五本木クリニック院長ブログ

予防接種で防げる「がん」もあるのに、なぜワクチン接種を拒む人が今でも多数いるのだろう?


■HPV(ヒトパピローマウイルス)はがんの原因であることは明らか、そして予防も可能

ある種のがんの原因がウイルスであることは医学的に明らかになっています。残念なことに日本では副反応の恐ろしさだけがクローズアップされてメディアに取り上げられたHPVワクチン。

オーストラリアでは2028年にはHPVワクチンの接種によって子宮頸がん自体が消え去ることも予想されています(THE LANCET Public Health)。HPVワクチン接種率が向上した効果として米国でも子宮頸がんの減少が確認されています。(「National, Regional, State, and Selected Local Area Vaccination Coverage Among Adolescents Aged 13-17 Years - United States, 2017.」
MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2018 Aug 24;67(33):909-917)。

日本の子宮頸がんの罹患数も下のグラフのように増加していますし、死亡者数も増加傾向にあることがわかっています。

日本産科婦人科学会「子宮頸がんとHPVワクチンに関する正しい理解のために」より

このように増加している子宮頸がんをHPVワクチン接種は防ぐ効果があるのに、いまだにワクチン接種を阻む意見がネット上ではかなり目立つことが残念でしかたありません。

HPVワクチン接種適齢期の子供が自身で接種を受ける受けない判断をするのは難しいと思います。親御さんが間違った判断をすることによって子供をがん罹患の危険に晒すことになってしまっていることになってしまいます。

■子宮頸がん以外のがんの原因にもなるヒトパピローマウイルス(HPV)

日本ではHPVワクチン接種率が他国と比べるとこんな感じになっています。

BuzzFeed「防げる悲劇を防いでほしい 子宮頸がんで苦しむ女性を診る産婦人科医の願い」より

バズフィードがリベラルであり、ちょっと左寄りなんて意見も見受けられますが、数字は数字。

何でもかんでも世界基準に従う必要はないと個人的には考えますが、とにかく日本のHPVワクチン接種りつは悲しいほど低いのです。ヒトパピローマウイルスは子宮頸がんの原因になるだけではなく、口腔咽頭がん、肛門がん、外陰部がん、腟がん、陰茎がんの原因になることも医学的な常識となっています。

ウイルスが原因ということは、自分がヒトパピローマウイルスに感染していると他人に移してしまうリスクとなることも自明の理ですよね。例えば今年になって騒ぎとなった風疹の場合、自分が風疹に感染して万が一妊婦さんに風疹を移してしまったら先天性風疹症候群の原因となってしまいます。いつどこで誰に移してしまったか明らかでないことがほとんどであるのが感染症の怖さなのです。

ヒトパピローマウイルスしかり、風疹しかり、自分が予防接種を受けることによって、他の人がウイルス感染することを防ぐことが可能になることを多くの人に十分理解して欲しいと、一介の町医者風情でも思わないわけにはいかないのです。

■おい!!オッサン達なにしてんだ!!??

予防接種によって罹患するリスクを減少させることが可能ながんもあることを十分ご理解いただきたいのですが・・・俺は風疹なんかに罹っても大丈夫、熱がちょいとばかりでるだけじゃん的に解釈しているオッサン達に厳重注意をしたいと思うのです。

先日こんな恥ずかしいかつ傍迷惑かつ万が一妊婦さんが感染したらどうすんだよ的なことありました。

2018年12月28日 毎日新聞(https://mainichi.jp/articles/20181228/ddl/k08/040/245000c?pid=14542)より

あのねえ、今年になって風疹が猛威を振るっていることを受けて、行政等が30才から50才台のオッサンに風疹の予防接種を呼びかけていたんだけど、一般人なら「知らなかった」で済むかも知れないけど、行政に勤務するオッサン達がこれじゃあねえ。

しかし、茨城県はこんなインフォメーションを出しているのに、このオッサン達な何を考えていたのでしょうか?

茨城県「風しんの流行にご注意ください」より

注意喚起って本当に必要な人には届かない、という格言が心に染み入る2018年の年末でした(そんな格言あったっけ?)。

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