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やっぱりヘンだよ!料理研究家の高遠智子さん、経歴詐称疑惑は別物としても⋯。

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昨日ブログにしたオーガニック薬膳料理研究家高遠智子さんですが、私はあまり気にしてはいないのですが経歴詐称疑惑が出ていたんですね。

余命3カ月のガンを食事で克服したオーガニック薬膳料理研究家さん、経歴詐称疑惑もあったんですね

「ガン消えた」ベストセラー料理研究家の経歴詐称  週刊FLASH 2014年7月15日号に掲載された記事のようですが、私の手元にある高遠智子さんの著作「食べものだけで余命3カ月のガンが消えた」は幻冬舎から2014年5月20日の初版。ってことは本が出てわずか数ヶ月で経歴詐称問題が浮上したってことになります。この記事によれば経歴に書かれているフレンチガストロノミー上級ディプロマは

受講生の名簿を調べましたが、高遠智子、あるいは旧姓の藤原智子という名前では登録がありません

だそうですし、北京中医薬大学薬膳学専科で学んで取得した国際中医薬膳師免許も

当大学に薬膳専科はありません、中医中薬専科はありますが、この科は卒業まで5年かかり、1年の留学なんてありえません。そもそも本校は学歴は与えても、資格を与えることはないのです。名簿に名前はありませんが、卒業証書を見せてくれれば、すぐに真偽のほどを確認します

とのことですが、この記事の真偽は不明ですけどね。

まあ、普通の神経だったらこの本のウリというか、信頼度を高めていた資格が虚偽のものであるとバレたら、ほとぼりが覚めるまでひっそりと暮らすと思うのですけど⋯このオーガニック薬膳料理研究家の高遠智子さんは強い方です。昨日ブログネタにした「食べものだけで余命3ヶ月のガンが消えた」(幻冬舎)以外に私の手元には「余命3カ月のガンを克服した私が食べたもの――四季の食材と実践レシピ」(祥伝社)という高遠智子さんの本があります

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これは2016年1月30日発行⋯経歴詐称で騒がれても強いなあ、オーガニック薬膳料理研究家の高遠智子さん。

さらに第1作目「食べものだけで余命3カ月のガンに勝った 末期ガンから生還した、私のオーガニック薬膳ライフ 」(祥伝社)ってタイトルで文庫本として本年2017年9月13日に出しちゃっていますから、かなり強気というかご自身の主張にかなり自信がある様子がうかがわれます。

これが昨日のブログです、お時間があればお読みください⋯「食べものだけでガンが消えた」のオーガニック薬膳料理研究家高遠智子さんの本がかなりヘン❗

高遠智子さん、本当に卵巣がん、それもスキルス性だったの?

医学的にない病気に罹患して(卵巣がんにスキルス性という名称はありません)、さらに原発なのか転移なのか不明の肺がん(これもスキルス性だそうです)になってしまった高遠智子さんですが、まあ卵巣がんになって食べ物を工夫したら治っちゃった、との話ですが⋯これって宝くじが当たったので、あなたも宝くじを買うべきよ❗と言っているのと同じではないでしょうか⋯この表現、SNSのフォロワーさんの言葉の無断使用です(汗)。

高遠智子さんはご自分の体験をもととして、多くの方に食事の大切さを知ってほしいとの気持ちからオーガニック薬膳料理研究家と名乗って料理教室を開催しているのは善意からなのか、何か他のお考えがあるのでしょうか?しかし、世の中にはいろんな人がいまして、こんな疑問が湧いてきました。

良かれと思っって大きなお世話的に全く効果の無い方法を伝授しているのか、あるいは自分でも効果がないことを十分に理解していながら伝授しているのか?私は高遠智子さんは前者だと信じたいです。だって経歴詐称疑惑が出てもご自身の主義主張を拡めるために著作を出し続けるのですから、少なくともご自分の真意を裏切ってはいないのでしょうね(政治家方面には多数いますけど)。

がんサバイバーであることが一つがセールスポイントと思われる高遠さん、スキルス性卵巣がんって、どのようながんなのか?また、そのように説明した医療機関が本当にあったのか、その詳細を明らかにされたほうが宜しいのではないでしょうか?

