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医師のインフルエンザ対策、もし自分がインフルエンザになったら休診するか?

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インフルで仕事休んだとか学校がインフルエンザで休校というのはありふれたことですが、病院がインフルエンザで休診するの?医師ってインフルエンザにかかるの?ふと疑問に思われたことがあるかもしれません。医師である私がインフルエンザにかかったらどうするか?についての記事になります。

感染拡大の為に自分が感染したら休診にするか?

「先生は風邪引かないの?」とは患者さんに季節になると尋ねられることが多いのです。実際に風邪の患者さんを診察した後に「いま、貰ったな!」と思う瞬間があります⋯あまり科学的ではないのですが(笑)。そんな時は総合の風邪薬を飲んでプラセボ効果もあるとは思いますが、症状がでることはあまりありません。診療を長年行なっていると「風邪症候群」の原因と考えられる200種類以上あるとされるウイルスに殆ど感染をしていて既に免疫が出来ている、という考え方が一番分かりやすいかもしれませんね。

では、毎年微妙に遺伝子を変えてくる「インフルエンザ」に対しては医師はどのようなことに気をつけなければならないでしょうか⋯当然、周囲の人への感染の拡大です。しかし、あるアンケート(医師以外は詳細は知る事はできません)の調査では「自分がインフルエンザに感染しても休診しないで診療を続ける」という医師がなんと20%近くいたのです。理由としては「代診の医師が確保できない」「患者さんがいるので休む訳にはいかない」などが挙げられていいますが、そのような行動は正しいのでしょうか?

100%の医師が予防接種を受けているわけではない

医師の中でもインフルエンザウイルスに対して予防接種は効果があまりないと主張している一派がいます。では、実際上はどのくらいのパーセンテージで医師はインフルエンザワクチンを接種しているのでしょうか?

インフルエンザワクチン接種をしている医師の割合

http://medical.nikkeibp.co.jp/

この調査時期が10月であった為、受けるつもりと回答した医師が多かったのですが、5%の医師はインフルエンザワクチンを受けていないのです。受けないという理由としては、既に明らかに今期流行するであろう型のインフルエンザに感染した既往がある為の場合もあるでしょうが、中にはワクチン否定派の医師がいる可能性もあります。調査対象となった医師も実際は患者さんに接する機会がほとんど無い研究職の人もいるので、本来ならば臨床に携わる医師と限定すれば接種率はもう少し高くなるかもしれません。「医師の場合はインフルエンザの予防接種を受けているのが常識」と考えていいのではないでしょうか。

万が一、医師の私がインフルエンザに感染したら?

私がもしインフルエンザに感染したと思ったら先ずは「インフルエンザ迅速診断キット」で検査をします。一回で陽性が出なくても何回か繰り返します。さらに予防的に抗インフルエンザ薬を使用します。タミフルは耐性ウイルスが出現していますので、リレンザ又はイナビルを選択します。

画像

私がインフルエンザに感染しても幸いにも当院は医師が複数名在籍していますので、私は休みますが、クリニックとしては診療を続けることが出来ます。

医師でもインフルエンザになっても診療を続けざる得ない、という回答が前述のアンケートであったのですが、無医村地帯の様なところで開業を行なっている場合は患者さんに感染させないように十分な注意を払いながら、抗インフルエンザ薬を使用しながら診察を続けざる得ないでしょうが、本来ならば休診するのがベストな選択です。この様なリスキーな状況に追い込まれない為に医師のほとんどが予防接種を受けていると判断してください。自分の身を守るというよりは、弱者に感染を拡大させない為に少なくとも常識的な医学解釈では効果があるとされている予防接種を医師は受けているのです。

おまけ

2009年に新型インフルエンザがパンデミックになるのでは、と大騒ぎされた時期に開業した知人がおります。開業するって精神的にも体力的にもクタクタになるのですが、運悪く新型インフルエンザに感染してしまいました、その知人。経済的にも周囲の評判にも悪影響があるので、開院数日で休診にする訳にはいきません。そこで彼は「防護服」を着て診療を続けたそうです。

個人防護服PPE

宇宙飛行士の様な格好で診察する医師の方が、患者さんの信頼度は失うと思うんですけど。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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