五本木クリニック院長ブログ

水素水にまつわる不思議な話、「論文提示して!!」「業務休止しました」なんじゃこりゃ!!??


■わたしのツイートに反論した水素水生成器販売会社はあっという間に業務中止!!??

ある方から水素水発生装置に関して質問があったのでツイッター上で、「効果ないよ」と回答しました。

すると即座に水素水生成機器を販売している会社の代表取締役からこんな返信が・・・。

https://twitter.com/TAMAKIProto/status/1058971193401782272より

連休中であり連休明けの診療に追われて、即座に水素水生成器販売会社代表取締役からの回答に気が付かず、数日後にこんなリプを返しました。

https://twitter.com/kuwamitsuosamu/status/1061084523050323969より

反論が無いなあ、と思っていたらなんとこの会社は私に絡んできた数日後に閉鎖になっていたんです!!

ほらね!!

なぜ会社が閉鎖したのかの理由は不明ですけど、この方が強気で唯一学術機関にバイオマーカーによって効果効能が実証されている、との主張は一般の方は惑わされる可能性があるので

特許を取得しているからといって、医学上の効果・効能が証明されたわけではない

という重要なことと、一般人にとっては魔法の言葉でもある

効果・効能が医学論文になっています、これだけじゃ臨床効果の証明になっていない

ことを検証してみますね。

やっぱりこの水素水生成器販売会社は業務を休止しています(http://proto-lab.co.jp/next-page/)

業務休止なのか、業務閉鎖なのか、休止とか閉鎖とかは何を意味しているのか、会社経営は門外漢である一介の町医者である私には詳細不明です(棒)。私のツイートがこの会社を業務中止に追い込んだワケでは無いことは、ツイートの時系列から明らかですので、その点はご承知おきくださいね。

水素水生成器を御購入のお客様へのお詫びを知った購入者の中にはパニック状態になっている方もいます。詳細は避けますが、セールストークとその販売方法に問題があったような状況だったようです。

本来ならばツイッターを引用する場合はURLを記載して、そのツイートをクリックすると元のツイートに飛べるようにするのがルールだと解釈しています。

今回の私のツイートはある方からの質問に答える形のもので、その質問をされた方はかなり複雑な問題をお抱えの様子なのでスクショにしました。その方の複雑な問題に関しては後述します。

■特許を取得していても、それが効果・効能を証明していることにはならない!!

この水素吸入装置「スイソニア」を取り扱っている販売会社の代表取締役と称する方が掲げてある特許に関して調べてみました。

水素水生成器販売会社なのに、なぜか水素吸入装置を販売しているのも謎といえば謎です。

これが特許の内容です。

http://www.conceptsengine.com/patent/grant/0006100386より

これは単純に水素ガス発生装置に関する特許であり

人体に及ぼす影響に対しての特許ではありません!!

特許取得成分が入っているサプリであったとしても、人体に対する効果効能を示すとは限りません。水素ガス発生装置を使って水素水を作り出し、それを水素水生成器として販売していたのかなあ・・・でもスイソニアという機器は水素吸入マシンとして販売されているし、水素界隈はかなり複雑なことになっていることが予想されます。

特許取得したからといって、その商品やサプリメントが人体に対して効果・効能を示すことにはならない、こんな例もあります。

ブロッコリーから作った特許取得サプリで、がんは治るのか??

特許取得と水素ガスの効果効能は全く別の話

いくら特許を取得した水素ガス発生装置だと威張ってみても、モンドセレクション金賞獲得より説得力が無いと思います。

■論文になっているから、効果・効能を証明したことにはならない!!

西村さんという方がツイートしている「学術機関によるバイオマーカーによる効果効能が実証」に関しても調べてみました。多分効果効能を実証しているという論文(?)は多分これなんじゃないかなあ・・・。

スイソニアは『XEN(然)=適正濃度の水素を含む蒸気混合ガス』を体内に取り込んだ際の作用を正式な「論文」という形で発表しています。

http://suisostation-lm.com/blog/1661.htmlより ここにはどんな内容の論文であるかは全く書かれていませんし、タイトルも表記されていません。でも見つけました・・・「水素ガスを含む蒸気混合ガス吸入後の唾液バイオマーカーの解析」(https://ci.nii.ac.jp/naid/120006328667)です!!この論文は英文にもなっています。

でもさあ〜、これって水素ガスを吸わせて、唾液中のインターロイキンの濃度を調べただけであり人体の免疫力を高める臨床試験ではないですよね。

つまり、

病気に対しての効果効能は全く実証していません

基礎研究段階の実験結果、それもたった一報の論文を元に水素ガスの効果効能なんて実証できるわけないじゃん!!研究者の方々もこんな風にご自分たちの研究論文が使われていることを知ったら驚くんじゃないかなあ・・・。

医学領域で確かに水素ガス等の基礎研究や臨床研究は行われています。しかし、まだまだ研究中の案件がほとんどであり、手軽に家庭で病気を治す効果のある水素ガス発生装置が販売されていることに驚きを隠せない医療関係者も多いのではないでしょうか。

2年前にこんなニュースがあったことをご存知ない方もいるんですねえ・・・。

■水素水製造機器界隈のどうやらかなり危なっかしい領域に入り込んでしまいました

この水素吸入装置を販売していて、私のツイートに反論してきた人は水素で美肌・美髪になる水素水生成器販売なるブログを書いています(https://profile.ameba.jp/ameba/proto0816)。このブログによると子供さんが小児がんと診断され、困りに困った時に水素水に出会い、ご主人の薄毛も解消(がんの子供さんのその後はどうなったんだろう?)したために水素に惚れ込んだご様子が伺われます。

ここまでは※お客様の個人的な感想ですレベルで良いとしても、惚れ込んだ水素水を病気で悩んでいる方へ積極的に販売を始めてしまったことにより

今となっては水素吸入装置に騙された!!と思っている方がいらっしゃいます

販売していた会社と全く連絡が取れないそうです。

さらにこの水素吸入装置の販売にまつわるかなりヤバ目な話も伝え聞いているので、それらの複雑な事情に関しては報道機関等のジャーナリストさんたちの活躍に期待したいと思います(一開業医にとって色々な話の真偽を確認することは重荷すぎ)。

万が一、この水素発生装置の人体に対する健康上の効果・効能が証明されたとしても、販売方法に問題があるとなると製品自体の信頼度が失われてしまうのではないでしょうか?

先日、国民生活センターがツイッターを開設しました。

国民生活センターは以前から水素水が危なっかしい案件であることを公表しています。

容器入り及び生成器で作る、飲む「水素水」 「水素水」には公的な定義等はなく、溶存水素濃度は様々です

国民生活センター「水素水

騙された側にも問題があったとしても、病気に悩んで藁をもつかむ状態だと冷静な判断が出ないことも十分に理解できます。ちょっと変だなあ、と感じたらぜひ国民生活センターのサイトを利用してみたらいかがでしょうか?

トップページの検索窓に気になる商品の名前等を入れてみてください。私のように特許情報や論文まで引っ張り出すにはそれなりの労力を要しますが、このサイトであれば不慣れな方でもある程度の見分けはつくはずです。

しかし、今回の水素吸入装置を医療機関で採用しているというか、積極的に宣伝しているところがあるんです。さすがに国民生活センターでもその件に関しては触れていないので、時期をみてそのトンデモ医療機関に関するブログを書こうかなあ、と思案中です。

以前の私だったらサクサクとその医療機関に触れたブログを書いていたのですが、抗議の電話攻勢がくると「院長、平穏無事な日常を送らせてくださいよう〜」「たまには美容系のブログも書きなさいよ!!キーっ」とスタッフから怒られてばっかりの私の状況をご理解くださいませ。

なお、ブログ中で水素水生成器・水素水発生装置・水素吸入器・水素ガス発生装置・水素吸入装置などの言葉が乱れとんでしまったことをお詫びしようかとも思ったのですけど、関連サイトでは今回取り上げた装置に関して、これら多数の言葉が使われているんです。次にブログにするときはそのあたりも整理してみますね。

続編です

「水素ガスでがんが治った体験談」これフェイクだったら3000万円超の罰金かもよ!!??

定説化した「一日コーヒー3杯は健康に良い」から考える一般書籍・ネット情報の危うさはこれだよ!!


■コーヒーは寿命を延ばす、が定説というか常識になっているけど・・・

コーヒーを飲むことが色々な病気になるリスクを下げて、結果的に寿命を延ばすとか死亡率を下げる可能性がいつの間にか定説になりつつあります。

そんなコーヒーって健康に良いのよねえ〜を定説にしたのが私が知る限りでは世界で最も権威ある総合医学雑誌との評判があるBritish Medical Journal(ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル、略してbmj)に掲載された「Coffee consumption and health: umbrella review of meta-analyses of multiple health outcomes」(BMJ 2017;359:j5024)だと思います。

多くの医師もこの論文を読んでコーヒーは健康に良い飲み物である、との感想を持ったはずです

しかし、このコーヒー健康に良いことを証明(?)した論文に関する世界中の医師の中には懐疑的な感想をもつものも少なくないですし、コーヒーを愛飲するべきではない人もいることに気が付いていない医療関係者も見受けられます。このコーヒー3杯飲むと病気の予防になるとの定説がBMJに掲載される前にこんなブログを書いてしまった私はちょっぴり反省しています。

日本人はコーヒー1日3〜4杯で死亡リスクが24パーセントも低下する!!

コーヒーを毎日3杯飲むことが多くの病気の予防になることは統計学・疫学では相関関係が明確になっていることに対しての反論はかなり難しくなっている現状を把握しつつ、こんな人は

コーヒーを愛飲することはひょっとして不利益になる可能性もあることをお伝えします

巷に溢れる健康法の多くが医学論文の良いとこどりによって構成されている可能性もありますのでご注意ください。

■反論が難しいアンブレラ・レビューで証明されたコーヒーは健康に良い飲み物説

週刊誌や誰が書いたか不明のネットの健康関連記事の多くで1日3杯のコーヒーを飲むことは健康に良い、との情報が溢れかえっています。

これはロイターの2017年11月24日の記事。海外の大手通信社ロイターが掲載した記事は世界中に配信され、これをネタにして多くのメディアが後追い記事を書くことが多いです(中にはロイターの記事をまんま掲載するメディアもあるけどね)。

ここにも「コーヒーを1日3─4杯飲む人は飲まない人に比べて早死や心臓病のリスクが少ないとするリサーチ結果を、英大学の研究者が22日発表した」とかかれています。この英大学の研究者というのが前掲の論文を書いたRobin Poole氏たちのことです。この論文はアンブレラ・レビューというあまり馴染みのない検証方法によってコーヒーが健康に良い、との結果を導いています。

彼らの使ったアンブレラ・レビューは世界中の研究論文を集めて解析したメタアナリシスやシステマティック・レビューをさらに分析したもの(らしい・・・これ自信ないなあ)で信頼度はメチャクチャ高いものと考えられています。コーヒーが病気の予防になって、多くのがん発症のリスクを軽減することをこの英国の研究者は論文にして、この結果が

世界中の医師に「コーヒーって病気の予防にやっぱりなるんだ」との考えを植えつけました

この論文でわかったことは

●コーヒーを一日3杯飲むと、全死亡率を17パーセント低下させる

●コーヒーを一日3杯飲むと、心血管系の死亡リスクを19パーセント低下させる

●コーヒーを飲むと前立腺がん・子宮体がん・肝臓がんになりにくくなる

などなど、とにかくコーヒーはがんを含めて病気の予防にもなるし、死亡率が低下するんだから結局のところ長生きの秘訣になりうると医師だけではなく、一般の方の知ることになったわけです。

でもこの一文を見逃していませんか?

Women at increased risk of fracture should possibly be excluded.

骨折のリスクがある女性はコーヒーを飲むことは推奨されていないのです。

さらに低体重児を出産する確率が増え、早産や流産もリスクも上昇するのです。健康情報関連記事ってやっぱり深く読み込む必要があるんじゃないでしょうか?といっても、こんな難しい英語の医学論文を素人さんが全部読んで理解するのは時間もないし、めんど臭いと思います。

だからこそ、医学健康情報を発信する側は慎重にならなければいけないの!!

■コーヒー3杯は健康に良い、に対する疑問

世界中の研究論文を分析して「コーヒーを一日3杯飲むのは病気の予防にもなるし、死亡率も下がる」との話を読んで素朴な疑問を抱きませんでしたか?今回の論文に使用された各医学論文で対象となった人々が飲んでいたコーヒーって同じ種類のものだったのでしょうか?

UCC コーヒー用語辞典より

これだけコーヒーは豆の種類もあり、抽出の方法も多数です。採用された研究論文の対象となった

世界中の人が同一のコーヒー豆を同じ抽出方法で飲んでいたなんてことは、まず間違いなくありえないと思うんです

そう言えばこんな記事がありました。

usatodayより

ここにはこんなことが書かれています。

An editorial by Eliseo Guallar from the Johns Hopkins Bloomberg School of Public Health in Baltimore, Md., says there is no way to know if coffee prevents chronic disease and reduces mortality because there are too many factors to weigh like why people start drinking coffee and what kind of coffee drinks they're drinking.

さらにJohns Hopkins Bloomberg School of Public HealthのEliseo Guallar医師は述べています。

医師は病気を予防するためにコーヒーを患者さんに推奨するべきではない!!

原文はGuallar says doctors should not recommend drinking coffee to prevent disease and people should not start drinking coffee to improve health.

長生きしたけりゃ○○しなさい!!健康になりたければ○○しなさい!!的な健康関連一般書籍が驚くほど大量に書店に並んでいます。

つい最近の丸善日本橋店の健康関連本コーナーにあった一般書籍の数々。この中でまともというか信頼度が高いと思われるのたたった数冊。健康情報をテレビや一般書籍、そしてネットの誰が書いたか不明な記事に頼るのはそれなりのリスクがあることを知ってくださいませ。

都営バスの運転手さん全員にMRI検査!!??それで何が予防できるの??お金の無駄遣いでは??


■都バスの運転手全員に脳のMRI検査を行うとの報道は本当!!??

私の生活圏ではあまり見かけない都営バス、いわゆる都バス関連で衝撃的な内容が報道されました。都営バスの運転手さんの事故予防対策のひとつである健康管理でなぜか全員にMRI検査とのこと。

NHK 「都営バスの全運転手に脳のMRI検査義務づけ 東京都」

多くの乗客を乗せた都営バスで万が一事故が起きたら大惨事、それゆえに事故を未然に防ぐための全員MRI検査実施、らしいのですが・・・

>MRIをつかった検査だからといって運転中に意識を失う事態を防げることが可能なのか?

、甚だ疑問が残ります。なかには

若気の至りで入れちまったタトゥーが原因でMRI検査が受けられなくて、気まずいことが発生する可能性も

あります。

タトゥー(刺青)を入れているとMRI検査が受けられない、という話は本当かな?

病気の診断方法や診断機器の進化は目を見張るモノがあります。しかし、いまでもどんながんでも採血で診断できるわけじゃないし、CTやMRIだからといって体の異常が全て見つけられるワケでもありません。都に対してこのヘンテコなアドバイスを誰が指摘したのか、この都営バス運転手さん全員MRI検査のどこがヘンなのかを解説していきますね。

■MRIで睡眠時無呼吸症候群が診断できるわけじゃないしねえ・・・

NHKの報道によると今回都営バスが運転手さん全員にMRI検査をするのはこんな理由があるからだそうです。

バスの運転手が病気や体調不良などで運転中に意識を失うケースが全国各地で相次ぐ中、東京都は都営バスのすべての運転手を対象にMRIを使った脳の検査を義務づけることになりました。

となるとこの都の考えが正しいことである前提として

意識を失う症状や病気はMRI検査によって診断できる

ことが医学的に証明されている必要があります。私達医師が脳のMRI検査を使用するのは脳出血や脳梗塞や脳腫瘍を発見目的がほとんどでです。

都営バスの考え方としてはこの脳出血・脳梗塞・脳腫瘍が運転中に意識を失い原因で大きな割合を占めることが証明されていれば画期的な事故予防策になるのですけど・・・一般の方が病気の事を知る上で信頼度が高いメルクマニュアル家庭版によれば失神の原因としては

メルクマニュアル「失神」より

があげられていて、MRIが決定的な役割を果たすことはあまり期待できません。

メルクマニュアルは失神の原因として多いわけじゃないけど、起きたらそれはそれは重篤な病気として

失神が症状として現れる病気として心臓弁の病気や肺塞栓症や心臓発作を挙げています

こりゃまた、MRI検査はあまり重要じゃないようです。

実は一般の方が運転手さんが仕事中に意識を失って大きな事故になったことで初めて知った病気として睡眠時無呼吸症候群(SAS)があるんじゃないでしょうか?私の記憶に残っている一番古い睡眠時無呼吸症候群による事故は2002年8月3日に山陽本線で運転士が居眠りして約500メートル逆走した事故です。新しいところでは

朝日新聞 東北新幹線運転士が居眠り 車掌が非常ブレーキ

これらの居眠りの全てが全て睡眠時無呼吸症候群が原因となっているかの詳細は不明なものがありますので断言は控えたいのですが・・・。

こんな論文もあります・・・「鉄道機関における睡眠時無呼吸症候群対策」、交通機関の運転手に求められている健康検査はまずは無呼吸症候群なんじゃないかなあ・・・。

■睡眠時無呼吸症候群はやっぱり事故の原因となっているっぽいぞ

身近にもまず間違いなく睡眠時無呼吸症候群で悩んでいる人がいると思います。私の専門である泌尿器科を夜間頻尿を主訴として来院する方の何割かは泌尿器科的な疾患以前に睡眠時無呼吸症候群になっている方がいます。

千葉大学病院呼吸器内科の「睡眠時無呼吸症候群」のページによると睡眠時無呼吸症候群の主な症状は

日中の眠気のため、思うように日常生活が送れなくなり、何かに集中することができなくなります。また仕事中に居眠りをしたり

に続きもろズバリのことが書かれています。

特に危険なのは自動車の運転などの場合です。睡眠時無呼吸症候群の患者さんでは、運転中に高率に眠くなり、交通事故を起こす危険性が著しく高くなります。

都営バスは就業中の気を失う状態を事前に把握するために脳のMRIを運転手さん全員に行う予定らしいですが

運転中の意識を失う事故を防ぐには睡眠時無呼吸症候群のチェックが優先されるべき

と多くの医療関係者は考えているのではないでしょうか?

