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週刊ポスト「ブラック病院の見分け方」を自己チェックしてみたら⋯。

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医師は労働者か、労働者ではないか、という問題が陰でこっそり発生しています。

病院勤務の医師に課せられた仕事量と言ったら半端無いです。そうなるとどうしても労働基準法が定めた労働時間を上回りますし、人員が少ないところでは週に複数回の当直勤務が生じます。

疲労困憊した医師が医療ミスを犯す可能性が高くなることが指摘されていますので、ある意味では病院勤務の医師を擁護するような内容の今週の週刊ポストの「あなたの命を縮めかねない『ブラック病院』の見分け方」を興味深く読ませていただきました。

ブラック病院という言葉、病院じゃないけど気をつけたい

最初に申し上げておきますが当院はクリニック(診療所)であり、病院の定義外です。でも、一般的に、病気になった→病院に行く、場合の病院はクリニックを含めた医療機関を指すと思います。ですので地元密着型の開業医として「あの先生、ミス起こしそう」と思われないためにこんなことをしてみました。

「医療ミスを起こす医師には『共通点』がある」を参考として、自分がブラック病院のミスを起こす可能性のある医師であるかを自己チェックしてみました。チェック項目は以下のようになっています。

  • 診療受付時間が12時間以上
  • 一人の医師が4つ以上の科目を兼任
  • デスクが散らかっている
  • 触診を行わない
  • 診察が二分以下
  • 看護師との会話が命令口調
  • 初診で10日分以上を処方

これらでブラック病院を見分ける、というのが週刊ポスト平成29年6月2日号(5月22日発売)の企画です。そうそう、以前「医療はブラック企業 当直明けの医師の勤務時間は連続で30時間以上です」という書いていたっけ、三年前のものです。

当院はおおむねブラック病院ではないようですが、問題が一つ

週刊ポストに書かれている項目を一つ一つ当院というか私に当てはめてみますね。

診療受付時間が12時間以上

これはクリアしました。当院の診療受付時間は午前が9:00から12:15の3時間15分、午後が2:30から6時15分の3時間15分、合計して6時間30分ですから、余裕で週刊ポストの基準をクリアしております。

一人の医師が4つ以上の科目を兼任

これもらくらくクリア。当院は泌尿器・内科・皮膚科・美容皮膚科・美容外科・形成外科を営んでいますが、自由診療が中心となる美容外科・形成外科・美容皮膚科は全く別部門であり、自由診療も殆どの日が二人医師体制です。保険診療も当院は非常勤医師(泌尿器専門医が中心)が3名おりますので、一人の医師が4科目兼任問題はクリアしています。

デスクが散らかっている

これは⋯チョット問題があるので後回しにします(汗)

触診を行わない

これは受診する科目によって一概には言えません。心療内科なんかで触診したら、それこそ大問題が発生する可能性があります。当院の場合、膀胱炎で触診はしませんし、足白鮮の場合も触診はしないで皮膚の一部を取って顕微鏡で覗く検査をしますが、それは検査であって触診ではありません。まあ、要は患者さんの訴えをしっかり聞いて、痛いという場所を触ることをしない医師は手抜き診療だよ、ってことですから、この基準もクリア。

診察が二分以下

これは当院ではありえません。約三時間の診療では診察する患者さんは平均して、25人。この場合で診療時間は平均すると7分12秒、当院の特徴として薬をその場で手渡しすることが多いので、その説明時間を含んで考えると2分診療は不可能です。なのでこのチェック項目も合格。

看護師との会話が命令口調

これはありえません。とにかく私のブログをお読みの方は、院内による私の立ち位置はよーく御存知だと思います。一言で申し上げれば「まるで養子のような態度」で看護師を含む全スタッフに指示をしています、というかお願いをしています。

初診で10日分以上を処方

これも当院という私はありえません。まあ、週刊ポストの言うところの初診の定義が明確ではなのですが、効果があるかないかわからない薬、副作用があるかもしてない薬を初めて診察したときに長期処方する医師はダメと言っていると解釈します。皮膚科で塗り薬を処方したときでさえ「一週間後に拝見させて下さい」と伝えています。なかにはこの医師は肌トラブルごときで再診料を狙っているかよ、と思う方もいる可能性は否定できませんけど(汗)

初診の正しい解釈は「初診料」について疑問というか文句を言っている患者さんへ⋯初診の定義はこれです❗をお読みくださいませ。

デスクが散らかっている、これ釈明させてください

これちょっと理由があります。物理の重要な法則として「エントロピー増大の法則」というものがあります。要するにバラバラになっているものが自然と固まることはなく、形のあるものは必ず時間の経過とともに散乱する(理系専門のオッサンのツッコミ禁止❗)ことを教えてくれる基本中の基本の物理の法則です。

このエントロピー増大の法則は私のデスクにも作用していて、診療前はこんな状態。

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しかし、診療後はこんな状態。

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不思議な事があるんです。午後の診療を迎えるときにはちゃ~んとキレイに片付いて、診察前の状態担っています。ひょっとしてエントロピーの法則は間違っているんじゃないでしょうか(笑)

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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