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カッとなる敵意むき出し?の「怒りやすい性格」が脳卒中を引き起こすことがハッキリ証明されました❗

更新日:

頭の血管がブチ切れるくらいが元で、カッとなることをキレるというのだと思いますが、これは本当でした。キレやすい短気な人は脳卒中になりやすいということが医学的に証明されたというお話です。自戒の意味もこめて、お伝えします。

カッとなる性格だと脳の血管が切れるイメージありますが、本当でした。

漫画でオッサンが怒っている場面だとこめかみ辺りの血管が浮き出ている描写をつかいますよね(サザエさんの波平さんが典型か?)。興奮すると血圧が上がって脳の血管が切れちゃう、というイメージです。

でも、別に高血圧を持病としていなくても敵意むき出しの性格だとか、怒りの感情は死亡リスクを高めることが判明しました。

Chronic_Stress__Depressive_Symptoms__Anger__Hostility__and_Risk_of_Stroke_and_Transient_Ischemic_Attack_in_the_Multi-Ethnic_Study_of_Atherosclerosis_-_Google_検索

http://www.natural-health-journals.com/1983/depression-anxiety-hostility-raise-risk-stroke-says-study”>http://www.natural-health-journals.com/

慢性的な精神ストレスが脳卒中などの脳の血管障害を引き起こしている

キレやすい中高年が問題になったことがあります。確かにクリニックでもゴクゴク少数なんですが、突如理不尽な苦情で声を荒げる人って中高年の方に見受けられます。

当院は医師以外は女性スタッフで運営しているので大声を出すオッサン対策は万全のつもりです。「オジさんも色々悩みがあって、家でも相手にされないから女性だと思って安心してキレているんだよ」的に解釈してスタッフの「あの患者さん来ないようにしてください」「あの人しつこいんです」という意見に対して大人の対応をするように指導しています。

理屈っぽい私なんでスタッフをキレやすい中高年対策を説得する為の理論を探していたところ、ありました❗

Chronic_Stress__Depressive_Symptoms__Anger__Hostility__and_Risk_of_Stroke_and_Transient_Ischemic_Attack_in_the_Multi-Ethnic_Study_of_Atherosclerosis

「Chronic Stress, Depressive Symptoms, Anger, Hostility, and Risk of Stroke and Transient Ischemic Attack in the Multi-Ethnic Study of Atherosclerosis」(Stroke 2014; 45: 2318-2323)という論文です。ネットでアブストラクトは読めますが、全文だと有料になるんで、これを簡単に整理しますと

  • 平均年齢62.1歳の男女6749人を対象に調査
  • 高血圧やアルコール、喫煙などの血管に悪影響を与える因子は統計学的に補正した
  • 心のストレスの質問は健康・家族の健康・仕事の問題・人間関係・経済的問題を尺度とした
  • 怒りに関連する指標として怒り・他人への敵意を対象とした

その結果として

敵意が強いほど脳卒中のリスクが高くなっていた

ということになっていました。

論文中に「trait anger」という怒りを表す言葉があり、意味がよくわからないのですが神経過敏になって、持続的に怒ってばかりいる状態をさすようです。

Trait_Anger

https://link.springer.com/
医師でブログ書いてんだから、判りやすく説明しろよ❗って敵意を持つと脳の血管キレますよ❗

どちらにしても

抑うつ症状があり、精神的ストレスがかかっていて、敵意むき出しの人は脳卒中になりやすい

という結論になっています。

クレーマーは脳血管系の病気のリスクが高いということですね

経済的問題、家族間の問題、仕事上の問題など中高年は山ほど精神的ストレスに囲まれて生活をしています。そのストレスの発散を第三者に対する敵意むき出しの態度では健康に問題が生じます。

今回の論文の結果に対して、もともと血圧の高い年齢だから脳卒中がカッとなるとおきるんじゃないの、動脈硬化が進んでいる年齢だから敵意で脳卒中になるんじゃないの、タバコを吸う人はもともと敵意をもったりストレスがかかりやすいじゃないの等のツッコミがあることを予想しますが、この論文ではそれらの危険因子は調整したあと解析しています。

脳卒中になりたくなければニコニコしていよう、ってのが正解のようです。

でも、敵意むき出しで酵素栄養学近藤ガン治療否定論などの怪しげな主張に対して怒ってブログを書いている私は多分、脳卒中のハイリスク群です 笑

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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