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【緊急告知】尿一滴だけで「がん」発見⋯この検査キットを美容室に斡旋している学会を発見❗

更新日:

線虫を使った画期的ながん診断検査法が話題となっています。

研究途上の大発見をすでにビジネス化している医学系学会を発見❗

先日、研究途上の大発見をすでに美容室限定(なんで限定なのか不明)で行われていることをブログにしました。

美容室でがん検診⁉こりゃ問題あるぞ❗追記あり

美容室でがん検診⁉こりゃ問題あるぞ❗追記あり

まだ研究・検証段階にある「線虫によるがん検査」がなぜか美容室が窓口になっているというとんでもない事案が発生しているので取り上げます。競争激しい美容室業界とはいえ、踏み込んではいけない領域があります。美容院でのガン検査のなにが問題なのか?どのような問題が発生するのか、医師が解説します。

なんとこの検査キットは本家本元の九州大学大学院理学研究院生物科学部門広津研究室は全く関わりの無いものだったのです❗マスメディアに取り上げられ今後の研究成果によっては、がん検診自体を変える可能性を持った検査方法をすでに勝手にスタートしちまっている業者というか学会と称する団体があったのです。

美容室で線虫を使ったがん検査キットを販売?委託しているのは一般社団法人国際抗加齢免疫医学学会という聞きなれない学会でした。この学会の動きに対応していると思われるコメントが本家である広津研究室のサイトの書かれています。

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https://www.hirotsulab.org/

注意! 線虫がん検査は現在研究段階であり、一般の方々は受けることができません。インターネットや美容室で似た商品が出回っているようですが、当研究室は一切関与しておりません。

「美容室」という言葉が書かれている点にご注目ください。

となると、この美容室に対して尿を検体として線虫にがんを判定させるキットを販売している業者は研究途上のものをフライング的にがんという重大な疾患に対しての診断に使用していることになります。

学会と名前がついていても必ずしも信頼度が高いわけじゃない場合もありまして⋯

ニセ医学や疑似科学をウォッチしている団体で「と学会」という団体があります。と学会は「トンデモ」という言葉の本家であり「学会」とついていますが、単なる友好団体であり社団法人ではありませんし、文部科学省の公認団体でもありません。

医学研究を行う団体、例えば私の所属する一般社団法人日本泌尿器科学会は文部科学省が主務官庁となっています。実は一般社団法人って簡単に立ち上げることができます。費用も20万円も必要ありません。法務省のサイトによれば

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http://www.moj.go.jp/MINJI/minji153.html#01

簡単に設立できるようですね、一般社団法人って。

私たちが勉強会を立ち上げるとき、学会とつけちゃうのはちょっといかがなものか的発想に基づいて「研究会」とか「医会」「医学会」とかの名称を使用するのですが、「一般社団法人なんとか学会」とネーミングされると権威のある団体と一般の方は考えてしまいがちです。

やっぱり美容室に対してキットを斡旋してるぞ❗

美容室に線虫を使ったがん診断キットを斡旋しているのは国際抗加齢免疫医学学会のようです。ある美容師さんのブログにこんな記載があります。

「癌の線虫予測キット来ました」とのタイトルの記事です。頼んでおいた国際抗加齢免疫医学学会 そこが始めている線虫による癌の発生予測その検体送付ツールが来ました~ (^^)

http://ameblo.jp/matisse-takeblog/entry-12134280231.html

広津研究室が「一切関与しておりません」とおっしゃっているのはこの団体を指しているのに間違いありません。

万が一、偽陰性だったらどうするんだ❗誤診ってことになっちゃうぞ

簡便に行える検査でスクリーニング検査と呼ばれる方法があります。疑わしいものを積極的に陽性と判断して、さらなる精査を促すものです。尿を使用して線虫によってがんを判定する検査はスクリーニング検査としての活躍が期待されています。偽陽性の場合は精査をして「やっぱりがんはありませんでした」との結果になればめでたしめでたし。

しかし、偽陰性だったらどうなるのでしょうか?自分は美容室でがんの検査キットを購入して結果として「陰性」つまりがんは見つかりませんでしたとなっても、偽陰性だったら「がんがある」ってことになります。スクリーニング検査は限りなく鋭敏であることが求めらますが、それは現実的ではありません。必ず偽陽性と偽陰性判定が出てしまうのです。

がんがあると言い切ることはできますが、がんが無いと言い切ることは現代医学をもってしても不可能なんです。

国際抗加齢免疫医学学会が斡旋している検査キットの説明書きとか同意書にそのような場合の免責事項が書かれている可能性もありますが、残念ながら現物をゲットするには至っていません。

本家は勝手に名前を使われている可能性が⋯

これも美容師さんのブログです。この画像には広津先生の名前も書かれています。

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animi-0610.com/blog/?p=545

「ヘルステスト」という名称で取り扱われていることがわかります。Yahoo!知恵袋でこんな問答を見つけました。

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https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11158678596

美容ディーラからは大っぴらにヘルステストをネットで販売しないように言われています。どうやら、医師会からの圧力みたいなものがあるみたいです。当店では、ヘルスメンバーに会員登録頂くという形で検査キットを全国に発送しております。

と回答にあるので、後ろめたい検査キットであることが美容師さん界隈では知られているんですね(医師会の圧力っていうより、医師法・医療法・薬機法の問題のような気がしますけど)。

先日のブログで線虫によるがん診断の本家であるHIROTSUバイオサイエンス及び九州大学に対して大丈夫ですか的な文章を書きました。それに対して広津研究室から「皆さんが騙されることのないよう注意喚起を行っております。美容室で臨床研究や検査をすることはあり得ません」とのコメントをいただきました。

要するに研究途上のがん診断方法をうまくちゃっかり商業ベースとしか思えない手法で美容室限定として取り扱っている輩がいるってことです。くれぐれもご注意くださいませ❗

おまけ:前掲の「美容室で癌健診が⁉」とのタイトルでブログを書かれた美容師さんはこのように解釈しているようです。

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日付から私の書いたブログの影響によってこのようなことを追記したことがうかがわれます。普通、治験や研究の検体を得るためには謝礼が支払われるか、無償協力が求められます。検体を提出する側つまり検査を受ける側がお金を支払うことがヘンであることに早く気づいていただきたいです。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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