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ニセ医学に手を出しちゃった「イケダハヤト」さんの弁明が間違っている理由。

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一般的に有名かどうかは定かではありませんが、ネット上では有名人である「イケダハヤト」さんがホメオパシーに使われるレメディのアフィリエイトを行なったことが、先日話題になりました。

しっかり死亡者が出ていますよ、ホメオパシーで

有名ブロガー「イケダハヤト」さんが、ついにホメオパシー信者になっちゃった⁉

批判的なネット利用者に対してイケダハヤトさんは「ネット民はホメオパシーに親でも殺されたの?イケダハヤトの代替医療に対するスタンス。」と題するブログを追加して述べています(魚拓 http://megalodon.jp/2016-1014-0811-47/www.ikedahayato.com/20161014/66439649.html)。

でもね〜、ホメオパシーでしっかりと死亡者は出ています❗

イケダさんのブログって生理的に合わないので、詳しく読んだことはないのですが、高知で生活を送りながら、ネットを使えば情報不足にもならないし、十分に生活費も稼げるからこそ、ブログのタイトルを「まだ東京で消耗しているの?」と題したと考えます。ホメオパシーによって治るものも治らないばかりでなはく、死亡者さえ出ている情報は高知で隠遁生活?を送っているので知らなかったのでしょうか?

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http://this.kiji.is/159860869617827849

ホメオパシーという、完璧ニセ医学の病気を治すためのグッズを紹介していながら、親でも殺されたの?はあまりにも無責任です。少なくとも日本では子供が亡くなっている有名な事件があるじゃないのよ(山口新生児ビタミンK欠乏性出血症死亡事故)。

ホメオパシーは効果もないから、副作用もない、だから問題ないんじゃないは大間違いだよ

ホメオパシーは地球上の海全体に一滴の有効成分と考える物質を混ぜ込んだくらいに薄めた「レメディ」と呼ばれる薬(本当は薬じゃない)が効果を発揮する、というトンデモ系の理論を持った民間治療です。

中には毒にも薬にもならないから、ホメオパスさんなんかほっとけ的な意見も見受けられますがホメオパシー治療は生命の維持に必要なものを与えないことにもなります❗そんなホメオパシー信奉者の助産婦さんが引き起こした事故が山口新生児ビタミンK欠乏性出血事故なんです(詳細はリンクしたウィキをご覧ください)。毒にも薬にもならないホメオパシーですが、絶対的にビタミンKを必要としている新生児に大海の一滴方式のレメディを与えたら、欠乏症で死亡するのは当然の成り行きです。

さらに効果がないだけじゃなくて、害もあることがFDAによって勧告されています。

press_announcements___fda_advises_consumers_not_to_use_certain_zicam_cold_remedies

FDAのサイトより

ホメオパシーの風邪用のレメディーで臭覚の障害が起こるんです。

ホメオパシーの問題点は標準医療を否定すること

信仰によって治療が可能な病気も有るかもしれませんが、多くの場合はプラセボ効果で説明可能です。フランスに奇跡的な治癒力を持つとされる「ルルドの泉」という場所があります。ここを訪れることによって病気が治った場合、カソリックの医療班がその効果を判定します。毎年500万人が訪れるこのルルドの泉でさえ、病気が治った奇跡と認定されている症例は66人だけです(68人説もあります → 奇跡の治癒力「ルルドの泉」)。

ルルドの泉を訪れると病気が治ると言われ出したのは19世紀後半で、現時点までに、ものすごい人数が訪れているにもかかわらず、この人数しか治癒認定はされていないのです。

さらに医療診断技術が飛躍的に進化した1960年代以降は、たったの4人だけが、奇跡によって病気が治ったと認定されているのです(詳細は「心の潜在力 プラシーボ効果」広瀬弘忠著 朝日選書をご覧ください)。

ちなみに現在はルルドの泉の効果を判定するためには、標準医療で使用される検査機器・検査方法がとられています。厳格な診断を下すカソリック教会の姿勢をホメオパシー拡散者や信者さんは見習うべきではないでしょうか?

流派によって違いがあっても、基本的にホメオパシーは標準医療との併用を禁じています

世界最大の信者さんを集める宗教でさえ、標準医療を否定はしていないのです。単なる効果があったと感じている体験者の声だけに支えられたホメオパシーの自分達以外の考え方は全否定とはいかがなものでしょうか。

まだホメオパシーで時間とお金を消耗しているの?

ホメオパシーにがっつりはまり込んでしまうと、標準的な医療を受ける機会を失い、病状がどんどん進行してしまう可能性も大です。一方でホメオパシーを推奨している医師がいることは、非常に情けないことです。そんな医師や医療関係者が単なるお金儲けであるならば「あっ、普通に医療だけでは食っていけないのね、かわいそ」って判断を一般の方できるわけではありません。だからこそ医療に携わる者としてニセ医学・疑似科学であることが明確であるホメオパシーを否定して、多くの方に正しい知識を得て欲しいのです。

偽医療・ニセ医学の典型「ホメオパシー」とはどのような治療方法か?その1 なんでこんな非科学的な療法を信じるの?

ネタに困っているテレビが面白おかしく、無責任にホメオパシーを取り上げないことを祈ります。万が一安易にホメオパシーの効果を取り上げた場合、医療関係者・疑似科学ウォッチャーに批判されて、イケダハヤトさんのようには、のらりくらりと責任回避できないでしょうし、沈むことが明確な藁を投げ込んでしまうインチキニセ医学に加担することになりますよ。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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