありました。当院でも白斑の症状が出てしまった複数人の方の治療を行ないました。現在も未だ治療中の方もいらっしゃいます。

カネボウの美白化粧品の白斑被害者を「地雷原」❗怒

白斑被害にあった方はとにかく当初からカネボウの対応に不満をもっており、被害者に対する誠意が全く感じられなかったそうです。皮膚科学会も「白斑は改善します」といっていながら白斑が完治した症例写真は公式には発表されていません。そこにこんなニュースが飛び込んできました。

カネボウ白斑問題 子会社内部資料に被害者を「賠償請求地雷原」_フジテレビ系(FNN)__-_Yahoo_ニュース

http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20140927-00000486-fnn-bus_all

カネボウとしては白斑を引き起こしたことを反省する前に、慰謝料や損害賠償の心配を優先事項としていたとしか思えません。白斑被害者の方の回復より、まずは自社のお金の心配ってことです。

訴訟等を恐れるばかりで、全く被害者目線がない化粧品会社っていかがなものでしょうか?今回の白斑被害を受けた方を損害賠償・慰謝料を要求される可能性のある「地雷原」と呼んで、そのことが外部に漏れたら「不適切でした、ゴメンナサイ」じゃ、増々被害者の感情を逆なでするだけです。せめて治療方法だけでも早急に確立するべきです❗

カネボウの体質としか言いようがない「被害者を地雷原」呼ばわり

カネボウ美白化粧品の使用によって白斑が生じてしまった被害者の方の話によると、カネボウの企業体質が良く判ります。白斑事件がマスメディアに取り上げられた初期の対応は以下のとおり。

  • とにかく美白化粧品の回収を先行していた
  • カネボウの白斑被害者向けサイトのページがいつの間にやら変更されていた
  • 治療に必要なお金は支払うが、まずは自分で払っておいて欲しい
  • 被害をカネボウに申し出たがその後の連絡が全くない

今回の報道で明らかになったように美白化粧品を使用して被害にあった方の治療より、あとで損害賠償等で訴えられることを恐れていたカネボウ社内の雰囲気が伝わってきます。

当院では当初よりカネボウが美白化粧品によって生じた白斑を保険治療の範囲で対応は不可能と認識していました(関連エントリー)。というのも尋常性白斑という通常の皮膚科領域の病気であっても「この治療をすれば完治する」と言い切れないのです。その為、当院ではレーザーを使用して白斑の改善を行なっていましたので、カネボウ化粧品の白斑被害を受けた方に対しては無償で治療を行なうことに決定しました。現時点で全員ではありませんが、当初と比較して十分な改善効果が認められています⋯残念ながら治療開始をして約一年が経過しても完治までは持ち込めていません(関連エントリー)。

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当院での症例ですが、5回フラクセルというレーザーを照射したものです。白斑は小さくなっていますが、完治には至っていません。

保険外の自由診療の治療になりますので、カネボウが患者さんに変わって治療費を払ってくれるなんて最初から期待はしていませんでした(当院では当時無料で治療を行なっていました)。どの範囲の治療までカネボウがカバーするかも、患者さんに連絡はないのです。とにかく皮膚科学会が指定した医療機関を受診してください、だけのインフォメーションがあるだけなんです。つまり、白斑被害の実態は把握していながら治療方法の研究なんて後回しで、誠意ある対応もなされていなばかりか、損害賠償を請求された場合の心配しかしていなかったことが今回の報道で十分に理解できます。

しかし、皮膚科学会も一症例でいいから、完治した写真を公表すれば少しでも被害者の方も希望が持てると考えますが、ホントウに完治した症例った有るんでしょうか???

白斑被害の治療は自然経過を待つ??白斑被害がでることは予想されていたのに⋯

皮膚科学会の白斑被害に対する方針はトラネキサム酸(抗炎症効果があります)と時間を待つ、ということになっています。あと、漂白作用をもった「ハイドロキノン」を使用することを推奨しています。ハイドロキノンで白斑の境界線をぼやかせて「白斑が改善した」と言っているように思えますし、トラネキサム酸の使用は単に炎症性の反応を抑えるだけで白斑自体を改善するとは思えません。時間の経過を待ちながら、単に自然治癒を待とうなんて⋯絶句。

www_dermatol_or_jp_upfile_1405038899_1_pdf
日本皮膚科学会 ロドデノール含有化粧品の安全性について 患者さん向けFAQ より

そもそもカネボウ美白化粧品は厚生労働省に医薬部外品として申請した時点で添付した論文も改ざん疑惑があります。元となった論文では「白斑が生じた場合、回復しなかった」と明記されているんです(関連エントリー)。

カネボウって全く無責任、予測出来ない被害だから賠償責任が無い??

カネボウは白斑被害を引き起こしながら、被害者の方に対して「賠償請求地雷原」と呼んでいたのもこんな事情があるんですね。

カネボウ化粧品の美白化粧品で肌がまだらに白くなる「白斑(はくはん)」症状が出たとして、東京都内の女性(42)が、同社に約4800万円の賠償を求めて東京地裁に起こした訴訟で、カネボウ側が「被害の予測はできず、賠償責任は生じない」と主張することがわかった。5日の口頭弁論で、女性側に示すとみられる。

www.huffingtonpost.jp/news/kanebo-bishirokeshohin

つまり、白斑を美白化粧品が原因かも知れないけど予測できなかったことなんで賠償責任はありません、ということです。予測出来なかったったなんて良く言うよ❗(怒)
繰り返しますが、元となった論文では「白斑は治らない」と書いてあること知らなかったワケ無いのです。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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