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中国の美容整形事情 その1 就職のために美容整形ってどっかの国みたいじゃん。

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世界市場の中国を見る目が右肩上がりの成長から減速傾向にあるのではないかとの見方に変わってきています。景気が悪くなると問題化するのが就職難であることは世界共通の流れです。

中国の大学卒は今年2013年に過去最多の699万人に達しています。昨年より19万人も増えるとのことです。人民網の日本版によると4月の時点で北京では就職内定率は30パーセントにも満たないとのことです(http://j.people.com.cn/による)。

中国の就職整形事情

中国の大学卒は今年2013年に過去最多の699万人に達しています。昨年より19万人も増えるとのことです。人民網の日本版によると4月の時点で北京では就職内定率は30パーセントにも満たないとのことです(http://j.people.com.cn/による)。中国では目下「史上最悪の就職難」とされていて世界中で報道されています。そうなるといかに有利に就職活動をするか、ということが問題になってきます。党幹部の子息はそんなことは関係なしで余裕の状況でしょうが、一般の人は涙ぐましい努力をしています。

その一つの方法が美容整形で容姿を整えて就職先をゲットしようとする動きです。

お隣韓国では就職活動に有利な様に当たり前のように美容整形をするという話を以前のブログ「美容整形で韓国旅行をする日本人を韓国側はどの様に思っているのか?論文発見。」の中でお伝えしました。

日本でも「そんなの当たり前だよ」と主張しているのは美容クリニックの一部関係者が中心だと私は感じています。なぜならそんな理由で美容整形をする患者さんなんて当院では経験したことありませんもの。

就職のために整形するのは常識

就職活動中に整形したらバレバレで大学中の噂になってしまうのではないでしょうか?また、日本には容姿で就職の内定を出すような間抜けな企業は直ぐに淘汰されてしまうと思いますし、採用担当者にもそのようなアホはいないと信じております。

中国の人の理想の容貌とは

美容整形自体がまだ発展段階の中国ですので日本人が求めるものとかなり違いがあります。

世界の美容医療施術件数

これを見る限りでは、人口当たりの美容施術件数は中国はまだまだです。

中国人が憧れる容姿は所謂西欧人風のものですので、人類学的に「モンゴロイド」から「コーカソイド」へ整形していかなければなりません。日本でいえばバレバレの美容整形、今から数十年前の美容整形をした人のイメージですね。

中国の美容整形の看板広告

http://www.chinasmack.com/

こんな感じを希望する人が多い様です。

中国の悪徳美容コンサルタント

中国国内で最大の規模を誇るシンセン市のとある美容整形病院では患者さんの中心は工場労働者です。しかし、キャリアのステップアップの為に容姿を整える患者さんが増えているとのことです。料金は鼻を高くする「隆鼻術」が28万円程度らしいですが、工場労働者の平均年収が40万円程度とされている中国ではかなりの出費となります。

中国で増える美容整形の広告

http://www.recordchina.co.jp/
 

さらに美容コンサルタントという人が暗躍していて、鼻が低いだの、目が腫れぼったいだのと余計なアドバイスをして「美容整形をすれば仕事はモチロン、愛情面でもプラスになりますよ」と次から次と治療箇所を指摘するのです。純情な中国の人はそれにつられて年収近くの出費を将来への投資として使ってしまいます。

しかし、中国の美容整形の技術レベルはまだまだ低い様でして⋯

ミスインターナショナル重慶のトップ3

この方たちが整形しているか不明ですが、昨年のミスインターナショナル重慶のトップ3がこれですから⋯。政治的圧力でもあったのでしょうか?

そこで登場する美容先進国?「韓国」

中国では美容整形が一般的になったのは1990年代からとされています。その源流が韓国ドラマブームだったのです。韓流スターに憧れる中国人の間で、彼女たちが美容整形をしているという話が伝わり美容整形に対する抵抗感が少なくなっていきました。

美容先進国とされる韓国、実際は国民の美容整形を受けているパーセンテージが多いというだけですが⋯。韓国の医師である、ということを強調して、情報不足の中国人患者を集めている人がいるのです。しかし、私の知人のベテラン韓国人美容外科医によるとワザワザ物価の安い中国まで出張して、手術をする韓国人医師は国内で評価が低い人が多いとのことです。

中国にある韓国の美容整形クリニックの看板

http://ameblo.jp/aromaciel/entry-11440922060.html

本来ならば欧米型の容姿に憧れている中国人ですが、情報不足のために美容整形と言えば韓国と思い込んでいる人も多いのです。そこでいくつかのトラブルが生じています。

韓国の美容整形ツアーでは、ウソみたいなトラブルが多発

韓国は国策として医療ツアーを進めておりその対象に中国も含まれています。

ある人が韓国で手術を受けたのですが、帰国時にパスポートの写真と別人になっており通関手続きに時間が掛かってしまうというウソみたいな実話が報道されていました。

その様なことが起きない様に海外で整形手術後にはパスポートを入国審査前に、管理事務所で更新して整形後の写真を添付することを促しています。

さらに中国のある出入国審査所では注意を呼び掛けています。

  • 病院によって技術の差があるので広告宣伝を真に受けない様に
  • 十分にリスクを考えてシッカリ契約書を交わすこと
  • 医療トラブルが起きた場合は、韓国の中国大使館で弁護士を紹介する

と親切丁寧なインフォメーションを出しています。

韓国で美容整形をうけたら典型的な韓国人顔になった!

世の中には色々な苦情があるようですねえ。「美容整形を韓国でしたら、韓国人顔になった!」とクレームを言っている人がいる、という記事が新華経済に掲載されていました。

その中国人は奥二重をくっきり二重にするために韓国に行きました。(このあたりの「くっきり二重」という要望自体、今の日本では流行らない数十年前の感覚に思えます。)

仲介業者はその人に「二重手術なんて韓国では美容整形に入らない。しっかり手術をしましょう」と強引に治療を受けさせられたようです。しかし、仕上がった顔は「典型的な韓国人顔」になっていて激怒しているとの報道です。

韓国で美容整形したら韓国人顔になった

http://chakrakahn.tumblr.com/

こんな感じだったんでしょうか?残念ながらこの方の術前・術後の写真は入手できませんでしたが、簡単に想像できますよね。

中国人の方々へ

綺麗になりたいという素直な動機なら別ですが、美容整形をした人の方が就職が結果的に上手くいったという論文でも出ない限りは控えた方が良いと思います。そんな論文でるわけないか。

更にヘンテコな治療が中国で流行しているという事実が発覚しましたので、それは次の機会にお伝えしますね。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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