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炎上中❗トンデモ発言を繰り返すニセ医学の伝導者、武田邦彦先生を無理やり庇ってみました。追記あり

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大学教授であってもトンデモさんはいます。武田邦彦教授はいままでも数々のヘンテコリンな発言を繰り返してきました。

トンデモ武田教授、逆張り商法とも呼ばれる常識に反する言質、どのあたりが明らかに間違っているかを「喫煙は肺がんとは関係なし」説を例に説明してみます。最初は逆張りの逆張りで武田教授のトンデモ説を庇ってみようと試みたのですが⋯。

喫煙する男性が減った結果、肺がんで死亡する人が急増⁉

医学データに対して積極的な風変わりな発言を繰り返す、武田邦彦先生ですが、先日「たばこ無害説」的な発言(以前からの主張ではありますが)をテレビで放送しちゃったために、ネット上で大炎上しています。福島原発の時も「科学の専門家」の立場から、スタンダードではない発言をご披露していた記憶があります。

しかし、健康問題に医学の専門家ではないので武田邦彦先生は口出しするな❗的な発言・意見もありますが、これはいけません。寺田寅彦は物理学者でしたが、随筆の名人であり、「キリンの斑論争」に参加して話をある程度まとめています。医学の専門家ではないので、武田氏が疫学について解説をするのはいけない、というのは逆に言えば医師ならトンデモ理論を振りかざしても、批判されにくいという風潮を増長させかねません。そこでなぜ武田邦彦先生は理系であるにも関わらず、医学データ・疫学データを間違って解釈しているのか、を検討してみます。

専門家曰く「男性の喫煙率が下がった結果、肺がんで亡くなる人がぐんぐん増加しています」。で、その専門家って誰よ__で始まる「また武田邦彦氏か」的な顛末_-_【ネタ倉庫】ライトニング・ストレージ

http://www.jgnn.net/ls/2015/08/post-11751.html#PLlftyI.twitter_tweet_count_m

武田先生がやらかしちまった、グラフです。

むかって左の縦軸が0から始まっていません、このようなグラフは一見して怪しいと考えてください。

喫煙者が減ると、肺がん死亡者が増加する、ちょっとした知識があれば起こり得ない間違った解釈

医師でも (もちろん理系なのに) 疫学データを間違って解釈して有名になった近藤誠先生のような方もいます。疫学データ、つまり生活習慣や社会環境と病気の関連を調べた学問の解釈はかなり難しいというか、どうとでも取れる操作も可能です。確率論の専門家から見ると疫学データは笑っちゃうほど突っ込みどころ満載のようです。今回の武田先生の喫煙と肺がんは関係ないじゃん❗逆に禁煙で肺がんが増えてる❗は、一見すると尤もらしく見える、でもちょっとした知識があれば間違いとわかるものです。

タバコを吸い始めてすぐに肺がんにはならないという医師でなくても常識的な知識があれば、先生の提示したグラフに惑わされることはないのです。がん細胞は最初は何かのきっかけで出来ても、発病あるは発見されるまでのは長時間増殖を続けなければいけません。喫煙を始めてすぐにがん細胞が生まれてもそれを「肺がん」と認識されるまでに10年以上の歳月が必要となります。となると、スタンダードな医学的解釈として肺がんとして発病するまでは30年程度必要と考えらていますので、喫煙者が減ってから肺がんで死亡する人が減少するためには30年程度の経過を観察する必要があります。

武田先生がテレビで出したグラフは2005年位までのものですから、その時点までに肺がんになっていた人は30年程度前から喫煙していた人と考えられます。武田先生は原子力問題・地球温暖化問題など多方面に対してトンデモ的な理論を持っていますので、多忙により一つの思い込みでご自分の理論が正しいと考えると他の意見あるいはデータの見直しをする時間が確保できていないのでしょうね。

喫煙率と死亡者数を比較する⋯データの比較としてこれは間違いやすいですけど

武田先生は温暖化などの長期の観察が必要なものにコメントをすることがお好きです(専門外でも持論を述べるのは間違った行為ではありません)。しかし、科学者、特に物理学者は比較する場合単位を重要視します。

極端な例を考えれば理解しやすいです。例えば100人が100パーセント喫煙をしていて、その内50人が肺がんになって全員死亡したとします。この場合、喫煙率100パーセント、肺がん死亡率50パーセント、肺がん死亡者50人になりますよね。もう一つの例として、200人の中で100人が喫煙して、その内100人が肺がんで死亡したとしましょう。仮に非喫煙者の中で肺がんで死亡した人が0人とします。喫煙率は50パーセント、肺がんで死亡した人は100人ということです(喫煙者の肺がん死亡率は増加しいても)。

この場合、全体の喫煙率は下がっても死亡者数は変化しません。率と数を比較してはいけないのです。

2005年頃から肺がんになりやすい65歳以上の人口はグングン増加していますので、当然喫煙しようがしまいが、肺がんで亡くなる方が増えて当然なのです。

統計局ホームページ_平成25年_統計トピックスNo_72_統計からみた我が国の高齢者(65歳以上)-「敬老の日」にちなんで-_I 高齢者の人口

http://www.stat.go.jp/data/topics/topi721.html

総務省統計局のデータによれば65歳以上に人はこんな感じで右肩上がりで増加していますし、増加します。

喫煙率と肺ガンの死亡者数を同じグラフ上に記載することは、このグラフと同じようなことをやっているわけです。

Spurious_Correlations

http://www.tylervigen.com/spurious-correlations

これは極端な例ですが、メイン州の離婚率とマーガリンの消費量です⋯全く関係のないことでもグラフにするともっともらしい関係があるように見えてしまいます。

◎追記 ブログアップ後、例えの数字をよりわかりやすく訂正しました。2015年8月22日10時35分

武田先生を庇おうと思ったんですが⋯

今回の番組とは違いますが、武田先生のCSの番組がありますが、共演者の人々は高山正之氏、堤堯氏、宮脇淳子氏などのやや偏りがある個性的かつ鋭い視点をもった方が多数参加しているので、私は武田先生を庇おうと試みました。しかし、数字やグラフの読み取り方が間違っているのでかばいきれません。今までの武田邦彦先生の地球温暖化や原発事故に関する発言を分析しますと「天邪鬼」「周知の事実と反対方向」「間違った思い込みのネタを長期に渡って披露する」という傾向があります。トンデモ系というより、世の中の人がメディアの情報を単純に信じ込んでいることに対する危機感を持ってあえて常識に対するアンチテーゼをぶち上げているのですね。つまり、メディアを簡単に信じてはいけないよ❗とご自分が犠牲になって示してくれているんです(かなり苦しい)。

故意にデータを捻じ曲げて解釈して披露していたのなら、悪質です。

2019年3月1日追記 またもやこんなことを⋯絶句。

医療に関して、またまた武田邦彦教授が根拠のないトンデモ話を拡散⁉

医療に関して、またまた武田邦彦教授が根拠のないトンデモ話を拡散⁉

メディアへの出演の多い武田邦彦さんは工学部出身の理系、材料工学・環境問題に詳しい「科学者」ですが、専門外である医療問題でも情報発信が多く、残念ながら医師から見るとおかしな点がちらほら見受けられます。情報は受け取り手次第ではありますが判断材料になるよう医師として情報発信します。

武田邦彦教授、妄想に域に達した模様です。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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