■運転手さんのMRI検査、だれが都バスに提案したのか?

都営バスの経営母体は東京都交通局、東京都交通局の経営母体は東京都ですよねえ・・・ってことは小池都知事の管轄ということになります。私個人的な感想としては、都民の一人として小池都知事になったから暮らしにくくなったわけでも暮らしやすくなったワケでもない。都バスも生活圏で利用することはまずないけど、気になることが一つあります。都バスの運転手さんって運転が荒いんだよなあ!!(※あくまで個人の感想です)。

突然の幅寄せ、いきなり前方への割り込み・・・これって運転中に意識を失うケースによって起こってしまったの無いよねえ、多分。こちらの対策もイチ都民としてお願い申し上げます。

インフルエンザ関連、謎の言葉「今年のワクチンって2回接種しないといけないのよねぇ~」はどこから出た??


■高齢者の複数人がインフルエンザワクチンは2回接種するべき、と思っている謎

例年に無く、インフルエンザワクチンが不足している当院です。今年m10月1日から自治体による補助が受けられるインフルエンザワクチン接種が開始しました。高齢者を中心にワクチン接種を行っている当院で、今年はなぜか

今年のインフルエンザワクチンは2回打たなきゃイケないんですよね~!!

との謎のセリフを複数人から伺いました。えっ、そうなんですか?と聞くと「うん、朝のニュースで言ってたよ。先生は朝が早いから観られないか」とのお答え。

1:ワクチン接種のブースター効果を狙ってワクチンを2回打たないと行けない

2:ワクチンの効果を考えると1シーズンは2回ワクチンを打たないと持たない

3:子供のワクチンは2回接種が基本、その情報を間違って解釈した

などの原因が考えられます。今年は理由は不明ですがなぜかインフルエンザワクチンの供給が遅れに遅れなっています。そんなワクチン不足の今シーズンに大人も子供同様に2回接種が状態化したらワクチン不足パニックが起きてしまいます。なぜ今年はインフルエンザワクチンは2回接種しないといけないのよねえ~って話が出回ったいるのか、ちょっと考えてみますね。

国立感染症研究所 「インフルエンザ 過去10年との比較」より 2018/2019の季節性インフルエンザは大流行という状況では本日時点では無いようです。
インフルエンザ過去10年間との比較グラフ(11/9更新)

■ワクチン2回接種マスト説、ニュースじゃなくって朝の情報番組が震源地?

まず日本の健康保険衛生の元締めである厚生労働省のインフルエンザワクチンの接種回数に関してはこのように述べています。

13歳以上の方は、1回接種を原則としています(注1)。ワクチンの添付文書には「13歳以上のものは1回または2回注射」と記載されていますが、健康な成人の方や基礎疾患(慢性疾患)のある方を対象に行われた研究から、インフルエンザワクチン0.5mLの1回接種で、2回接種と同等の抗体価(注2)の上昇が得られるとの報告があります

厚生労働省「インフルエンザQ&A」より これは本年平成30年度版です。

インフルエンザワクチンを今年は2回打つ必要がある、との公的な声明はありません

公式声明ならニュースで取り上げても良さそうなものです。そうなんです、多くの方は朝のバラエティ情報番組をニュースと表現することが多いのです(夕方の番組もね)。

そうなると今シーズンも医師がバラエティ番組に出演してインフルエンザの流行に関してコメントしていたもんなあ。となるとワクチン2回打つ必要との話は子供の話を聞き間違えたか、あるいはブースター効果に関してのコメントを前後の話の流れを聞かないで「今年のインフルエンザワクチンは2回打つ必要がある」と誤解した可能性が出てきます(某朝の情報番組でこれ一瞬耳にしたような記憶があるのですが、出勤時間になったので最後まで観ていないので断定は避けます)。

※ワクチンのブースター効果に関しては各自でググってくださいませ。

■インフルエンザワクチンの効果は流行する期間をカバーできない?

インフルエンザワクチンが効果を持続する期間に関して一般的には5ヶ月程度と考えられていますし、そのように説明している医師も多いと思います。

ちょっと古いものですけど、インフルエンザ予防接種ガイドライン等検討委員会の資料でもインフルエンザワクチンの有効性の項目でそのように説明されています。

予防接種を受けてからインフルエンザに対する抵抗力がつくまでに2週間程度かかり、その効果が十分に持続する期間は約5ヶ月間とされています

ここで落ち着いて考えてみましょう。10月の当初にインフルエンザワクチンを接種したとします。

そこから5ヶ月となると11月、12月、1月、2月、3月・・・しっかりと3月中旬までワクチンの効力は持続することになりますよね?となるとインフルエンザワクチンの効果の持続期間が5ヶ月である、としても

十分に季節性インフルエンザ流行期間には一回の予防接種によってカバーできることになります

まだワクチン接種は早い、ってことはにはなりませんし、今打つと効果が持続しないも間違いと判断してよろしいのではないでしょうか?

■インフルエンザワクチン、子供は2回接種が常識らしいけど

13歳以上の方は1回インフルエンザワクチンを接種で13歳未満は2回接種が原則です。

厚生労働省の見解として医学的な理由により、医師が2回接種を必要と判断した場合は、その限りではありません

とあり(注1)が併記されています。

場合によっては13歳以上でも2回接種が推奨される場合が無いわけではないのですが・・・

大きな持病が無い限りはワクチン接種は1回でOKとの解釈が一般的です

となると今シーズンはインフルエンザワクチンは2回打たなきゃいいけないのよねえ~!!って話はまったく医学的な根拠のないデマとは言いませんけど、間違った話であることを十分にご理解ください。

中には子供に対しても今年はワクチン不足なんで一回にしてください、といわれた芸能人の話もブログにありました。

今年のインフルエンザワクチン不足の原因は何?どうして不足するの?

この中で間下このみさんの話を引用してあります。

海外の場合はそれぞれの気候風土経済環境健康福祉予算によってかは不明なんですが、世界保健機関(WHO)によると9歳以上の子供や健康である大人のワクチン接種は1回でOKとしています。これは不活化ワクチンに限る話らしいけど、インフルエンザワクチンも不活化なので、やはりインフルエンザワクチンは特別な場合を除いて1回接種が原則であることに間違いはありません。

結論:今年のインフルエンザワクチンは2回打たなきゃいけないのよね説は間違い!!と判定します

インフルエンザワクチン接種は1回の原則は揺るぎないものです、くれぐれも「どーしても、2回接種して!!ニュースでやってたじゃないのよ-!!」という強引な交渉は当院は受けつません。

おまけ:某バラエティ系番組で医師が「自分は2回接種を毎年受けています」的な発言をしたとの情報が入ってきていますが、真偽を確かめる手段がないので、その話には一切触れませんでした。

VOV リフト、糸を入れて顔のたるみをしっかりあげる新しい治療方法


■糸を使って切らないで顔のたるみを治す治療方法VOVリフトが今キテいます。

美容外科は限りなく美容皮膚科に近づいています。美容外科は切る手術がメインと考えられ、抵抗感を示す患者さんが多いのが実情です。最近当院で行い出した新しいリフトアップの治療方法「VOVリフト」を先日私が実際に体験しました。基本的にこのVOVリフトは切りません。この

VOVリフトの効果と注意点や副作用に関してお伝えします

歳をとると、重力の影響で皮膚は必ずたるんできます。これが顔のたるみの原因です。

特に顔のたるみを気にする方が多くても、美容外科手術の花形である切るフェイスリフト手術に踏み切る方はまだまだ当院では少数です。多くの顔のたるみを気にされている方は切らない方法を選択するために、その場合は高密度超音波と呼ばれる方法(HIFU ハイフ)や糸を使ったたるみ改善方法がどちらかというと好まれる治療法になっています。

VOVリフトなどのスレッドリフトに使用される糸は20種類以上あり、当院でも患者さんの状況に応じて使い分けてきました。

“たるみ” といえば糸で引き上げる方法。20種類以上ある糸の中から、専門家がすすめるベストな糸はこれだ!

効果的には

切るフェイスリフト>糸を使ったリフトアップ>HIFUを使ったリフトアップ

とお考えください。真ん中に位置する糸を使ったリフトアップは

ちょっと前まで当院でも「ハッピーリフト」の人気が高く一押しでした

私としてはハッピーリフトという名前が気に食わなかったので、ハッピーリフトより洒落たネーミングであり、リフトアップ効果も高く、効果の持続期間も長いものを待ち望んでいました。

やっと見つかったというか出たのが、先ほどからお伝えしている

VOVリフト(ボブリフト)という糸を使ったたるみ改善方法です

これがVOVリフトに使用する糸で、時間とともにVOVリフトの糸は体内に吸収されます(VOVリフトの糸が吸収される利点については後述)。

VOVリフトはこんな感じのギザギザした糸を顔に入れ込みます。VOVリフトで使用する糸は今までのものとこのような違いがあります。

このVOVリフトでたるみ治療する場合麻酔をするので痛みの件はお忘れいただけると、話を早く進められ、うれしいです。

■このVOVリフト、実際に私は受けました〜!!結果はこんな感じです

患者さんの声と称して、そのクリニックの美容治療の素晴らしさを表現するサイトが多く見られましたが、嘘か本当か、はたまたヤラセということもあり、好ましくありません。そこで当院名物の院長である私が実際にこのVOVリフトを体験しましたので、その結果をお伝えしますね。

まずは×印の刺入点に局所麻酔をちょっと注射します。

そしてそこから特殊な細い管を通して、ギザギザの糸を青線に沿って挿入します。この時、ゴソゴソする感じはしますが痛みではありません。糸を通した後に細い管を青い線、実際は皮膚の下に糸だけが残るようにして管を抜きます。次に糸を刺入点に向かって引っ張りほほ全体の皮膚をリフトアップします。

実はこのVOVリフトは切らないという表現は嘘になり、刺入点の一部をほんの少しだけだけ切開します。糸を引っ張りあげた後、糸の一方を皮膚の下に固定して切開した部分を数針縫って治療は完了します。

すると、ジャジャアーン!!こんな感じにリフトアップの完成!!

左が疲れ切った中年のオッサン、右がVOVリフト後の若々しいたるみのなくなった私です。美容系広告の規制が厳しくなっております。当院は有料広告と言われる手法は一切おこなっていませんが、ビフォーアフター写真はひどいクリニックだとフォトショップ等を使用して加工修正しているなんて話も耳にします。この使用前使用後、どう見ても画像を編集はしていませんよね(笑)。

私の場合は糸を使った治療は初めてではありませんし、しっかりとたるみを改善したかったので小さな切開をしました。きるのは嫌だ、とか初めてスレッドリフト系を行う方は切開しない方法をオススメしております。

■VOVリフトに使用する糸は永久に持つわけではありません

せっかく高額な費用を支払ってこのVOVリフトをおこなっても治療効果は一生持つわけではありません。数年すれば誰でもさらに歳を取るのでそれなりに顔のたるみは生じてきます。

さらにこのVOVリフトは一定の年月をかけて自然と体内に吸収されますので、引っ張り上げている力も徐々に弱くなるのです。そんなんじゃ損するじゃん、とのお言葉が返ってきそうですが、フィラー注射と呼ばれるヒアルロン酸注射も半年程度で体内に吸収されるからこそ人体に安全であると考えられています。

ボトックス注射もそうです、効果が持続しないからこそ安全なのです。

いくつかの美容クリニックでは体内に入れるものを長年、ひどい所だと永久に持続するなんてセールストークしている所もあると耳にします。そんなクリニックはこんなトラブルを引き起こしています。

不正請求6億円もすごいけど、フィラー注射(ヒアルロン酸)で342万円も凄い!!

さらにはこんなこともありました。

ぼったくり美容外科発見!!切らないフェイスリフトで400万円!!??

このVOVリフトの金額はこれらの10分の1ほどです(入れる糸の本数によって値段が変わります)。気になる費用はVOV リフト4本まで1本45000円、5本目から1本40000円です(税込)。私の場合は使用した糸の数は両方で6本、この場合は麻酔代から術後の薬や抜糸や再診料全部で4本×4.5万+2本×4.0万=26万(税込)です、もちろん私の場合は実験台なのでゼロ円。このVOVリフト、首のたるみも同時に行う方もいらっしゃいます。治療費に関しては高い!!とのご意見もあるかもしれません。

大手チェーンクリニックのような安値で勝負は無理です。逆にメチャ高い!!とのご意見もいただいたことは無いです。なんせ地元のみなさまに愛されることを目的とした地元密着型という不思議な形態の美容系を併設している普通のクリニックですからね。

術後の痛みですが・・・なぜか私の場合は数日間は刺入部位がちょっとズキズキしました。傷の痛みではなくVOVリフトで使用した糸を固定する時に日頃の恨みがあったとは思いたくはないのですが、看護師あるいは松下医師が必要以上に引っ張った糸を固定していた部分のひきつれによるものでした。一週間もしないうちに全く気にならなくなって今日に至っています。

次々と出てくる新しいスレッドリフトと呼ばれる糸を使った顔のたるみを解消する治療方法、もうちょっと待てばもっといいのが出るかも、なんて考えている方もいらっしゃるかもしれませんけど・・・その間にさらにたるみは加速するかもしれませんよ、なんてことを言ってしまいそうになるんで、私は女性心理をわかっていないと評価されるんでしょうね、反省します。

■おまけ:美容皮膚科と美容外科の違いについて

美容皮膚科と美容外科の違いはざっくり言うと切るか、切らないか、です。皮膚科から発展した美容皮膚科は基本的に切ったり縫ったりする外科的な手術を行わないフィラー注射やボトックス注射によって市民権を得たと考えられるマイルドな美容系の治療とお考えください。

しかし、切らない二重手術と呼ばれている埋没法という一重まぶたを二重にする手術があり、美容皮膚科でも行われています。これは正確には切らない、ではなく「ちょっと切る」んです実際は。

当院は保険外治療の美容外科と美容皮膚科の両方の科目を正式に標榜している、駅から遠い地元密着型の美容系クリニックです。保険診療は標榜科目は泌尿器科と内科です・・・実は諸事情により今まで標榜していた皮膚科は近いうちに外す予定です。

「モルヒネ注射を止められない」と表現された大塚家具の記事が気になりました。


■新潮の間違った医学用語の使用にからみます(笑)

最近の週刊新潮の医療系記事はトンデモ方向まっしぐらってイメージがあり、週刊現代とともに目が離せない状況になっています。こんな記事を見かけました。

大塚家具“在庫一掃セール”で売上高アップ、「モルヒネ注射」はもう止められない?
デイリー新潮2018年11月9日

この記事を書いた記者さんはモルヒネの意味を知って使っているのかなあ〜、なんて目で見ちゃうくらい新潮にからみたくてしかたない私が通ります!!

医療上モルヒネは癌性の痛みに対して積極的に使われるべき薬と位置付けられています

この新潮のタイトルはモルヒネは使ってはならない薬であるとのイメージが記事内容から伝えわって来ますよね(そんなヘンテコな読み方するのはわたしだけ?)。

日本緩和医療学会の「がん性疼痛の薬物療法に関するガイドライン」には「モルヒネ」が389回登場します。

このように

がん性疼痛の強い痛みを伴う場合の対処療法としてはモルヒネ以外の選択肢はありません

実際の進行がんの治療で強い痛みを訴える患者さんに「モルヒネ系の薬を処方しますね」と伝えると「ええっ〜!!麻薬ですか」と躊躇する方も少なくありません。

癌性疼痛のコントロールの重要さをご存知の患者さんが増え、さらにMSコンチンという錠剤が保険収載されたことによって、以前ほど麻薬系に分類される痛み止めを拒否する方はかなり減っているのに、新潮の記者さんは禁じられた薬、ダメ絶対ダメ的なイメージをモルヒネにお持ちなんでしょうか?なんて疑問を感じてしまいました。

がんの痛みは精神的にも肉体的にも非常に辛いものであり、適切な薬を適切に使用することによって、痛みをコントロールするだけではなく、苦しみから解放されご自分の病気としっかり向き合うことが可能となります。どう見ても悪いイメージで「モルヒネ」をタイトルに使用しているデイリー新潮に絡みたくなる気持ちをご理解くださいね。

■ポンコツ記者さんが書いたと予想される「モルヒネ注射」記事

一般的な表現方法として「カンフル注射」とか「カンフル剤」が取り敢えず元気をつける場合に以前は多用されていました。このカンフル剤はデジタル大辞泉によれば樟脳(しょうのう)のこと。クスノキから得られるほか化学合成もされ、中枢神経興奮・局所刺激・防腐作用がある。かつては蘇生(そせい)薬として知られた。となっています。一般社会で使われる場合は

だめになりかけた物事を蘇生させるのに効果のある措置。カンフル剤。

ですね。例として

「大幅減税が景気回復のカンフルとなる」

が挙げられています。カンフルだとポンコツになりかけている私なんかには意味が良く伝わります。

ちなみに新潮の社員の平均年齢は44.0歳、ライバルとも言える文藝春秋の平均年齢は43.8歳(マイナビ等による)。週刊新潮の中学生以来の愛読者である私としては(嫌な中学生でした)、近親憎悪的にカンフルを使わないでモルヒネという言葉を使った記者さんの年齢まで気になってしまいました。

■モルヒネ、懐かしいテレビドラマを思い出しました

土曜の朝っぱらにトイレでこの記事を読んだ私はついつい「コンバットかよ!!」と呟いてしました。コンバットといえば私たち世代はすぐに第二次世界大戦中の米軍の人間味あふれるテレビドラマの名作「コンバット!」を思い浮かべます。

このコンバットの中で

負傷した兵隊がいると「衛生兵!!早くモルヒネを〜!!」なんて場面が多数ありました

子供心ながら「モルヒネって痛みを止めるんだろうなあ」と思いながら白黒のテレビ画面を見つめていた記憶があります。

戦争で負傷してモルヒネ等の中毒になった兵隊さんはいることはいるでしょう。しかし、それは戦争という異常なし状況での使用であり、近年の戦争では兵隊さんのやる気モードを麻薬の使用によって減弱させる目的で、敵側が非医療目的使用を蔓延させるための作戦でもあったとの話もあります(ベトナムやアフガニスタンなど)。

■モルヒネってなんだ?

