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有料老人ホーム、という言葉があるのなら無料老人ホームがあるってこと??

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人類未踏の超高齢化社会が目の前に迫っている日本です。12月中に衆議院議員の選挙が行われますが、争点は景気問題に絞られているようです。日本の財政問題を脅かす大きな要素が医療、そして高齢化社会であることは間違いありません。折り込み広告や雑誌の広告で「有料老人ホーム」という言葉を見かけます。

複雑怪奇な老人福祉・医療を取り巻く用語

有料と明記するからには、その反対の「無料老人ホーム」があって当然です!

でも、ある人は有料老人ホームに入ってお金がかかり、ある人は無料老人ホームに入ってお金の負担が無い、というのは国民が受けることができる福祉制度は基本的に平等ではならない、という考えに反するんじゃないでしょうか?良い悪いは別として健康保険を使用して受ける医療は日本中、誰がどこで治療を受けても同一内容の診療行為であれば料金は均一です、というか均一のはずです。

老人ホームは医療じゃない、福祉の一環であるという考え方ならば、老人ホームに入所している人の医療費は無料老人ホームも有料老人ホームも一緒なのか、という素朴な疑問が出てきました。当地で開業して17年が経過し、患者さんご本人、あるいはご家族も高齢化して老人ホーム問題の質問を受ける機会も増えたこともあり、有料老人ホーム、無料老人ホームについて調べてみました。

www_yurokyo_or_jp_investigate_pdf_report_h24_01_pdf
https://www.yurokyo.or.jp/より
ここ数年でこんな勢いで老人ホームは増加しています。

無料老人ホーム、って定義自体があやふや❗

老人ホームと多くの人が解釈している施設ってこんなに種類があります。まずは公的な自治体が中心となって運営されているものは

・デイサービスセンター
・老人短期入所施設
・養護老人ホーム
・特別養護老人ホーム
・軽費老人ホーム
・老人福祉センター
・老人介護支援センター

老人ホームのホームという言葉を「住居」と考えた場合、デイサービス・老人福祉センター・老人介護支援センターは除外されます。これだけ複雑な名称が混在して高齢者をケアするシステムになっている点からいかにもお役所がその場しのぎ、各方面への気配り、よんどころのない事情のもとに老人に対する福祉制度が作られた感が漂ってきます。これは公的な機関が運営している高齢者向けの福祉サービスですが、

自腹を切っている感覚は無いだろうけど無料で済むわけではありません

当然、介護保険などの公的な利用料を施設は徴収していることになります。

有料老人ホームとは

公的な機関が運営している老人ホームを含めた高齢者向けのサービスも丸々タダ、無料とうわけではないようです。じゃあ、なんで「有料老人ホーム」とわざわざ明記した広告類を見かけるのでしょうか?基本的な考え方として有料老人ホームは民間が経営している老人施設を指すことになっています。この有料老人ホームも複雑な違いがあります。

・介護付き有料老人ホーム
・住宅型有料老人ホーム
・健康型有料老人ホーム

って具合に分類されています。この中の健康型有料老人ホームって今回調べて初めて知った施設なのですが、この条件として「介護が必要になったら出て行く」という理不尽なことになっていますので、多くの人が求めている老人ホームとしては要件を満たさないのではないでしょうか?多くの人が求めているとともにイメージしている老人ホームは介護付き有料老人ホームだと思われます。

老人福祉法って昭和38年に制定されたんだ❗

やっぱり、行政の対応は後手後手になっているようです。日本の高齢者に対する法制度は老人福祉法が基本となっています。この老人福祉法って昭和38年、つまり1963年に作られた法であり、日本が高度成長期に乗っかり、翌年は東京オリンピックが開催される、乗りに乗った時代に作られた制度なんです。

その当時の日本人の平均寿命は男性65歳、女性70歳程度であり、近年の平均寿命より10年以上も早く多くの方が亡くなっていました。多分、当時のお役人は公的な老人施設で十分まかなえ、さらに財源も厚生省(まだ厚生労働省ではありません)が管轄する範囲でやりくりできる、と予想していたんでしょうね。現在の老人福祉の財源は健康保険はもちろん、後付けの介護保険、地方自治体のやりくり等でどうにかこうにか回しているようですが、多分近いうちに破綻するのは目に見えています。医療費も膨大になっていきますし、住宅環境・家族関係の変化、景気問題によって老人の面倒を見ることは非常に困難な状況になっています。

民間経営じゃない、公的な無料老人ホーム(実際は無料ではありません)に申し込みすると、数年先まで予約がイッパイであるのが、実情です。多くの老人を抱えた家族としてはクタクタになっているから老人ホームで高齢者の面倒を見てもらいたいと希望するのに「数百人待ちです❗」と福祉課の人はあっさり答えます。

ここまで書いてきて、かなり先行き不安になってきましたが、老後お金の心配なく、安心して暮らせる方法があります。

年金を全く払わない、貯金をしない、生活保護を受ける、これらの条件を満たすと医療費は無料ですし、老人福祉も優先的に公的な老人ホームに入所できます

つまりこの方法によって無料で優先的に老人ホームを利用できる、ってことになります。

老後の心配を抱えるなんてアホらしいことであり、今あるお金はバンバン使って、年金も払わないで、仕事もしないで暮らして行く方が経済的な合理性が高い、というへんてこな状況に追い込まれている日本国です❗

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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