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自殺をなくそう!簡単な質問で自殺のリスクが予想できるというお話

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今までも何回かブログで「自殺」について書いてきました。

なぜ自殺にこだわるかと言いますと、私に高校時代の友人が数名自殺によって亡くなっているのです。

とにかく防ぎたい自殺者の増加

周囲に取っては唐突な死ではありますが、本人は悩みになやんで選択した結果なのか、衝動的なものであるのかはそれこそ本人に聞いてみないと解らない⋯つまり、永遠の謎なのです。

私の友人のほとんどは20歳ー30歳の間に自死を選択したのですが、近年問題となっているのは不況の影響とされる中年以降の自殺者の増加と複雑な要因がからんでいると思われる高齢者の自殺者の増加です。さらに若年層がイジメが原因とされる自殺もマスメディアで大きく取り上げられます。

自殺者数と交通事故死者数の比較

http://www.mext.go.jp/

少し古いデータですが、明らかに自殺者は増えています。

自殺の原因としてトップは「健康問題」であり二位が「経済問題」になっていますので、高齢者社会になることは長寿になったと喜んでばかりはいられませんし、さらに長引く不況によって今後は高齢者の自殺の増加も考えていかなければなりません。

自殺の原因

ある質問で自殺を予想できます

自殺にいたるまでは周囲の人が見ていて兆候に気づく事もありますが、全く気づかない事もあります。自分の友人が自殺したときの虚しさ、「どうして俺に相談しなかったんだ!」という怒りと自分自身の無力に悩まされた私ですが、先日「ある質問が自殺を高率に予想できる」という医学記事が目に入ってきました。うつ病をスクリーニングし評価するための方法としてPatient Health Questionnaire(PHQ)と呼ばれる方法があります。日本語版はこのような形式になっています。

自殺を予想する問診

このようなわかりやすい質問をすることによって「うつ」のスクリーニングをするのですが、このPHQ9を利用してかなりの高率で自殺リスクを予想することが可能なのです 。

たった一つの質問の回答でリスクが10倍になる

この質問の9番目である、過去2週間のうちに死んだ方がましだと思ったり、自分を傷つけたいと思った事があるかを問うています。この質問にイエスと答えた人はノーと答えた人の10倍自殺をする可能性が示唆されていることが、アメリカの精神医学学会American Psychiatric Associationが同会誌に掲載しています。

それによりますと、2007年から2011年にかけて「うつ症状」を主訴として医療機関を受診したシアトル市の13歳以上84000人を対象としてこのPHQ9を行ないました。その後84000人がどのような状況になっているかを受診記録、保険の請求書、そして死亡診断書を収集して検討を加えました。自殺を選択するのは年齢・男女差に大きく左右されますが、すべての区分において共通の関連性を示したのが第9番目の質問だったのです。

この質問に答えてから1年間に自殺または自殺未遂を起こした自殺を試みたリスクがyesとnoでは0.4%と4%になっていてその差なんと10倍であったことが判明しました。 とにかく絶対避けるべき選択です 自殺は絶対に避けなければならない選択です。死んだ人だけではなく、周囲の人々の心の状態をもどん底に陥らせてしまうのです。国家公務員や地方公務員の長期休職者の多くが精神疾患が原因となっています。

疾患別の長期病欠者数

私の知る範囲では公務員の方が一般企業よりは、長期休職が取り易い傾向にあるようです。一般の会社、特に中小企業においては更に休みにくい状況であることは言うまでもありませんので、公務員の休職率で精神疾患が蔓延しているならば日本の企業が繁栄できるわけがありません。皆さん、我慢して仕事を続けているのです。

私たち開業医は自営業者です。自営業は企業に勤めている人より更に休職は難しいことは言うまでもありません。私のブログを読んでくれている人も多くが自営業であることが予想されます。たまには息抜きしようぜ❗

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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