ところでモルヒネ自体を知らない方に念のため説明しておきますね。手元に学生時代に購入した「薬理学」(伊藤宏著)があります。そこには麻薬性鎮痛薬という項目があり「モルヒネはアヘンから抽出されたアルカロイドの一つであり鎮痛作用を主とする」と書かれています。この教科書は初版が1959年という古い古いもので、私が持っているものが1979年に再版されたもの(この辺りが私がポンコツになりつつある所以かも)。

この時代はまだMSコンチンは販売されていなく、実際の臨床でも点滴にモルヒネを使用してはいたのですが

多くの患者さんは「モルヒネですかあ!!」と、家族は「麻薬を使うなんて!!」と反応したものでした

そこでブロンプトン・カクテル(Brompton Cocktail)と呼ばれるモルヒネややアルコールを含んだ液体を飲んでがん性疼痛への対応をしていたような時代だったのです(モルヒネ=注射のイメージがあったので、服用薬だと抵抗が少なかった)。

一方で現在がん性疼痛に対して積極的に使用することが推奨されているMSコンチンはモルヒネが徐々に溶け出す仕組みになっていて、一日1回から3回の服用で痛みを抑える効果があります。がんの痛みを治療する目標としてこのようなものが一般的に医師間では考えられています。

がん性疼痛の治療について」高知医療センターペインクリニック科 青野寛先生のスライドより

麻薬を使うと中毒になる心配をお持ちの方へ <blockquote>麻薬中毒または精神依存とは、自分で制御できずに薬を使用してしまったり、痛みがないにもかかわらず薬を使わずにいられないようになることが特徴です。これまでの研究で、医療用麻薬が医師のもとでがん患者さんに対し、痛みの治療を目的に適切に使用された場合、これらの依存症状が生じることはほとんどないと報告されています。

日本緩和医療学会緩和医療ガイドライン委員会よる患者さん向け「がんの痛みの治療ガイドライン」にはこのように書かれています。ご安心くださいね。

■なぜこの記者さんは「モルヒネ注射」という言葉を使用したのか?

今まで複数回、週刊新潮の取材に応じてきた私ですが、どうも最近の新潮の医療系記事が気になっていました。

例えばこれ

賛否両論の糖質制限ダイエット論争に幕はちょっと早すぎるような・・・。

そして、これも

ジェネリック医薬品は効果が無く、安かろう悪かろうです・・・これは本当なの?

今回取り上げた新潮の記事は全く医療モノではなく、会社経営の話なんで門外漢の私がとやかく評価するべきではないのは当然です。しかし、中学生以来40年以上読み続けてきた新潮系雑誌(今思い出した、当時ロッキード事件があってこれの詳細を知りたくて週刊新潮を読みだしたんだった)の箸の上げ下ろしまで気になってしまい、重箱の隅をつつくようなことをおとな気なくやっちまったわけです。

来週頭に締め切りがきている某医療系雑誌の原稿があるのに、なんで私は朝っぱらからこんなどうでもいいブログを書いているのだろう、と自問しております。多分、精神病理学的な不安を少なくする無意識な行動である「逃避」って状態なんでしょうねえ。そんな時こそカンフル剤を注射して(今時カンフル剤なんて薬無いよ〜だ)しっかり現実に向かわなければなりませんね。

新潮さま、ここはモルヒネ注射ではなく、カンフル注射が正しい用語だったのではないでしょうか?

https://honkawa2.sakura.ne.jp/3969b.htmlより

読者層の多くは間違いなく「カンフル」で言わんとすることが伝わる年齢層ですから。

気になる足の臭い、悪臭を消す簡単な方法を発見しました!これは人類を救うかも??


■気になる足のにおい、これは男性より女性の方が敏感です

足の臭いが気になる人は多数だと思います。女性はこれから寒くなりブーツを履く季節になるので、それなりに気に鳴っているのではないでしょうか。実は足の不快な匂いって女性の方が敏感に反応することが知られています。

http://m-age.jp/smell/research/original/03.htmlより

そこで女性心理を理解していないとの評判の私が、少しでも女性の好感度を高めるために

医学論文をもとにエビデンスある、足の匂い対策をここで発表しまーす!!

私事ですが、子供が靴を履き出した時期に、我が子ながらこの世のものとは思えない悪臭を愛児の足の裏から嗅ぎ取って以来、足の匂い研究家として半径10メートル以内では知らないモノがいないほど有名です(n=3 笑)。当時は家人に足の臭いって遺伝するの?と聞かれてかなり心を痛めた私です。

足の臭い対策を行う上で必要なことはその原因を知ること

足の臭いに関してこんな医学論文があります。足の悪臭の原因はこの論文(2014 Clinical Dermatology 2014の「足の悪臭の原因は?」をもとに、確実に足の匂い問題を解決策になると信じて話を進めていきますね。

どうでもいい話ですけど、この論文、1200円でゲット!!海外文献よりはかなりお安いです。素人ライターさんや怪しげな健康情報サイトだと「医師監修」とか「医学論文付き」とか「医師執筆」なんてタイトルを入れるんでしょうけど

医師である私が論文を付けて書いたこのブログの信頼度はかなり高いはずだけどなあ・・・

どうでしょうか、みなさま。

■これだけ多くの人が足のニオイを気にしています

足の臭い、これを自覚している方も多いでしょうけど、他人様に顔をしかめられた経験を持っている人も多いんじゃないかなあ・・・。

足の悪臭の原因として医学的に特定されている物質が「イソ吉草酸」です

雑菌・汗・角質・靴・靴下・爪垢・ストレスが足の嫌なニオイの原因であると健康関連記事には書かれているようですが、素人ライターの拾い集め情報レベルを超えてはいませんね(いかん、いかん、上から目線はご法度だった)。

私は医師免許をもった自他ともに認める足の裏のニオイ専門家です(笑)。私はエビデンス至上主義者ではありまが、少しでもプロっぽく装うためにはとにかくデータの提示とそれを裏付ける論文、それも一次ソースを添える必要があります。

■まず、足のにおいの原因はこれ!!

私が参考とさせて頂いた前述の医学論文によれば、足の悪臭の原因はこれらです。

足のにおいを発生する基礎疾患
●多汗

●水虫

●点状角質融解症

足のにおいの原因
●Corynebacterium属の細菌

●この細菌類と角質分解産物から作られるイソ吉草酸

つまり、足のにおいはこのような過程で発生すると考えられます。

足が汚染されている→細菌類が増殖→ロイシン・イソロイシンからイソ吉草酸の増加→足から悪臭が漂う

この流れのどこかを遮断することによって、男女ともに気になる足の臭いから解放される可能性が出てきます。そこで私が愛用しているのがこれ!!

持ち歩ける小さいタイプもあります。旅先ではこれを使用しています。これで手指をキレイにすれば風邪やインフルエンザ等の感染症も防ぐことが期待できるので、一石二鳥!!

これをお風呂上りに足の裏及び足の指の間、そして爪周辺に塗り込みます。重度の足の臭いに悩まされている方は、朝に靴下を履く前にもう一回塗布します。この方法によって「パパ、足が臭い!!」という暴言を吐かれることが無くなりました(n=3)。

■手ピカジェルで足の臭いとオサラバ作戦の問題点

私の治験が正しいものであるかを科学的に検証するには、私の足からCorynebacterium属の細菌が消え去っていること、そしてイソ吉草酸が認められないことが必須事項です。この件に関しては、第三者の検証が求められます、なんせn=1ですから(笑)。

さらにこの

足の臭いの原因のCorynebacterium属の細菌の培養検査は難易度が高いことが知られています

「医学細菌学上重要なCorynebacterium属菌の検査法」という論文によれば、あの亀田総合病院でさえ十分満足な結果にはなっていないとのこと(日本臨床微生物学会より)。いっかいの町医者が手を出せる案件じゃないことをご理解くださいませ。

足の悪臭に効果があったとしても、副作用による健康被害があっては大変です

この「手ピカジェル」のサイトによればこの製品は指定医薬部外品のカテゴリーに入っています。

指定医薬部外品はもともと医薬品として販売されていたものが、旧薬事法の改正の際に規制緩和がおこなわれ医薬部外品として販売されたものです。ってことはもともとは医薬品として使用されていたワケで・・・手ピカジェルの有効成分であるエタノールの副作用を調べれば、安全に足の臭いとおさらばできることになりますね。

消毒用のエタノールに関しては中毒症状として中枢神経系の抑制作用によって呼吸不全があり、下手すりゃ死にます(http://www.maruishi-pharm.co.jp/med2/common/images/care/pdf/05.pdf等より)。国民生活センターの情報を参考にするとエタノールを含むトイレの清掃グッヅや白髪染めの報告はありますが、重篤といえるような副作用は見つけられませんでした。

もちろん手ピカジェルをがぶがぶ飲んでしまったら、重篤な副作用が起こりうるでしょうけど・・・くれぐれも小さなお子様の手の届かない場所に手ピカジェルを設置してくださいね。

■これは大発見、足の裏のニオイ問題が解決すると多くの人類を救えるかも?

この研究をご存知でしょうか?足の臭いがきつい人は蚊に刺されやすい。有名な研究として「蚊が何故人間の血を吸いたくなるのかを、ヒトスジシマカの雌の交尾数で検証する」(筑波大学 「科学の芽」賞 応募作品)があります。これを発表した田上大喜さんは当時高校二年生で今はコロンビア大学に留学中のようです。世界中で一番人間を死に至らせている生き物は「蚊」との説もあります(https://vdata.nikkei.com/datadiscovery/22infection/)。

足の臭いを無くす→蚊に刺されなくなる→蚊が原因の感染症予防が可能となる→人類の健康問題に世界的に貢献できる

こんな流れも無いわけじゃないですよね。

私の研究結果(?)は科学です。哲学者のカール・ポパーが言うところの科学と非科学を見分けるための反証可能ですし、再現性もありますし、もちろん追試も可能です。私の大発見が多くの研究者によってさらなる裏付けができたら、人類の健康に大きな貢献ができると自負しております(鼻息バフバフ状態)。誰か検証してくれないかなあ・・・。

ここ最近、どうもブログがニセ医学やへんてこな医療を批判するものが増え、心がすさんで殺伐としてきました。今回は私のそもそものノリをご理解いただくためにこのような感じのブログを書いたワケですm(__)m。

この医療ジャーナリストは、インフルエンザワクチンの効果は明らかになっていない、と述べていますが・・・。


■医療ジャーナリストともあろう方が「インフルエンザワクチンの効果は明らかじゃ無い」???

インフルエンザワクチンの効果をこれっぽっちも疑っていなかった私が間違っていたのか、それともインフルエンザワクチンの効果は明らかになっていないと宣う自称医療ジャーナリストさんのお話が正しいのか?

私が一方的にTwitterでブロッックされている

ソーシャル上では「自称医療ジャーナリスト」と呼ばれている有名な方がいます

この医療ジャーナリストさんは朝の情報バラエティ番組にも登場して、ヘンテコは半可通丸出しのコメントによって医療関係者の間では間違いなく有名です。

この医療ジャーナリストと自称している方と感染症専門の医師のTwitter上のやりとりがTLに流れてきました。ブロックされている私は医療ジャーナリストさんのツイートを見ることができませんので、「見られないよー」と呟いたら親切な方がアドバイスしてくれて、久々にご対面でき、感激のあまり、ここ最近のツイートを覗いてみるとこんなのを見つけてしまいました。

本来ならばスクショは避けるべきです。でも、ブロックされているのでこの表記の仕方でお許しくださいませ(https://twitter.com/itoshunya/status/1060020684993130497より)。

チャーリって方の仰っている話の元論文にはこんなことは書かれていません(これは近々別のブログにする予定)。

■インフルエンザワクチンは高齢者等の重症化と死亡率を下げる、これは明らかになっています

この医療ジャーナリストと一般の方は受け止めている人のツイートに

厚労省の委員会でも、インフルエンザワクチンの効果は、何度も話題になりましたが、本当に高齢者等の重症化と死亡率を下げるのかという点について、きちんとした我が国でのデータは示せていないと思いました

と書かれています。

●厚労省の委員会、ってどの委員会?

●インフルエンザの効果は何度も話題になった、ってどこで?

●高齢者等の重症化と死亡率減少のデータが無い、ってどこを探した?

●ワクチンの影響ならワクチン偏重を見直す、って一次ソースを読んだのか?

●海外ではあっても日本ではインフルエンザワクチンの効果を明らかにしていない、って何を元に言ってんの?

などなど、たったの140文字中でも多数の疑問点があるのです。

■インフルエンザワクチンの効果は日本でも実証されています!!

私と自称医療ジャーナリストとの確執は彼が私のことを「アホだから」と賞賛してくれたことに始まります。

トンデモ系「医療ジャーナリスト伊藤隼也」さん、ここも間違っていますよ!!

このブログが原因で一方的にブロックされた記憶があります(記憶が定かではないのは、私は性格はどちらかというとさっぱりしています、やることはネチッコイかも)。

この方って自分の本当か嘘かわかは確認のしようがないのですけど、広い交友範囲を誇示して、大物医療関係者や大物厚労省関係人物との交流を示すようなツイートが時々あるので、私は窮地に追い込まれるリスクが当然伴います。

ひょっとしたら医療業界から追放されてしまうのかという恐怖におののきながらも、やっぱり批判しちゃいますね。

厚生労働省におけるインフルエンザ絡みの委員会として「厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会研究」があります。議事録はしっかりとネット上にアップされています。さらに資料として使われたパワポと思われるものもネット上では見ることができます。

https://www.mhlw.go.jp/shingi/2010/01/dl/s0115-8c.pdfより これは確かに海外のデータであり、医療ジャーナリストさんがおっしゃるように日本では明確になっていない的な発言は間違っていいないように思われるのですが、

あるんだなあ、日本におけるインフルエンザワクチンの高齢者に対する効果のデータが!!

厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会研究の「インフルエンザワクチンに関する効果等の評価」資料2より

この資料によって

●高齢者はインフルエンザワクチンの接種によって発病するリスクが最高で55パーセント減少する

●高齢者はインフルエンザワクチンの接種によって死亡リスクが82パーセント減少する

●インフルエンザワクチンの接種一回でA型インフルエンザに対する抗体は十分に上昇していた

などなど、ワクチン接種の効果が明らかになっています。どこの厚生労働省のどんな委員会での話を基にして「本当に高齢者等の重症化と死亡率を下げるのかという点について、きちんとした我が国でのデータは示せていない」と思ったのか?もし資料がありましたらご提示いただけたら幸いに存じます。

■インフルエンザワクチンはきっちり死亡数を減らしています

私は泌尿器系の感染症に関してはプロですけど、インフルエンザ等の感染症は専門外です。私が医学の勉強の参考とさせていただいているアレルギー専門のほむほむ先生(@ped_allergy )のブログでこのようなものがありました。

https://pediatric-allergy.com/2017/11/27/vaccinating-schoolchildren-against-influenza/

インフルエンザワクチン集団接種は、インフルエンザによる死亡数を減らしていた

信頼たる医学専門誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン「The New England Journal of Medicine」に掲載された「The Japanese experience with vaccinating schoolchildren against influenza」(PMID: 11259722 )をもとにして丁寧にわかりやすくインフルエンザワクチンの有効性を述べています。この論文の結果として

インフルエンザワクチンは日本の児童の死亡を年間3万7000人から4万9000人を防ぐ効果があった

と書かれています。これによって自称医療ジャーナリストがツイートしている「高齢者等の」の「等の」に対する疑義も全くの見当違いであることがわかります。

追記:この書き方、誤解を招くものであったことをお詫び申し上げます。正しくは「日本の児童へのインフルエンザワクチン接種の集団免疫による効果によって高齢者やハイリスク患者さんの死亡を年間3万7000人から4万9000人防ぐ効果があった」との表現に改めさせていただきます。

さらにほむほむ先生のブログは予防接種が中止されることによって、超過死亡率が増加することにも触れています。

前掲のほむほむ先生の「小児アレルギー科医の備忘録」より

超過死亡率はWHOが考えた「excess death、 excess mortality」の日本語訳で感染症、ここではインフルエンザが流行することによって、様々な死因によって死亡率がどれだけ増えたかを推定する指標です。

私も季節性インフルエンザが流行する前シーズンに、集団接種の効果に関してこんなブログを書きました。

昔はインフルエンザの予防接種って集団接種だったよね?

追記:このブログで引用した論文、「Influenza Vaccination of Schoolchildren and Influenza Outbreaks in a School」(Clinical Infectious Diseases, Volume 53, Issue 2, 15 July 2011)でも児童が予防接種を受けていた方が学級閉鎖の期間が短くなっていることが明らかにされています。

これだけインフルエンザの予防接種の効果が様々な研究によって確立しているのに、多忙な厚生労働省の委員会がいまさら、ワクチンによる重症化予防効果や死亡率低下効果に関して我が国ではデータが示されていない、って何度も話題になっているのでしょうか?

医療ジャーナリストであろうと、自称医療ジャーナリストであろうと、医療に関するご意見やお考えを文字にしたり、バラエティ番組で述べられるのであればしっかりの一次ソースをご提示ください。

気になるインフルエンザの爆発的流行の原因はワクチンそのものである、とのトンデモ系のお話に関しては、確実に一次ソースの研究論文を読み間違えていることに関しては後日ブログにしますね!!

今年のインフルエンザワクチン不足の原因は何?どうして不足するの?


■去年に続き、インフルエンザワクチンが不足している今年の本当の理由は何?

10月1日から区が補助している高齢者のインフルエンザワクチン予防接種が開始しました。そのインフルエンザワクチンが昨年に続き、今年もいきなり不足しています!!

