これからは「ケミカルピーリング」をエステで行うと危険だし違法だよ❗たぶん。(その他のピーリング方法について)

スキンケア

ケミカルピーリング治療は医療機関で受けてください

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ケミカルピーリングとは一般的にはグリコール酸というサトウキビなどを主原料として抽出される液体を顔や他の皮膚に塗り、角質等を浮かしてキレイなツルツルの肌を作り出す、美容皮膚科の基本中の基本の施術です。

美容皮膚科の基本中の基本ケミカルピーリングはもう行うことができない?

ケミカルピーリングはどういうわけかエステティックサロンでも公然と行われており、人気メニューとなっています(私は健康被害さえなければ良し、との大人の対応です)。

私達医療機関であっても今後ケミカルピーリングを継続することに対して危機感を持っています

医療機関の人は知っているでしょうけど、エステティックサロンの方は多分知らない、こんな通知が昨年2016年7月1日に厚生労働省から出ています。

http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/7125/00215036/jimurennraku.pdf

この通知によって

グリコール酸及びこれを含有する製剤が劇物に指定されてたのです

まず安全と考えられているケミカルピーリングに使用するグリコール酸がなぜ劇物にしていされたことによって、エステティックサロンでケミカルピーリングを受けることはまずできなくなるはずです。

エステにとっては「ずるーい❗」と言われてしまいますけど、医療機関の場合、ある一定の条件を満たせば劇薬だって劇物だって使用することができちゃいます。

劇物を管理するにはかなり厳しい条件がありますので、それをクリアできるエステティックサロンはほとんどないのでは?

となるといまだにケミカルピーリングにグリコール酸を使用していると違法である可能性が高くなってしまいます。

原料はフルーツだから、グリコール酸は安全だよ、は神話?

ケミカルピーリングという治療法はいまではちょっと気の利いた皮膚科でも行われています。私が20年前に当院を開業した初期にケミカルピーリングを取り入れた治療を行っていることに対して「ケミカルピーリングなんてしたら皮膚が薄くなっちゃう」と批判された皮膚科の御大もいまではご自分のクリニックでケミカルピーリングを行っているくらい、皮膚科・美容皮膚科ではポピュラーな美肌メニューとなっています(もちろん、自由診療であり保険診療の対象ではありません)。

ケミカルピーリングが平然とエステでいつごろ行われだしたかの詳細なデータを持ち合わせていませんが、たぶん、医療機関がエステティックサロンを併設しだした15年位前からなんじゃないでしょうか?医療機関が別会社を設立して経営しているエステがありまして、このような形態の場合は万が一トラブルが発生しても、医師等が即対応できるため「安心」との認識をされている方も多いようです。当院は美容部と一般の保険診察はカルテも違いますし、治療をおこなうスペースも明確に分けています⋯別会社ではありませんけど。

今回グリコール酸が劇物指定となったということは、急性毒性による健康被害が発生するおそれが高い物質であり、保健衛生上の見地から規制されるべきもの、と認定されたのです(毒物及び劇物取締法 昭和25年法律第303号)。劇物や劇薬の取り扱いに慣れていないエステシャンの方は手を出さない方がよろしかろうと老婆心ながらアドバイスしておきます。

グリコール酸が劇物になった場合の医療機関の実情

当院でもグリコール酸を使ったケミカルピーリングは縮小傾向にあります。劇物指定を受けていても様々な条件をクリアしていれば使用可能ですが、ピーリング剤を配給しているメーカー自体がグリコール酸が劇物指定されたことによる管理等の問題が発生していて、できればもうグリコール酸は扱いたくない様子がアリアリなんです。

実際上、当クリニックでグリコール酸を使ったケミカルピーリングは非常にマイナーなメニューであり

美肌効果を求めるなら他のピーリング剤がありますので、今回の劇物指定によるダメージはありません

多分の美容皮膚科・皮膚科も同様だと思います(なんちゃってレベルでケミカルピーリングを行っていた医療機関のダメージは大きいでしょうけど)。

当院はこんな方法でピーリング・ケミカルピーリングを行っています⋯肌:色素沈着の治療「乳酸ピーリング」

グリコール酸を使ったエステのケミカルピーリングの将来像

今回のグリコール酸劇物指定は実は抜け道があります。通知をよく見ると「グリコール酸3.6パーセント以下を含有するものは除く」と書かれています。3.6パーセント以下の濃度のグリコール酸は劇物指定ではないのですね。しかし、医療機関少なくとも当院にあるグリコール酸の濃度で一番薄いものでも20パーセントです。

