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あなたの高血圧の原因、ひょっとしたら飲んでいる薬のせいかも?!

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先日、海外の料理番組を見ていたら大量に使用する塩の量に驚いてしまいました。イタリアン中心の料理番組だったのですが、「ここで塩をひとつまみ」なんて良いながら、明らかに大きく開いた片手で思いっきり塩を握りしめて材料の入った鍋に放り入れていました。

薬にも高血圧の原因物質ナトリウムが入っている

塩をひとつまみでなく、一握り投入するシーンは、日本人ならびっくり仰天ですが、米国で一番使用される高血圧の薬が体内から塩分をおしっこと共に排泄させる利尿剤系であると言われているのも、なるほどと納得してしまいました。

日本では以前より「日本人は漬物とか醤油とかお味噌汁とかで塩分を取りすぎ」と言うことで血圧が高くなるのは食生活自体に問題があると言うことで厚生労働省や高血圧学会の指導で一日の塩分は6グラムまでにしましょう!とされています。実際に多くの日本人は一日のその倍ちかくの11から12グラム塩分を摂っているから、半分にしましょうとい言うことです。高血圧と診断された場合まず最初に行なわれるのは「塩分制限」です。数ヶ月塩分制限をしても思ったように血圧が下がらないと判断されてから、初めて降圧剤を処方することになっています。もちろん体重オーバーの場合は適切な運動と減量の指示も同時にありますね。ところが塩分って食べ物だけでなく、飲み物にも入っていますが非常に注意深い医師でも薬に入っている塩分までは気がついていないのが実情ではないでしょうか?

なんでそんなことを思いついたかというと、人気歌手が変な薬を使用しているところをビデオか写真に撮られて脅された?事件が最近ありました。その時使用していた薬が「安息香酸ナトリウムカフェイン」というものですが、「ナトリウム」と言う言葉が入っていますので、当然塩分を取ったのと同じことになります。

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もともと血圧は心臓が体の隅々まで酸素と栄養分を送り込む為に必要なポンプの力です。人間は猿から進化するときに、二本足歩行を選択しました、つまり直立歩行です。当然、脳は心臓より高い場所に位置することになりますので、四つ足で歩いていた時より圧を高めないとならなくなります。人類が直立歩行を選択した時より高血圧になることは決められた運命だったのです。

調べてみました、薬に含まれる塩分を。

具体的な薬剤名は混乱を招きますので避けて述べて参ります。消炎鎮痛剤として多用される薬ですが、これは処方薬としてもインフルエンザ脳症を起こさないようにインフルエンザが疑われる時には積極的に使用される薬であり、市販薬としても販売されていますので身近な薬と言えるのではないでしょうか?製剤によって含まれるナトリウムの量は違ってきますが、中には一日に飲んで良い量の限界まで飲むと高血圧学会が推奨する適切な塩分量を超えてしまうものもありました❗みなさまが気軽に飲むことが多いと予想される「胃薬」、これもナトリウムが含まれているものがほとんどなのです。人の悪い私ですので、当然「高血圧」の薬も調べましたよ。入っていました、入っていました、しっかりとナトリウムが。残念ながら医師が使用する処方薬であっても主成分は何ミリグラムと表示されているのですが、添加物扱いのナトリウムは香料と一緒で含有量が表示されていません。

私と同じような疑問をもった人が海外にもいました。「Association between cardiovascular events and sodium-containing effervescent, dispersible, and soluble drugs: nested case-control study.」(BMJ. 2013 Nov 26;347:f6954.)という題名となっていて薬を飲み易くするために「溶解剤」にしたり、胃薬で使用される「発泡剤」などの剤形にする為にナトリウムが使用されていて、その量が私が調べたのと同じように服用する量によっては一日に推奨される塩分量を遥かにオーバーしてしまうということが報告されています。さらに此の様な剤形で処方されている患者さんは、飲みにくい剤形のものを服用している人と比較して高血圧のリスクが7倍❗にも達するのです。命に直接関わる心血管系のトラブルももちろんナトリウムを含む薬剤を服用していた人の方が高かったのです。

薬に含まれるナトリウム

主治医に聞いてみよう!薬の塩分量を

医療業界が病気自体を作っているという「医療業界陰謀論」を持っていて医療に対して不信感を抱いているだけではなく、そのような噂を振りまいている人が多く見られます。その方々が明らかに間違っている主張をされてる場合は、私は微力ながらこのブログを通じて反論を行なってきました。しかし、自分で気づいたことをよくよく調べたら今回の「高血圧の薬にも高血圧の原因のナトリウムが含まれてんじゃん」という事実に驚きました。

高血圧の薬にナトリウムが含まれている

さらに海外ではしっかりとした論文になっているのですから、高血圧患者さんに対して「塩分を控えてくださいね!」と指導している医療関係者はこの辺りの問題に関する見解を持たないと「医療業界性悪説」の患者さんに対抗することは難しいと思います。

皆さんもかかりつけの医師に高血圧と診断されたら、「処方されている薬全部でナトリウムは塩分換算したら何グラムですか?」と質問してみてください。多分、その医療関係者は調べるのに数日は必要となると思います。だって処方薬でも含まれる塩分って表示されていないんですから❗

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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