日本赤十字社 古河赤十字病院サイトより

昨年、インフルエンザワクチンの配給が滞っていた理由はワクチン製造会社にトラブルが発生して、規格を合格することができなくワクチンを供給できなかったことが理由として、少々のタイムラグで知ることができました。

今年のインフルエンザワクチン不足の本当の理由は何なのでしょうか?10月初旬にインフルエンザの予防接種をした老婦人の不気味な一言が気になります

今年のインフルエンザの予防接種は2回受けなきゃいけないんですよね〜!!

成人の場合は一回で十分と判断されている予防接種ですが、その方にその理由を尋ねると、ある一定の層の方の間でインフルエンザワクチンは今年は2回受けなければ効果なし、との都市伝説が流布しているようです。

インフルエンザワクチンは2回打たなきゃ効果が無い説の発生源はテレビの情報バラエティ

でどっかの医師が10月にワクチン接種をしてもワクチンの効果が期待できる期間は4ー5ヶ月であり、春先のインフルエンザの流行時期には予防効果が無くなっている、という話をしたようです。そこからワクチンは2回打たなきゃ効果なし、という世間を混乱に巻き込む説が高齢者(多分、その時間にその情報バラエティ番組を観る時間を確保できる層)に拡散していることがうかがわれました。

■昨年のインフルエンザワクチン不足の原因はこれだけど、今年のワクチン不足の原因は不明です

昨年2017年の季節性インフルエンザ向けのワクチンが初っ端から不足しました。その原因としてインフルエンザワクチンの製造に不可欠な「株」の決定が遅れたために、ワクチン製造自体のスタートが遅れた、とのことでした。

インフルエンザワクチンは世界中の流行の動向を伺いながら、その年のワクチンが狙うインフルエンウイルスの遺伝子の違い(これを株という)に対応できるように製造されています。今年はどんな遺伝子型のインフルエンザが流行するかの判断が遅れたために、ワクチン製造が遅れワクチン不足を招いたことの納得のいく説明です。さらに狙いを定めたインフルエンザワクチンのある株(A/埼玉/103/2014)が思うように増殖しないで、ワクチン製造に追いつかなくなったのです。
これじゃ今年のワクチン接種時期に間に合わないと判断され、大急ぎで別のA/香港/4801/2014(X-263)株を含むワクチンを作り直しました。これじゃあ、インフルエンザワクチンの製造は遅れに遅れ、供給不足になるのも当然ですね。

一方で今年はインフルエンザワクチンの不足は無いはずなのですが・・・厚生労働省の通達を見てみましょう。

今冬のインフルエンザシーズンのワクチンの製造予定量は、平成 30 年8月 31日時点で、約 2,650 万本(1mL を1本に換算)の見込み(別添1参照)であり、10 月当初の供給可能量(例年並みの約1千万本)(別添2参照)、近年の使用量等から、ワクチンを適切に使用すれば、不足は生じない状況と考えられる。

となっています。

厚生労働省は今年のインフルエンザワクチンは不足しない!!と言っているのに現実は不足している!!

なんでこんなことがおきているのでしょうか?ある方のブログでこんなことが書かれていました。

原則1回と言われたインフルエンザの予防接種

間下このみさんのアメブロ

この説明で納得するママっているんでしょうか?

インフルエンザワクチン不足だから小さな子どもは原則接種は1回!!??

ってことですよね。じゃあ、今まで13才以下は2回予防接種を受けて下さいと言われていたインフルエンザワクチンはなんだったんだ?と多くの方が思ったのではないでしょうか?

■今年のインフルエンザワクチン不足の原因はこれ!!??

厚生労働省はインフルエンザワクチンの供給は例年通りで不足することは無いよ、と述べています。でも明らかに11月に入っても希望者の量を確保できている医療機関は少ないと思われます。なんでそんなことになっているかというと、ひょっとして

どっかの医療機関が江戸時代の悪徳商人のように買い占めしているの??

なんて話をする患者さんもいます。医師の中にも変なやつはある一定数の割合で混じりこんでいるので、そんなことがあったとしたら薬問屋さんが供給を制限しそうなものです。

ここからはあくまで予想。

●どっかの医師がTV番組で二回接種を推奨した(?)為に、今シーズンは早めにワクチンを打つ人が増えた

●9月に季節性インフルエンザが流行したことが報道され、なかには学級閉鎖もあったので、早めに多くの人が接種を希望している(実は毎年8-9月にそれなりにインフルエンザは流行るんですけどねえ)

●本年は麻しん、そして風疹が大流行している状況を受けて多くの人がワクチン接種の重要性に気づいた

などなどが考えられます。

■当院も本年はやむなくインフルエンザワクチン接種は予約制としました

当院の近隣には小児科があるために、インフルエンザワクチンを接種する方のほとんどは高齢者であり、今までワクチンが極端に不足するような事態は経験していません。しかし、今年は初っ端からワクチン不足に悩まされ、

今までは行っていなかった予防接種の予約制を採用しざる得ません

当院における一般の方のインフルエンザワクチン接種はたぶん高額、その理由として自治体が高齢者のワクチン接種に対して医療機関に支払われる金額を基準としています。そのために一般の方がワクチン接種を希望されるときは「うちは高いですよ、近所の内科で打つことをおすすめします」と周囲の開業医さんとのバランスを考えた気配りをしてまいりました。

そのために当院でインフルエンザワクチンのシーズン中の総接種数はかなり少ないはずなのに・・・やっぱり今年はインフルエンザワクチン不足。

https://www.gohongi-clinic.com/news/detail54.html不本意ながらこんな掲示をさせていただいています。

鼻を高くしたい!!鼻筋を通したい!!そんな希望を叶えるプロテーゼを使った美容整形の問題点と解決方法。


鼻を高くした、鼻筋を通したい、プロテーゼを入れる美容外科手術の問題点

鼻を高くしたい、鼻筋をすっきと通したいとの希望に応じて、美容外科ではプロテーゼを鼻に入れる手術が数多く行われています。しかし、手術を担当した医師の技量不足なのか、美的センスの無さなのか、お金儲けのために数こなせばいいとの考えなのか、単に勉強不足で知識が足りないなんちゃって美容外科医のためか、様々なトラブルが生じています。当院の美容外科は鼻のプロテーゼでトラブルを起こした方の再手術に特化しており、多くの症例を経験しています。

未熟な美容外科医によって鼻のプロテーゼ手術を行ってトラブル発生の原因は以下の5点です

(1) プロテーゼの種類の選択の誤り
(2) プロテーゼのデザインや細工が不適切
(3) プロテーゼの上端が骨膜下に挿入されていない
(4) プロテーゼの埋入位置が不適切
(5) 皮膚を剥離するときの層が浅すぎる

下手っぴな医師や知識の乏しい美容外科医は事前にこのリスクを説明しているのでしょうか?

(1)周りの組織を圧迫して皮膚や皮下組織が薄くなる
(2)長期間埋め込んでいると石灰化することがある
(3)レントゲンに写る
(4)触るとプロテーゼが入っているのがわかる
(5)外力が加わるとずれたり曲がったりすることがある
(6)感染に弱い
(7)違和感・異物感が出ることがある

安易に鼻のプロテーゼ手術をするとこんな危険性があります

当院の美容外科担当の松下医師は鼻のプロテーゼ手術を受けた場合の危険性を7つあげています。

鼻のプロテーゼに潜む7つの危険性

このブログによると

(1)プロテーゼがずれたり曲がったりする

(2)皮膚が異様にてかったり、赤くなったり白くなったり変色する

(3)感染を起こし赤くなって腫れる

(4)違和感や異物感が気になる

(5)プロテーゼを入れていることを他人に知られてしまう

(6)皮膚に穴が開いてプロテーゼが飛び出してくる

(7)プロテーゼを入れたことで精神的な問題が発生してしまう

5と7以外は自己組織を使用した再建手術で解決できるトラブルですが、5と7の問題は深刻です。

5に関する当院のエピソードとして

お子さんと触れ合うことを目的に鼻のプロテーゼを自己組織に入れ替えた症例

があります。

幼い子どもと触れ合うために鼻のプロテーゼを抜いた例

松下医師は、術後、患者さんには心から感謝され美容外科医冥利に尽きたとのことです。

鼻に入れたプロテーゼはこんなトラブルを引き起こします

サイズの大きすぎるプロテーゼを強引に鼻に押し込んだ例や時間とともに飛び出すリスクを事前に説明していない美容外科医のために悩まされている方がいます。

これは当院で抜去した鼻に入っていたプロテーゼの一部です。今では何本になっているのか・・・。

プロテーゼを入れっぱなしにしているとこんなことになります

鼻にしこりがあり、鼻筋が突っ張るようになった患者さんの場合、原因はプロテーゼの石灰化でした。

この症例については以下をご覧ください。

鼻のプロテーゼ、20年以上たつと中でどうなっているのか?驚きの変化をお見せします

L型プロテーゼは特に危険です!!

当院で鼻のプロテーゼのトラブルで実際に再建手術をした方の70パーセントがL型プロテーゼでした。

今から30年以上前はこのL型プロテーゼが鼻を高くする美容外科手術を希望する方に使用するのが主流でしたが、時間の経過に伴ってプロテーゼが飛び出す、というトラブルが増えています。

鼻のプロテーゼを抜き続けて20年、そこから見えてきたもの(その1)

当時は美容外科手術を受けられる方の目標は海外の映画スターだったことの影響が大です。

鼻プロテーゼを入れると皮膚が薄くなり、鼻先がテカり出します

サイズの合わないプロテーゼを強引に鼻に挿入する不埒な医師がいて、プロテーゼに圧迫されて皮膚が薄くなってしまい、最初は鼻先のテカりとして認識されている状態を放置していると、最終的にプロテーゼが皮膚をつきヤプって飛び出てしまいます。

鼻のプロテーゼを抜き続けて20年、そこから見えてきたもの(その2)

詳細は上記ブログをご覧ください。

鼻プロテーゼのトラブルを未熟な知識不足の医師が再手術すると悲惨です

当院の美容専門医師は20年以上の臨床経験を積んだプロ中のプロです。さらに当院で鼻のプロテーゼの再建手術に専念することでさらに腕に磨きがかかったと考えます。中には自分を技量を超えた手術を強引に行う美容外科医がいることを残念に思います。そんな患者さん離れの悪い医師はプロテーゼのトラブルに対して

トラブルの原因がプロテーゼなのにそれに気づかずに、さらなる手術をした信じられない医師がいます

鼻プロテーゼが原因のトラブルなのに、プロテーゼを抜かずに自己組織移植を行った失敗例

鼻のプロテーゼがトラブルの原因なのですから、まずはプロテーゼを抜くことが基本中の基本です。

プロテーゼを抜きっぱなしで放置された症例も当院では経験しています

当院の症例でどうしてもプロテーゼを抜くだけで済ませたいとの希望の患者さんがいました。

長年鼻にプロテーゼを入れていた方は、抜くだけで元の鼻に戻るわけではありません!

だからこそ、プロテーゼを抜いたら自己組織を移植する再建手術が必要となるのです。

当院で鼻プロテーゼ抜去後の自己組織移植による再建手術はこのようになっています

鼻のプロテーゼのトラブルを自己組織移植でカバーしているクリニックは都内でも数件しかありません。当院でも遠方から来院される患者さんが多く、夏休みや年末はオペでスケジュールがぎっしりなんて状態のこともあります。

鼻のプロテーゼが飛び出しそう、鼻筋が曲がってしまったなどでお悩みの方へ

鼻のプロテーゼが一生モノでないことと事前に説明していない美容外科医に怒りを感じても、問題の解決になりません。挿入した医師の多くは再建手術、特に自己組織を移植するテクニックを持ち合わせていることは稀です。当院の再建手術はけっして安くはありません(新聞沙汰になるような300万円なんてことはありえませんけどね)。今現在悩んでいる方の多くは

1:手術に要する時間

2:通院回数は何回必要か?(海外在住の方によく尋ねられる質問)

3:相談日にすぐに手術が可能か(遠方の方に特に多い質問)

が多いと思います(あとは手術料金ですね)。

こんな疑問をお持ちの方はこのブログをお読みください。

鼻プロテーゼを自己組織に入れ替える手術に対する素朴な疑問

鼻のプロテーゼに不安を感じている方へ

当院は地元密着型の駅から歩いて10分はかかる、駅からのアクセスが良いとは言えない小ぢんまりした見かけは普通の町医者です。しかし、鼻のプロテーゼのトラブルに関しては、関西方面の美容外科医たちにも「鼻プロテーゼのトラブルは五本木に行ってね」と言われるくらいニッチな分野ではそれなりに有名なんですよ。これはあくまでも当院の症例であり、誰にでも当てはまる訳ではないですが、ある限りの技術と知識で全力で問題解決に当たっています。例えばこのような症例を参考にしてください。

不自然な鼻のプロテーゼを抜いて自己組織によるナチュラルな美鼻へ!

悩んでいても解決できません。派手に広告を打っているクリニックに行ったついでで良いので、手術する前に、当院にもお寄りください。

鼻のプロテーゼを抜いて自己組織に入れ替え、30年の悩みがスッキリ解消

自己組織移植は一生モノです。もう、鼻のプロテーゼ問題に悩まされることはありません

当院の鼻プロテーゼ抜去+自己組織移植の詳細です

この症例は当院で行った鼻プロテーゼ抜去+自己組織移植の一例です。

鼻のプロテーゼを自己組織に入れ替えた後の詳しい経過写真

ご参考にしていただければ幸いに存じます。

お国に擦り寄るトンデモ案件にご注意を!!トンデモを国が推進しているように思われるぞ!!


■食育ってなんだかヘンな方向に向かっているように感じます

お国が後押ししているように思われてしまうトンデモ案件
国家が子育てを指導するというか、家庭内の方針についてとやかく言うことは果たして正しいことなんだろうか?なんてことを押し付けがましい親学や食育や胎内記憶、これってなんだかヘンじゃないの?例えば「食育」。農林水産省のサイトによると

食育は、生きる上での基本であって、知育・徳育・体育の基礎となるものであり 、様々な経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実現することができる人間を育てることです。農林水産省は、健康で文化的な国民の生活と豊かで活力のある社会の実現に寄与することを目的として、食育の推進に関する施策の総合的かつ計画的な実施を担う官庁として、関係各省と連携・ 協力して、積極的に取り組んでまいります。

となっています。しかし食育は違った方向と言うか、なんとなーく不気味な方向へ走っているように感じます。

例えばこれ

「食育」という言葉・・・トンデモさん多発問題の元凶かも?内閣府まで!!??

このブログで書きましたが、とにかく親は手間暇をかけて食事を作りなさい!!ってことを政府主導で推進しているように感じてしまうのは私だけじゃないと思います。女性の社会進出をバックアップするべき国がこのような古臭い概念に縛られているのです。

さらに食育という言葉は迷走しつつ発展しています。

「食育」は怪しげな雰囲気が充満しているのか?トンデモ案件多発中!!

中にはコンビニ食が非行の原因であるとか、パンを食べると学校の成績が悪くなるとか、どう考えても非科学的かつ医学的にありえない主張をなさる方も出てきてしまう始末です。

■胎内記憶という危なっかしい考え方が蔓延しつつあります

赤ちゃんがお母さんのお腹の中にいるときに、どんなことを思っているのかなあ、と誰でもが一度は考えたことがあるのではないでしょうか?どう見ても誘導尋問なのか、無理くり記憶の刷り込みなのか、お子さんにお母さんのお腹の中にいた時の記憶「胎内記憶」を喋られようとしている一派がいます。

池川明医師「胎内記憶」って赤ちゃんや母親に無茶苦茶プレッシャーかけていませんか?

これを積極的に講演会等で繰り返し話している医師によれば、不妊症の方は赤ちゃんに選ばれていない、なんてことも述べています。この胎内記憶、最近では進化しているというか、かなりアッチ方面に凄まじく向かっています。

胎内記憶のトンデモ池川医師と安倍昭恵夫人がタッグを組んだ??

■親学ってのもなんだかヘンな方向へ

親学という言葉があります。意味は

親学(おやがく、「しんがく」ではない)とは、伝統的価値観に基づいた子育てのために、親が学ばねばならないとされているものである。

と解釈されています(https://dic.nicovideo.jp/a/%E8%A6%AA%E5%AD%A6より)。これもかなり危なっかしい解釈も可能で

トンデモ系!!「親学」というニセ医学・疑似科学が子育てママに襲いかかっている!!??

なんて感じのブログを以前書きました。この親学ってのは「昔の日本は良かった」が基本となっていますので、先日大臣に就任した方が教育勅語をアレンジしたら現代でも使えるのでは的な話をして話題となりましたよね。

■権力者および関係者に近寄るトンデモさんの面々

トンデモさんたちが私たちのような懐疑主義者の俎上に載せられ「そんな、アホみたいな話あるわけなじゃん」と笑われている平和な時代もありました。しかし、トンデモさんたちはどうも権力者に気に入られるのか、はたまた擦り寄るのか、このようなことがあります。

胎内記憶のトンデモ池川医師と安倍昭恵夫人がタッグを組んだ??

天然系のアッキーと先ほど述べた胎内記憶の医師が同じ会に呼ばれていたのです。たまたま同じ会でばったり遭遇というのではなく、アッキーがゲストと招かれたトークショウでこの医師がありがたーいお話を述べていたようです。

さらにこんなこともあります。

胎内記憶を持った子供は近年では精子時代の記憶さえ語り出したようです!!この医師と親密な関係にある絵本作家さんがいました。

炎上した「あたしおかあさんだから」の絵本作家と「胎内記憶」のトンデモ系医師の深い関係

絵本作家さんは内閣府のお仕事もされているようで、胎内記憶が内閣府を浸食するのも時間の問題だとの危機感をお持ちの方もいらっしゃいます。

内閣府子ども・子育て本部

採用する作家さんの思想信条まで調査するのはやり過ぎだとは思います。しかし、疑似科学・トンデモ医学の信奉者を採用するのはちょっとマズイような気がします。

■自治体が主催する行事や講演会って本当に信用できるものなのでしょうか?