あと、卵巣がんに対する放射線治療って普通は再発例や骨への転移の疼痛対策でしか行わないはずなのに第1作目では手術に加えて化学療法、そしてなぜか放射線治療をランダムに(?)行なっていたと書かれています。なんだか本当に卵巣がんだったの的な疑問も出てくる第1作目はかなり信頼度が低いです。

標準治療では卵巣がんに対して放射線を照射することはありえません❗

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国立がん研究センターがん情報サービス「卵巣がん

高遠さんが受けた治療は本に書かれたことが真実ならば、少なくとも標準治療ではありません。

サイトをのぞいてみたら

高遠智子の元気になるレシピ(https://www.genki-recipe.com/index.html)はこんな感じです。

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右上に「※当薬膳料理教室は病状などのご相談について、医療行為に接触する恐れがございますため、恐れ入りますがお受けできませんのでご了承ください」と書かれています。第一作目の中ほどでは病気の生徒さんに対するアドバイスするエピソードが書かれていますけど、今は行っていないのでしょうか?それとも、薬機法や最近の医療ネットパトロールや消費者庁の指導を意識した対策なんでしょうか?デビュー作である「食べものだけで余命3ヶ月のガンが消えた」が文庫化された本はまだ手にしておりませんが、内容が同じだと、医師法等に抵触する可能性があるんじゃないかと老婆心ながら心配しております。

経歴詐称を第二作で認めていた高遠智子さん

ところで私的にはどうでもいい経歴詐称問題(ちょっとくどいけど)、「余命3カ月のガンを克服した私が食べたもの――四季の食材と実践レシピ」中にこんな記述がありました。

じつは、前著で、フレンチがストロノミー上級ディプロマと国際中医医薬膳師免許を取得していると記述しましたが、この2つの資格を取得しておりません

余命3カ月のガンを克服した私が食べたもの P177

えっ、一番ウリとしている資格を持ってなかったの???

この方の料理教室に通って勉強したつもりになっている層は多分、著作物を読んでいない方々なんでしょうね⋯複雑な気持ちで高遠智子さんの本を読了、読後感がこんな最悪の本は久々です。

おまけ1:昨日のブログで気になっていた肺に見つかったがんは、高遠さんのサイトの略歴(http://www.genki-recipe.com/profile.html)を見ると卵巣がんの肺転移だったようです。しかし、この略歴も不思議で卵巣がんで余命半年と宣言された後、抗ガン剤と放射線治療を受けたそうですが、著作では手術を受けたことが書かれているのに略歴にはその記載が見当たりません。謎のランダムに受けたと称する放射線治療は不問としますが、化学療法と放射線治療の効果があったことは間違いないのではないでしょうか?また卵巣がんの場合、高遠さんが末期がん(医学的には使用しない用語)と表現している病期Ⅳであっても5年生存率は28パーセント以上ありますので標準医療を受けたことによって現在も元気に過ごしていると考えられます。がんと診断された場合、標準治療を受けながら何か他にやることはないかと考えるのは当たり前です。しかし、食べ物だけで余命3ヶ月のがんを克服したとは、かなり盛った表現であることをご自覚いただきたいです。

おまけ2:サイトの略歴に中国に約一年滞在したとの記載がありますが、嘘の経歴を謝罪した二冊目の著作には4年にわたり中国の国際中医薬大学教育学部で学んだと書かれています。あやふやな記憶で本を書いちゃうと、重箱の隅をほじくる趣味のオッサン(私かあ)がいますので、ご注意くださいね。

おまけ3:末期がんとご自分では考えているのでしょうけど第一作目に書かれた状況から最初は遠隔転移がありませんので、卵巣がんの病期としてはⅢ期と思われます。となると余命半年と宣言されたとの記述もかなり信頼度が低くなります。病期Ⅲの場合の5年生存率は40パーセントを超えているのですから「あと半年の命」なんて告げた医師が本当にいたのかとの疑問も出てきてしまいます。

おまけだけでブログもう一本書けそうな勢いになってきました⋯さらなる続編はやめておきますね。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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