fbpx

週刊朝日の医学記事は一線を越えてしまったようで⋯高濃度ビタミンC点滴療法でがん治療??❗

更新日:

週刊朝日・アエラといった朝日系は医療系の記事が多いのですが、超えてはいけない一線を超えてしまったので投稿します。

現役医師50人が実践する健康法がおかしすぎる❗

先日、アエラドットでトンデモナイ医学健康記事を見つけてしまったことはお伝えしました。

やっちゃった、アエラ。「絶対に電子レンジを使わない」食の専門家はトンデモさんだよ❗!

やっちゃった、アエラ。「絶対に電子レンジを使わない」食の専門家はトンデモさんだよ❗!

私達の身の回りは電磁波だらけです。なぜか以前から電子レンジばかりやり玉にあげられていますが、エアコン・掃除機・ドライヤーなども電磁波を発生させます。つまり健康に影響がないレベルの電磁波しか発しません。パソコンや携帯電話・スマホなどは厳しいチェックを経た製品しか販売できません。電磁波対策と称した情報は基本ビジネスです。

アエラドットは週刊朝日の記事を転載しているので本来ならば週刊朝日を購入して、つまり一次ソースを確認してからブログネタにするべきでした。

しかし、週刊朝日って滅多にコンビニでゲットできないので(私の生活圏では)その作業を怠っていました。前掲のトンデモ医学健康記事を書かれた記者さんがほかにもヘンテコな医学関連記事を書いていないかとチェックしていたら「貯金」より「貯筋」! 現役医師50人が実践する100歳越え健康法(https://dot.asahi.com/wa/2018011800073.html?page=1)との医学関連記事を発見しました。2018年1月26日号の週刊朝日に掲載されたようなんで、現物は図書館にいくしかない⋯そっか、電子書籍って手があった❗BookLive!でゲットしました。それがこれ。

画像

偉い大先輩医師が実践している「※個人の感想です」的な健康法についてとやかく言うつもりはありません。しかし高濃度ビタミンC点滴療法、これは誤解を招くというか少しでも医学について勉強したのか、書いた記者さんは?その問題の記事はこれです。

美容や疲労回復など、エイジングケア作用に期待できる「高濃度ビタミンC点滴」だが、この点滴とがん治療との併用で治療効果を高めることを訴えるのは、SPICクリニックの柳澤厚生名誉院長。定期的にこの点滴を受け、「飲むビタミンC点滴」と言われるサプリメント「リポカプセルビタミンC」も多く摂取するように心がける徹底ぶりだ。

週刊朝日2018年1月26日号

この発言をしている医師は高濃度ビタミンC点滴療法に特化したクリニックにお勤めで、高濃度ビタミンC点滴療法関連の書籍も書かれています。

以前も高濃度ビタミンC点滴の怪しさを簡単に説明しておりますので、お時間がありましたらご覧くださいませ。

高濃度ビタミンC点滴療法で「がん治療」??⋯高城 剛さん、これこそニセ医学ですよ❗

高濃度ビタミンC点滴療法で「がん治療」??⋯高城 剛さん、これこそニセ医学ですよ❗

ハイパーメディアクリエイターこと高城剛さんが最先端医療として高濃度ビタミンC点滴療法を推していますが、高城さんは医師ではありません。様々な情報にアンテナを張り巡らし世界中の最新の情報をとりいれてるが故に専門外の分野で誤った情報を鵜呑みにしてしまっているようです。ぜひとも知識を書き換えていただきたいと存じます。

高濃度ビタミンC点滴でがん治療はエビデンスあるの?

高濃度ビタミンCってなんだかサプリとかでビタミンCを摂取するよりは効果がありそうな気がしないでもない、って捉える人も多いと思います。ところで高濃度ビタミンC点滴によってがん治療の治療効果を高めるとのエビデンスってあるのでしょうか?記事では「併用で治療効果を高める」と標準治療と併用することで効果があるような書き方をしていますけどがんに対して標準治療を行っている医師で高濃度ビタミンC点滴療法を推奨している人なんているの?