3.6パーセントのグリコール酸に果たしてピーリング効果があるのかどうか少なくとも医療機関が治療あるいは施術と呼ぶレベルでの満足感を患者さんが得ることはできません

多分、現時点でグリコール酸を使ったケミカルピーリングが行われているのなら、それは気休め程度の3.6パーセント以下のものです。

グリコール酸を含有した一般の方が購入可能なホームケアグッズや洗顔料があります。これらはもちろん劇物指定を受けるほどの濃度ではありません。私のエステに対する考え方は海外のエステのように豪華な非日常的な空間でリラックスする場所であり、脱毛や器械による痩身、あるいは光治療(IPL) などは行うべきではない、です。どうしても医療機関でこれらの治療・施術を受けると高額になるために、医療機関で使用する機器をバージョンダウンしたものがエステで使用されていますので、かなり大人の態度でエステティックサロンを取り扱っていました。

しかし、今回グリコール酸が劇物指定された経緯として、エステティックサロンなどの無認可施設で無資格者がピーリングを行って重大なトラブルでも発生したんじゃないの的な考え方もしてしまいました。まさかゴックンと飲み込んだわけじゃないでしょうけど。

じゃあ、これまでピーリングをしていた私たちはどうすればいいの?

今までグリコール酸によるケミカルピーリングをしていた人はどうすればいいのか、という疑問が出てきて当然です。ご安心ください、ピーリングといっても薬剤を使ったものから、レーザーを使ったもの、さらには物理的にピーリングする方法があるんですよ。順番に説明していきますね。まずはケミカルピーリング、もちろんグリコール酸を使用しないものです。

1:アミノ酸ピーリング

アミノ酸を溶かし込んだ液体を使用します。このアミノ酸ピーリングはニキビ菌に対して殺菌効果がありますので、ニキ

ビを合併している方におすすめです。ピーリング効果はグリコール酸より強力だと当院では認識していますが、なぜか肌の刺激感は少ないのです(当院調べ)。既存のグリコール酸ピーリングだとピリピリするなんて感じた方にオススメしています。

しかし、良い点だけではなく欠点があります。実は原料のコストがグリコール酸と比較すると高額なために、施術料金も高めになっています。なるべく努力して価格を下げる工夫をするのが経営者の責務(あっ、私のことか)です。今後アミノ酸ピーリングのファンが増えればコストダウンが可能ですので、ご興味のある方は医師または看護師・美容スタッフにお申し出くださいませ。

2:サリチル酸ピーリング

院で行なっているケミカルピーリングの中でピーリング力はダントツの一位です。ってことはそれなりに肌にダメージもあるはずと賢明なる読者及び患者さんは考えるはずです。サリチル酸を使用した薬ってあれを思い浮かべませんか?

そうです、そうですカカトのカサつきを抑えたり、魚の目をとってしまう薬、これらにサリチル酸は含まれています。

でも、カカトの皮膚がふにゃふにゃになるような感じにはピーリングではなりませんし、大昔のハリウッドスターが愛用したブルーピーリングのように、一ヶ月外出できないような事態にはなりません。まあ、いってみればケミカルピーリング上級者向けのちょっとマニアックなピーリング方法とお考えくださいませ。

気になるお値段ですが、これもちょいと高額です。しかし、一回のピーリング効果が強力なので小まめに通院できない、美容皮膚科ベテラン患者さんには愛されているケミカルピーリング法と当院では位置付けています。

レーザーを使ったピーリングもあります

顔に直接ある種のレーザーを照射しても、ピーリング効果があるのですが、当院ではよりピーリング効果を高めるために

カーボンピーリングをレーザーを使ったピーリング方法として推奨しています

実はこのカーボンピーリングって私が一番好きなピーリング方法なんです。以前はちょっと時間が空いた時にスタッフが「院長、カーボンピーリングしませんか、院長にいつまでも若くいてもらいたいですから」なんて言ってくれていたのですが、今となっては過去の話。美容部の医師もスタッフもそんな優しい言葉はかけてくれなくなりました。たまに声がかかるのは「院長、新しい治療器のデモがあるんですけど、院長の顔を実験に使っていいですか」くらいです(涙)。

このカーボンピーリングは液体状の炭を顔中に塗ります。そしてQスイッチYAGレーザーを照射します。レーザーの照射だけでも、ある程度のピーリング効果はあるのですが、カーボンピーリングの場合、毛穴にもカーボンが付着していますので、毛穴を縮小させることができちゃうのです。