例えば疑似科学の典型例として「EM菌」というのがあります。何にでも効果があり、原発事故の時には除染作用があるなんてことまで言い出す人もいたのです。

上流域にお住まいの「EM菌撒き散らしオバサン」、医師としては健康被害が心配です。

このような明らかに非科学的で医学的に間違った考え方を拡散している人々の最終目的ってなんなのでしょうか?政治家やお役人はこの人々の考えが本当に正しいとかんじているのでしょうか?そういえば某大臣がこのEMに関わっていた件も報道されましたね。

■おまけ

今まで私はたくさんの権力志向的なトンデモさんのブログを書いてきました。先日、あるブログに対して「削除せよ、削除しないと法的手段に訴える」とのメールをいただきました。どの点が法的手段に訴えられるのか検討するために一時的に削除しています。

ブログを削除しました

ブログはここにあげたブログに関連したものです。私としては権力を振りかざす人の要望に屈したわけじゃないので誤解なきように。メールをいただいた先週は連休もあり当方の弁護士とスケジュールの調整がつかなかったため、急遽そのような処置をしたのです。削除要求が本当に正当性のあるものなのか、近々打ち合わせをして検討いたします。

このブログを読んでさらに「削除せよ!!!」ってメールをくださるのでしたら、メルアドは正しいものをご記入くださいね。

BCGワクチンからヒ素検出報道、ご心配されている子育て中のママやパパへ。追記あり


■BCGワクチンから猛毒として知られるヒ素が検出、この報道を受けてパニックにならないようにご注意ください

BCGは結核の予防として法律で接種することが決められ市区町村が実施する定期接種です。予防接種には定期接種の他には希望者が受けられる任意接種があります。BCGは定期接種であるために、基本的には受けなければなりません。

ワクチンを拒否する方が一定数残念なことにいることを考えると、私の書き方に難癖を付けられる可能性があるので、正確にはお役所言葉的に結核に感染しないように、BCG予防接種は受けるように務めなければならない、のです。

国の主導によって行われていて、ほとんどの親御さんが安心して受けているBCGに関して、こんな衝撃的な報道が先日ありました。

これは産経新聞2018年11月3日の記事 小さな記事なんで気がつかなかった方も多いかもしれません。ネット上ではこんな感じの記事が多数掲載されています。

BCGワクチン出荷停止 ヒ素検出、安全性問題なし
日経新聞

特定のロットのBCGワクチンにヒ素が混入していたのです。

この記事をネットなのか新聞なのかで読んだ

反ワクチン派と呼ばれている人は鬼の首を取ったようにSNSで騒いでいます

まあNHKの報道記事のタイトル「BCGワクチンの溶液の一部から基準超のヒ素検出」を流し読みした人は

うわっ、自分の子供が受けたBCGに基準越えのヒ素が入っていたのかも?

と感じてしまうのも当然と言えば当然です。ご自分のお子さんが打ったワクチンが安全であるかを確認する方法があるので、これは後半にお伝えします。

報道されたヒ素が混入していたBCGについてまとめてみると

・BCGワクチンにヒ素が混入していた。

・BCGワクチン自体にヒ素が混入していたのではなく、ワクチンを溶かす生理食塩水にヒ素が混入していた。

・ヒ素が混入していたためにBCGワクチン製造会社は出荷を停止している

・厚生労働省のBCGワクチンのヒ素含有の基準値は0.1ppm、今回のワクチンでは0.26ppm検出

・混入していたヒ素は微量であり、人体を害する量ではなかった。安全である。

ということになります。

■安全性に問題ないと言われても、ヒ素が混じっていたのだから怖い!!と考える方へ

反ワクチン派と言われている方々の中には

ヒ素って猛毒ですよね、人が死にますよね!!

との投稿がSNSにあったようです(残念ながら多くのワクチン嫌いの方々に私はツイッターでブロックされているために現物をお見せすることができません)。特に気をつけなければならないワクチンに異物が混入していたことは大問題です。安全だよ、と言われても安心できない方のために

今回BCGワクチンに混入していたヒ素が本当に安全なのか計算してみます

今回のヒ素混入BCGワクチンを製造した日本ビーシージー製造株式会社のBCGの添付文書を参考に計算しますね。

BCGワクチンはワクチン本体と生理食塩水が一緒のパッケージに入っています。この生理食塩水1ミリリットルでワクチンを溶かします。TBSの報道によると検出されたヒ素の量は0.26ppm。このピーピーエムは100万分の1と言う意味ですから、0.26ミリグラムのヒ素が1リットルの生理食塩水に混入していたと言うことになります。1リットルは1000ミリリットル。1ミリグラムは0.001グラム。生理食塩水1ミリリットルを1グラムと考え、単位を揃えるために重量換算でppmを当てはめて考えると

今回の問題となったBCGに含まれるヒ素は0.000026ミリグラムというごくごく少量

だったのです(ここの計算間違うとヤバいので数回検算してあります、大丈夫だよね)。

追記:単純にppmは100万分の1なので、ヒ素の含有量を100万分の0.26と考えた方が簡単かも。0.26÷100万=0.00000026グラム=0.00026ミリグラム。実際に使用する生理食塩水は0.1グラムなので接種されたヒ素の量はさらに1/10になり0・000000026グラム=0.000026ミリグラム

次にヒ素の許容量(人体に安全な量)を調べてみます。飲料水の場合は1リットル中にヒ素が0.01ミリグラムまでは許容されていて(厚生労働省 水質基準 根拠資料一覧)これは0.01ppmになります。BCGワクチンの許容量の0.01ppmより厳しい基準になっているのはもちろん水の場合は毎日それなりの量を飲むからですね。追記:ワクチンの許容量ゼロが一個多かったです。正しくは0.1ppmです。ご指摘いただいた方に感謝いたします。

一般的にヒ素の毒性は体重1キロあたりにつき成人の場合は2-3ミリグラム総量にして100ー300ミリグラムと考えられています(人体実験できないので、きっちり正確なデータがないので愛知県衛生研究所などの資料を参考にしました)。

飲料水の場合だと

基準値のヒ素入り飲料水を10000リットル飲むと死にますのでご注意くださいね

その前に溺れます。飲食物のヒ素と注射のヒ素、特にワクチンに含まれたヒ素じゃあ、体に対する作用が全然違うじゃん!!とお考えの方もいらしゃると思われます。

もともと人の血液中にはヒ素が10~590ng/ml程度含まれています

日本中毒学会より。ngはナノグラムと読み、10億分の1グラムです。今回BCGに含まれていたヒ素は0.26ppmで、これは総量は0.0000026ミリグラムであり、26ナノグラムということになります。万が一、ヒ素が混入していたBCGワクチンの全てが血管内に入ったとしても、もともと人体に含まれているヒ素の量と比較して大きな変化を起こすほどのものではありません。

成人の血液量は5リットル程度であり、日本中毒学会の数字に当てはめると誰でも最低でも体全体で50000ナノグラムつまり0.05ミリグラムのヒ素が混じっていることになりますよね。今回のBCGに混入していたヒ素の量がごくごく少量であるということにこれでご理解いただけたと思います。

BCGワクチンは生後1歳までに接種することになっています。赤ちゃんと成人の毒物に対する影響はもちろん大きく違っているとは考えられます。しかし、今回のヒ素混入、許されることではないにしろ、接種を受けたことに関して必要以上の心配をすることは無い、と断言いたします。

■それでも心配な方は国立感染症研究所のサイトでBCGワクチンのロット番号ご覧ください

いくら私たちや公的機関がごくごく微量のヒ素であり、人体に影響はないと伝えても心配してしまうのは当然です。

そんな方は国立感染症研究所のこのサイトをご参照ください。ワクチンの検定合格情報を見ることができます

ここには検定を合格したワクチンの製造番号が書かれていますので、ご確認を。

もしも、お子様が接種したBCGワクチンのロット番号(母子手帳に貼っているはず)が見当たらない場合はお近くの保健所等の公的機関にお問い合わせください。これによって当局の仕事が増えたとしてもそれは自業自得。私が探した限りでは今回のヒ素が混入したと報道されたBCGワクチンのロット番号はどこにも掲載されていません。

日本ビーシージー製造株式会社サイト

さらに、これちょっと問題だと思うのですが、ヒ素が混入してしまったBCGワクチン製造業者のサイトにはこの件は一切掲載されていません。

つい先日、美容皮膚科で使用されるプラセンタと肝炎の関係が問い沙汰されました。プラセンタ製造会社の対応に不信感を抱き当院では永久にプラセンタを使用することを辞めました。

緊急事態発生!!プラセンタ注射「ラエンネック」でB型肝炎感染の疑い!!??

これと今回のBCGワクチンヒ素混入問題はレベルが違います。命に関わる感染症を予防するためのワクチンなのですから、行政もメーカーも素早く正しい声明をしっかり誰でもがわかるようにインフォメーションするべきです。じゃないと、反ワクチン派と言われる人々がどんどんお仲間を獲得してしまいますよ!!

追記:記載間違いがありました。ヒ素の量を0.00026ミリグラムと0.000026ミリグラムと1桁違いで何箇所か記載していたところがありました。今回BCGに含まれていたヒ素の量は正しくは0.000026ミリグラムです(小数点以下ゼロが4つ)。

追記:11月8日付けでやっと日本ビーシージー製造株式会社からヒ素が混入していたワクチンのロット番号が公表されました。

該当ロットに関する情報

問題のBCGワクチンロット番号はKH099 ~ KH278で出荷時期は2009年から2018年までとなっています。ここで問題が生じます。前掲の国立感染症研究所の検定合格情報にこのロットは入っています。これはどうしてなのでしょうか?

「なんで私にジェネリック出すのよ!!(怒)」のパチもんバーキンおばさん登場。


■ジェネリックは三流品でも粗悪品でもないことのご理解をお願いします

大手製薬メーカーの開発した薬の特許が切れると、開発研究費の負担が少なく薬を製造できるために「ジェネリック」と呼ばれる薬がゾロゾロと発売されます。大手製薬メーカーの薬じゃない、耳慣れない製薬会社の薬であることによって

ジェネリックを処方されることに抵抗感をお持ちの方もいます

以前、一見お上品に見えるオバさまから

なんで私に一流ブランドじゃない薬を出すのよぉー!!キーッ!!

とブチ切れられたことがあります。

そのオバさまの腕にしっかり抱かれていた、取っ手にスカーフをくるくると巻いた、パチもんバーキンが目に焼き付いてしまいました。膀胱炎でいらしたパチもんバーキンオバさまは膀胱炎を繰り返すとの主訴でいらした記憶があります。

原因菌を調べるために培養検査を行うことを伝えると「病気の原因がわかるのですもんね、検査して当然ですわ」とおっしゃっていただけました。まあ、正確には原因菌が判明するだけで、原因がわかるわけじゃないのですけど。

さらに「処方した薬が本当にその原因菌に効果があるのか、薬剤感受性検査も提出しておきますね」とお伝えすると「そうねえ、飲んだ薬が効果ないバイ菌もあるんですね」と非常にここまでは順調に診療は進んできました。

さらにさらに「薬剤感受性を調べていれば、万が一私の処方した抗菌剤が効果なかったとしても、次にどんな抗菌剤を処方すれば良いかがわかるので、今まで繰り返していたとおっしゃる膀胱炎もこれでスッキリしますよ」とお伝えしました。

膀胱炎なら抗生物質で簡単に治ってしまうと考える患者さんも多いですし、専門以外の医師が適当にフロモックス等を処方してしまうケースが多く「膀胱炎って癖になっちゃうのよねえ」という都市伝説を払拭したい私は可能な限り培養検査・薬剤感受性検査を行なっています。

そんな検査も必要性を伝えないと

あそこの泌尿器科、専門ぶって検査代ぼったくられたのよ!!

などの風説を垂れ流す方も中にはいるそうです。

幸いにして、当院は都内でもまあまあ高級と言われている駅から離れた住宅地にあるという土地柄、常識的な患者さんに恵まれた当院の場合、検査の必要性をしっかりと伝えると「検査漬けでボッタクられた」的なご意見をいただいたことはありません。

■ジェネリックを処方すると伝えると豹変したオバさま

ここまでは本当に順調なごくごく当たり前の平和ないつもの診察風景だったのですが・・・「クラビットという膀胱炎の特効薬的に言われている薬があります」と話すと「ああっ、クラビットって以前風邪ひいたときに飲んだわ」とオバさまは仰りました。

「ええっ、風邪でクラビットですかあ?」と風邪の原因はウイルスなんで、抗菌剤の処方は意味ないと思ったのですが、口には出しませんでした(大人の対応を心がけております)。

しかし、多分そこで私の顔に出ちゃったんでしょうねえ「風邪にクラビットなんて意味ないよ」オーラが。それを敏感に察知したパチもんバーキンオバさまは「私って喉が弱いじゃぁない(知らねーよ)、だから主治医の先生がいつもクラビット処方してくれるの」とのこと。

そこでこの患者さんはクラビット服用歴が多数なので、膀胱炎の菌もひょっとするとクラビット耐性菌の可能性もあるので「クラビットじゃない、他の膀胱炎に効果のある薬を処方しますね」とお伝えしました。

ここまではちょっと怪訝な顔をされはしましたが、まずまず順調な日常の診療風景。

「この薬も先発品があるのですが、ジェネリックも出ていて効果に差は無いのでジェネリックを処方しておいきます」

とお伝えし、ここで

余計な一言を私はいっちまいました「薬代も安いですし」

すると、パチもんバーキンオバさんは突如ブチ切れ!!

なんで私にメーカー品じゃない、ジェネリック出すのよお〜!!(怒)

と診察室は阿鼻叫喚の修羅場と化してしまいました。メーカー品って言葉も今では死語になったような気もしますが、ジェネリックはあまり有名じゃない製薬メーカーが製造しているので

ジェネリックは二流品、ブランド品じゃないと考えている人が多いのです

ブチ切れパチもんバーキンオバさまの追撃は続きました。普段食品類は本当か嘘かは調べようもありませんけど、地域に密着したオオゼキや東急ストアはご利用にならなくて、常にちょっと離れた成城石井でご購入とのこと。そういえばパチもんバーキンと共に成城石井の紙袋もご持参していました(レジでコンビニ袋でなく紙袋ご指定した模様)。

■病気だから、との理由で一流メーカーの先発品をご希望される方もいます

普段病気になると受診する主治医はそこの大先生時代から通院していたけど、今日たまたま休診だったので、あんたのところを受診したのよ、だそうです。などなど自分がいわゆるセレブ系であることを主張しつつ

私はセレブ、薬は一流メーカーのモノを飲むべき立場である

さらに病気という大事なことにたかが薬代でお金をケチる人間に見えたのかあ!!的なお考えをお持ちだったようです。

日本の医療財政は危機的状況であり、効果効能であれば薬はジェネリックを処方することが推奨されていて、患者さんの多くもそのような状況にご理解を得ていただいております。

当院に強く不満を持つというか、ブチ切れる傾向のある患者さんは多くは、なぜかいつもの主治医がたまたま休診だったから、とちょっと遠方からいらしたケースです。

当院はめちゃくちゃ地元密着型で隣接する町の60パーセント以上のご家庭が当院を受診したことがデータ上わかっています。患者さんのご自宅あるいは勤務先は半径1・5キロメートルで当院の患者さんの70パーセント程度が占められていることも以前調べた時にわかっています。

■人の身なりでジェネリックにするか先発品にするか判断するわけないじゃん!!

今回、ブチ切れたパチもんバーキンオバさんの場合は私が診療圏と考えている地域以外からいらしており、駐車場に止めた車がラインからはみ出している状況も受付スタッフから事前に聞いていました(車の名前は個人が特定される可能性があるので書きませんけど、国産ではありませんでした)。見た目だけはデカデカとブランドのマークが見える一流ブランドの服を着て、パチもんバーキンと成城石井の紙バックをお持ちになった姿は本当にセレブ。セレブであろうとセレブぶった方であろうと

その方の身なりで薬を先発品にするかジェネリックにするかなんて判断するわけないじゃん!!

医業はサービス業ではないけど、サービス業の良い点はどんどん導入するべきと私は考えます。

医師には応召義務という来た患者を正当な理由なくして、診療を拒むことは禁じられています。そんな中にパチもんバーキンをお持ちになって颯爽と受診された方は

自分がお金持ちじゃ無いと見なされた、だから安い薬を処方されたと感じてしまったのでしょうねえ

私も21年、この地で開業医を営んで来ていて、気が緩んでしまったのかもしれません。

いちいち患者さんの病状の様子以外で顔色を伺いながら診察するようなスタイルは取っていませんので、患者さんをよいしょするような発言も一切しません。

私がもう少し大人の対応をして「わっ、素敵なバッグですね。エルメスのバーキンお高いんでしょうねえ。そんな方にはジェネリックなど処方できないので、一流メーカーのブランド薬を処方しましょうね」とサービス業的なベタベタ、コテコテの対応をすれば良かったのですね(本当はそんな気持ち一切無いよ!!)。

しかし、そんなヨイショ診察していたら精神的なプレッシャーによって絶対に言ってしまいます

そのバーキン、コピーですよね

って。なんでこんなどうでもいいよもやま話をするかというと、先日こんなブログを書きました。

ジェネリック医薬品は効果が無く、安かろう悪かろうです・・・これは本当なの?

これ前もってプリントアウトして、パチもんバーキンオバさまに渡しておけば良かったかも、と思って古い古い話をブログにしました(時系列的に無理な話だけどね)。なお、個人情報に触れる可能性のある部分においては若干の創作を加えておりますが、パチもんバーキンは真実。

なんでオッサンの私がそれを見分けられたかというと、おじさんはねえ、昔結構ヤンチャでねえ・・・誰もそんな話聞きたくねーよ、やめておきます(笑)。

ジェネリック医薬品は効果が無く、安かろう悪かろうです・・・これは本当なの?


