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適切な対応で進行を抑えられる男性型脱毛症 AGAの治療法の現状

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治療薬の登場により、多くの男性を悩ませてきた薄毛治療に光明がさして10年近くの歳月がたちました。

皮膚科学会でも「男性型脱毛症診療ガイドライン」が作成されるくらい治療は患者さんが求めているものである、医師側も一定のルールのもとに治療経験を積んでいます。

単に「ハゲの治療」と捉える時代は過去のものになったのです。未だにAGAが解決できる問題だと知らない方、きわもの的治療法、インチキな治療法と認識している方も多いので現在行われている男性型脱毛症、はっきり言えばハゲの治療についてまとめてみました。

日本の悩める男性の数は

ある調査では日本人の800万人が薄毛・ハゲと言われている男性型脱毛症「AGA」にお悩みとされています。また、なにかしらの対抗手段をとっている方も500万人と推定しているものもあります。

しかし、思ったような効果が出ない人、治療方法さえあることを知らない人、また治療方法に対して疑いの目を持った方も多く存在すると思います。

発毛効果の基礎

男性であることにより男性型脱毛症が発症します、当たり前ですけど。そのメカニズムは男性ホルモンであるテストステロンは毛乳頭細胞において、ジヒドロテストステロン(DHT) に変換されます。ホルモンのメカニズムは非常に複雑なので医師でも混乱することがありますので、どうしてテストステロンがジヒドロテストステロンに変わるの?という質問は受け付けません。説明するのに数時間を要してしまいますので。

このジヒドロテストステロン(DHT)は毛乳頭細胞で男性ホルモン受容体と言われる部位にくっついて髪の毛を弱くしてしまう、抑制的細胞増殖因子(TGF-β1) をドンドン産生することによって髪の毛を柔らかく細くしてしまいます。このあたり結構面倒なメカニズムですので飛ばして読んでいただいてOKです。

ジヒドロテストステロンが抜けやすい髪の毛を生み出すと簡単に憶えてくださいね。

プロペシアの効果

この流れにおける

テストステロン⇒ジヒドロテストステロン

の変化を促している酵素である2型5-α還元酵素が働かなくなるようにするのが、フィナステリド(製品名はプロペシア)なのです。つまりジヒドロテストステロンを作らなくさせることにより、脱毛を防ぐ働きをします。

このプロペシアは内服で1日1回1錠飲むだけですので、画期的な薬と言えます。ガイドラインでも推奨度はAランクになっています。効果のほどは98%の方に表れているとされています。経過としては服用開始後2カ月くらいで髪に張りやコシが出てきて、4か月くらいで産毛が増えてくる方が多い様です。

また、ちまたで噂される男性ホルモンを左右する薬だから、性機能に障害・副作用がでてくるのでは?という問題は日本においては二重盲検試験を行った結果、プラセボと有意な差はありませんでした。つまり性機能にマイナスな働きをすることはないと思って頂いて結構です。

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http://www.hrbr.ie/finasteride-hair-loss-treatment/

どんな医学書より商業ベースの図式の方が解りやすい⋯医療サイドはもっと工夫が必要ですね

しかし、多大な効果を期待してはいけません。この薬で漫画などで登場するような毛生え薬のように「髪の毛がどばっと増える」なんてことはありません。

あくまで脱毛の進行を抑えるという解釈で使用してください。

塗る薬 ミノキシジル

ミノキシジルは海外ではRogaine(ロゲイン)、日本ではリアップの名前で発売されています。この薬はプロペシアとは違って処方箋を必要としない一般の薬局で購入できるものですので、多くの方が使用しています。

発毛メカニズムはミノキシジルの血管拡張作用に基づいていますので、ホルモンを介するプロペシアと違って男女共に効果が期待できるものです。効果としては男性においてはプロペシアには劣ってしまいますが、簡単に入手できるという点が評価できると思います。ガイドラインでは外用療法(塗り薬)としては推奨ランクAとされています。

塗り薬は他にもあるのですが、推奨ランクはCになっていますので、薄毛治療の外用薬はミノキシジルと考えていいと思います。フィナステリドと組み合わせるとどの外用薬も相乗効果が認められています。

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The Journal of Dermatology Vol. 29: 489–498, 2002

さらなる可能性への挑戦

ここまでは一般の皮膚科のクリニックで可能な治療法です。私たちは美容皮膚科と標榜していますので、皮膚科とは少し違ったテイストの治療ができないと、存在価値がありません。

当院で現在行っているハゲの治療としては男性の場合はフィナステリドを服用していただく事もありますが、女性には日本で承認されている内服薬はありません。しかし、目を世界に向けると当然のごとく女性向けの服用薬もありますので、必要な場合は処方しています。また、さらなる積極的な発毛・増毛の為に成長因子と呼ばれる製剤を直接、頭皮に注入する方法も行っています。

先日のカネボウの白斑問題ではありませんが、

著名な効果ある=副作用の心配は捨てきれない

と考えていただいた方がいいので、さらなる積極的な治療をご希望される方は、経験豊富な医療機関・医師のもとで脱毛治療・薄毛治療をされることを推奨度Aランクでアドバイスします。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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