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プールでおしっこしちゃう人、こんなにいるんだぞ❗ジャクージはもっとヤバいかも??

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一昔前まではプールって夏の風物詩だったと思うのですが、今はスポーツクラブや地域の学校のプールで一年中泳いだり、水中ウォーキングをしたり、リハビリしたりすることが可能になっています。

オリンピックサイズ1/3のプールに75ℓのおしっこ⁉

以前、プールに入ると目が赤くなる理由は塩素等が原因じゃなくて、実はプール中に含まれる尿が原因である、つまりプールでおしっこをしちゃう輩がいるんだよ❗ってブログを書いてしまいました。

プールで目が赤くなるのは塩素が原因じゃなく、おしっこと塩素が混じって有害物質を作るから⁉

プールで目が赤くなるのは塩素が原因じゃなく、おしっこと塩素が混じって有害物質を作るから⁉

冷えたり水を触ってしまうだけで、尿意が強くなり我慢できなくなる病気として過活動膀胱というのがあり、ある報告によれば日本で1000万人以上いると言われています(「1000万人が悩んでいる排尿トラブル『過活動膀胱』日経Gooday)。これだけか過活動膀胱を患っている人がいると、プールに入っていて急に尿意をもよおし心ならずも失禁なんて事態もおこり得ます。それを裏付けるかのような記事がありました。

「おしっこプールは実在する 75リットルの尿を検出」

Newsweekの日本版に2017年3月9日に掲載されていた記事です。(https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/03/75-1.php)

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この原因のすべてが過活動膀胱の人ってわけじゃなく、多分子供とかが遊びに夢中になって思わずおもらし、あるいは不埒な大人がトイレに行くのが面倒だから、なんてことの影響もあるかもしれません。

プールだけじゃなく、ジャクージにもおしっこが混入❗

ニューズウィークの記事の元ネタはカナダのアルバータ大学の研究者による「Science proves it: people pee in the pool」というもので、アルバータ大学のサイトに掲載されている小ネタです。研究方法はアセスルファム・カリウムという成分がどれだけプールやジャクージに含まれているかによって汚染度を予測しています。

このアセスルファム・カリウムですが、人工甘味料として使用されていて、人体内で代謝されないでそのまま尿中に排出されるから、これを測定すればどれだけプールにおっしっこが混じりこんでいるかを予想できるんだそうです。その結果、ニューズウィーク日本版によれば

83万リットル(オリンピックサイズのプールの約1/3)と42万リットル、大小2つの公共プールを3週間にわたり調査した。それぞれの水に含まれるアセスルファム・カリウムを計算すると、大きい方のプールには約75リットル相当、小さい方のプールには約30リットル相当の尿が含まれている計算になった。

とのこと。プールの水全体に占めるおしっこの割合はかなり小さな数字ですが少なからずもプール中で排尿しちゃっている不埒な輩がいることが証明されたようです。

えーっと、この研究ここがちょっとヘンじゃないの?

一見、へーなるほどね~、と思ってしまうこの研究、よくよく考えるとヘンです。ニューズウィークに書かれていますがアセスルファム・カリウムの検出はプールよりジャクージの方が多いとの研究結果もあり、最高値を記録したのは某ホテルだった模様です。海外のリゾート系のホテルのプールの多くはプール内で飲み物を飲むことが可能ですし、おしゃれーなリゾートホテルのジャクージに入って飲み物を飲む風景が頭に浮かびませんか?

ジャクージに入りながらダイエット飲料を飲んでいて、飲み物をこぼしたら⋯ジャクージ内のアセスルファム・カリウム量は半端ない数字になるはずです。アルバータ大学の研究者の方、飲食禁止のプールやジャクージに限って調査しないとこんな因縁をつけられちゃいますぜ(笑)。

日本のプールはどうなっているのでしょうか?

日本のプール、特に公共施設の多くはプール内では飲食不可だと思いますので、おしっこプール問題を調べた研究が日本にあるかを検索したのですが⋯残念ながら見つけられませんでした。しかし、日本でプールを設置する場合、こんな感じのかなり複雑なシステムが必要なようで、万が一プール内におしっこが混入しても、濾過機や消毒装置によってクリーンな水質が得らると思います。

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東京都福祉保健局 (http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/tamafuchu/eisei/eigyou/shinsei/pool.files/28_pool_tebiki.pdf) プールのてびきより

ですから、プールはおしっこで汚染されて危険、危険って騒ぐことはないのではないかと個人的には思います。

ホメオパシーというヘンテコな民間医療があるのですが、それを紹介しているサイトで

マーサ・クリスティが言っているように、尿ホメオパシーの効用は素晴らしいものがあります。特に、尿をホメオパシーに希釈したものは子供たちには有効で、重症なアレルギーや過敏症、または情緒障害、ヒステリーなどにも優れた効果があります。

なんて記述を見つけちゃいました(http://blog.jarda.jp/?eid=383)。ホメオパシー信仰者は今回のおしっこプール問題を大歓迎しているかもしれませんね。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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