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人間ドック受けていますか? その3 内視鏡での異変が発見されちゃったよ〜。

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人間ドック体験レポート第3弾です。

既に当方が医師であることは職員周知のこととなっていました。胃カメラは今まで何回も受けたことがありますので、看護師さんの「先生は寝たまま検査しますか?それとも安定剤にしますか?」の問いかけに対しても「アウェイク(起きたまま)の方が自分でも確認できるので」と偉そうなことをいって、意識のある状態で検査を受けることにしました。

慣れたものです胃カメラは

実は胃カメラにしても大腸ファイバーにしても睡眠薬系麻酔剤を使用しての検査はあまりお勧めできません。

なぜなら、麻酔が掛かっている状態では万が一のトラブルを医師に伝えられないからです。

実は確率的には低いのですが、大腸ファイバーの検査時に無理にファイバーを通そうとすると、腸に穴が開いてしまいます。しかし、麻酔下だと検査を受けている側は異常な痛みを医師に告げることができず、気が付いたら開腹手術後のベットの上、ということが水面下ですが実際には起きています。

麻酔科で検査すると悪徳医師にかかると不正請求をされることも

麻酔下でポリープが発見され切除をすると保険請求上はポリープ切除+病理検査として診察料が必要になります。実際にあった悪徳医の場合「がんの内視鏡手術」として請求しちゃいます。診察料は数倍になってしまいます。

しかし、通常内視鏡の検査をする場合は事前に「もしも疑わしい所見があったらそのまま切除しますが、よろしいでしょうか」とお伺いをされます。この期に及んでそれを拒否することは難しいと思われます。今回は人間ドックであって⋯つまり異常があるので検査をしているわけではないのでその様なことは起きません。しかし、単純なポリープ切除をがんの内視鏡による手術として保険請求をした医師が医師免許をはく奪されたことは以前新聞に載っていました。

睡眠薬系の薬を使用した場合、万が一のトラブルに対応できるか

睡眠薬系の薬を使用しての起きうるトラブルとして、呼吸抑制があります。麻酔薬は呼吸機能に影響を及ぼし、簡単にいえばあまりにも麻酔が効いた状態だと、脳が呼吸することさえも忘れてしまう状態になります。この人間ドックのように毎日十人以上の検査を行っている施設では低い確率で起こるトラブルも数をこなすことによって引き起こされるものです。万が一のトラブルに対する準備も十分に整っていました。

一方週に数回しか麻酔下での内視鏡検査を行っていない施設では「まさか自分の施設で重大なトラブルは起こらないであろう」と思い込んでいるのも事実です。対処する機器もないでしょうし、まさか起こりはしないとたかをくくっているスタッフの心構えも問題になます。

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異常も発見されず胃カメラは順調に終了しました

いよいよ大腸ファイバーです。

実は大腸の内視鏡、大腸ファイバーを受けるのは私は初めてです。少し、緊張気味でしたが安定剤を使用している為か、担当に医師や看護師さんの優しいムードの為か安心して、開始しました。そこで、先生が「何個かポリープがありますが、切除しますね!」と私にささやきました。

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私の問診票をみて「桑満先生、高脂血症のためにロトリガ飲んでいますね。この薬は血が止まりにくくなるので、ポリープ切除は薬を中止してからにしましょう」

常用薬があだになって、ポリープ切除は断念

大腸がんは年々増加傾向がある疾患です。一般にはまず検便をして血液が混じっていないかを判定して、潜血が認められると大腸の内視鏡、大腸ファイバースコープでの検査を受けることになります。私は前もって大腸ファイバーを申し込んでいましたので、検便はパスしました。

colon cancer 2

https://www.health.harvard.edu/diseases-and-conditions/they-found-colon-polyps-now-what

これが大腸ポリープ、右に行くほど悪性、つまり大腸がんです。

血液サラサラにするおしゃれなメタボ改善薬「ロトリガ」と以前ブログに書きましたが、出血傾向を示すほどの効果はありません。私が問題ない薬であることを呂律の回らない、ボヤっとした頭で伝えると検査室は大騒ぎになってしまいました。

健診センターの所長までやってきて「ここは人間ドックである。すこしでもリスクのあることはやらない方針である」と聞き分けのない子供を諭すような言葉で私は説得されました。

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ロトリガはDHA・EPAを主成分にした高脂血症改善薬ですが、脳梗塞や心房細動の患者さんに使用する抗凝固剤のように強力に出血を促す薬ではありません。しかし、お尻丸出し、安定剤で呂律回らない、オッサン医師の説得力は酔っ払い運転のオッサンが警察官に抗議しているくらの効力しか発揮しませんでした。センターの所長、担当医師、補助の看護師、騒ぎを聞いて駆け付けた複数名の若い可愛い看護師さんに半ケツを晒しながら私は「じゃあ、次回薬を止めた状態でおねがいしまーしゅ」と呂律の回らない口調で告げました。

健診センターの皆様、ご迷惑をおかけしました。スイマセンでした!

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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