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紫外線量は5月が最大なんて言われていますが⋯やっぱり夏の方が多いんじゃない⁉

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一年でもっとも寒いのは2月、みたいに一年で紫外線が最も多いのは5月ってきいて、そうなんだ、と思う人もいれば、5月?なんで?真夏のが絶対強そうとと思う人のが多い気がするのですが、みなさんはどうお考えですか?紫外線対策は皮膚・シミ・日焼けと深い関係があるので、医師として調査してみました。

紫外線が一番多いのは7月とかじゃないの?

最近、「眼から入った紫外線で皮膚にシミができる」的なブログを書いたところ、サングラス屋さんのステマじゃないの、と思われてしまいました 汗。今回のブログも日焼け止めのステマではありませんのでご安心ください。

5月の紫外線って意外と多いというのは、経験的に知られていますね。そこで「5月は一年中で一番紫外線が多いんだよね」という会話を聞くことがあります。間違いなくゴールデンウィークで海系で遊んだ後は別に海外に行かなくても真っ黒になっているという経験が自分自身でもありますが、やっぱり夏の方がより紫外線が多いんじゃないかな、という素朴な疑問が湧いてきました。。

気象庁のデータを参考にしてこの、ひょっとする都市伝説かもしれない「五月紫外線最強説」を検討しました。

紫外線とオゾン層の関係

気象庁のHPにモロこの質問がありました。

Q1 紫外線量が1年で最も多いのは何月ですか?

Q2 紫外線は5月が最も多いと聞いたのですが?

その答えはQ1は「7-8月」、Q2は「UV-Aのことと思われます」、という不思議な回答でした。紫外線にはUV-A,UV-B,そしてUV-Cなど波長によって別けられています。

紫外線とは?–PROTECT_from_UVA_Powered_by_NIHON_L_ORÉAL

http://www.nihon-loreal.jp/

波長が短いほど人体に対する影響が強いのですが、UVーBは波長280-320nm、UVーAは320-400nmとなっていて、UV-Bの方が悪影響があります。しかし、波長は長いほど皮膚の奥深くまで到達するというややこしいことになっています。そこで登場するのが、オゾン層の問題です!私は基本的に自然を守るとか、反捕鯨とは真逆の立ち位置ですが、オゾン層が破壊されているのは間違いありません。UV-Aはオゾン層にほとんど吸収されないために一年を通して安定的に地球上に降り注いでいるのです。
月ごとの紫外線量のデータは気象庁では札幌、つくば、那覇、昭和基地(南極)しかありませんでしたが、紫外線量としては5月より7、8月の方が多いことが観測されています。

気象庁–_日最大UVインデックス_観測値)の月平均値の数値データ表

日最大UVインデックス (観測値)の月平均値の数値データ表(http://www.data.jma.go.jp/)

紫外線量は5月が最高ではありませんが、UV-Bは結構多いです

UV-Bは全紫外線の5%くらいしかありませんが、オゾン層で吸収されないで地上に到達して人の皮膚に入り込むとDNAを傷つけてしまいますから、オゾンホールが出来ていると人体への悪影響が大きくなってしまいます。世界的にみると日本上空のオゾン層は年間を通して安定していますので、UV-Bが地上に到達する量は多くの人が考えるように夏に増えています。気象庁の人は全体の紫外線量は5月じゃなくて、7−8月の方が多いんだよ、と答えていたのはUV-Bにおいても正解でした。

日積算紅斑紫外線量の月平均値の数値データ表 単位 kJ/m² (http://www.data.jma.go.jp)

UV-B量とは、波長が280~315nm(ナノメートル)の紫外線強度の積算値です

やはり、5月よりは7−8月の方が圧倒的に多いことが観測されています。

気象庁の「UV-Aのことと思われます」という不思議な回答は日焼けを起こして皮膚が赤くなる紫外線を「紅斑紫外線」(波長は290nm~400nm)と呼んでAもBもまとめてデータを収集していたことが理由です。ということは「UV-Aのことと思われます」つまり「UV-A単独は気象庁では測定してないんだよね」でした。

気象庁–日積算紅斑紫外線量の月平均値の数値データ表

日積算紅斑紫外線量の月平均値の数値データ表 単位 kJ/m² (http://www.data.jma.go.jp)

紅斑(こうはん)紫外線量とは紫外線が人体へ及ぼす影響の度合を示す量です。紅斑とは、紫外線を浴びた後皮膚が赤くなることをいいます。紫外線が人体へ及ぼす影響は波長によって異なるため、290nm~400nm(ナノメートル)の波長範囲について、波長別紫外線強度に人体への相対影響度を波長毎に掛け、積算して求めます。

5月から増えだした、紅斑紫外線は6月に減り7−8月と増加しています。6月は日本では梅雨に入りますので、当然日光が地上に届く量が現象しますので、この紅斑紫外線も減少します。

単位もインデックスとかkJ/m²が混じっていて、もう少し一般人にわかりやすい説明をしてくれても良さそうそうなものです。官公庁の中で気象庁の職員が一番浮世離れしていて、マニアックでありオタク系が多いとされていますので、こんな説明になってしまうのでしょうね。

サンバーンとサンタンの違い

日焼けして皮膚が真っ赤になることをサンバーンといいますが、この原因はUV-A20%、UV-B80%とされています。日焼けした方がカッコいいと考えているオッサンが求めるのはサンタンであり、これはUV-Bの作用が多いとされています。
簡単にまとめますと
・UV-A しみ・シワ・たるみの原因となります、皮膚の奥まで届きます
・UV-B 日焼け・シミの原因となります、紫外線に占める割合は少ないですが悪影響が大です
ということになります。
ちなみに日焼けマシーンはUV-B付近の波長に絞って体に照射しますから、赤くならないでカッコいい褐色の肌を得ることが可能ですが、アメリカでは州によっては未成年者の使用を禁じていることは以前ブログでお伝えしました。

結論としては一年中日焼けには注意をしましょう

「5月って紫外線量が一番多いんだよね」という話は都市伝説でした。「5月って意外と紫外線が多いんだよね」が正解でした。しかし、冬に比較すると5月以降紫外線量がドンドン増えてきますので、ゴールデンウィークにお出かけの予定がある方は皮膚の老化とダメージを防ぐためには、日焼け止めはマストアイテムです。特定の商品を売り込んでいるわけではないのでステマじゃありませんよね。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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