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楽々にダイエットできていると喜ぶと⋯脳梗塞や心臓病のリスクが隠れているかも⁉

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とにかく痩せたい、と思っている人の多さに驚かされます。ダイエット法は大きく分けると運動するもの、食事を制限するもの、サプリ等を利用するもの、更には医療機関を受診するものに分けられます。

ダイエットは永遠のテーマ

私たち医療機関でも薬物を使用するもの、医療機器を使用して脂肪を融解するもの、なかには脂肪吸引や大がかりな手術をする選択肢もあります。本来ダイエットという言葉は、入院中の患者さんへ対して栄養面で工夫された食事という意味でしたそれが現時点では元の言葉であるDIETでさえ海外でも、日本と同じように痩せる・減量という意味で使用されています。

食事で気を付けるのも結構複雑ですので、こんなツールもあります。

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http://www.dietsolutionsprogram.net/

なぜ、そんなに多くのダイエットが氾濫しているかと言えば、決定打が無いためという考え方をして無理がないと思います。また、性別・人種・個体差がダイエット(痩せるという意味)にはあるために同じような食生活を送っていても差が出てきてしまいます。

いくら食べても太らない人、食事制限しているのに水でさえ太ってしまう人(医学的にはありませんが)などです。苦労しないで痩せている人を見たら⋯実はその人は重大なリスクを抱えているのかもしれません。

数々のダイエットサプリメント

ダイエットサプリだってこんなにあります

あの人、ずるーい!苦労していなくてダイエット成功⋯実は危険です

お友達でいませんか?自分と同じようなものを食べているのに全然太らない人っって。通常の診療を行っていると80才代の女性でも「先生、私すこし太ってきたみたい」とか「もう少し体重を減らしたいの」なんていう方結構多くいます。

そんな時私は「年取って痩せるよりは、美味しくものが食べられる方が健康的ですよ」とか「年取って痩せる方が変なんじゃないの」と実際の医学的に確実な裏付けもなく感覚的に答えていました。

今回45歳以上の人が楽して痩せる場合は病気のリスクが高まる、という論文を発見したのでお伝えしますね。 「Long- and Short-term Weight Change and Incident Coronary Heart Disease and Ischemic Stroke: The Atherosclerosis Risk in Communities Study.」(Am J Epidemiol. 2013 Jul 15;178 (2) :239-48)という題名で記載されていました。長期的および短期的な体重の変化と心臓病や脳梗塞」というような内容です。

楽して痩せると病気のリスクが高まる

脳梗塞を起こすと血流が止まるためにCTではダメージを受けた場所が黒く見えます

自然に痩せるとリスクが増加!

体重が減少してにんまりとしている中年以降のかた、正確には45才―64才の人は要注意です。今回の研究は動脈硬化が病気に対してどの様な影響をおよぼすかを調べるためにアメリカのノースカロライナ大学が地域住民の協力を得て16000人のデータを解析した結果です。

中年期以降3年間に渡って3パーセント体重が減少していると心血管病と脳梗塞のリスクが高まっていた

という内容でした。

3年で3パーセントの体重減少?って誤差の様な気がするが

私の体重は63キロです。3パーセント体重が減少すると61.11キロ⋯結構細かい。学校保健統計調査・運動能力調査をもとにしたデータでは女性の平均身長と体重は下記のようになっています。

女性の平均体重と身長

http://paro2day.blog122.fc2.com/

もちろん人によって違いがありますが、体重が50キロを超えていると公言する女性は少ないと思います。40キロ台に抑えたいという希望も診察上ではよく耳にします。確かに上図を見てみると45才から64歳までの女性の平均体重は実際は50キロを超えていますが、たった3%減ると40キロ台にはなります。

たった3パーセントでもこうやって実際に計算してみると大きな差なのですね。特に女性にとって3パーセントという数字は誤差ではありません。

意識して体重を減らしていないのに減量は危険信号

今回の論文はダイエットを意識していないのに3パーセント体重が減少すると危険だよ、という内容です。体重が減少する病気としてはがんが一番最初に思いつくのではないでしょうか?糖尿病も実は発症初期は体重が減少するときも多いので要注意です。

私も勉強不足だったのか、体重の増加が心血管系のリスクを高めることは承知していまいしたが、減少もリスクを高めるとは驚きでした。

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もちろん今回の論文も2.7パーセントを超える体重増加は心血管系および脳梗塞のリスクを高めることも示していました。ダイエットしているつもりがないのに体重が減少する場合は、何か病気が隠れている可能性と病気のリスクを高める可能性があります。体重チェックは健康のバロメータとして重要な指標であることを頭に入れておいてください。

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心血管系のリスクのイロハです

スタッフに話したらバカにされた

当院は女性スタッフが90パーセント以上を占める職場です。私がいくら注意をしても、彼女たちの間で密かに変てこなダイエット法やサプリに流行していることが有ります。おひざ元で統制が取れていないというのは私のリーダーとしての資格に問題があるのかもしれませんが⋯。そこで今回の論文の結果である「自然に痩せるのも危険」との話をしたら「自然に体重が減るなんてどっかおかしいに決まってるじゃないですか!」と一笑に付されてしまいました。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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