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冬の乾燥による「敏感肌」を治す方法と予防対策⋯「セラミド」がキーポイントかも??

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女性の患者さんから「私は敏感肌だから」という言葉を聞きます。

洗顔しても肌がピリピリする、化粧水をつけても肌に刺激感がある、お化粧をすると肌が赤くなったり、痒くなってしまう。このような症状を併せ持った人が「敏感肌」という表現をつかいます。

でも、医学用語として「敏感肌」って実は無いのです。

そもそも「敏感肌」の敏感ってどういう意味?

医学的には敏感肌=傷ついた肌=バリア機能が壊れた肌と考えます。

敏感肌だとご自分で感じた方の自分流の対策として一番多いのが、化粧品を変える、なんですけど、それは本当に根本的な解決になっているのか⋯ふと不安に思いませんか??

敏感であるから、自分に適した化粧品、とくに基礎化粧品をいろいろと試してしまいがちです。

でも、多分肌質と考えている「敏感肌」が改善するどころか、ドツボに嵌ることが多いんです。

だって、化粧品に対して敏感になっているわけではなく、医学的に肌自体が傷ついているのが敏感肌なのですから、ダメージを受けている肌自体の治療が優先されるべきなんです。ただ、ダメージの修復・補修みたいなキャッチフレーズがついている化粧品も多いので、化粧品で治療ができると思ってしまうのも無理はありません(治療は⋯無理です。)

ダメージを受けている肌のイメージ

http://www.curel.ca/en/infocentre/ceramides

冬に敏感肌が増えるのは乾燥のためです、対策は保湿が第一❗

冬になると肌がカサカサになりがちですよね、当然外の空気も乾燥している季節ですし、室内も暖房器具によって予想している以上に乾燥しています。乾燥した環境だと、外部から人体の構造を守る働きをしている「皮膚」の表面も乾燥します。乾燥すると干上がった池のように肌もひび割れ状態になってしまい、肌本来の外部からの刺激を防ぐ「バリア機能」が失われてしまうのです。

皮膚の一番上にある表皮の角質層がバリバリになって、適度な水分と脂分でバリア機能を保っている肌本来の機能が上手く働かなくなります。ここで多くの人が化学薬品や防腐剤が使用されている化粧品の刺激によって「敏感肌」になっていると解釈するために、オーガニック・自然派化粧品に走ってしまうのです。

オーガニック・自然派神話はあくまで神話であると先日のブログでご紹介しました(関連エントリー 「オーガニックコスメ、自然派化粧品が肌に優しく安全だという口コミ情報って本当かな??」)。となると、敏感肌を治すためには全く化粧品を使用しないほうがいいのか?との疑問が湧いてきます。

いくら医師が化粧はしないでね、と指示をしても患者さんが守るわけがありません。

経験値の少ない医師にありがちな患者さんとの会話

「化粧はしていないですよね?」

「もちろん、全くしていません」

「洗顔後はどうしていますか?」

「よーく泡立てた洗顔料で優しく顔を洗って、保湿成分の高い化粧水を使って⋯」

「化粧水つかっているじゃないですか?」

「えっ、化粧水って化粧品???」

こんな会話が患者さんと医師の間でかわされがちです。当院ではどんなに肌のトラブルを抱えた方に対しても化粧品が原因となっているトラブル以外は「化粧禁止」の指示を出すことはありません。

敏感肌がバリア機能を失ったダメージを受けた肌であると、考えた場合、適度な保湿成分をもった基礎化粧品は肌のダメージ回復に役立っている事も多いですし、化粧をしなければ肌のトラブルが治るのが早い、との確実なデータは存在していません。

肌を傷つけないような丁寧な洗顔、適切な化粧水、ダメージを受けた肌を治療する薬、そして保湿、これが冬という乾燥した季節における敏感肌に対する一番の治療方法であり、乾燥肌対策でもあります。

冬の敏感肌対策は乾燥肌対策と「セラミド」

冬の季節に多く見られる「敏感肌」のほとんどは「乾燥肌」が原因となっている、と考えて間違いありません。保湿剤と呼ばれる私たちが処方する塗り薬は基本的に油分を補うだけであり、女性が希望する「潤いのある肌」を実現させるための薬ではありません。

最近は機能性化粧品というのか、本来は効果効能を示してはいけない化粧品(薬じゃないんで、効能を表示したら薬事法違反になってしまいます)のなかで「セラミド」という成分を含んだものを見かけます。この「セラミド」は肌の角質と角質の間に存在している適度な水分と脂分を含んだ角質細胞間脂質の半分くらいを占めている成分です。

角質細胞間脂質セラミド

花王 細胞間脂質とは

化粧品業界は下手な皮膚科医師より肌の構造を知っていることが多いですし、とくに女性の肌に対する考え方は医師が学ぶべき点も多く見られます。肌のバリア機能を補助するセラミド入りの基礎化粧品を乾燥が激しい冬場のスキンケアに使用することは、自分で敏感肌と考えている人にとってお勧めできるセルフケアと考えます。

でも、敏感肌と感じていて少しでもお時間が取れる方は医師の診察を受けつつ、効果的なスキンケアをするべきでしょうね。とくにアトピーを合併している方は塗り薬とスキンケアだけで、冬場をしのぐのは至難の技ですから、根本的なアレルギー対策としての飲み薬の併用が効果的です。

でも、オーガニックコスメ・自然派化粧品神話の信奉者はなぜか飲み薬って嫌うんですよね。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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