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アンジェリーナ・ジョリーの乳房の次は前立腺切除!予防医学の未来予想

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私が子供の時は数十年後のがんという病気は克服しているでしょう、と予想されていました。でも、克服というレベルまでは未到達ですね。がんの治療は手術、放射線、抗がん剤が主なものですが、子宮頸がんワクチンの啓蒙運動等によって予防という視点からの克服?が世界の医学の大きな流れとなっています。

世界の流れは予防医学

肺がんにならない為に禁煙しましょう、にはじまって胃がん発症のリスクを減らすためにピロリ菌を除菌しましょう、次は遺伝子で発症のリスクがあるので有名女優が乳腺の切除に踏み切って大々的に報道されるとともに、賛否両論が沸き起こっていました。さらに、英国で前立腺がんの発症リスクが高い男性が発病前に前立腺を世界で初めて切除したとの報道が英国タイムズ紙であり、今後の医学の発展はどうなっていくのかと多くの方が考えたのではないでしょうか?

さらに国を挙げての病気にならないようにしましょう、との啓蒙活動で医療をビジネスと捉える方々にはこんな風に解釈されています。

将来にわたって病気を未然に防ぐためには会社をあげて予防医学を取り入れていきましょう、それが社会保険費の企業側の負担が減ることにもつながりますよ、ということです。

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統計学的にとらえると

統計学的に医学データを解釈すると、女優の場合も前立腺の男性の場合もとった行動は正しいものとされます。しかし、統計学と確率論をよくよく考えてみると医学的に100%間違いないことは「人間はどの時点かで必ず死ぬ」ということです。これは確率的にも100%であることは、どんなに数字に弱い方でも理解できる話だと思います。

でも、例えばあなたが「将来〇〇がんが発症する確率は85%で、それによって5年後に生きている確率は55%です。」なんて言い方を医師からされたら理解できますか?理解するまえに判断できますか?

医師側は統計と確率で患者さんに将来の見通しを当然伝えるべきですが、患者さん一個人としては0%か100%かにしか当てはまらないのですよ。つまりall or nothing ということです。

治療する医学から予防する医学に

予防医学をワクチンという人類の輝かしい発明を中心に考えてみます。世界中に蔓延していた天然痘が絶滅されたことは人類が一つの病魔を克服した歴史的勝利です。予防接種に使用されるワクチンの開発は昔の日本人が猛烈な仕事振りに裏付けられたものでした。しかし、日本のワクチンビジネスは明らかに世界から置いてきぼり状態になっています。

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海外の巨大製薬会社に対抗するために必死

頑張れニッポン状態です。

ワクチンの問題点

遺伝子によってどのような病気が発症する可能性があるかを予測することはできます。しかし、高額な医療費が発生します。また、今後起きるであろうリスクを回避するために、治療をすることはピロリ菌の除菌でさえ医療費が高額になると言われているので、ましてや乳房切除や前立腺除去を行うことを国の保険で賄うのはいかがなものか、という意見が大多数と思われます。

今回の女優の切除についても乳癌になりやすい欧米人の間でも「お金持ちはいいよね」的な捉え方もされています。世界中に普及すれば生産量が増えるために安価になるのは経済原則ですので、期待できます。しかし、現状は子宮頸がんワクチンは国が負担するとしてもかなり高額な薬だったので、補助が無い時点では価格面から断念していた方も多かったのが実情です。

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製薬会社にとっては有望な市場です

となると開発途上国の方はワクチンによる予防医学の恩恵を享受するのはかなり未来になってしまいます。国民皆保険制度を取っている日本で生まれ育って感謝するとともに、世界中の人々がその利点を享受することを日本から発信しよう、と意気込んでいても超先進国である米国が貧富差によって受けられる医療にかなりの格差が生じていますし、世界人類の20パーセント以上を占める中国の医療制度自体が不透明ですので⋯。途上国の人々は厳しい状況だと予測されます。

日本においてはメタボ啓蒙で心血管系によっての死亡リスクが減少して、予防医学、早期発見によってがんでの死亡リスクがへるとなると、将来死亡原因の上位は老衰死か不慮の事故による死亡になっていくのでしょうか?それもなんだか不自然な気がするのは私だけかな。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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