高濃度ビタミンC点滴はノーベル賞をダブル受賞したライナス・ポーリングさんが嵌りこんでしまったトンデモ医学が話の発端です。

ノーベル賞を受賞した権威ある博士の提唱する医学論に対して、そんじょそこらの医師が反論するのは難易度高いです。さらに高濃度ビタミンC点滴療法の理論背景は分子矯正医学とか分子矯正栄養学とかオーソモレキュラーもっともらしいネーミングがついていて惑わされてしまいます。

トンデモさんからのDM、オーソモレキュラー療法セミナーのお誘い。

トンデモさんからのDM、オーソモレキュラー療法セミナーのお誘い。

オーソモレキュラーという栄養療法セミナーのお誘いDMが届きました。科学的に証明されていない治療方法を一般の方や有資格者を対象に行われる「オーソモレキュラー養成講座」。病気になった場合生活習慣の見直しは必要ですが、ある特定の食べ物や栄養ががんを治すことは科学的な手法によって証明されていません。医師が解説します。

分子矯正医学・分子矯正栄養学・オーソモレキュラー、これは標準医学からすればトンデモ系ニセ医学と認識されています。

確かにビタミンCが細胞レベルでがん細胞に対して影響があることは確認されています。しかし、人間のがんに対して高濃度ビタミンC点滴療法が治療効果を発揮したことを裏付ける論文ベースのエビデンスを提示したまっとうな医学論文はありません(学会、医学専門誌と呼ばれるものは多数あり、かなりヘンテコな論文が混じりこむことがあります、学問の自由ってのがあるので)。細胞レベルで効果があったとしても、動物実験レベルで果たして効果があるのか?ましてや試験管レベルで起きた現象がそのまま人体に効果発揮するワケないじゃん❗

高濃度ビタミンC点滴療法によってがん治療ができるという方々が伝家の宝刀として持ち出すのがこの論文「Pharmacologic doses of ascorbate act as a prooxidant and decrease growth of aggressive tumor xenografts in mice」(Proc Natl Acad Sci U S A. 2008 Aug 12;105 (32) )、これマウスを使った研究であり人間が対象じゃないからね❗

さらにこの記者さんは、サプリメント「リポカプセルビタミンC」をこの医師が服用していることを書かれています。これってまんまサプリの固有名詞というか商品名じゃないの⁉これでは週刊朝日は標準医療じゃないがん治療方法を推奨して、さらにサプリメントの広告までしてくれている、トンデモ方面医師にとって非常にありがたい媒体になってしまっています。

トンデモ系ニセ医学の広告塔になりかねない週刊朝日、と思ったけど

週刊朝日がこんなヘンテコリンな記事を掲載して大丈夫か?一般の人は別会社とはいえ天下の朝日新聞系列の週刊誌の記事はかなり信頼度高いと感じちゃうのでは。でも、大丈夫そうで⋯いろいろな数字をグラフ化してわかりやすく説明してくれる不破雷蔵さんのこの記事を見て安心しました。

画像

週刊朝日は私が偏愛する週刊大衆より売れていません(笑)、さらにアエラに至ってはこれまた私が偏愛する週刊SPAより売れてませんもんね、あー安心した。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

Affiliated Medical Institutions

主な提携医療機関

一般診療
診療日
月・火・水・金
9:30~12:30/15:00~18:30

土 9:30~12:30
休診日
木・日・祝
受付時間
9:00〜12:15/14:30〜18:15

泌尿器科・内科・発熱外来

フリーダイヤルがご利用になれない場合は03-5721-7000

美容診療
診療日
月・火・水・木・金・土
10:00~18:30

※完全予約制です。ご予約はお電話ください。
休診日
日・祝
受付時間
10:00〜18:30

美容外科・美容皮膚科

フリーダイヤルがご利用になれない場合は03-5721-7015

© 2023 医療法人社団 萌隆会 五本木クリニック