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脱法ハーブがあるなら、違法ハーブ、合法ハーブってあるのか?という素朴な疑問

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先日、脱法ハーブを吸引した男が池袋で車を暴走させる事件が起こりました。この男は「事故は脱法ハーブのせい」とのたまっているのですが、なんの罪もない方を死なせておいて良く言えるよ!と大憤慨している方も多いと思います。

「脱法ハーブ」って具体的にどのようなものかご存知でしょうか?脱法ハーブを吸引して引き起こされた事件が最近やたら目につきますので、チョイと調べて見ました。

脱法ハーブって具体的に何??薬草のことかな??

脱法ハーブによる事件

脱法ハーブって具体的に何??薬草のことかな??

ハーブって薬草という意味で使われているので、薬草で合法なものは合法ハーブと言って良いのでしょうか?薬草の代表である漢方薬は民間医療に昔から使用された経緯があり、日中友好の証としてある時代からドサクサに紛れて保険診療の対象になりました。漢方って副作用がないのよね的に捉えている方もいますが本当でしょうか⋯漢方薬でもしっかりと副作用情報は添付されています。
漢方の考え方/漢方薬にも副作用はあります:ツムラ
www.tsumura.co.jpより
一般的には脱法ハーブは合成されたカンナビノイド(大麻の成分)を含むものを指すようですが、私の持っている薬理の教科書(学生時代のものしか、今は手元になかったので情報としては古いかも)によれば、その大麻の効果は幻覚・妄想・催眠・鎮痛・発揚・不穏を引き起こすとなっていますので、人生を終わらせるためには非常に役立つ効果があります。wikiによれば

法律で取り締まりができないTHCの類縁体を含有することから合法ハーブとも呼ばれる

そうですので、法律の規制外の成分を含みつつ麻薬的な効果があるものが脱法ハーブらしいです。THCというのはテトラヒドロカンナビノールの略称、大麻の主要成分のカンナビノイドは明らかに違法だけど、それを真似て合成したテトラヒドカンナビノールに似た成分だと当局が規制していないので、違法ではない⋯つまり、合法ってことになります。なんだか判った様な判らないような釈然としない合法ハーブです。

なんで脱法ハーブは吸引するのか?

脱法ハーブは大麻のように火をつけて、期待した効果を得るようですが、薬理の教科書によれば噛んだり、飲み物にしても効果はあるようです。じゃあ何故、煙にするかというと肺から急激に有効成分を吸収するためです(注射が一番即効性があります)。漢方薬を煙にして使用する方法は厚生労働省が承認した正しい使用方法ではありません。

じゃ、「アンナカ」を煙にして吸引したASUKAはどうなんだよ❗

安息香酸ナトリウムカフェイン、略して「アンナカ」、これは薬局でも購入できるとの報道もありましたが、ASUKAは医師に処方されていた模様です。しかし、「アンナカ」なんて通常は薬局に常備していないと思います。そんな特殊な薬を処方したとされる医師もかなり⋯。カゼ薬や抗菌剤や血圧の薬を処方されて火をつけてタバコのように使用した人って聞きませんので、合法的に処方されたとしても、かなり怪しい使い方ですよね。

合法か違法かを判断する上で使用方法も参考にしたらいかがでしょうか、法曹関係、厚生労働省、警察の方。

アロマセラピーはどうなるんだ、合法?違法?

女性には人気のアロマセラピーですが、これって葉っぱの成分を抽出したエキスを暖めて空気中に拡散させて使用するものです。中にはリラックス効果、とか鎮静効果、などなど効果効能を謳っている広告も見かけます。
憂鬱な気分から抜け出すアロマの香り
効果・効能があったら薬に分類されるはずなのになぜか規制されることなく販売されていることに目くじらを立てるほどではないですが⋯。こうなるとお香や香水さらにお線香とかはどうなるの?となってしまいますので。

薬事法では幻覚などの通常では起こりえない危険な作用を引き起こす成分を「指定薬物」と定義していて、持っていることさえ禁じられています。この規制成分を含んだハーブを「脱法ハーブ」と呼んででいることがやっと理解できました。必ずしもカンナビノイド及び類似成分を含んでいなくても、この薬事法で制限された成分を含むものが脱法ハーブだったのです。

脱法ハーブ=違法ハーブ=指定薬物を含む

自然界には30万種類くらいの植物が存在していますので、その植物の中には限りなく「通常では起こりえない危険な作用」をもったものもあるはずですけど、全てを調べることはまず不可能でしょうね。いくら当局が規制をしても脱法ハーブ愛好者は世界中の野山を駆け巡って新しいハーブを見つけてくるはずです。ちなみに抗生物質の原料は研究者が世界中の土壌の中から見つけています。

脱法と違法あるいは合法は当局次第です、調べなきゃよかった「脱法ハーブ問題」でした。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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