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早起きは健康に悪い❗早起きは健康に良い説はウソ??

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早起きは健康に良いし、早起きすると仕事の能率も上がるし、世界的に見てデキるビジネスマンは早起きだよ、ってことは半ば常識化しています。

早起きは健康に悪い、という常識に反する意見もありまして⋯

ところが英国では高級紙(Quality paper)とされている「デイリーメール」(笑)に

早起きなんてとんでもない❗病気のリスクが大きくなる❗

とのオックスフォード所属の医学研究者の説が掲載されました。

早起きは三文の得、どころか早起きは病気の始まり的な内容は「Making people start work before 9am is ‘torture’ says sleep expert, who wants the business and school day to begin at 10am 」(http://www.dailymail.co.uk/)というタイトルで掲載されています。現在の学校の授業開始時間や仕事の始業時間は人間にとって不自然なものであり、自然な起床時間はもっと遅いはずだ、との主張に加え「早起きは健康に良くない」との説が記されています。

この記事を受けて日本でも「現代ビジネス 賢者の知恵」でも「『早起き』すると寿命が縮む!オックスフォード大学の研究で判明~心筋梗塞、脳卒中、糖尿病のリスクが倍増」なんて感じでセンセーショナルに取り上げています(この現代ビジネスは時々やらかしてくれますけどw) 「早起きは健康に良くない」説を良く良く読んでみると、なんだかねぇ~的な感想をかなーり強く抱きましたので、自分自身で話を整理するつもりでブログにしてみました。

早起きは拷問に等しい??

朝は苦手、早起きなんて辛くて無理、って考える人にとって早起きは拷問に近いって表現もありうるかもしれません。この記事も書き出しが「Making people aged under 55 start work before 9am is akin to ‘torture’, according to one of the UK’s leading sleep experts.」って書いてあります⋯「torture」って「拷問」って意味です。こんな寝坊助にとって頼もしい説を披露しているのはオックスフォード大学のPaul Kelleyという人です。Paul Kelley氏は「the Sleep and Circadian Neuroscience Institute」に所属しているので眠りのプロ、睡眠の専門家と考えて間違いはありません。

英文だとわかりにくいので、前記の現代ビジネスの記事から引用させてもらうと、

個人差はあるものの、起床時間は青年期 (15~30歳) であれば朝9時、壮年期・中年期 (31~64歳) なら8時、高年期 (65歳以上) だと7時となっている。

つまり早起きは推奨されるものではない、ってことになります。

さらに早起きをすることは

メタボリック・シンドロームや糖尿病、高血圧、より重篤な病気であれば、心筋梗塞や脳卒中、心不全などの循環器疾患やHPA (視床下部-脳下垂体-副腎皮質) 機能不全によるうつ病などが判明しています

とも述べています。

しかし、これって因果関係が逆なんじゃないですか???

持病があって急に早起きすりゃそりゃ発作も起きますよ❗

心筋梗塞や脳卒中の発作は午前中に多発することは医学的な常識です。寝ていた状態から急に激しい運動をすれば心臓にも負担を掛けますし、早朝に外出すれば日中と比較して気温が低いために血圧が上昇することもあたりまえです。持病として高脂血症がある場合は動脈硬化が進んでいる可能性のために早朝に発作を起こすリスクも急上昇します。うつ病の場合も早めに現れる症状の睡眠障害の一つとして「早期覚醒」があります。

早起きは病気のリスクになる、って話は因果関係が逆なんじゃないですか?との素朴な疑問がわいてきます。

早寝早起きより遅寝遅起きの方が健康に良い??

Kelley医師の話をまとめると、早起きは体内時計に反する行為なので、病気の原因となりうると解釈できます。

この話を受けて前述の現代ビジネス中に日本の医師が早起きしないためのコツとして、昼以降から夜の間は時間を忘れるくらいの趣味に没頭することを推奨しています。プラモデル作りなどの趣味を例にあげていますが、坐位が長時間になればなるほど、病気になりやすく寿命が短くなるとの解釈が現在では一般的です。先日の熊本地震の被災者の方の間に発症した「エコノミー症候群」も長時間じっとしていることが原因なのですから、趣味とはいえあまりにも没頭しすぎて動かないことは様々な病気の原因であるとともにリスクを高めることにもなってしまいます。

圧倒的に睡眠時間が短い日本人としては遅寝遅起きが健康に良いとなるとどうすりゃいいのでしょうか?

世界の睡眠時間_グラフ

http://www.taiyokagaku.com/tomorrow_solution/backnumber/20130802.html

明日から早起きをしよう、って決意をした途端に緊張してしまい自然な眠りにつけず、ついに深夜3時ころにベットから起きだしてしまう私です。こりゃ間違いなく体に悪いです。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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