五本木クリニック院長ブログ

認知症を診断する簡単な方法、二つ質問するだけでOKってホント!?


 

認知症の診断ってそんなに簡単かな?

 

高齢者社会で問題になってくるのは「認知症」。私の年代になると自分の親が元気であってもすこしでもトンチンカンな対応をした場合「親父、大丈夫かよ?」と思ってしまいます。親の認知症に悩んでいる友人もいます。私自身人の名前が出なかったり、家族との約束を忘れてしまうと「パパ、認知症じゃない?」なんて言われることもあります。認知症の診断をくだされるって患者さんの家族にとってもショックですし、メチャクチャ病状が進行していないかぎり診断をくだされる本人もショックを受けます。

 

「簡単な質問で認知症を見つけられる」という様な判別方法がテレビや雑誌・ネットで見受けられるのですが、実際の診断はそんなに簡単ではないのですが、医師向けの情報雑誌に簡単に判断できる方法が記載されていました。

 

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二つの質問で認知症の診断に有効!?

 

「Usefulness of 2 questions about age and year of birth in the case-finding of dementia.」という題名でJournal of the American Medical Directors Association.に掲載されていました。論文を書いた人はスペインのミシェル・セルヴェ大学の研究者です。なんと「年齢」と「生年月日」のたった二つを質問するだけで、認知症と判別できるとの報告です。その的中率はなんと100%近いとのこと。

・この二つの質問の回答が両方とも間違っていると、認知症であることは100%近かった

という面が強調されていますが、よくよく論文を読んで考えてみるとなんだか変な結論になります。この論文中には生年月日と年齢の二つの質問をするだけで、特異度と陰性適中率が100%近かった、となっています。
特異度というのは陰性であることを陰性であると間違わなければ高くなります
この場合は、認知症でないひとを認知症でない診断とすることになりますので、この間違いがほとんどなかったので特異度100%近いと言う結論に達します。
陰性適中率とうい言葉も普通の生活を送っていると聞き慣れない言葉ですが

陰性敵中率=本当の陰性の数/検査で陰性とされた数

で表しますので、検査で陰性とされた人(この実験で認知症でないとされた人)の数で詳しい検査で認知症と診断されている人の数を割ったものであり、これが100%近かったということになります。さらにこの論文は感度61.2%であり、陽性的中率44.5%と記載してあります(少し威張った感じで)。この辺りの統計学的解析や用語の説明をするとかなーり複雑になりますので、簡単に説明すると(統計学の専門家のコメント不可としまーす!)、この診断方法が確かである確率は6割であり、この簡単な質問によって認知症を見つけることは4割5分であったと言うことです。

 

こりゃ明らかにヘンテコな内容です

 

認知症であるか、無いかを見分ける為の質問ですが、ある意味二者択一の答えですので、いい加減にやっても正解は半々の50%です。さらに自分の誕生日を答えられない人って実際上かなり進行した認知症の方であるのが実情ではないでしょうか?年齢については時々間違える方もいますが(特に女性)、私たちもとっさに「おいくつですか?」と尋ねられると少し考える時間が必要であったり、若干間違えることってあると思いますが、今回の実験は30秒以内に答えないとならないことになっています。

 

論文中に negative predictive value 98.9%.という記載がありますが、二つの質問に正解であると認知症でない可能性が98.9になるという当たり前の結果をどうだっ!て感じで報告しているのが滑稽です。 日本においては長谷川簡易式スケールと呼ばれる方法を取ることが多いのですが、断然こっちの方が患者さんの評価には有効です。

 

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「おいくつですか?」「生年月日は?」はとの問いかけに答えられない人ってそんな質問をしなくても明らかに「認知症」である言動・行動がみられるのが常識的な判断だと思います。もしも、あなたが医療機関を受診してこの二つの質問を受けたら、認知症を疑われていますのでオッサンはいきなりちゃぶ台をひっくり返しましょう!

注意とお約束:あまりにもヘンテコな論文なので私の読み方が間違っているのでは?くらいに感じています。念のため他の医師にも読んでもらい内容を精査して、明らかに私の解釈に間違いがあった場合は後日訂正させていただきます、もちろん訂正した日付は明記いたします。

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