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今まで注目されていませんでしたが、女性も飲酒量が増えると脳卒中リスクが2.3倍という結果がでました

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「女性の深酒は脳卒中のリスク高まる 阪大など研究チーム発表」とか「酒好きの女性、脳卒中に注意 1日2合以上でリスク2倍」などの報道が昨日TVのニュースで流れていました。

適度なアルコールは健康に良いと思っていませんか?

もともと適正な酒量はこんな感じとされています

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となると、今回の研究のベースとなった酒量は明らかにオーバーしています

日本では統計的に大体毎日純アルコール量で、150ml以上飲んでいる人を「大量飲酒者」といっています。そんなに飲んでいる人は極々わずかでしょうから、私は大丈夫と思っていた女性も多いのではないかと思います。

今回リスクがあるとされた酒量は日本酒換算で2合、ビールだと大びん2本、ワインでも2杯とかなり少なめでも脳卒中のリスクが高まるというショッキングな報道でした。

以前からアルコールと脳卒中の関連を調べていたグループ

古くから「酒は百薬の長」と言われていましたし、最近では赤ワインに含まれるポリフェノールが心血管系に良い作用をもたらすことが常識化していたところに、このニュースです。

今回発表された論文はこれです。

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Preventive Medicine(予防医学)という医学専門誌に掲載されています。

もともとアルコール正確にはエタノールは様々な障害を起こす危険性があります。

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今回の論文の特徴

もともと男性と比較して酒量が少ないとされている女性に的を絞ってアルコールと脳卒中の関連を調べた点がなかなか面白い結果を招きました。

この研究は1993年から2009年という長期にわたって47100人の女性について追跡調査をした非常に大がかりなものです。

さらに今存在するデータをいじくりまわしたものではなく、初めから大人数の人をアルコールと脳卒中の関連性を見出すために調査する「前向きのコホート研究」と呼ばれる手法と取っていますので、バイアスがかかりにくくなっています。

  • 平均して16.7年間の間に心臓の血管の病気になった人は292人いた
  • 週にアルコールとして300グラム以上摂取する人は、しない人と比べて脳卒中になる危険が2・3倍
  • 脳卒中に分類される脳内出血に限ると2・85倍の発症率
  • 150ー299グラムの摂取でも脳卒中のリスクは1・55倍

以上のように適正酒量を少しオーバーするだけで、こんなにリスクが高まることが分かったのです。

締めの一杯が余分なようですね

お酒を飲む方にとっては今回の基準となったアルコール量は大した量には感じないのではないでしょうか?しかし、毎日飲酒をしているとすぐに健康に危険を及ぼす量になってしまいます。ほどほどが重要ですね

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以前か言われている「休肝日」は肝臓を休めるだけでなく、血管も休める意味で重要です。何事もほどほどが重要なんですが、それを守るのが非常に難しいのは皆さんご承知のことだと思います。

女性の場合は体が男性に比べて小さいためにアルコールの処理能力が弱いためにこのような結果が出たと思われます。

女性の方、無理してオッサンに付き合わなくていいですよ!

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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