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カフェインの過剰摂取問題、死亡者も出ているけど安全量が不明??

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最近、一日何杯コーヒーを飲むとがんになりにくいとか、心血管系の病気になりにくいとかの疫学の論文が登場してテレビ等で取り上げられることが多くなりました。コーヒーが体に良いと考えら得ている理由の一つはポリフェノールを含むからです。

一方でコーヒーと言えばカフェインを含む食品の代表格ですが、昨今の若者はカフェイン摂取を別の形で行っています。

コーヒーは健康に良いらしいけど、カフェインの過剰摂取はNG

コンビニ等で販売されてい眠気防止の薬とかエナジードリンクからカフェインの過剰摂取が問題となっています。

栄養ドリンクとアルコールの組み合わせは危険です❗という論文があるけどねえ〜⋯。

以前こんなブログを書いたのですが、状況はかなり違うようです。徹夜で勉強、仕事で深夜まで働かなければいけないなどの理由で

カフェインを含む薬やエナジードリンクを大量に服用したために、死亡事故さえ起きています

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2017年6月13日朝日新聞朝刊

そこでカフェインの安全な摂取量を探してみたのですが⋯見当たりません、なんでだろう???

どれだけの量のカフェインを摂取すれば危険なのか?と素朴な疑問

カフェインによる眠気防止効果というかボーっとした頭をスッキリシャッキリさせるために、コーヒーを飲むことから朝が始まる、なんて感じの方も多いのではないでしょうか?私の数十年間に及ぶ医師生活で治療薬としてカフェインを使用したのを目撃したのはたったの一回です。

某歌手が薬物疑惑のときに使用していたと語っていた「安息香酸ナトリウムカフェイン」、研修医時代に麻酔の醒めが悪い患者さんに先輩医師が静注したのを目撃しただけです。

この薬の添付文書によれば最高使用量は一回0.6グラムで一日3回まで。カフェインに換算すると0.9グラム相当

コーヒー一杯を200mlと考えると含まれるカフェインは種類によっての違いはあるでしょうけど、おおよそ0.12グラム。眠気防止剤としてAmazonさんNo1のエスタルモンモカは1錠あたり0.1グラムのカフェインを含んでいます。コンビニに手軽に入手できる眠気防止の飲み物は0.1グラム程度のカフェインを含んでいて、レッドブル等に代表されるエナジードリンクは0.05グラムから0.15グラム程度ですから、極端な量を摂取しない限り安全と考えられます⋯でもねえ~カフェインに対する反応って個体差がかなり大きんだよ。

経口摂取の場合の致死量をいくつかの教科書を探してみたのですが、見当たらないのです。普通に常識的な量を摂取しない限り、生命を左右はしないとの判断なんでしょうか?あるいはコーヒーや緑茶として摂取した場合はどうみても一気に飲めるような量じゃないのでしょうか?

海外だけど純粋なカフェイン摂取による死亡例がありました

どれだけの量のカフェインなら安全で、どのくらいの量から危なかっしくなり、最終的に死に至る量が不明なカフェイン。海外のものですが、こんなFDAの記事を見つけました。

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https://blogs.fda.gov/fdavoice/index.php/2014/12/tragic-deaths-highlight-the-dangers-of-powdered-pure-caffeine/より この記事によると粉末状の純粋なカフェインを摂取した二人が亡くなっていますが

その薬剤にはスプーン一杯でコーヒー25杯分のカフェインが含まれていた

とのことです。

これをスプーン何杯服用したのかの詳細は書かれていませんが、常識的に考えてコーヒーとして摂取する量は遥かに越えていると考えます。

飲み合わせに注意する必要があるコーヒー

前掲の朝日新聞の記事によると、カフェイン中毒で救急病院に搬送された人は2011年で10人、2012年で5人、2013年で24人、2015年で37人と増加傾向にあります。統計を取り出してから残念なことに3名の方が亡くなっています。

カフェインはアルコールと一緒に摂取すると、代謝が悪くなることが知られています。また大人と比較した場合、子供特に幼児は危険性が増しますし、妊娠中・授乳中の大量摂取もリスキーだと考えられています(どれだけの量なら安全でどの量を超えると危険であるかを公的機関が明確にしたものは発見できませんでした)。また薬との併用でも気をつける必要がありそうです。

北海道脳神経疾患研究所医誌(2014 24 (1) 53-55)によれば、高血圧症の61歳の女性が毎日ジョッキ5杯分のアイスコーヒーに加えてコーラを2リットル近く飲んだら、歩行困難となった症例が報告されています。原因としてカフェインの過剰摂取による低カリウム血症性ミオパチーと診断されています。

まあ、普通に一日数杯のコーヒーを飲む分には特に注意は必要ないと考えますが、眠気防止効果を期待して薬・ドリンク剤・エナジードリンクを服用するには常識的な量で、と書いてブログを終わりたいのですが、どれだけの量を飲むと過剰摂取になり、最悪の場合は死亡することがクリアになっていないことがチョット不安ではあります。

高校生や大学生を持つ親御さんは勉強部屋にレッドブルやモンスターエナジーの空き缶が転がっている場面に遭遇したことがあるのでないでしょうか?数本なら心配ありませんが、ビン・缶の回収日に資源ごみとして出すときに恥ずかしいような量であったら注意が必要ですね。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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