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「食事の写真をブログやSNSに投稿すると肥満になる」という話はホント?

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フェイスブックに友人(同い年のオッサン)が夕食の内容を写真投稿していて、その旺盛な食欲に彼の余分な脂肪をどうにか解決してみようとアドバイスしている私が「食事の内容を全て写真でアップして」とコメントしたところ、友達の友達の「食事の写真をSNSにアップすると太りやすいってTVでやってたよ」との追加コメントがありました。

食べた物一切を記録するダイエット法もあるし、糖尿病で思ったように血糖値が下がらない人に、一日食べたものを全部書き出して持ってきて、と家庭医は指導することが多いのでそんな話は本当だろうか?と思い少し自分なりに調べてみることにしました。

SNSの投稿にインスパイアされた

「ホンマでっか⁉TV」という番組で最近放送されたなかでその道の権威?がそのようなコメントをしていたらしいのです。あまりテレビを見ることが無い私ですので今回は「食事内容をSNSに投稿すると太りやすい」という謎の言葉からどの様な理論が立てられるのが遊び的に試みてみました。

推理小説ファンならご存知の「九マイルは遠すぎる」という名作があります。酒場で隣り合った二人組が「九マイルは遠すぎる」という会話を耳にした主人公が、たったそれだけの言葉からその二人がどうしてそのような会話をしていたかと推理する小説です。それに則って「SNSに食事の写真を投稿すると肥満に」から幾つかのパターンを考えて果たしてその言葉通りに肥満になってしまうのかを推理してみました。

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どの様な状況で写真をブログやSNSに投稿するのか私が代表的に見かける3パターンをもとに果たして太るのか太らないかを独断的に考察し、あくまで「お遊び」ですのでTVでコメントされた方の真意と違ったものである可能性も多大にあります。コメントされた方にご迷惑が掛かっていた場合はお許しください。

お店のアピールの為に料理を撮影する場合

私が初めて食事中に出された料理を写真に撮っている人を見たのは海外でした。結構有名なホテルの日本食を現地の人が写真に撮っていたのです。てっきり誕生日か結婚記念日で食事を前にして二人で記念撮影かと思ったのですが、その二人は料理にカメラを合わせていました。そのあと、料理長が出てきて二人と会話をしていましたので「ああやって広告してもらうんだね」と考えました。

つまり、「食べログ」は当時まだ無かったか、私が知らなかっただけかも知れませんが、プロの料理評論家が食事の写真を撮って雑誌やwebに掲載して広告する手法は存在していました。だから後で料理長がでてきて挨拶をしていたのだと思います。その後、「食べログ」などが登場することによって自分が食べた食事の内容を写真撮影してweb上に投稿する方が増えたので今では珍しい光景ではありません。しかし、ステマとは言い切れませんが、現在でもやらせ的に料理をブログ等に写真投稿していると予想されるサイトも多数存在しています。

一時期「ステマ」が騒がれた「食べログ」ですので、現在食事の写真を撮っている人はSNSに投稿することがメインか、あるいは医師に食事指導の一環として記録を付けることを指示されていると考えます。

この様に仕事で食事の写真を撮っている人は何件もお店を紹介するために一日で回ることが多いでしょうから、それだけ出された料理を食べることになります。 この場合は結果的に太ります。

見栄を張るために料理を撮影する自己満足タイプ

これは非常に言いにくいことですが、多分皆さんの周りにもいると思います。豪華なレストランで高級なワインを添えた写真をブログやSNSに投稿している人って。

時々豪華で派手な生活を送っている人が事件を起こすと必ず、その人のSNSやブログの記事を取り上げて「こんな派手な生活を送っていたのです、この犯人は」なんてテレビのレポーターが報告することってありますよね。「虚飾にまみれた生活」なんてタイトルで週刊誌にも載ります。

でも、本当にお金を持っている人ってそんな私生活をあまり晒しませんし、自分の派手な生活を周りに見せつけるという行為はしないと思います。

実は税務署の方がSNSやブログをチェックしているってご存知ですか?証拠にはならないかも知れませんがあまりにも豪華な生活をしている人をマークして、その人の税務申告を調べています、これホントです。

