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うどんvsお蕎麦、どっちがダイエットに効果的か論争に終止符⁉

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うどん派と蕎麦派、どっちも好きな人も多いとはいえ、どうしても対立してしまうもの。つぶあん派とこしあん派然り。立ち食い蕎麦の蕎麦なんてほとんど着色したうどんじゃんというツッコミはおいておきます。

糖質制限が一般的になり白いものほど太る説が強い今日この頃ですが、今回、ダイエットの視点から、うどんと蕎麦はどっちがよい?問題を解決しちゃいます。ちなみに私はお蕎麦派の医師です。蕎麦に肩入れはせず公正な検証ですのでご安心くださいね。

白いものほど太る伝説がありますが、うどんと蕎麦ならどっちが太るか?

近所のお蕎麦屋さんに行ったところメニューにそれぞれの食べもののカロリー表示が書かれていました。私は、そば派ですが、一緒に行った人はガチガチのうどん派。関東ではうどんを置いていてもお蕎麦屋さんって呼びますが、関西方面はイメージ的にはうどん屋さんが圧倒的に多く、そのうどん屋さんにお蕎麦が置いてあるのかは微妙(関西出身のスタッフに尋ねたところ、うどん屋さんでもお蕎麦はあるらしい)。

オッサンにはおなじみの「富士そば」

http://fujisoba.co.jp/

オッサンにはおなじみの「富士そば」、最近では女性客も多く見られます。

体験談的には関東と関西の間に位置する名古屋の味噌煮込みうどんの有名店では味噌煮込みそばなんてメニューはありませんでした。一般的にうどんとそばを比べると、うどんの方が太ると思っている人も多いのではないかと勝手に予想しますが、日本食品標準成分表を調べてみるとうどん270.1 kcal vs そば273.9 kcalとなっています

100グラム当たりのカロリーを比較すると差は微妙ですけど、そばのほうがカロリーは高いのです。じゃあ、なんで蕎麦よりうどんの方が太りやすいとの話が出回っているのか(少なくとも私の周囲はそのような話が定説になっています)を考察してみます。

白いものほど体に悪く、太りやすいとのダイエット理論がある

白い粉状の食品は体に悪く、太りやすいとの説の健康方法があります。中には砂糖は悪魔である、なんて過激な説もあります。

白砂糖は悪魔、さらに、体も心もぼろぼろにする⁉そこまで悪者にしなくても

元ミスユニバース公式栄養コーチ・エリカ・アンギャルさんもこの説を採用しています。彼女のダイエット理論はグルテンフリーが中心となっていて、小麦粉は白い粉であるからダイエットの敵らしいです。

うどんは見た目白いけど、そばは一般的には白くないので、白い悪魔説をたよりにするとダイエットするにはうどんは悪魔であり、そばは天使ってことになるはずです。さらにエリカ・アンギャルさんのグルテンフリー理論に従うと、うどんは小麦粉が主成分ですからダイエットの敵であり、そばはグルテンを含まないためダイエットに適した食品と言えるのです。

白い悪魔理論とグルテンフリー理論からすると、ダイエットに適しているのはそばであり、うどんはダメということになります。カロリー至上主義者である私としてはニンマリです。

GI値をあてにしたダイエット方法でうどんとそばを比較してみると⋯

ダイエットを考える場合「GI値」というものがあります。これはGlycemic Index(グリセミック・インデックス)の頭文字をとったもので、GI値が高ければ高いほど太りやすく、GI値が低ければ低いほど太りにくい⋯ダイエットに適した食品であるという考え方です。

このGI値をはじめに知った時は半信半疑だった私ですが、米国糖尿病学会(American Diabetes Association 略してADA) にもその記載があり、糖尿病を患っている方の指標としてはそれなりの地位を確保している理論です。

うどんとそばのGI値を比較しようと検索すると⋯まともなサイトがヒットしません、なんだかアフィリエイト風のサイトばかりが上位表示されて、結局はダイエット食品に誘導されちまうので、ご注意ください。

日本糖尿病学会が出している糖尿病診療ガイドラインによれば確かにGI値が高いと急激に血糖値を上昇させるためにGI値の低い食品(ガイドラインによれば精製された白米より玄米や雑穀米が良い)を推奨しています。でもこれって糖尿病患者さんの血糖値コントロールが主目的であり、体重を減少させるいわゆるダイエット食品として推奨されているわけじゃないだけどなあ⋯と思いながらGI値を調べてみるとうどん85 vs 蕎麦は56と、またまた太りやすいのはうどんってことになっています。

GI値に関して「International Tables of Glycemic Index and Glycemic Load Values: 2008」(Diabetes Care. 2008 Dec; 31 (12) : 2281–2283.)に記されているこの表が一番信頼度が高いと考えられますが、残念ながら「そば」は見当たりません(The average GI of 62 common foods derived from multiple studies by different laboratories)。

グルテンフリー理論、GI値理論で圧勝のそばですが⋯

カロリー至上主義者であった(早速過去形、思考回路が柔軟性があるといわれますので 笑)私としては不甲斐ない結果になっています。単純なカロリー計算だと僅かですが、蕎麦の方がダイエットには不利。グルテンフリー理論、グリセミック・インデックス理論だと圧倒的にうどんが不利との結果になっています。

やっぱりそばの方が太らない、との結論になりつつあったのですが、うどん派のオッサン(当院医師)から横やりが入りました。うどんの方がそばより圧倒的に水分を含んでいるとの「うどん水分増量説」です。そば粉メーカーの高山製粉のサイトによれば(http://www.takayamaseihun.co.jp/how-new.html)そば粉とつなぎ粉合わせて500グラムに対して水は215mlですから、水分は43パーセント。

一方、さぬきうどんの原料を提供している木下製粉株式会社のサイト「手打ちうどんの加水率」(http://www.flour.co.jp/news-backnumber/v051_075/na064.html)によれば、なんと水分は50パーセント❗ということは白い悪魔だとかGI値が高いなど、太る原因である小麦の量を考えると「うどんVSそば」問題はそばの圧勝というわけにはいかない❗

とくにオッサンが大好きな立ち食いソバの場合、かなりの量の小麦が入っていますので、コロッケをトッピングした日にゃ、蕎麦だろうがうどんだろうがダイエットの敵になっちゃいますので、ご注意くださいませ。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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