レーザーはある一定の色に強く反応します、特にYAGレーザーは黒に反応しますので、毛穴中のカーボンに対して熱を加えつつ、カーボン+レーザーの力で表面の角質を吹っ飛ばします。熱が加わった毛穴は創傷治癒過程を経て縮小しますし、真皮層のコラーゲン等も刺激によって増殖します。つまり、お肌はツルツル、毛穴も目立たなくなって、顔の皮膚全体がプルプルになるんです。

このカーボンピーリングの一回の料金は顔全体で27000円ですから、月一回とかの間隔で十分なので、美容皮膚科に通い慣れた方にとってはそれほど高額ではないと思います。そうだ、私も27000円払いますから、来週にでもカーボンピーリングやってください、美容部さま。

レーザーも薬剤も使わないシルクピールというピーリング方法

世の中には薬剤を必要以上に避けたがる方がいます。また、レーザーを昔のアクション映画の殺人光線のごとく捉えている方もいます。そんな方にうってつけのピーリング方法があるんですよ。

シルクピールは肌に優しいヤスリ状のもので、ゴリゴリと肌を削ってピッカピカにします

肌を削ると言っても、皮膚の最上層にある必要のない角質だけを取り除きますから、治療後に顔が血だらけに、なんてことはありえません。このシルクピールは摩擦による熱を防ぐ意味と角質を浮き上がらせるために美容液を塗布してから施術を行います。

肌を濡らして施術するために医療機関によっては「ウエットピーリング」なんて呼び方をしているところもあります。実際に肌に当てる部分は細かいダイヤモンドでできていますので、肌に優しく角質を取り除くことができます。

痛みが気になりそうなもんですけど、「痛いよー❗」とのご意見は今のところいただいておりません(当院調べ)。このシルクピールは特に鼻の毛穴が黒ずんで目立ってしまう、なんてお悩みの方にはおすすめです。きになるお値段ですが、トライアル価格を設定しておりまして、顔は12960円です。これも頻回に行う必要はありませんので(もちろん個人差はありますし、シルクピールLOVEというヘビーユーザーもおりますが)、それほど高額なものではないと考えます。

グリコール酸ピーリングに代わるケミカルピーリング、それが乳酸ピーリングです

劇物指定となったグリコール酸ピーリングに代わるものとして、乳酸を使った乳酸ピーリングがあります。グリコール酸は原料が果実や砂糖キビが使われていたので、フルーツピーリングなんて呼び方をしていた医療機関もありました。

乳酸も乳酸菌ヨーグルトとか乳酸菌入りドリンクなどがありイメージ的には体に優しい、なんか健康に良さそうじゃない的な解釈をしていただけそうです。

乳酸ピーリングはアミノ酸ピーリング、サリチル酸ピーリングと比較して効果はマイルドです。また、グリコール酸ピーリングで刺激感を感じた方に対してもピリピリ感がないとのご指摘も受けております。分子式の構造から見ると、グリコール酸より大きいためにひょっとすると角質上層までしか到達しないのであろうと解釈しています。

そうなるとグリコール酸ピーリングより効果ないじゃん、って話にもなりかねませんが⋯いくつかの方法を当院は考えておりますので、ご安心ください。→乳酸ピーリング、試してみました❗体験レポートです

家でピーリングしたいんだけど、って方へ

毒物劇物取扱責任者の資格をお持ちじゃない方(普通、持っているわけないじゃん)は家庭内で気軽に効果的なケミカルピーリングを行うことは不可能です。となると医療機関を受診してもらうことになりますが、子育て中である、親の介護をしているなどの理由で家庭内でどうにかならないものかと、思っている方もいらっしゃるでしょうね。当院では一般の患者さんに医療機関でサプリや化粧品を売ることは、あくまで院長である私の判断で行なっておりません(理由はいくつかあるのですが)。

遠方からわざわざ私どものような町医者にいらしてくれる患者さんも多いため、ケミカルピーリングなどでピッカピカになった肌を少しでも長く保持していただくために、こんな洗顔料をおすすめしています。

この洗顔料は当院の美容担当医師が開発に参加したものであり、当院の肌に対する考え方を盛り込んだものです。グリコール酸が入っているものであり、日常使いをするには最適の濃度設定になっています。この洗顔料は面倒臭がりの私の意見も反映されていて、プッシュするだけでアワアワ状態の洗顔料が出できます。

当院では患者さん以外には販売はしておりませんのでご注文はこちらをご利用ください⋯G+コスメサイト

ケミカルピーリングや他のピーリングは美容皮膚科の入門編です。しかし「美肌はピーリングに始まりピーリングに終わる」との美容皮膚科の大家の名言があったような気がしますので、ぜひお試しくださいませ。

桑満おさむ(医師)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ(医師)への相談窓口

0120-70-5929

10:00~18:30※日曜日•祝日は休診

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