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食品ジャーナリスト達は「コンビニおでん」いじめが旬のようです。でも根拠は間違いだらけだよ❗

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食品ジャーナリスト、食育評論家、フードプロディーサー等の名前で活躍している皆さんがいらっしゃいます。食についての正しい情報を読者に伝えるのが仕事と考えていたのですが、中には妙な恐怖心を煽る方も目についてしまいます。

どうもヤマザキパンがカビないのは食品添加物が盛りだくさんだから、との理由で難癖をつけたのも同じ流派の方々と予想されます。

食品ジャーナリストの矛先はコンビニのおでん

季節もおでんが似合うようになると、今度の難癖の矛先は「コンビニおでん」に向かっています。おでん屋さんに入ったことがなくても、コンビニのおでんは食べたことはある方も多いのではないでしょうか?

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http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/special/20091126/1030403/?rt=nocnt

彼ら添加物怖い怖いさんたちは以下のような根拠をあげて批判し消費者の恐怖感を煽っています。

  • コンビニおでんは添加物の表示義務がない
  • コンビニのHPでもおでんの具の原材料が表示されていない
  • コンビニおでんは具だけでなく出汁も添加物だらけ
まずは食品ジャーナリストの郡司和夫さんの記事を発見しました。 『コンビニおでんは超危険!絶対に食べてはいけない!具がずっと汁に浮いている異常さ』 そのあと同じ媒体で フードプロディーサーの南清貴さんの記事で 『コンビニおでんは超危険!がんや記憶力低下の恐れ 危ない添加物を非表示で大量使用!』 ほとんど同時期にビジネスジャーナルというサイトに掲載されていました。さすが食のプロで季節の旬に合わせたネタを取り上げています。 南さんは フードプロデューサーさま、ニセ医学系の健康に関する異説を唱えるなら、せめて1次ソースを調べてからにしてくださいませ。 で検討を加えましたので、今回は郡司さんの記事を例にして、彼らの主張が医学的・科学的に妥当なものなのか、検討してみますね。

やっぱり伝聞系、一次ソース不明の独特の手法でした

ブログで一般の方の勘違いに対して非難することはしないお約束ですので、今回は食品ジャーナリストと名乗っている郡司さんの記事を参考に「添加物はなんでも怖い派」の記事を参考にさせていただきます。なお、カビないヤマザキパンも郡司さんが拡散していました。以前はシックハウス系の本を書かれていますましたが、今は食品ジャーナリストと名乗っています。 「コンビニおでんは超危険!絶対に食べてはいけない!具ばずっと汁に浮いている異常さ」とのタイトルでビジネスジャーナルに掲載されていた記事に検討を加えます (http://biz-journal.jp/2015/11/post_12308.html) 。

コンビニおでんの真の美味しさは食品添加物の巧妙な使い方にある

まず、食品添加物ってかなり曖昧なもので定義としては「食品の製造の過程において又は食品の加工もしくは保存の目的で,食品に添加,混和,湿潤その他の方法によって使用するものをいう」と食品衛生法第2条に書かれています。 郡司和夫さんの記事によると、三陸海岸にある老舗の練り物メーカーの社長はコンビニのおでんとして自社製品を納品するためには出汁の中で8時間浮いていることが条件とされたそうです(あくまで聞き取った情報で一次ソースを確認する手段が第三者にはありません)。社長は解決策として同業者は「リン酸塩とソルビットをたくさん使えば良い」とアドバイスを受けたそうです(お得意の伝聞系)。この話を受けて食品ジャーナリストの郡司さんは

大半のすり身は船上でつくられます。その際、品質保持や増量のためにリン酸塩やソルビットが添加されますが、使用した食品には影響が出ないということで添加物の表示は免除されます。

とお書きになっていますが、これ変です。

この食品ジャーナリストさんはソルビットとソルビン酸の違いが判っていない❗

このような事実が発覚してしまいました。似た名前だとしても医療関係者が腎臓と心臓を間違うレベルです。郡司さんはソルビットを保存剤あるいは増量剤と認識していますが、ソルビットってもともと海藻や果物などの自然の食べ物に含まれています。食品の甘みを出すために加工食品ではよく使用される添加物です。

食品ジャーナリストとして書きたかったのは「ソルビン酸、あるはソルビン酸カリウム」なんじゃないでしょうか?

多くの読者がいると思われるビジネスジャーナルですから、一人や二人この間違いに気づいて連絡しなかったでしょうか? 私ごときのブログでもうっかりミスがあった場合は読んでくれた方が即日間違いを指摘してくれます(誤字脱字は時々無視しちゃいけど)、ので訂正あるいは追記で間違った情報を修正しています。ソルビン酸あるいはソルビン酸カリウムは彼らの大っ嫌いな「保存料」ですから、間違いなくこっちを攻撃したかったはずです。

家庭のおでんは具が沈むけど、コンビニおでんは沈まない、だから超危険⁉

沈むから安全、沈まないから危険てって、それ中世の魔女の裁判じゃないんだから(笑)。スーパーなどで買った袋詰めおでんセットは時間とともに出汁を吸い込んで鍋の底に沈みます。コンビニのおでんは浮いているので添加物がたっぷり含まれている、と記事からは読み取れます。

普通は最初から重いものは沈み、軽いものは浮きます(出汁と具の比重の関係)。家庭内でおでんを作ってみても、翌朝お鍋の中はずっしり重い練り物は当然沈んでいますし、たっぷり空気を吸ったふわふわはんぺんは出汁をたっぷり吸い込んでも浮いていますけど、普通。これを証明するにはダブルブラインドなど厳密な精査は必要ありません、多分。ご家庭で皆さんが実際におでんの具をスーパーで買ってきて試してみればいいんです。

出汁についても添加物たっぷり、だから「コンビニおでんは食べていけない食品の最右翼です」(前述ビジネスジャーナル中の記事より)と化学調味料が入っている件と合わせて記事は終わっています。食品ジャーナリストなら、なぜコンビニのおでんが浮いているのかの根拠あるいは原因をご自分が調査して科学的に読者に伝えるべきなんじゃないでしょうか?

ひょっとしてコンビニおでんの出汁って家庭で作るおでんの出汁よりヘルシーで塩分が少なく、比重が軽いおでんの具でさえ沈んでしまう可能性もあるかも、って中学レベルの理科の知識でも当然出てくる疑問です。そんな素朴な疑問さえ持たなかったのですかね〜。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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