見栄を張って豪華な食事内容を投稿する人は多分、写真に記録して投稿した以外の食事は質素である可能性が高く、さらに高級店に出入りするための洋服代・アクセサリーにお金を使ってしまうのでお腹がすくとジャンクフードやファストフードでごまかす、と予想されます。 この場合も結果的に太ります。

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日常の食事を写真にとって投稿しているタイプ

これ、わりとオッサンに多いです。食事と晩酌の写真なんてメチャクチャ投稿されています、少なくとも私の周りでは。これは単純にオッサンになると若い時は上司に連れまわされ飲みたくない酒を付き合いで飲んでいた反動でしょう。

ゆっくりと自宅で晩酌をしながら奥様の手料理を写真に記録してブログなどのアップするのですが、別に奥様の手料理を褒めている訳では無く「自分が飲んだお酒を記録する」という行為ではないでしょうか?

とくにワインと日本酒は多くの銘柄が有りますので、コレクション的に色々なお酒を楽しみ、オッサンになると記憶力も悪くなりますので単に記録として残しているだけだと予想します。お酒はお小遣いでやりくりが普通でしょうから同じものを再度買ってしまったり、美味しかったお酒の名前が思い出せないので自分のブログやSNSを手繰れば見つけられるとういう使い方です。

昔の言い方ですと「備忘録」ですね。この様な使い方をしているのはもともとメタボがちなオッサンが多い傾向があります。 この場合は肥満になるというより、もともと肥満のオッサンです。

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真相はこれだったんじゃないかな「フードポルノ」

「フードポルノ」という言葉があります。美味しそうで豪華な食べ物を写真で見ると食欲が出てしまい、それを見た人が手短にあるジャンクフードなどで食欲を満たすことを指します。欧米ではweb上のこのように撮られた写真をweb上に投稿することが、第三者の無駄な食欲を刺激してしまい肥満になる手助けになっているのでは、と問題提起されています。

今回のTVに出演された方はこれを拡大解釈してブログやSNSに投稿することが目的になってしまうために、綺麗に美味しそうな写真を撮ろうとすることにより食欲を満足させるという「食事本来の行為とは違った行為に集中してしまう。⇒その為に食に対する間違った解釈が生まれ摂食障害の原因となるって感じの内容を発言されたことがweb上の書き込みから判明しました。

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私の調べ方が悪いのかもしれませんが「food porn」というキーワードで登録されている医学論文ってこれしかないんですけど。内容は今回のテーマとは少し違っているようです。さらにweb上には南カルフォルニア大学によって「人はオンライン上で美味しそうな食べ物の写真を見ると実際に食べ過ぎてしまう」ということが発表されたとの記事がありましたが、元の文献は調査中です。

今回の私の「食事の写真と肥満への影響」の調査結果

「食事の写真をSNSにアップすると太りやすい」理論はこの発言を裏付ける元のデータや論文が不明で医学的な裏付けは無理でした、海外で問題になっているのは「豪華な食事の写真を見ると食欲が湧く」ということだけであり、これをもとに自ら「写真をブログやSNSにアップすることは肥満を招く」という解釈はかなり複雑な理論のようです。その発言があったTVが再放送されるのを待たないと確実な検証はできません。私がお手本とした推理小説は最終的には完璧に「九マイルは遠すぎる」発言から起こった事件?を推理するのですが、落ちはネタバレになるのでお伝えしませんね。

今回の「九マイルは遠すぎる」ごっこは三つのパターンを取り上げて「食事内容を写真で記録してweb上にアップすると肥満になる」を無理やり導きましたので、医学的見地からの私の意見ではありません。

現時点での正式な医学的な見解は食事した内容を記録する方法(レコーディングダイエットとも言います)は糖尿病の方や肥満が気になる方にはどれだけのカロリーを自分が摂取していて、栄養バランスに偏りがないか、ドカ食いをしていることがないか、など健康管理には効果的な方法だと考えらえます。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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