五本木クリニック院長ブログ

波動整体療法はニセ医学・疑似医療のドンキだあ!!笑


■波動+整体=波動整体医療??

疑似医療のカテゴリーで「波動医療」というものがあり、スタンダードな医療からは完璧にインチキ扱いされています。医師のなかでもある一定方向に行ってしまった方は「波動医療こそ、現代医療を根本から変える新しい医療である」なんてことを語っている一派がいます。

一方「整体」という一瞬医療系の用語に思える名前もスタンダードな医療からはかなりかけ離れています。街中で「整体治療院」という名称を見かけます、しかし、「整体」は医療は国家資格を必要とする治療法ではありません。類似の名称である「整骨」は本来「接骨」という柔整整骨師が行う治療を指しますが、診療所を「クリニック」と呼ぶような違いであり、違いはありません。この辺りが医療事故さえなければ放置状態の行政の体制に不満を抱えている柔整整骨師も多いと思います。

さて、問題の「波動」ですが、なんとなく科学的香りが漂う用語です。しかし、物理の世界で使われる「波動」とは似て非なるもの、というより全く似ても似つかぬものなんです、疑似医療で使用される「波動」は。この波動整体療法には「生霊」「遠隔ヒーリング」「波動次元」「想念波動」「チャクラ」「オーラ」「レイキ」「Oリング」などの疑似医療用語、オカルト用語が続々と出現してきます。まさに疑似医療界のドンキ状態です。

■まずは波動の定義をはっきりさせましょう・・・疑似医療の。(笑)

ここに一冊の本があります。「波動整体療法」(著者 本多和彦 文芸社)。 本の内容的には高額な疑似医療を批判して、あまりお金がかからない著者の治療法?を紹介していて、医師のくせに明らかな疑似医療・インチキ医療を行っている一派よりは好印象の読み物です。あくまで自分は普通のおじさんなんだけど、考え方を変えるとこんなに違った生き方ができる、という啓発本としての読み方もできます。

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この著者が販売しているプラスの波動エネルギーたっぷりのお水です。

しかし「波動」を使って電話で体調を崩した方の波動エネルギー、想念エネルギーを調べることによって、健康を回復した話がゾロゾロでてきますので、あきらかに「治療行為」を行っています。著者によれば痛みはマイナス波動なので、そのマイナスのエネルギーを取り除くと痛みも解消する、とのことです。さらに波動エネルギーと想念エネルギーは同じものである、らしいので話は複雑化してきます(最初の6ページ目で思わず読み込みを断念するところでした)。どちらかといえば、心療内科の分野に属する疾患を治療(治療しちゃまずいんですけど・・・)を得意としている波動整体療法ですが、占いによって精神的なプレッシャーが取れる場合もありますので、大人の対応を取りたいと存じます。

ようは人間でも、物でも固有の波動を持っているので、波動が一致しないと何がしらかの不具合が起こるそうです。

■科学的に証明するなら是非、ダブルでなくてもいいんでブラインドテストを!!

いくらこんな症例を波動整体療法で治療しました(治療しちゃまずんですよ!)と書いていても、波動整体療法の効果は、コーヒーに「おいしいコーヒーでしょう」と心から思えば苦かったコーヒーも美味しくなるでしょ、というレベルです。波動エネルギーを込めた水を飲むとオーラが違ってくる、なんてことだと益々スタンダードな医療から遠のきます(物理・化学からみるとはるか彼方に遠のきます)。

こんな実験が紹介されています。無農薬野菜とスーパーで普通に売られている野菜を比較する実験?です。両者を並べて鼻から普通に息を吸って、肺に入ってくる空気の量を比較するのです。もちろん、呼吸機能を調べる医療機器は使用しないで「その時入ってくる空気の量を覚えておきます」といったなんとも豪快なテストです。著者によれば無農薬野菜を見て、息を吸った方が多くの空気が吸えるそうです。

ここで提案をします。スーパーの野菜と無農薬野菜を息を吸う前に、どっちがどっちかわからなくしてから、呼吸をして肺に入ってくる空気の量を比較してもらうのです。これで簡単なブラインドテストができます。見るからに野菜の形状に違いがあれば別ですが、通常両者の肺に入ってくる空気の量(これもテストする人が感じる量ですから・・・)は結果的に半々になるはずです。ここで波動整体医療をガチガチに信じている人はかならず言うでしょうね。マイナスの波動出す人が野菜に負のエネルギーを与えたために、無農薬野菜が本来のプラスの波動エネルギーを出すことができなかったと。

これはインチキ霊能師、インチキ超能力師が使う言い訳の常用句ですもんね。

■波動整体医療は別に敵視しなくても、と思ったんですけど・・・

ちょっと変わり者のおじさんが啓発本を書いている程度に考えれば俎上にあげることはないのが「波動整体療法」なんですが、本の終わりの方に「波動整体療法へのアクセス・リスト」として、なんたら整体院、なんとか波動整体療法室などがズラズラ並んでいる中で「某接骨院」「◯◯接骨院」と国家資格をもった柔道整復師の方が経営する治療施設が並んでいるではないですか!!

接骨院では条件によっては健康保険が適用されますので、こりゃまずいんじゃないですか???でも、彼らは言うんだろうな「イギリスではホメオパシーも医療保険でカバーされているじゃない」と。ホメオパシーって実は医療保険でカバーされた時代も確かにあったことはあったのですが、現在では制限する方向性にあるんですよ・・・そろそろ来週にでも本丸の「ホメオパシー」に対してブログをアップする予定です。

関連エントリー 偽医療の典型「ホメオパシー」とはどのような治療方法か?その1

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