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酵素ダイエットセミナーは効果云々より、単なるセミナービジネスなんじゃない??

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最近、目にする「酵素ダイエット」というものがあります。酵素を含む食事やサプリでカロリーをコントロールしてダイエットを!ということらしいです。

酵素って一見体に良さそうなイメージは確かにあります

消化酵素の一つであるアミラーゼ(主にすい臓から分泌される)を麹菌から抽出したのがあの有名なタカジアスターゼですが、これは大手製薬メーカーである三共(今は第一三共といいます)が発明した日本が世界に誇る消化を助ける薬であることに間違いはありません。

大根おろしが食べ過ぎの胸焼けをおさえるという「おばあちゃんの知恵」にヒントを得た発明・発見です。

しかし、あくまでこれは胃腸の消化を助ける働きによる作用の効果・効能であり、酵素自体は最終的には消化管内でアミノ酸に分解されてしまいます。つまり、直接的に体内に酵素といった形で取り入れられるワケがないんですけど⋯。酵素ダイエットってその効果より販売方法やそれにまつわる検定・認定ビジネスの方がお盛んなようです。

こんなに儲かりますよ❗酵素ダイエットビジネス

ヘンテコなチラシを手にしてしまいました。そこにはこのように書かれています。

お客様に最高の満足を提供出来ていますか?

お客様というんですから、ビジネスであるには違いありません(医療もお客様ではなく患者さんと呼びますが、ビジネスであることに異論はありません)。

しかし、ビジネスという言葉は金儲け中心の悪いイメージもつきまといますね。これは酵素を扱った非営利団体がエステサロンを対象に配布しているビラです。もちろんお客様でも患者さんでも満足して頂いてそれ相当の金銭を授受することは全く問題のない商取引です。

しかし、このビラは「私たちの講座を受講してお客様に提供すればこんなに儲かりますよ!」ということが強調されていて、

酵素ダイエットの理論は一切書いてありません

秘密の成分とか、画期的発見があるので受講しないと教えてもらえないのかもしれません(笑)。

この講座は酵素を使った食べ物を講座を行って、受講すると1級とか2級のお免状をいただけるシステムになっています。さらに上級者向けの講座はダイエットのスペシャリストを養成するものです。

多数の講座を受講して上級の称号を受けること自体何も問題はありません。しかし、一定以上の資格を獲得すると自分自身も講座を開けて生徒さんを募集できるシステムになっています。

フィリピンの酵素健康法のセミナー風景

http://www.bioenzymeplus.byethost16.com/index.php?s=seminars

フィリピンでも酵素を使用した健康法のセミナーが行われています。

enzyme foodsは酵素が含まれる食べ物として海外でも注目されているけど、酵素を食べて健康になるかは謎

これって酵素の名を借りた検定・認定ビジネスなんじゃないの?

この称号?を名乗ると

  • 客単価が大幅アップ(いきなりお客様から客と呼び捨て)
  • 一度にたくさんの集客が可能(一気の儲けよう?)
  • ミキサー一台あればどこでも開講できる???

ということらしいです。最後の文章が気になって気になって⋯つまり、この講座を受けてお免状を貰ったらあなたも同じような講座を開けるから儲かりますよ、ということなんじゃないでしょうか?

勉強熱心で(理論的には間違っていたとしても)少しでもお客さまの役に立てば、なんて考えたエステティシャン、エステサロン経営者がこの講座を受講すると認定校になれるようで(学校を始める為の学校という表現がわかりやすいかな)、認定校になって受講生(エステシャン?お客さま?)の輪がどんどん広がることによって某団体は利益を得られるシステムになっているように思えるのは、私の認識・理解不足のためなんでしょうか?

さらにビラを読み進めると受講した場合のモデルケースがありました。

  • 講座を開講するとコミッション率××%(逆に言えば上部団体が◯◎%吸い上げる??)
  • ある講座を3人受講すると△万円×⚫️人×◯%で□□万円儲かります
  • さらに上級コースを1人受講すると◯◯万×⚫️人×△%で××万円儲かります

との成功例が掲載されています。

3人のお客様(途中から客になっていますが⋯)をゲットすると粗利として資格を得るために投資した受講料は回収できる、という非常に優れたビジネスモデルとなっています。

このビジネスモデルって何処かで見かけたことありませんか?ネット上に溢れる「貴方も講師になれる講座」「セミナー講師になって稼ぐ」式と同じ仕組みに見えてしかたがありません。

酵素でダイエットの理論

酵素をつかったダイエット法が健康雑誌などを賑わしていますが、繰り返しますが体内というか細胞内に口から入った酵素が直接作用することはあり得ません。つまり酵素ダイエットは効果がない、ということです。酵素ダイエットを試したのに効果が全然ないとお怒りのかなり過激な内容も多数ネットで散見できます。

酵素ダイエット界は魑魅魍魎、群雄割拠の様子

コラーゲンを食べてもお肌のコラーゲンにならない❗のは以前ブログで説明しましたが、それと同じ理論というか揺るぎのない事実です。酵素ダイエットに成功したとしても、カロリーが少ない野菜食中心の生活になりますのでその為によると考えられます。

「コラーゲンでお肌プルプル」は無理を転送装置を使って説明します

「コラーゲンでお肌プルプル」は無理を転送装置を使って説明します

コラーゲンをいくら摂取してもお肌がプルプルになることはありませんが、いまだにコラーゲン配合をウリにした商品が根強く残っています。頑なにコラーゲンがお肌にいいと信じている人には普通に説明しても理解してもらえないので、スタートレックの転送装置を例として「コラーゲンを摂ってお肌プリプリは無理説」を説明をしてみます。

やっぱり怪しいぞ、酵素ダイエット商法

この酵素ダイエットが理論的であり、効果が実証されているものなら問題は発生しないと思います。ミキサー一台で講座が開けるんですから、受講生(お客さま)もミキサー一台でダイエットが可能になるんですから。

これ以上書くのは怖いんでこの辺りで止めときます。効果があるか無いかは別にして、酵素ダイエットについて知識を得たければ本屋さんにいくことをお勧めします。

追記 2015年11月29日

このブログ、団体名が特定できる内容だったために若干内容を変更いたしました。考え方として「茶道」「華道」等の伝統文化のお稽古もお免状があれば、新たなお稽古教室を開設できるのと同じかもしれません。余暇を持て余したおばさま方の間でも、お稽古に通うことが教養や知識を広げるために流行っています。しかし、医学的には効果が認められないと考えられる酵素健康法をセミナー系で拡散することを大人の対応で見過ごすのもなあ⋯。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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