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座りっぱなしは糖尿病のリスクが上昇、対抗策は貧乏ゆすりだ❗

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1日中、パソコンに向かいっぱなしは健康に悪いことはわかっているけど、仕事だから仕方がない、と理由つけているオッサンも多いのではないでしょうか?

座りっぱなしが健康に悪いのは当然だけど

医療もどちらかといえば座りっぱなし傾向があります。そこで当院では患者さんをマイクで呼ぶのではなく、待合室に医師が呼びに行く方式を取っています。

長時間の座りっぱなし(座位)が健康によろしくないことは、イメージ的につかめますが座位が1時間増すごとに糖尿病のリスクが22パーセントも上昇する、って報告がありました。その論文を検討しつつ対抗策として「貧乏ゆすり」ススメを提案いたしまーす❗

座位が増えると糖尿病になりやすい??

そりゃ、動かなければ摂取したカロリーが消費されないのでメタボにもなるでしょうし、高血糖状態が続くことは当然予想されます。それを裏付ける論文が「Associations of total amount and patterns of sedentary behaviour with type 2 diabetes and the metabolic syndrome: The Maastricht Study」というタイトルでDiabetologiaに掲載されています(April 2016, Volume 59, Issue 4, pp 709-718)。ようは座りっぱなしと2型糖尿病とメタボリックシンドロームの関連を調べたものです。

座位(座りっぱなし)を分析する場合、その定義を定める必要があります。また、今までは自己申告制を取っていた座位の研究方法に画期的な測定方法を使用したところがこの論文の鋭い点です。まず、座位の定義としてMetabolic equivalents(略してMETs)の1.5としました。起きていて座っている状態かつ安静時のカロリー消費の1.5倍以下を座位時間としました。さらに自己申告制ではなく、太ももに活動量を測定できる計測器を装着することによって、客観的に「座っている、座っていない」を判定する方法をこの研究では用いています。

その結果

座位が1時間増えると糖尿病のリスクが22パーセント上昇

するとの結果が得られました。

さらにさらに

メタボリックシンドロームのリスクは39パーセント上昇

との衝撃的な結果も導かれています。つまり、パソコンに向かってこのブログを読んでいるオッサンは(お嬢さんも)、糖尿病になりやすく、メタボにもなりやすい、のです。

そんなことを書いちゃうと読んでくれる人が減ったちゃうので、座りっぱなしでも糖尿病やメタボにならない方法をお教えしますね❗

貧乏ゆすりこそ、メタボや糖尿病のリスクを減少させる⁉

ただでさえ開業医って座りっぱなしの状態が長いので、いろいろな工夫をして少しでも運動をしようと心がけてはいるんですが、診療行為に加えてブログを書いている私は糖尿病やメタボリックシンドロームの予備軍になるんで、いかにそれを予防するか、探しまくりましたよ、医学論文を(もちろん座りっぱなしでね)。

ついに見つけました、座りっぱなしでも病気にならない方法を。

それは

貧乏ゆすりは死亡リスクを低下させる

と読み解ける医学論文です。座りっぱなしのオッサン諸君を救う論文は「Sitting Time, Fidgeting, and All-Cause Mortality in the UK Women’s Cohort Study」(Am J Prev Med February 2016 Volume 50, Issue 2, Pages 154–160)です。「Fidgeting」が貧乏ゆすりのことです。

以前から座位の時間に比例して糖尿病や心臓病のリスクが増加することによって死亡リスク自体が上昇することが既成事実になっていました。この研究者たちはなぜか、そわそわする落ち着きのなさの象徴である「貧乏ゆすり」って運動じゃないけど、カロリーは消費してんじゃん的解釈で貧乏ゆすりと座位による死亡リスクの関連を調べています。貧乏ゆすりを計測化できるように10段階に分けています(笑)。

その結果、

座位が7時間以上でも貧乏ゆすりをする人は死亡リスクが上昇しなかった

との結果になっています。さらに皆さんに朗報が続きます。6時間程度座っていても

貧乏ゆすりをすれば死亡リスクが減少する

との結果も出てるんです。つまり、これからは健康のためには貧乏ゆすりをしよう❗ってことになりますよね。

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http://release.center.jp/2009/08/1202.html

イメージが悪い貧乏ゆすりですが、健康のためなら⋯。

仕事中にそわそわ貧乏ゆすりをする問題点

仕事柄、座位が長時間になってしまう場合は是非貧乏ゆすりをするべきなんですけど、やっぱり貧乏ゆすりってイメージ悪いですよね。ウィキによれば貧乏ゆすり=貧乏と考えるのは日本独特のものらしいのですが、海外でも「落ち着きのない人」との印象は免れないようです。今、気付いたのですけど貧乏ゆすり健康説の前述の論文、対象は女性でした。オッサンの場合、やっぱり座りっぱなしはやめといた方が世間体的にも、健康のためにも避けておきましょう。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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