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バーベキューは受動喫煙より危険?ってことはないだろうけど死亡リスクが上がるかもよ❗

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夏に続き秋の行楽シーズン到来。海辺や河原でのバーベキューってイメージ的には、家族団欒、友人家族とキャッキャ、若い男女もハシャギまくり、ではないでしょうか?

しかし、実際にやってみるとなかなか火はつかないし、焼き過ぎ・生焼け問題、さらには後片付けの面倒臭さを考えると⋯

楽しい、楽しいバーベキューにはこんなリスクが潜んでいるかも

非常に個人的感想で恐縮なのですが私はバーベキューが大の苦手なのです。バーベキューセットを運ぶのも辛いので、家でホットプレートでお肉を焼いた方が美味しいし、締めの焼きそば上手に焼けるなんて常々考えているのです。

個人的には一生涯やらないと誓ったバーベキューですが(本当に辛い目に会ったのです、バーベキューに関しては 涙)、バーベキューは心血管系の死亡リスクを上げる❗との医学論文が発表されました❗と書くとアウトドア志向のバーベキュー愛好家から「お前はいつも、煽るようなタイトルを付けやがって」と怒られます。

正確には薪や木炭を使用して料理を長年続けていた人は心血管系の死亡リスクが上昇することがオックスフォード大学の研究者によって明らかにされました、です。でも薪や木炭を使った料理って代表的なのはバーベキューだから、このあたりの誇大表現は許してもらえることを強く希望しまーす。

バーベキューによる空気の汚染が心血管系死亡リスクを上げている可能性あり

バーベキュー嫌いの私の強い味方とでも呼べる、立派な論文をお書きになったのはオックスフォードのDr Derrick Bennettさん、論文は「Cooking with coal, wood, or charcoal associated with cardiovascular death」(European Society of Cardiology 略してESC)です。この論文にはこんなグラフが掲載されています。

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薪や木炭や石炭を料理に使用している期間が長ければ長いほど、心臓や血管の病気になってしまい、結果的には死亡リスクが上昇することが読みとれます。まあ、

レジャーでバーベキューをやる程度はほとんど影響ないかもしれませんけどね

しかし、最近熟成肉ブームなんてものが世の中ではあるようで、これを調理する時も一般家庭では出ない食感や味を専門店では楽しめるらしいです(おしゃれなお店というかブームになっているような店は私は行ったことないなあ、多分)。となるとせっかく美味しい料理を提供してくれる調理人の方の健康状態が非常に気になってきます。

なんだこりゃ、この調査って中国が対象じゃん❗

ステーキ店やハンバーガー屋さんを営んでいる患者さんがなぜか多数いらっしゃる当院として、このバーベキュー心血管系死亡リスクを増やす説に対してどのような個別指導をしようか思案していて、もう一回この論文を読み直してみると⋯

The study included 341,730 adults aged 30–79 years recruited from ten areas of China in 2004 to 2008.

と書かれているではないですか❗

バーベキュー健康に悪い説はガスや電気が普及していない中国に人を対象にした研究だった

だからこそ、こんなグラフが次に掲載されていたわけなんです。

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薪や木炭などを調理に使用しないで、電気やガスなどのいわゆるクリーンな燃料に変えるとこの心血管系の死亡リスクが減少するよ、ってことなのでした。

電気やガスを燃料とすると心血管系死亡リスクが減少することは理解できました、でもさあ、電気やガスを作るときに発生する大気汚染問題などの健康に対する影響もないわけじゃないはずだし、なんてことも考えてしまいました。

大々的な調査によってわかったバーベキューは死亡リスクを高めるとの説

今回の論文は中国の人々34万1730人を対象として、2004年から開始した研究で2017年まで追跡調査したものなので、かなり説得力はあります。このバーベキューが健康に悪いとの論文(違ったか、薪や木炭や石炭を燃料とした調理です)、いくつかの点で気になることがあります。

例えば、バーベキューの(違ったか、しつこいけど)食材は何が多かったのか?肉、特に赤肉を食べ続けることはいくつかの病気のリスクになることは多くの方がご存知だと思います(一般書籍としては津川友介さんの「世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事」がおすすめ)。

この研究の対象者は中国の10の地域から選ばれています。中国ってめっちゃ広い国ですし、人種的にも多様性がありますから、それらの影響はどうなんてるんだ?なんて問題も発生してしまいます。

さらに、なんでエネルギー問題なんて世界的な大問題に対してのご意見、下手すりゃ政治問題にまで発展しかねない案件を医学専門誌が掲載しちゃったんだろう、と感じてしまいました。

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私が先日食べた炭火焼き料理。非常に美味しかったのですけど⋯お店に行くまでの道がけもの道状態。対向車が来ないかと道幅1.2メートル、脇には落ち葉や枯れ枝散乱の山道を、ヒヤヒヤしながら約一キロの道のりでやっとこさ辿り着けるような、ユーザビリティは全く無視したお店でした(笑)。

バーベキューじゃなかった、炭火焼き料理はお店で楽しみましょう❗

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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