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体験談「個人の感想です」が規制される理由、さすがにこれはマズイでしょ❗

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健康食品でよく見かける体験談。どう見ても怪しいのが目につきますが、とうとう消費者庁が本格的に規制に乗り出すようです⋯「健康食品の体験談広告、厳しい規制へ (http://www.foocom.net/) 」。

健康食品は医薬品ではありませんので、効果・効能を表記できないので、苦し紛れに生み出された広告手法が「体験談」。この体験談であれば盛ることができますので、行政から怒られないようにさらに生み出された広告手法が「お客様の個人的な感想です」と目につかないような小さな文字を併記することでした。

体験談広告、さすがにこれはマズイでしょ❗

医療系のサイト、特に美容系のものに対する規制も出てきていますが、これに関しては後ほど詳細を書きますね。健康関連の業種として、国とかの規制外でありつつ、一般の方は医療の一つと考えている分野があります。例えば「カイロプラクティック」「整体」「無資格マッサージ」等です。実はこの無資格医療系分野のサイトの体験談がかなりヒドイ状況になっています(言い訳ではありませんが、民間医療=インチキあるいは無資格=悪ではないと個人的には考えています)。

どんな業種でもヘンテコなことをする人は一定数いるのですが、これはさすがに⋯

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http://www.yawaragi-chiro.jp/14493190058217

「これはさすがに」の理由はこのお客様のビフォーアフター・使用前使用後の写真ってめちゃくちゃ使われてるじゃん❗だからなんです。ほら⋯

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ある商品を販売していて各店舗が代表的な症例写真?を「お客様の体験談」として使用することは、ありかもしれません。しかし、これは物販ではなく、技術・施術方法であり、どう見ても各民間医療施設が自分の施設の症例写真?として使用しています。

友達に効果があったとしても、それがあなたに適した治療とは言えないんだよ❗

薬は基礎研究から始まり、動物実験、少数での治験、大規模な治験を経て初めて商品化されます。また市販後調査と呼ばれるデータの蓄積によって想定外の副作用などの安全性が担保されています。

もちろん治験の段階で効果がありそうだけど、実際大掛かりな治験を行ったら効果がなかった、なんてこともしばしばあります。健康食品でも大手は治験に似たようなことを行っています。が、これには莫大な資金が必要なため大手にしかできません。ですのでマイナーな小規模な会社だとどうしても「お客様の体験談」「お客様の声」に頼らざる得ないのです。

健康食品、サプリメント、機能性食品で友達がダイエット効果があったとしても、それは薬のような厳しい関門を通過したものではないので友達に効果があったから自分にも効果があるとはかぎらないという点に注意しないといけません。

たとえ特保であったとしても、著しい効果を発揮するのであればなぜ薬にしないのか?そんなことを考える必要もありますね。例えば資金豊富な製薬会社が健康食品を販売していたとします。それって本当はおかしいと思いませんか?その健康食品や機能性食品、特保で販売するよりも、薬をして販売した方がはるかに利益が出ると思うんですけど。

ビフォーアフター、あるいはお客様の体験談、お前のとこもやってんじゃんとのご指摘に対して

耳つぼダイエットのビフォーアフター症例写真?はどこのものが一次ソースなのかは判明しませんが、前述のように多くの施設で使い回しされています。

当院の美容専門サイトでも、体験談は間違いなく当院の患者さん、あるいはスタッフの感想です。また多くのビフォーアフター写真も当院の治療実績なのですが、新機種の美容系機器を導入した時はそのメーカーが持っている他院の症例を使用することは正直言ってあります。しかし、その写真のコメントとして「先生に感謝します」とか「五本木クリニックで治療してよかったです」なんてコメントは添えません。

美容業界の広告は以前から厳しく監視されていることを十分承知していますし、今まではサイトにおける記述は広告としては見なされていませんでしたが、今後はサイト内といえども、無責任な表現は規制されだしています⋯厚生労働省「医療機関のホームページの内容の適切なあり方に関する指針」にはこんな記述があります。

撮影条件や被写体の状態を変えるなどして撮影した術前術後の写真等をホームページに掲載し、その効果・有効性を強調することは、国民・患者を誤認させ、不当に誘引するおそれがあることから、そうした写真等については内容が誇大なものとして取り扱うべきであること。また、あたかも効果があるかのように見せるため加工・修正した術前術後の写真等については、上記(1)の虚偽の内容に該当し、医療法以外の法令で規制され得るものであること

厚生労働省

当然これらはインチキなので規制されるべきことです。

この症例写真は私がモデルであり、加工等は一切しておりませんので、行政から指導を受けることは無いと確信しています。

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サイト内でこんなことやっていると本当に信用を失いますよ

例として挙げた治療院の症例写真がなぜ多数の施設で使用されていることに私が気がついたか?と考えた方もいらっしゃるでしょう、その理由は単純な話なんです。当院の患者さんがここでカイロプラクティック受けて、それなりの効果を感じたとおっしゃったのでサイトを見てみた、ってだけの話(この患者さんはダイエットの施術は受けていません)。

そしてサイト内をウロウロしていたら、衝撃的なダイエット効果を表現したビフォーアフター写真を見つけてしまった、ってことです。以前、耳つぼダイエットや骨盤矯正の効果や(「骨盤は歪むVS骨盤は歪まない」論争は用語の解釈違いが原因です❗)小顔にするという顔痩せと称する施術の検証を試みたことがあり、この写真を他のサイトで見かけた気がしたから、Googleの画像検索をしたのです(彼ら彼女らにとっては、悪魔のようなGoogle先生)。

小顔矯正の代名詞「コルギ(骨気)」はニセ医学。マッサージで小顔にはなれません。

小顔矯正の代名詞「コルギ(骨気)」はニセ医学。マッサージで小顔にはなれません。

マッサージや美容鍼で顔のむくみをとって一時的に小顔に見せることは可能です。骨は変化していないので顔が小さくなっているわけではなく、あくまで皮膚のたるみ・むくみをスッキリさせることで見た目が変わる程度の話です。ですが、あたかも骨を矯正して小顔にするといったニセ医学情報が蔓延しており、騙されてしまう人がいます。

骨盤は「歪む」vs「歪まない」論争は用語の解釈違いが原因

骨盤は「歪む」vs「歪まない」論争は用語の解釈違いが原因

体の不調は身体の歪みからという東洋医学や漢方にありがちな一元論は、わかりやすいのですが、根拠はありません。骨盤矯正という4文字熟語が街中に溢れかえっていますが、骨盤が歪むという表現について考えてみましょう。誰もが自分は姿勢が悪いと思っています。当たり前です。左右対称な体の人は存在しません。内蔵は左右対称でしょうか?

エビデンスがあるかどうかは明らかでは無いカイロプラクティックでお客様の声レベルであったとしても、それなりの評価を受けているのですから、このような使い回しと思われる画像は使用するべきでは無いのでは、と老婆心ながら余計なお世話をしちゃいました。もし、これがそこでの症例であるならば、他の施設に猛抗議をするべきですよ❗

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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