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「ロキソニン」は飲み続けてはいけないの❓薬は作用があれば副作用があるのは当たり前❗

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週刊現代に連続して医療批判、薬批判記事が掲載されて、予想外に医療現場に混乱をきたしています。先日厚労省が「重大な副作用」が追加された「ロキソニン」についてもモチロン書かれています。

メジャーな薬の副作用は特に注目を集めますが、臨床医は「メジャーな薬=安心・安全」とは必ずしも考えているわけではないんだけどね。ロキソニンよりポピュラーな解熱鎮痛剤である「アスピリン」は胃潰瘍を起こすことで有名なので、服薬時は胃の粘膜を保護する働きのある薬を一緒に処方することが一般的です。二種類の薬を解熱効果・鎮痛効果のために服用することは、それはそれで問題ではあるのですが⋯。

ダマされるな!「メジャーな薬=安心」ではない、はホント?

週刊現代によると、ロキソニンの売り上げは495億円になっています。ロキソニン一錠の値段は「15.90」円ですから31億錠使用されている計算になります。国民一人あたり20錠近く年間服用しているってことになります。ロキソニンが処方薬として使用されるようになったのは1986年ですから下手すりゃ1000億錠近く処方されている可能性も出てきます(ザックリ過ぎる計算はご容赦)。

現役医師が実名で証言する「アブない薬」 〜売れている薬の半分以上は、飲み続けないほうがいい 薬漬け社会のタブーに切り込む___賢者の知恵___現代ビジネス__講談社_

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48908?page=5

副作用は薬を飲み続けることによって発症することもあれば、一発で副作用が出ることを考慮しても考慮しても「重大な副作用」として厚労省が追加した「小腸・大腸の狭窄・閉塞」の6症例は多いのでしょうか?少ないのでしょうか?

盛りすぎの傾向がある週刊現代さま、以前はこんな話もありましたね。

現役医師に聞いた「患者には出すけど、医者が飲まないクスリ」ってウソだよね、冗談だよね⁉

現役医師に聞いた「患者には出すけど、医者が飲まないクスリ」ってウソだよね、冗談だよね⁉

どんな薬でも作用があれば副作用もあります

薬っていうものは毒にも薬にもなるわけで、常識人は作用と副作用はもともと表裏一体であると考えていますよね。

週刊現代の狙いというか趣旨は些細な稀にしか現れない副作用を大々的に取り上げて「危ない、飲んではいけない」と言っているようにしか感じられません。膨大な数が処方されているロキソニンの特殊なごく少数の副作用を取り上げて大騒ぎする、そんな姿勢の週刊現代に批判的な臨床医が多いはずです。

実際に医療現場も今回の一連の週刊現代の「医者にダマされてはいけない」記事によって混乱が生じています。「先生、このロキソニンですけど」「先生、週刊誌で飲んではいけないと言われているのこの薬では?」などの質問がしょっちゅう出るので、一部の医師は「それは週刊現代に聞いてよ」「そんな話は発言した医師の病院に尋ねてよ」なんて業務妨害にもなりかねない、危険はことを言い出す人もいるようです(医師しか見れないSNSより)。

当院には週刊現代をリスクをおかしてまで全冊保管しています(エッチ記事も多いので、女性スタッフの多い当院では私の机の下に隠してありますけど⋯余計怪しいか?w)。実際に質問を受けた時は雑誌をお見せしながら、副作用のリスクもあるけど、今のあなたには利益のほうが多いんじゃないの的に説明をしてます。

中には「週刊現代の記事に対抗するサイト記事もありましたけど」と言いながらスマホで私のブログを見せてくれる人もいます⋯

「飲んではいけない薬」はウソだらけ⁉医師でも医療ジャーナリストでもトンデモさんが多発❗

「飲んではいけない薬」はウソだらけ⁉医師でも医療ジャーナリストでもトンデモさんが多発❗

浜六郎という医師が広めた「飲んではいけない薬」というキャッチーなタイトルの特集記事があります。おっさん御用達の雑誌で定期的に取り上げられる人気?シリーズです。読んだことはなくても電話の中吊り広告などでご覧になった方も多いのではないでしょうか?たかが雑誌、されど雑誌、患者さんと接する医師にとっては大変迷惑な記事なのです。

薬の作用と副作用は表裏一体であることしてこんな例を挙げると多くの患者さんは納得します⋯「血圧の薬は血圧を下げるでしょ、飲みすぎれは低血圧を引き起こすよね。」、超単純な思考ですが、「さじ加減」が難しいために処方は医師にしか許されない行為なのです。

医療ジャーナリストの方はなぜ薬を危ない、危険、飲んではいけない、と主張するのか?

サプリメントだから副作用がない、と信じている方も多いでしょう。しかし、作用と副作用が表裏一体と考えると「副作用がない=効果がない」とも言えます。本当に効果がある成分を抽出して、薬効のみを期待したものが「薬」なのです。

例えば前述のアスピリンは古代から鎮痛作用があると考えられてきた「ヤナギ」から有効成分である「サリチル酸」を抽出したものです。当然アスピリンも副作用がありますので、植物由来成分だから体に優しいとか副作用がないと主張するサプリメントが決して安心とは言い切れませんよね。

自称医療ジャーナリストの多くはひょっとして、医薬品を危険、危険、飲んではいけない❗と主張しつつ、ある一定のサプリメントやニセ医学系・擬似科学系の健康法に誘導しているかもしれません。またいくら現役医師が危ない薬を証言しても、その医師が処方しているものだって必ず副作用があります。

某医師は血圧の処方はARB (週刊現代ではブロプレス)の代わりに薬価の安いサイアザイド系を使用していると、書かれています。サイアザイド系の薬だって重大な副作用として「間質性肺炎・肺水腫」がありますし、「再生不良性貧血」も引き起こしますし「低ナトリウム血症」にもなってしまうことがあります⋯怖い、怖い、危険、危険、飲んではいけないよねー。

知らないで出している医師がいるのも間違いのない事実だけど⋯

非常にメジャーな抗菌剤と非常にメジャーな消炎鎮痛剤を組み合わせると「痙攣発作」が起こることがあります。

具体的に言うと、クラビットなどのニューキノロン系の抗菌剤はロキソニンなどの酸性の非ステロイド性抗炎症薬を一緒に飲んでしまうと痙攣発作が発症する場合はごくごく稀にあるのですけど⋯これを知らないで処方している医師が多数いますが、今のところ健康被害はあまり聞きません。

この知識は抗菌剤を乱用する傾向のある泌尿器科医(私の専門は泌尿器)では常識ですが⋯。

たまには週刊現代のような突飛な記事が出て、医師も反省する必要があるのかも知れません⋯処方するだけで、後の副作用の説明を薬剤師さん任せにしている医師は特に注意を❗

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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