■ジェネリックを厚生労働省は使え!使え!というけれど

最近よく聞く薬の名前で「ジェネリック」があります。このジェネリックは薬の名前では無く、正確な意味は大手薬メーカーが独自に開発した時にもらえる特許が切れてしまった後に製造される医薬品です。
つまり

ジェネリックは先発品と言われる大手薬メーカーが作った薬を真似て作られる薬のことをさします

そのためにジェネリックは先発品に対して後発医薬品と呼ばれることもあり、以前は先発品の特許が切れた後に中小の弱小製薬メーカーが真似て多くのメーカーが製造し、ゾロゾロと発売されることから「ゾロ」「ゾロ薬」と呼ばれて、先発品と比較して安く、さらに値引率も高く、二流品・三流品扱いされていました。

ある意味でコピー商品であっても

ジェネリックの良い点は価格が安い、つまり薬剤費を低く抑えることが可能なのです

医療費の増大を抑える目的として

厚生労働省は処方薬をジェネリックに変えることを多方面から進めています

ジェネリックが多く処方されることは、医療費を抑えることが必要であるとの世の中の流れに対してこんな反論が出ています。

安かろう悪かろうが恐ろしい「ジェネリック医薬品」の真実!

デイリー新潮

本当にジェネリックは安かろう悪かろうの安売りコピー商品であり、万が一医療機関でジェネリックを処方されたら「病気のことなんで安い薬なんか処方するな!!」って拒否するような薬なんでしょうか?

■ジェネリックってどんな薬が知っていますか?

二流品・三流品・コピー商品的薬と考えている人も多いジェネリック。そんなジェネリックを厚生労働省も使え使えというし、健康保険組合もジェネリックを処方してもらいましょうと啓蒙活動しているし、医師の多くも処方薬の一般名を書いてジェネリックを処方しています。

そのような行政や健保組合の要請や医療制度が破綻寸前の危機的状況打破のために、ジェネリックは処方されているのに

デイリー新潮はジェネリックを安かろう悪かろうと批判しています

このデイリー新潮の記事の詳細を見ていくうえでまずはジェネリックとはどんな薬なのか定義をしっかりおさらいしましょうね。

厚生労働省によれば

ジェネリック医薬品(後発医薬品)とは、先発医薬品と同一の有効成分を同一 量含み、同一経路から投与する製剤で、効能・効果、用法・用量が原則的に同一で あり、先発医薬品と同等の臨床効果・作用が得られる医薬品をいいます

と定義されています。

ここから得られる重要なポイントは

ジェネリックは先発品と比較して同等の効果効能が得られる薬

なのですから、デイリー新潮が伝えるような悪い薬だとは考えにくいです。ジェネリック医薬品が先発品より安い薬である理由は同じ厚生労働省の「ジェネリック医薬品への疑問に答えます」によれば

研究開発に要する費用が低く抑えられることから、先発医薬品に比べて薬価が安くなっています。

との非常に説得力のある説明になっています。

となるとなんで

デイリー新潮はジェネリックは安かろう悪かろう、なんて言いがかりをつけているのでしょうか?

どんな根拠を持ってジェネリックを批判しているのか、デイリー新潮を引用しながら考えていきます。

■ジェネリックは安かろう悪かろうと因縁をつけているデイリー新潮の主張

デイリー新潮によればジェネリックは安全性に問題があるので、それを財務省や厚生労働省が音頭をとって推進するのは如何なものか的な批判だと読み取りました。

ジェネリックと特許切れの新薬とは“完全に同じ薬”ではありません。例えば、解熱鎮痛薬で成分の根幹を占めるロキソプロフェンという化学物質の特許が切れたとしても、薬を溶けやすくする添加物や、特殊コーティング技術などの製剤特許は失効していない場合がある。その結果、先発薬に比べて全く効かなかったり、反対に効き過ぎたりする事態が生じるのです

との薬剤師さんの話が書かれています。

ジェネリックは薬効のある主成分に変わりはありません

薬剤師さんは、添加されている成分やコーティング技術に違いがあるために本来の薬の効果が出ないことがあったり、薬の効果がありすぎたりするから、ジェネリックは避けるべきと読み取れますよね。

これって一部が本当で一部が大きな間違いです。なぜならジェネリック医薬品が開発され健康保険が適用される処方薬と認められるためには

厚生労働省はジェネリックは先発医薬品と同等の臨床効果・作用が得られる医薬品であると定義しています

。ジェネリック医薬品製造販売している大手の沢井薬品のロキソニンのジェネリックであるロキソプロフェンNa錠60mg「サワイ」を検証してみます。

ロキソニンの添加物

低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、三二酸化鉄、乳糖水和物、ステアリン酸マグネシウム

ロキソプロフェンNa錠60mg「サワイ」の添加物

軽質無水ケイ酸、三二酸化鉄、ステアリン酸Mg、乳糖、ヒドロキシプロピルセルロース

ジェネリックの方が軽質無水ケイ酸が先発品より多いだけです。製剤における添加物は数十種類に分類されていて、軽質無水ケイ酸は流動化剤として主に使用されます。薬に流動化剤を加える目的は薬を製造する過程で有効成分が均一に混ざるようにすることです。

この流動化剤を加えたことによって、薬本来の効果が発揮しなかったり、逆に効果が出すぎることがあるのでしょうか?

国内で処方されている医薬品の副作用等を管理している医薬品医療機器総合機構(Pmda)という独立行政法人があります。

このサイトでロキソプロフェンNaの副作用情報の中で重大な副作用として追加して挙げられているのは例えば

小腸・大腸の狭窄・閉塞:小腸・大腸の潰瘍に伴い、狭窄・閉塞があらわれることがあるので、観察を十分に行い、悪心・嘔吐、腹痛、腹部膨満等の症状が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

です。

この重大な副作用は先発品であるロキソニンに対しても警告されています

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00057032より。

別に添加物の違いが原因となって、薬の効果が出なかったり、副作用が強く出過ぎるとの主張には疑問を持たずにはいられません。

■ジェネリックは安全性試験が行われていない

ジェネリックは安全性試験が行われているから危険、との考え方が一般の方だけじゃなくて、医師の間でもそんなことを言っている人がいないわけじゃありません。

確かに

ジェネリックは安全性試験を行なっていませんが、安全です

その理由はこれです。
医薬品の効果効能は薬の有効成分の濃度に左右されます。そのための条件として

・薬の有効成分が同じ

・有害作用があるような成分や不純物が含まれていない

・作用を及ぼす臓器等における有効成分の濃度が同じ

これらの条件を満たしていれば

ジェネリックであっても有効性や安全性は同じである、と考えるのが合理的な判断です。そのためにわざわざ

ジェネリックを人間に対する有効性や安全性を臨床試験によって確認する必要性はない

と判断されているのです。ジェネリックは世界的に見るとかなりの割合になっています。

厚生労働省サイトより

安かろう悪かろう、効果もなければ安全性にも問題があるジェネリックとの考え方が正しいのであれば、世界中の医療機関や医療系行政組織が騙されていることになります。

■ジェネリックを作っている製薬会社は品質管理が劣っているのか?

デイリー新潮ではある医師がこのように語っています。

先発薬を製造するメーカーの工場では、品質管理が厳格に行われています。一方でジェネリックメーカーの中には、コストをカットするため、薬の原料である『原薬』をインドや中国、韓国などのメーカーに頼っている企業もある。ところが、そうした国々の原薬には、しばしば虫の死骸や鉄くずが入っていたりする場合があると言われています

これから

ジェネリックを製造している製薬会社は中小企業であり、コストカットに執心して安全性の管理に手を抜いている?

かのようにも読み取れます。

ジェネリックを作っている製薬会社のビッグ3は日医工・沢井製薬・東和薬品です。

https://answers.ten-navi.com/pharmanews/14235/より

2018年度トップと予想されている沢井製薬の売上高は1680億円。2016年の日本の製薬会社の売上高はこのようになっています。

https://answers.ten-navi.com/pharmanews/9919/より

みなさんがご存知の薬会社と比較しても

売上高から判断する限りは、ジェネリックを作っている薬会社は大手の先発品製薬会社並みの規模の大会社

と判断できますよね。

ここで非常に気になる一文があります。

ジェネリックの原料には虫の死骸や鉄くずが混じり込んでいる!!??

これって本当かよ!!??

万が一これらの異物が混じり込んでいたとしても、それがそのまんま薬の成分に混入することは、製造過程から考えてありえないのではないでしょうか?

例えば脳梗塞の治療薬として多くの人の病気に貢献している

ウロキナーゼ、これの原料は人間のオシッコです

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med_product?id=00048937-001より。

副作用が無くて安心なのよねー的に使用される漢方薬、保険適用として処方される漢方薬。

漢方薬の原料の80パーセントは中国から輸入されています

原料に万が一虫の死骸が混じっていたとしても、製造過程で除去されますし、大手であっても原料の調達先は同じであることがほとんどです。

となると、なぜこの薬剤師さんと医師はジェネリックは安かろう悪かろうと判断しているのでしょうか?薬を服用した患者さんのことをお考えになってこのような警鐘を鳴らしているとは思えません。

なぜならこんな変なことを言っているからです。

基本的には安価なりのリスクが存在します。万が一、薬害が発生した場合など、中小メーカーでは到底補償などカバーできないでしょう。

この発言は誤認だと断定しても構わないと思います。処方薬において副作用が起きた場合には製薬会社が補償するのでは無く医薬品副作用救済制度という仕組みがあります。

この薬剤師さんは

万が一の副作用に対する医薬品副作用救済制度をご存知ないの?

適正に使用した医薬品で副作用が現れた場合は公的な制度が救済してくれます。薬剤師さんだって医師だって、この制度を知らないなんてありえません。

https://www.pmda.go.jp/kenkouhigai_camp/general04.htmlより

確かにジェネリックは先発品と全ての成分が同じでないことは事実です。しかし、財政破綻寸前の国民皆保険を維持するための一つの方法であるジェネリックをなぜデイリー新潮はこんなに批判するのでしょうか?

この記事に対してジェネリック業界は抗議をしても良いレベルのヘンテコリンかつ何がしら一定方向へ読者を誘導する全く人の役に立たない記事だと思わざるえませんでした。

そういえば週刊新潮の医療批判記事ってなんだかヘンテコなものが増えてきたようなイメージがあります。例えばこれ

賛否両論の糖質制限ダイエット論争に幕はちょっと早すぎるような・・・。

今まで何回か取材協力をしてきた媒体なので、今後の精進に期待します。この言い方が上から目線と口コミサイトに書かれる原因かあな、まあ気にしない、気にしない・・・本当はめちゃ気にしているけど(涙)。

ジェネリック関連ブログ

「なんで私にジェネリック出すのよ!!(怒)」のパチもんバーキンおばさん登場。

不正請求6億円もすごいけど、フィラー注射(ヒアルロン酸)で342万円も凄い!!


■歯科医師の不正な診療報酬6億円も凄いけど、プチ整形で342万円請求も凄い!!

いやー、やる人はやっちゃうのですねえ。保険診療を使った不正請求、それもなんと6億円も不正請求をした歯科医師が逮捕されました。

日経新聞
詐欺容疑で歯科医2人逮捕 不正な診療報酬6億円超か

非常に豪快な不正請求だと思いつつ、他の紙面に目を通していたら

フィラー注射(これヒアルロン酸注入のこと)で342万円請求!!

さらにこのトンデモない超高額ボッタクリ料金を取られた患者さんは

プチ整形と称するフィラー注射によって感染が起きたので訴訟!!

という常識で判断不可能な事件が連続発生していました。

毎日新聞
プチ整形 訴訟相次ぐ フィラー注射、後遺症や痛み 未承認薬使用も

フィラー注射は主にヒアルロン酸をシワを取るための手段として、美容皮膚科で普通に行われる治療であり、手軽なところから「プチ整形」の代表的な治療方法として普及しています。このプチ整形、フィラー注射、つまりヒアルロン酸注射だけで324万円も費用が・・・

こんなボッタクリ的な高額費用じゃあ、全然プチ整形じゃないじゃん!!

ですし、手軽なプチ整形で感染症を引き起こし、それによって後遺症が残ってしまったら大問題ですよね。

なんでこんなトラブルが起きたかを調べて見ました。この高額請求したクリニックはフィラー注射として「アルカミド」という非吸収性の素材を使用していたことに大きな問題があると考えました。

■フィラー注射がプチ整形と言われる所以は気軽に安価に安全にシワ治療ができるからです

フィラー注射によるシワ治療の良い点でもあり悪い点はヒアルロン酸は時間と共に吸収されることなのです。当院の美容部医師はこのように述べています。

半永久的にもつという非吸収性物質を注射するプチ整形は危険です!絶対に注入しないでください!!

正しい医療、安全な美容医療の普及を目指してブログで発信しても、虚しい結果になってしまったようです。私たちの情報発信がこの患者さんに伝わっていたら、

私たちのブログを読んでいたら高額料金プチ整形で感染、訴訟トラブルは起きなかったはず

だと悔しい気持ちでいっぱいです。

私も以前このようなブログを書いています。

美容整形でヒアルロン酸を入れすぎると悲惨なことになります。特に鼻や眼の下は壊死や失明のリスクが。

さらにフィラー注射の注意点としてこのようなブログも書いています。

ヒアルロン酸の効果と副作用を詳しく知ってからご使用ください、失敗しないために!

さらにプチ整形と思って迂闊にヘンテコな美容外科や美容皮膚科を受診してしまうと、医師のいいなりになって用意していた金銭以上の高額な治療費を請求されてしまうことになってしまうようです。しかし、この被害者というか訴訟を起こした方は342万円を持っていたのかなあ、カードだとしてもそんな高額な金額って使えるのかなあ・・・。

■プチ整形するならヒアルロン酸、それも吸収される物質でお願いします

毎日新聞によれば日本形成外科学会の前理事長がこのように述べています。

プチ整形だから安全というのは間違い。フィラーは液状なのでトラブルが起きても除去が難しく、体に吸収されない物質は特に危険だ

このお話は間違いではないのですが、記者さんの勉強不足のためか若干のニュアンスが正確ではありません。

プチ整形だから安全だとは限らない・・・医師の勉強量と技量にかなり左右されます。

フィラーは液状なので除去が難しい・・・吸収される素材であるヒアルロン酸を除去する薬剤があります

体に吸収されないフィラーは危険・・・これは本当に危険です!!

今まだ当院は微力ながら非吸収性のフィラーの危険性を訴えてきました。しかし、大量の広告を出し続ける大手の美容クリニックや心無いリピーターなんて最初から狙ってない一発勝負的な美容系医師の問題行動によって、ぜひ一般の方も手軽に手に入れていただきたい美容系の治療の評判を落としてしまうのです。

悪化が良貨を駆逐する、これはどのような業界でも当てはまる格言だと強く思いました。

こんなボッタクリ美容整形クリニックもありました。

ぼったくり美容外科発見!!切らないフェイスリフトで400万円!!??

医療機関の広告規制が甘かった時代はこんなことになっていました。

美容整形のトラブルが増加!!ネットも含めた医療系広告の落とし穴にご注意を!!追記あり

さらに安売りを強調するあまり、こんな価格で脱毛をするところまで出てくる始末です。

全身脱毛300円!!って脱毛専門エステはどんな料金システムになっているんだ??

美容医療が一般化するに当たって、じゃあどんなクリニックを選べばいいのか、本物を見分ける力が患者さんに要求されている時代でもあります。多くの情報が詰まっているのがネットの世界、インチキがん治療と共にいい加減な美容クリニックのサイトを上位表示できないようなアルゴリズムが組めないものでしょうか、Googleさま、ぜひご検討くださいませ。

とうとうやっちまった!!??例の「ブロリコ」のアフィリエイト広告。「がんは治る」は速攻でアウト!!


■特許取得、医学界の権威が推奨する東大が発見したサプリ「ブロリコ」、でもねえ・・・

いくら体に良いと考えられているサプリメントであっても、広告で効果効能を書いてしまうことは、薬機法等の法律に違反します。

そこで編み出された手法として、有名人等がそのサプリの宣伝に登場して「これ調子いいんだよねえ」的に効果・効能をぼかした表現です。

自称・他称医学界の権威が登場してサプリメントを推薦しているような形式のものもあります

し、中には特許取得!!となんの特許取得なのかは明確にしないで

「特許取得したから効果は確実なのよねえ」と疑うことを知らない純朴な素人さんの心をガッチリ掴んだ広告もあります

しかし、こりゃどう見てもアウト!!

↓   ↓   ↓   ↓   ↓

https://brocoli.work/2018/02/09/%E3%83%96%E3%83%AD%E3%83%AA%E3%82%B3%E3%81%A7%E6%9C%AB%E6%9C%9F%E3%81%8C%E3%82%93%E3%81%AF%E6%B2%BB%E3%82%8B%EF%BC%81/より めちゃくちゃ長いURLにゲンナリ。

もう少し工夫を凝らした広告なら「がんが消えた?」とか「がんが無くなった」なんて感じの表現を使うのでしょうけど、なぜがこの広告はガチで

がんが治る、それも末期がんが治る!!

と言い切っています。これを下の方にスクロールすると当然のごとく「ブロリコ」というサプリメントを購入するサイトに誘導する文字があるのですが、これがまたスゴイ!!

東京大学が発見!新成分「ブロリコ」のサプリ

とも書かれています。

東京大学の研究室あるいは東京大学に所属してる研究者がブロッコリーを原料としたサプリメント「ブロリコ」の主成分であるはずの物質を新発見したのか、あるいはブロリコの成分を合成して新発見した事実があるはずです。

この広告では東大が発見した成分を含むサプリを飲んだ唐突に動画で登場する宗像久男医師(誰だ、この人?)が「末期がんは治る」と言い切っているので、信じない方がどうかしています・・・でもねえ、信じない人もいるんだよ〜、私じゃん。

こちらも合わせてお読みいただけるとうれしいです。

ブロッコリーから作った特許取得サプリで、がんは治るのか??

