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ヒルドイドを美容目的に健康保険使って処方するのは反社会的行為❗そんな医師たちの責任問題は⋯。

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健康保険を使って、美容目的のヒルドイドを処方している医師に罰則があるのか?

ヒルドイドというヘパリン類似物質が含まれた処方薬が本来ならば病気に処方されるべきなのに、美容目的に処方を受ける患者さんが多数いるために、年間93億円の医療費の無駄使いになっていることが大問題となっています。

美容目的で処方薬をお出しする時の決まりは100パーセント自費扱い

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初診料も診察料も処方量ももしもそれに関して検査等を行ったら、ヒルドイドの薬剤費を含めてぜーんぶ健康保険を使用することはできません。

「一方聞いて沙汰するな」by篤姫(最近凝っているDVDより)の格言に従って、ヒルドイドを保険診療でゲットしてしまう患者さんが問題というより

美容目的であること見え見えなのにヒルドイドを処方している医師の方が問題❗だと、患者さんの話と医師の話をネット上の記事を読んで「沙汰しました」。

さらに、ヒルドイドを目的外処方というリスキーな、ある意味では反社会的行為とも考える医師の将来はどうなるか?まあ、罰則ですね、余計なお世話かとは思いますけど述べさせていただきます。

保険診療でヒルドイドを美容目的で処方はグングン増えて医療財政を圧迫している

2年ほど前から「ヒルドイド処方してください❗」って患者さんが当院でもメチャ増加してきました。どうもネットの美容系記事で「ヒルドイドが究極のエイジングケアクリーム」と書かれたことが原因です。中には医師が「美肌のためにはヒルロイドローションはマストアイテム」と言いだす始末(正確にはヒルドイドローションなんだけど、なぜかヒルロイドって言っちゃう人が少なくないです笑)。

ヒルドイドブームで処方されるヒルドイドは皆様の健康保険料でまかなわれ、それだけじゃ財源が不足するので税金も投入されています。

ただでさえ崩壊寸前、実はすでに破綻しているとの話もある保険制度にトドメを刺す一因になりかねません。

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このグラフはヒルドイドを主としたヘパリン類似物質を含む保湿剤単独処方のレセプト2015年分と2016年分を比較して増加件数を調べたものです(https://answers.ten-navi.com/pharmanews/11906/より)。

エイジングケアに興味を示す40才台から50才台の女性へのヒルドイドおよびヒルドイドのジェネリックの処方がメチャクチャ増加していることが読み取れます。

ヒルドイドを処方するには医師の処方箋が必要です。これから

医師も2016年から積極的にヒルドイドを処方していることがわかります。急に皮脂欠乏症などのヒルドイドの適応症の方が増えた場合を除きますけど。

ヒルドイドおよびヒルドイド類似薬は美容目的で93億円分が保険処方

医師免許を持って保険医登録した医師は93億円も医療費の無駄遣いに加担している行為は反社会的行為と読んで差し支えないと私は考えます。

先日のYahoo!ニュース(https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181019-10000001-mbsnews-l27)に掲載されたMBSの取材に応じた医師は

「(ヒルドイドの)クリーム、ローション、スプレー入れたら月に100本以上は出ていると思います。20代から40代の女性が多いです」

と語り(この本数は当院よりかなり少ない、人気の無いクリニックなのかも)、さらに

「まあ日本中のあらゆるほとんどの開業医は断らないと思います。(開業医は)一応サービス業ですから」

ともおっしゃっています。当院は処方してくれない❗ってブチギレるオバ様がいてもお断りしております。

この開業医は一応サービス業ですから、と言って明らかなヒルドイドの適応外処方を行っている医師にはこんなお仕置きが待っているんです。

健康保険を使ってヒルドイドを適応外処方する医師の未来は悲惨かも

医師は保険医登録を行ってからはじめて健康保険を使った保険診療ができます。どう見ても適応外である

美容目的使用でヒルドイドを処方し続けると、行政指導を受ける可能性が出てきます。ヒルドイドを適応外処方している医師は多分、バレてもレセプト切られる程度に考えているのかもしてませんけど、行政はそんな甘くありません。

厚生労働省はこのようは方針を打ち出しています。

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九州厚生局「保険診療等において不正請求等が行われた場合の取扱い」

今までは 診療報酬請求(レセプト)に不正 → 行政処分で保険医登録取り消しになりそう → やばいと思った医師が保険医登録を自ら返上 → 保険医療機関でもないし、保険医登録もないので行政処分はできない → 行政処分無し という逃げ道が残されていました。しかし、今後は