■東京大学の有名教授がブロリコの成分を発見!!これは疑問だらけです

ブロリコの公式サイトと思われる広告はこれです→http://www.brolico.jp/html/page3.html この広告には奥村康先生が登場しています。

奥村先生は東京大学出身でもありませんし、東京大学関連には所属していません。そこで特許取得に注目して

ブロリコ関連の特許を調べてみると二つありました

一つは免疫機能を調べるための新手法として蚕を使ったもの。もう一つはブロッコリー由来の自然免疫機能活性化組成物の製造方法に関するものです。

両者ともに特許権を取得しているはブロリコを製造販売している会社と東京大学になっていますので、東京大学が新発見!!はウソでは無いと考えらえます。

ここに登場する発見者の関水和久さんってどっかで見かけた記憶があります

そうそう、コカコーラが発売した発酵乳「ヨーグルスタンドB1乳酸菌」を発見した東京大学薬学部の関水和久博士ではありませんか!!乳酸菌は発見するし、ブロリコの成分も発見するというめちゃくちゃ活躍している大物です。

東大の研究者であったとしてもご専門は蚕、そうあの絹を作り出すカイコが専門です

もちろん専門分野を研究されている時にたまたま他の領域の大発見をしてしまう、なんてことも医学研究分野では無いことは無いです。例えばED改善薬は高血圧薬の研究中の副作用として効果が発見されていますからね。

■医療業界の権威、確かに権威が推薦してもブロリコの広告がヘン

ブロリコというサプリメントはブロッコリーを原料としたもので、確かに体には良さそうなイメージがあります。

アフィリエイトに登場する宗像久男医師は聞いたことない医師ですが、ブロリコの詳細ページに掲載されている奥村康先生は確かに有名な医師兼研究者であることは間違いありません。

http://www.brolico.jp/html/page3.htmlより

しかし、

奥村先生のご専門は免疫学方面だったはず

で、少なくともブロッコリーに関する研究は私が調べた限りでは見つけられませんでした。

この広告で先生は格言を残しております。

長生きするためには、健康な状態を維持することが重要なのです

これは重要なポイントですからみなさん確実にメモしておいて、毎朝斉唱しましょうね。他にも楽しいお話が満載、詳しくはこれをどーぞ。

医療業界の権威が薦めるブロッコリーのサプリ・・・本当に効果があるの?

こんな医療業界の大物を引っ張り出してきたブロリコ恐るべしです。

■ある物質が本当にがんの治療に効果があることを証明するために必要なステップはこれ

関水和久博士の発見は確かに特許を取得しています。これよくよく読んでみるとカイコの筋収縮活性における研究と自然免疫機能活性化組成物の発見であり、

ブロリコあるいはブロリコの成分が免疫力を高めることの証明にはなっていません

さらにこの発見によって

ブロリコはがんを治す、なんて事実は全く証明されていません

要するにどんなに高名な医学界の権威が推奨していようと、東京大学の研究者が特許を取得していようとブロリコががんを治すことは全く根拠の無い話なのです。

日本医科大学武蔵小杉病院腫瘍内科勝俣範之教授のスライドより(https://www.slideshare.net/nkatsuma/ss-38432128)。

薬が病気に効果を発揮するか、安全性はどうか、どれだけの量を使用すれば一番効果があり副作用はどのようなものが出現するか等々を調べるために基礎研究から、臨床第三相試験までを行わないと標準治療にはなり得ません。

基礎研究者のゴールは怪しげなサプリメント業界の広告塔じゃん、なんて陰口を言う若手研究者もいます。著名な医師あるいは研究者があたかも推薦しているような宣伝文句、そしてあたかもがんに効果のある成分を有名な研究者が発見して特許を得ていたとしても、それが

本当に治療効果があるとは限らないのです

まあ、どっちにしてもブロリコでがんが治った!!との表現はアウトです。

おまけ:ちょっと前に内科医と称するニセ医者が推奨していたサプリメントもこのブロリコです。

ニセ医者疑惑急浮上!!内科医工藤って誰だ????

ブロリコを製造販売されている会社はいくら本当に体に良い成分が含まれているとしても、広告を代理店に投げっぱなし、心無いアフィリエイトがやり放題だと、余計なお世話ですけど、信頼性を失くしてしまうのではないでしょうか?

なぜネット上には妊婦さん向けの正しい医学情報が少ないのか?


■ネットの医学関連情報は果たして正しいものが必要としている人に届いているか?

産婦人科領域の医療関連キーワード、特に出産絡みのキーワードで検索するとなぜか素人記事が目立ちます。

話は飛びますが、本日こんな記事を見かけました。

「バランスボールで転倒し子宮破裂」 産婦人科医を提訴

他のメディアのサイトだと「バランスボール使わされ子宮破裂」との見出しがあり

いやいや妊婦さんがバランスボールを使わされたような表現になっています

インナーマッスルを鍛えることが流行ってい流のは知っていますけど、なんで妊婦さんがバランスボールを産婦人科医の指導で使っているか、これってひょっとするとトンデモ医学なのでは、と感じて調べてみました。

バランスボールを使用すると陣痛が和らぐことが医学研究によって明らかになっていたのですね。

「Effect of birth ball on labor pain relief: A systematic review and meta-analysis.」(DOI:10.1111/jog.12802)によればメタアナリシスによって8論文が精査され結論としてバランスボールは陣痛を緩和するとの結論に至っています。

知人友人から「陣痛を和らげるならバランスボールよねえ」的なアドバイスを受けた

妊婦さんが正しい医学論文にたどり着くのは至難の技だと思います

となると陣痛を緩和する方法としてバランスボールの効果や使い方を発信している

産婦人科医の記事がなぜネット検索では上位に表示されないのか?との素朴な疑問

を抱いてしまいました。

■産婦人科医は人数が少ないからネット上での医学情報発信が少ない?

私のような開業医だと激務とはいえ自分の時間を確保することは、いくつかの工夫によって可能です。

近年、勤務医の長時間労働問題がクローズアップされていて、激務ゆえに過労死された医師もいます。

m3.com「産婦人科後期研修医の自死、労災認定」

激務ゆえに産婦人科を専門とする医師の数が減っている可能性もあります。


厚生労働省資料より これをざっくりみる限りでは、確かに産婦人科医の数は減少していますが、少子化の影響もあるためか産婦人科医一人当たりの出産数には平成6年から平成18年にかけては大幅な変化は見られません。

2004年、つまり平成16年に医師の間で話題となった事故がありました。

この福島県立大野病院産科医逮捕事件あるいは大野病院事件は産婦人科医たちにとってトラウマというか、自分たちは出来る限りのことをしているのに、なぜ事件として扱われて裁判にまでなってしまったのか、違和感を抱いた医師も多かったと記憶しています。

その後、2009年に医学部の定員が700人増員となり、産婦人科医の数を調べてみると・・・

厚生労働省「医師の働き方改革に関する検討会資料」

産婦人科医を専攻した医師の数は一時期減少していますが、近年になって増加しています

医師側としては理不尽な裁判とも考えられていた大野病院事件ですが、産婦人科医の数には大きな影響は無かったようです。

医師数が増えているから、実質的には減少との解釈も成り立ちますが、これに関しては詳細なデータと統計学を駆使しないと判定できないので省略します。

となると、産婦人科の医師たちはネット上で情報発信をする手間を惜しんでいるのでしょうか?それは間違いなく違います

素人ライターの手によるママサイト、プレママサイトの数が多すぎるのです

つまり、悪化が良貨を駆逐する状態。

■産婦人科医は激務、だからブログや医療関連記事を書いている時間が確保できない

前掲の厚生労働省の資料に驚くべきグラフが掲載されています。

産婦人科医の労働時間は他の科目を大幅に上回っているのです。ネット上に産婦人科医による妊娠・出産に関する正しい医療情報が目立たないのは

産婦人科医はあまりにも忙しくてネット上で発信する時間が確保できない!!

可能性が高くなっていることが予想されます。

産婦人科医は情報を発信したくても、記事を書く時間が取れない、という問題によってママサイト・プレママサイトのどうでもいい、誰の役にも立たない酷い医療関連記事風のデタラメ情報が拡散してしまうのかもしれません。

■これからのカモはプレママ・妊婦さん・子育て中のママ、と怪しげな界隈が狙っています

試しに「ママサイト」で検索すると先日いい加減な医療情報を提供したことによって

炎上したIt Mamaが育児に役立つママサイト11選、なんてもので上位にランキング

されています。まあ、こりゃNEVERのランキングなんで信頼度低いですけど、あまりネットリテラシーが高いとは言えないママは信じちゃうのでしょうねえ。

さらに「ママサイト」で検索すると上位表示されるのが「百花繚乱ママサイト、かってに格付けチェック!」とのタイトルのママピックスのサイト(http://mamapicks.jp/archives/52184126.html)。

ここでも炎上したIt Mamaが上位にランキング(苦笑)

産婦人科領域は守備範囲がである私でさえ「ええっ〜!!こんなインチキ記事掲載していいのかよ」と思ってEvernoteに記録しているサイトが推奨されているのが現状です。

なにが悲しゅうて、医学のど素人が推薦するママ向けサイトが検索結果で上位表示されてしまうのでしょう

Google先生、ぜひこの辺りの検証と改善をお願いいたします。

私が苦手な小児科領域や子育て中の方に推奨している本はこれです。

森戸やすみ先生の著作、家とクリニックに置いていて、時々診療中にカンニングしております(笑)。

後、産婦人科医で積極的に情報発信している宋美玄先生の著作も一般の方にはおすすめです(これはKindleにダウンロードして、診療の合間にカンニング)。

なんどもブログでお伝えしている重要な注意があります。トンデモと呼べるような可愛げがな点が全く無い

ニセ医学・疑似科学系の一派が確実にターゲットを絞っているのはプレママ・妊婦さん・子育て中のママです

ハッシュタグをつけて素朴な疑問をソーシャルに投稿するとこんな医師やその関係者と思われる人がアプローチをかけてきますのでご注意ください。

インスタ界隈でワクチンを拒否するための印籠が出回っている!!??

ああ、怖い、怖い。

目黒区で細菌性赤痢が集団発生!!赤痢の症状や重症化の可能性、そして予防方法に関しての情報です。


目黒区保育園で細菌性赤痢が集団発生、この詳細

昼休みに医師会からファックスが届きました。そこには目黒区内で細菌性赤痢が発生いたしましたとの文言と目黒区が報道発表資料としたプレスリリースが添えられていました。細菌性赤痢!!と多くの開業医が驚いたと思います。細菌性赤痢なんて過去の感染症と少なくとも私は捉えていました。風疹やインフルエンザの流行拡大が叫ばれている昨今、そこに細菌性赤痢が蔓延したらそれこそパニックになる、と考え早速ツイートをしました(赤痢って細菌性とアメーバ性がありますことは後述)。


この「赤痢が目黒区で集団発生しました」ツイートが瞬時にして拡散し、多くのご質問をいただきました。

一つ一つのご質問にお答えすることが難しいので「赤痢」に関してブログとしてまとめましたので、お読みいただけたら幸いに存じます。

目黒区内の赤痢の発生日

目黒区内の保育園に通園している園児が下痢と血便で医療機関を受診して10月12日金曜日に細菌性赤痢と診断され、目黒保健所に発生届が出されました。

TBS NEWSより

赤痢と確定診断する上で便の培養検査が必要となり、結果が出るには開業医の場合は数日かかります。この園児の発症した具体的な日付は10月12日と報道もありますが、確定的では現時点ではありません。

集団感染した人数

10月23日現在(園児の感染が確認されてから10日以上経過)、目黒区で赤痢と判明している感染者は園児20名、職員1名。

感染した方の病状

園児のうち2名が入院しましたが幸いにも重症ではありませんでした。なお、調理に関わっていた方からは感染者は出ていません。

以上の詳細は目黒区役所「目黒区内保育園における細菌性赤痢の集団発生について(平成30年10月23日)」をご覧ください。

赤痢とは

赤痢と聞いて過去の病気、結核や梅毒のように捉えている方も多いようです。ここ数年結核も新規の感染者が多く確認されていますし、梅毒に至っては右肩上がりで患者さんが増えています。

赤痢の種類

赤痢には原虫が病原体となるアメーバ赤痢と赤痢菌による細菌性赤痢があります

細菌性赤痢

細菌性赤痢の感染源はズバリ人間です。細菌性赤痢に感染した患者さんや症状が出ていない保菌者の便や便が付着する手で触った食品からも感染します。園児の場合、自分でトイレをした後の手に赤痢菌が付着して、その手で遊具等を触り、それを触った他の園児がその手を口に入れる、あるいは飲食することによって集団感染したことが予想されます。1960年代までは下水施設が普及していなかったことや、衛生環境に対する関心が低かったことのより、多数の細菌性赤痢感染者が報告されています。

IDWR 2012年第25号<速報>細菌性赤痢より 2000年以降も細菌性赤痢は報告されています。

アメーバ赤痢

アメーバ赤痢は赤痢アメーバと呼ばれる原虫が病原体となって発症する、現在では発展途上国に多く見られる感染症です。日本では関係ないや、と思われがちなアメーバ赤痢ですが、実は2006年753名の感染が確認されています。


国立感染症研究所 「アメーバ赤痢」より

赤痢はコレラとは違います

追記 ツイッターを見ると赤痢とコレラを同じものだと捉えている人が見受けられました。コレラも赤痢と同じように細菌による感染症です。赤痢菌とコレラ菌の違いはあっても、症状は似たような激しい下痢を伴います。潜伏期間は赤痢より短く1日以内のことが多いです。驚くべきは下痢の量で国立感染症研究所のコレラの項目には数十ℓにもなるようです。東京都感染症情報センターによれば2009年に16例の報告があります。感染源は全症例が海外の開発途上国への旅行あるいは滞在中に感染したとされています。赤痢とコレラの鑑別診断は培養検査によって行われます。目黒の集団感染はコレラではなく、赤痢です。

過去の赤痢集団発生の状況

細菌性赤痢なんて下水道の普及と衛生観念の発達によって、過去のものと考えている医師も少なからずいます。調べてみると近年も細菌性赤痢の集団発生は報告されています。

赤痢の歴史・・・以前は猛威をふるっていた

国立感染症研究所のサイトによると

わが国の赤痢患者数は、戦後しばらくは10万人を超え、2万人近くもの死者をみたが、1965 年半ば頃から激減し、1974 年には2,000人を割り、以降1,000人前後で推移している。

細菌性赤痢とは

過去には年間2万人が細菌性赤痢で亡くなった方がいたのです。抗生物質を使用した治療方法の確立により近年では死亡者は減少しています。

国内における最近の細菌性赤痢集団感染例

2012年3月2日大阪府枚方の保育園で細菌性赤痢の集団発生が報告されていて、19名の感染が確認されています(IASR Vol. 33 p. 245-247: 2012年9月号)。

2014年10月5日からの北九州の幼稚園で細菌性赤痢の集団感染が報告されています。17名が細菌性赤痢と確定診断され10月25日の感染例を最後に終息しています(IASR Vol. 38 p.103-104: 2017年5月号)。

2017年9月21日に佐賀市内で細菌性赤痢の集団発生が報告されています。この集団発生はフィリピンに滞在していた園児が下痢の症状で医療機関を受診して9月21日に赤痢菌が確認されました。症状が出たのが9月14日、医療機関を受診したのが9月18日、検便を実施したのが9月19日との経過が目黒区のプレスリリースより詳細に発表されています。その後感染は拡大し、最終的には2名の感染が確認されています。※同一感染経路で2名以上感染した場合を集団発生と定義しています。

2018年10月10日に山梨県の宿泊施設でも集団発生が報告されています。

山梨県 食中毒の発生について 記者発表資料

予想外に細菌性赤痢の集団感染は全国で発生しているのです。

細菌性赤痢の感染経路

細菌性赤痢は先ほども述べたように感染者の便を介して感染が拡大します。また、便に接触したハエからも感染が広がることもあります。細菌性赤痢は少量の赤痢菌でも感染が確立するので、注意が必要です。

料理する人の手指

目黒の集団感染では幸い調理に関わった方からは赤痢菌は検出されていません。発展途上国の場合は衛生面に問題がある場合が多いために、生ものは避けましょうとアドバイスされるのも、細菌性赤痢の感染経路が調理をする人の手指であるためとお考えください。

オムツ

便に原因菌が潜んでいますので、オムツの処理をした後はしっかり消毒する必要があります。

プール等

池や塩素消毒していないプールの水から感染する場合もあります。

赤痢の病状と予後

一番気になるのが感染した場合の初期症状だと思われます。

赤痢の症状

潜伏期間 1ー4日です。

症状 お腹の痛み、急に便意をもよおすに始まり、下痢症状が酷くなり粘液性の下痢や膿が混じった下痢、そして血液を含む下痢症状が出ます。発熱は必ずしも認められない場合も成人では見られます。

詳しくは以前はメルクマニュアルと呼ばれていたMSDマニュアルの信頼度が高いと判断します。

赤痢の死亡率

近年では抗生物質を使用した治療法が普及されていますので、脱水や電解質異常による重症化に気をつけることで死亡率は減少しており、最近の感染例では死亡例は報告されていません(IDWR 2012年第25号<速報>細菌性赤痢 より)。

赤痢の治療方法

抗菌薬を中心とした治療方法が確立されていますので、まずはご安心ください。

赤痢に感染した大人の治療方法

下痢止めは積極的には使用しません(脱水症状が激しい場合は医師が判断します)。対処療法的に整腸剤を使用しながら、ニューキノロン系特にフルオロキノロン系の抗菌剤を投与します。脱水や電解質異常は重症化につながりますので、必要に応じて補水や電解質の調整目的で点滴をする場合があります。

発熱に関してはアセトアミノフェンが使用されています。

赤痢に感染した子供の治療方法

下痢に対する治療は成人を同じです。抗菌剤は子供の場合、安全性が確認されているニューキノロン系は少ないために、バクシダール(ノルフロキサシン)が使われているようですが、ホスミシン(ホスホマイシン)の方が安全性の面では安心です。

赤痢の予防方法

残念ながら細菌性であろうとアメーバ性であろうと予防接種、いわゆるワクチンはありません。細菌性赤痢の予防方法は感染経路を阻止することです。上下水道の整備されている日本の場合は、感染症予防の基本中の基本である正しい手洗いを行うことが予防方法としては有力です。

感染症予防のための正しい手洗い方法

石鹸と流水を使用して正しい手洗いを行いましょう。

1:爪は短く切っておきましょう

2:手を洗う前には時計や指輪は外しましょう

3:手のひらや指の腹の部分をしっかり洗浄

4:手の甲や指の背部もしっかり洗浄

5:指の間、付け根もしっかり洗浄

6:指先もしっかり洗浄

7:最後に手首も洗いましょう

厚生労働省「手洗い手順リーフレット」より

供の場合の手洗い方法

現実問題として上記のような手洗いを小さなお子さんに実行してもらうのは難易度が高いです。アルコールを含む消毒剤等を使用したり、市販の手指消毒剤を使って保護者が手伝ってあげてください。

イラストはインフルエンザの予防方法として書かれたものですです。しかし、感染症予防のための手洗いに関しては同様とお考えください。

医療機関を受診する方へのお願い

今回、当院が開業している目黒区でおきた細菌性赤痢の集団発生。地元密着型のこじんまりしたクリニックを営む私としては、集団感染のプレスリリースをツイートしただけでは、人の役に立つのはごくごく微力と思い、自分なりに赤痢に関して正しい医学情報をお伝えいたしました。

もし自分や家族が赤痢の症状と似ている、と思われた方で医療機関を受診する場合は前もって電話でその旨をお伝えください。医療機関内には重い持病をお持ちに方や乳幼児もいます。細菌性赤痢の原因菌は少量でも感染力が強いのでご協力をお願いいたします。

明日は木曜日で医療機関が休診のところも多いですし、週末が近づいて不安に感じている方も多いと思いますので、追加情報がありましたら追記させていただきます。

追記:どこの保育園なの?とのご質問があります。集団発生した保育園は特定されていますが、様々な問題が発生する可能性がありますので、区等の行政が公式的に発表しない限りは私はお伝えいたしません。

追記:なせ人騒がせなツイートをしたか、とお叱りもあったようです。麻疹に始まり今風疹、そしてインフルエンザが流行してきました。これらを予防する基本はワクチン接種です。細菌性赤痢の場合はワクチンは存在しませんので、各自の手洗いやトイレ使用時に気をつけることである程度の感染拡大は防げると考えました。また、目黒区、目黒保健所、そして目黒医師会が例外とも言えるプレスリリースの発表と医師会会員あてのファックス通知、これは目黒で感染を押さえ込もうとの意気込みだと判断し、目黒区医師会の地域医療公衆衛生委員である私が感染情報をツイートいたしました。

ヒルドイドを美容目的に健康保険使って処方するのは反社会的行為!!そんな医師たちの責任問題は・・・。


■健康保険を使って、美容目的のヒルドイドを処方している医師に罰則があるのか?