取消に相当する保険医療機関等及び保険医等については、名称、氏名、不正理由、不正請求金額などを公表されます❗

前掲の九州厚生局のサイトにはPDFで公表されている医療機関および医師名および保険医療機関の指定取り消しと保険医の登録の理由がしっかり書かれてます。

社会保険診療報酬支払基金は

適応外の薬の処方は99パーセント以上の責任は医療機関にある❗

と考えています(https://www.m3.com/news/iryoishin/133434より)。つまり、美容目的使用としてヒルドイドおよびヘパリン類似成分を含有する処方薬を患者さんに出している責任は99パーセント以上医師にある、ということになります。

目的外使用が明確な患者さんにヒルドイドを処方している医師は社会保険診療報酬支払基金が行政に「この医師はどう見てもエイジングケア目的でヒルドイドを処方しています❗」と行政に報告した場合、保険医として保険診療を行うことができなくなってしまい、名前等も公表されるという非常にリスキーかつ反社会的行為をしていると自覚するべきです。

どうしてもヒルドイドをエイジングケア・美容目的で処方したいのなら、100パーセント自由診療で❗

ヒルドイドが本当に患者さんのエイジングケアや美容に効果があると確信している医師は100パーセント自由診療で処方すればいいじゃないですか。自由診療だと患者さんが来なくなる、との理由ならば自己研鑽を積んで自由診療でも患者さんが来るようにすればいいでしょ。自分の技術不足・勉強不足・そして

営利目的でヒルドイドを適応外処方するのは、反社会的行為と言われてもしかたないと思います。

がんと闘っている方である種の抗がん剤を使用すると、どうしても肌がかさかさのひし欠乏症を合併してしまうことが多いです。そのような方にはもちろん保険診療でヒルドイドが処方されています。

あまりにもひどいヒルドイドの目的外使用がきっかけで、ヒルドイドを保険処方の対象外にしろ!と健康保険組合連合会から強硬な意見も出ています。

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週刊メディウォッチ(https://www.medwatch.jp/?p=16181より)

自分の欲望のためにヒルドイドを健康保険の適応外処方している医師は保険医登録や保険医療機関の取り消しだけじゃなくて、行政処分を受けて公表され、さらには

本当にヒルドイドを必要としている方に届かなくなる可能性があることにお気づきでしょうか?

しつこく、私はヒルドイド問題を取り上げてまいりました。昨日もヒルドイドの目的外処方に関してブログを書き、とりあえずこれで終わりにしようと考えていたのですが⋯。

本日、午前診療終了してホッとして近所のスーパーに立ち寄ろうとしたら「先生ー、桑満先生ー❗」との患者さんの大声がしました。「先生、ヒルドイドの件、頑張ってくださいね❗」とおっしゃった方は妹さんをトンデモ医学で亡くしています。「先生がヒルドイドの件をブログに書いても友達のほとんどは知らないで、大量に処方されたヒルドイドを化粧品だと思って使っているんですよ」と(車がバンバン通る道沿いのスーパーなので聞き取り間違いあるかも、大意としてはこのような内容)言われました。

先生、これからも頑張ってください、との声援を受けたので天気の良い本日午後にやぱりヒルドイド関連ブログを書いてしまいました。

結論1:美容目的でヒルドイドを不正に処方するのは99パーセントは医師の責任

結論2:美容目的でヒルドイドを健康保険を使って処方すると行政処分を受けるリスクがある

結論3:美容目的でヒルドイドが保険処方されると、本当にヒルドイドを必要としている患者さんが困る

篤姫の格言である「一方聞いて沙汰するな」に従うとやっぱり処方する側の医師が「健康保険では処方できません」ときっぱり断れば、このヒルドイド問題はスッキリ解決するはずです。

今回こそ、ヒルドイド案件は終わりにします。これからDVD篤姫の続きを観なくてはいけないので。

ヒルドイドとヒルマイルドの違い⋯両者ともに「ヒル」が付くけど語源はウエッ〜?

ヒルドイドとヒルマイルドの違い⋯両者ともに「ヒル」が付くけど語源はウエッ〜?

医療用医薬品ヒルドイドは美容目的での処方はNGです。ヒルドイドと似たような成分&似たようなネーミングの市販薬がいくつも出てきました。その中で見た目も成分もそっくりなヒルマイルド(健栄製薬)とヒルドイドとで何が違うのが検証・解説します。ヒルドイドの主成分が含まれた市販薬の浸透でヒルドイドが適切に処方されていくはずです。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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