ヒルドイドというヘパリン類似物質が含まれた処方薬が本来ならば病気に処方されるべきなのに、美容目的に処方を受ける患者さんが多数いるために、年間93億円の医療費の無駄使いになっていることが大問題となっています。

美容目的で処方薬をお出しする時の決まりは100パーセント自費扱い

初診料も診察料も処方量ももしもそれに関して検査等を行ったら、ヒルドイドの薬剤費を含めてぜーんぶ健康保険を使用することはできません。

「一方聞いて沙汰するな」by篤姫(最近凝っているDVDより)の格言に従って、ヒルドイドを保険診療でゲットしてしまう患者さんが問題というより

美容目的であること見え見えなのにヒルドイドを処方している医師の方が問題!!

だと、患者さんの話と医師の話をネット上の記事を読んで「沙汰しました」。

さらに

ヒルドイドを目的外処方というリスキーな、ある意味では反社会的行為とも考える医師の将来はどうなるか?

まあ、罰則ですね、余計なお世話かとは思いますけど述べさせていただきます。

■保険診療でヒルドイドを美容目的で処方はグングン増えて医療財政を圧迫している

2年ほど前から「ヒルドイド処方してください!!」って患者さんが当院でもメチャ増加してきました。どうもネットの美容系記事で「ヒルドイドが究極のアンチエイジングクリーム」と書かれたことが原因です。中には医師が「美肌のためにはヒルロイドローションはマストアイテム」と言いだす始末。

ヒルドイドブームで処方されるヒルドイドは皆様の健康保険料でまかなわれ、それだけじゃ財源が不足するので税金も投入されています

ただでさえ崩壊寸前、実はすでに破綻しているとの話もある保険制度にトドメを刺す一因になりかねません。

このグラフはヒルドイドを主としたヘパリン類似物質を含む保湿剤単独処方のレセプト2015年分と2016年分を比較して増加件数を調べたものです(https://answers.ten-navi.com/pharmanews/11906/より)。

アンチエイジングに興味を示す40才台から50才台の女性へのヒルドイドおよびヒルドイドのジェネリックの処方がメチャクチャ増加していることが読み取れます。

ヒルドイドを処方するには医師の処方箋が必要です。これから

医師も2016年から積極的にヒルドイドを処方していることがわかります

急に皮脂欠乏症などのヒルドイドの適応症の方が増えた場合を除きますけど。

ヒルドイドおよびヒルドイド類似薬が美容目的で保険処方されているのが全国で93億円なのです

医師免許を持って保険医登録した医師は93億円も医療費の無駄遣いに加担している行為は反社会的行為と読んで差し支えないと私は考えます。

先日のYahoo!ニュース(https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181019-10000001-mbsnews-l27)に掲載されたMBSの取材に応じた医師は

「(ヒルドイドの)クリーム、ローション、スプレー入れたら月に100本以上は出ていると思います。20代から40代の女性が多いです」

と語り(この本数は当院よりかなり少ない、人気の無いクリニックなのかも)、さらに

「まあ日本中のあらゆるほとんどの開業医は断らないと思います。(開業医は)一応サービス業ですから」

ともおっしゃっています。当院は処方してくれない!!ってブチギレるオバ様がいてもお断りしております。

この開業医は一応サービス業ですから、と言って明らかなヒルドイドの適応外処方を行っている医師にはこんなお仕置きが待っているんです。

■健康保険を使ってヒルドイドを適応外処方する医師の未来は悲惨かも

医師は保険医登録を行ってからはじめて健康保険を使った保険診療ができます。どう見ても適応外である

美容目的使用でヒルドイドを処方し続けると、行政指導を受ける可能性が出てきます

ヒルドイドを適応外処方している医師は多分、

バレてもレセプト切られる程度に考えているのかもしてませんけど、行政はそんな甘くありません

厚生労働省はこのようは方針を打ち出しています。

九州厚生局「保険診療等において不正請求等が行われた場合の取扱い」

今までは 診療報酬請求(レセプト)に不正 → 行政処分で保険医登録取り消しになりそう → やばいと思った医師が保険医登録を自ら返上 → 保険医療機関でもないし、保険医登録もないので行政処分はできない → 行政処分無し という逃げ道が残されていました。しかし、今後は

取消に相当する保険医療機関等及び保険医等については、名称、氏名、不正理由、不正請求金額などを公表されます!!

前掲の九州厚生局のサイトにはPDFで公表されている医療機関および医師名および保険医療機関の指定取り消しと保険医の登録の理由がしっかり書かれてます。

社会保険診療報酬支払基金は

適応外の薬の処方は99パーセント以上の責任は医療機関にある!!

と考えています(https://www.m3.com/news/iryoishin/133434より)。つまり、美容目的使用としてヒルドイドおよびヘパリン類似成分を含有する処方薬を患者さんに出している責任は99パーセント以上医師にある、ということになります。

目的外使用が明確な患者さんにヒルドイドを処方している医師は社会保険診療報酬支払基金が行政に「この医師はどう見てもアンチエイジング目的でヒルドイドを処方しています!!」と行政に報告した場合、保険医として保険診療を行うことができなくなってしまい、名前等も公表されるという非常にリスキーかつ反社会的行為をしていると自覚するべきです。

■どうしてもヒルドイドをアンチエイジング・美容目的で処方したいのなら、100パーセント自由診療で!!

ヒルドイドが本当に患者さんのアンチエイジングや美容に効果があると確信している医師は100パーセント自由診療で処方すればいいじゃないですか。自由診療だと患者さんが来なくなる、との理由ならば自己研鑽を積んで自由診療でも患者さんが来るようにすればいいでしょ。自分の技術不足・勉強不足・そして

営利目的でヒルドイドを適応外処方するのは、反社会的行為と言われてもしかたないと思いま

がんと闘っている方である種の抗がん剤を使用すると、どうしても肌がかさかさのひし欠乏症を合併してしまうことが多いです。そのような方にはもちろん保険診療でヒルドイドが処方されています。あまりにもひどい

ヒルドイドの目的外使用がきっかけで、ヒルドイドを保険処方の対象外にしろ!

と健康保険組合連合会から強硬な意見も出ています。

週刊メディウォッチ(https://www.medwatch.jp/?p=16181より)

自分の欲望のためにヒルドイドを健康保険の適応外処方している医師は保険医登録や保険医療機関の取り消しだけじゃなくて、行政処分を受けて公表され、さらには

本当にヒルドイドを必要としている方に届かなくなる可能性があることにお気づきでしょうか?

しつこく、私はヒルドイド問題を取り上げてまいりました。昨日もヒルドイドの目的外処方に関してブログを書き、とりあえずこれで終わりにしようと考えていたのですが・・・。

本日、午前診療終了してホッとして近所のスーパーに立ち寄ろうとしたら「先生ー、桑満先生ー!!」との患者さんの大声がしました。「先生、ヒルドイドの件、頑張ってくださいね!!」とおっしゃった方は妹さんをトンデモ医学で亡くしています。「先生がヒルドイドの件をブログに書いても友達のほとんどは知らないで、大量に処方されたヒルドイドを化粧品だと思って使っているんですよ」と(車がバンバン通る道沿いのスーパーなので聞き取り間違いあるかも、大意としてはこのような内容)言われました。

先生、これからも頑張ってください、との声援を受けたので天気の良い本日午後にやぱりヒルドイド関連ブログを書いてしまいました。

結論1:美容目的でヒルドイドを不正に処方するのは99パーセントは医師の責任

結論2:美容目的でヒルドイドを健康保険を使って処方すると行政処分を受けるリスクがある

結論3:美容目的でヒルドイドが保険処方されると、本当にヒルドイドを必要としている患者さんが困る

篤姫の格言である「一方聞いて沙汰するな」に従うとやっぱり処方する側の医師が「健康保険では処方できません」ときっぱり断れば、このヒルドイド問題はスッキリ解決するはずです。

今回こそ、ヒルドイド案件は終わりにします。これからDVD篤姫の続きを観なくてはいけないので。

ヒルドイド乱用問題再燃!!患者さんも患者さんだけど、目的外処方する医師がまだいる模様。


■化粧水がわりにヒルドイドを処方する件、目的外処方問題が再燃しました

私は以前からヒルドイドという処方薬を化粧水や美容液の代わりとして使用する患者さんに対して、処方を拒むとこんな冷たい言葉を浴びせられ続けて参りました(苦笑)。

どうして私にはヒルドイドを処方してくれないのよ!!

その案件をブログにしたのがこれ↓

怒号飛び交う「ヒルドイド逆ギレおばさん」、どうして処方してくれないのよ!!

まあ、その後も本来の目的以外で使用することがミエミエの患者さんの「ヒルドイド処方してちょうだい」は拒否し続けておりますが、いまだに

美容目的でヒルドイドを保険診療で処方している医師がいるのです!!

ほら、これね↓

【特集】医療用医薬品を美容のために!? “目的外”処方の実態

私としては何をいまさらヒルドイドの適応症以外の処方(違法だよ)を取り上げているのかは不明ですけど、Yahoo!ニュースのトップに掲載されておりました。

このヒルドイド、美容的な使用が目的で保険診療で処方してもらおうと思う患者さんも患者さんだけど、それに応じてしまう医師の方がかなり問題だと考えるわけです。

というのもヒルドイドに関して製薬会社はこんな文書を配布しています。

ヒルドイドの適正使用に関するお知らせ

処方しているのにこのインフォメーションを知らないわけが無い!!

■ヒルドイドを適応症以外に処方してしまう医師の言い訳がすごい!!

今回のYahoo!ニュースの記事は実際にヒルドイドを処方している医師を取材しているところがなかなか興味深いです。ヒルドイドを処方している医師の話はこんな感じです。

「まあ日本中のあらゆるほとんどの開業医は断らないと思います。(開業医は)一応サービス業ですから」(開業医の男性)

だって。

あのさー、医療はサービス業だからといって、崩壊寸前の医療費を美容目的に使っていいのかよー!!

さらにこんな医師も・・・

「明らかに美容目的の患者には薬は出していない。『乾燥肌だ』と言う患者には処方している。ホームページについては知らなかった。事務員が書いたのだと思う」

どっかの

政治家がなんでも不祥事は秘書の責任にしちゃうのと同じじゃん!!

この医師とは関係ないですけど、じゃあこれはどうなのよ!!

これどう見ても薬剤情報提供料をいただいて発行してんじゃないの?

ヒルドイドのジェネリックを化粧水がわりにぬってください・・・美容目的じゃん!!

この件についての詳細はこのブログをどーぞ。

見つけちゃったよ、医師による保険薬の適応外処方!!ヒルドイドを化粧水代わり、とお薬手帳に明記!!

まあ、医療はサービス業って言い訳にも呆れ返ったけど、目元のシワやくまにも効果があると書いたのは事務員、って言い訳もスッゲー。当院だったなんでもかんでも「院長の責任じゃないですかあ〜。院長が悪いんです、キーッ」ってスタッフに言われてしまいます。

■ヒルドイドの適正処方をなんでこれらの医師はできないの?と素朴な疑問

私がヒルドイドが適正に処方していない件をブログにしたところ、販売先のMRさんがすっ飛んできて「今後はこのようなことが起きないようにします。でも、当方から違法とも言える処方をしている先生にダメとは言えないですから、ゴニョゴニョ」でした。ちなみに

ヒルドイドをOTCとして市販することも販売会社は検討したことともあるそうです

・・・販売チャンネルが無いから却下だったらしいです。

もしも処方箋に関して変だなあ?と薬剤師さんが感じた場合は「疑義照会」といって、処方箋を発行した医師に「この処方はちょっと変じゃない?」と問い合わせするシステムがあります。しかし、薬剤師さんの立場としては医師に物申す的な言動は控えよう、との気持ちが先行してしまうようです。

薬の情報を医師に伝える仕事がメインであるMRさん、そして医師の処方に関して疑問を投げかけることのできる薬剤師さんより威張っている医師、そのようはヒエラルキーがヒルドイドの使用目的外処方が堂々と行われ放置されている元凶とも考えられます。でもなんで違法と言われかねないようなリスキーな処方をこれらの医師はしちゃうのでしょうか?私は以前から医業はサービス業を見習うことは重要だけど、サービス業とは一線を画するべきと主張しています。

週刊現代さま、医療はサービス業なんでしょうか?

開業医はサービス業です、とのたまう医師さま、サービス業だからといってヒルドイドを保険診療で処方すること、つまり医療財政に手をつけちゃう理由にならないぜ。

多分、皮膚科の医師が増加して開業する医師も増えているから経営が厳しいのかもしれません。さらに

皮膚科は単価が安く、患者一人あたり3000円程度。内科で1日40人程度を診るのと同様の報酬を得るには、皮膚科では100人診る必要があります

との話も(https://www.recruit-dc.co.jp/contents_feature/no1610a/より)。患者さんを引き寄せるためといえども、やっぱりインチキはマズイと考えるだよなあ。

そういえば商売上手な小林製薬さんがヒルドイドと同じ成分の市販薬を発売しております(さすが!!)。

小林製薬「Saik さいき」

美容目的でヒルドイドの処方を希望する方にはこちらをご紹介すればいいのですけど、小林製薬アレルギーの私としては「ドラッグストアでヘパリンが入っているクリームありますか?」って尋ねてください、とお伝えしております。どうしても私は美容目的でヒルドイドを使いたいの!!って方は100パーセント自費でお願いいたします。

バーベキューは受動喫煙より危険?ってことはないだろうけど死亡リスクが上がるかもよ!!


■楽しい、楽しいバーベキューにはこんなリスクが潜んでいるかも

夏に続き秋の行楽シーズン到来。海辺や河原でのバーベキューってイメージ的には、家族団欒、友人家族とキャッキャ、若い男女もハシャギまくり、ではないでしょうか?しかし、実際にやってみるとなかなか火はつかないし、焼き過ぎ・生焼け問題、さらには後片付けの面倒臭さを考えると・・・

私は非常に個人的感想なのですがバーベキューなんて大っ嫌い!!

バーベキューセットを運ぶのも辛いので、家でホットプレートでお肉を焼いた方が美味しいし、締めの焼きそば上手に焼けるなんて常々考えているのです。個人的には一生涯やらないと誓ったバーベキューですが(本当に辛い目に会ったのです、バーベキューに関しては 涙)、

バーベキューは心血管系の死亡リスクを上げる!!との医学論文が発表されました!!

と書くとアウトドア志向のバーベキュー愛好家から「お前はいつも、煽るようなタイトルを付けやがって」と怒られます。

正確には

薪や木炭を使用して料理を長年続けていた人は心血管系の死亡リスクが上昇する

ことがオックスフォード大学の研究者によって明らかにされました、です。でも薪や木炭を使った料理って代表的なのはバーベキューだから、このあたりの誇大表現は許してもらえることを強く希望しまーす。

■バーベキューによる空気の汚染が心血管系死亡リスクを上げている可能性あり

バーベキュー嫌いの私の強い味方とでも呼べる、立派な論文をお書きになったのはオックスフォードのDr Derrick Bennettさん、論文は「Cooking with coal, wood, or charcoal associated with cardiovascular death」(European Society of Cardiology 略してESC)です。この論文にはこんなグラフが掲載されています。

薪や木炭や石炭を料理に使用している期間が長ければ長いほど、心臓や血管の病気になってしまい、結果的には死亡リスクが上昇することが読みとれます。まあ、

レジャーでバーベキューをやる程度はほとんど影響ないかもしれませんけどね

しかし、最近熟成肉ブームなんてものが世の中ではあるようで、これを調理する時も一般家庭では出ない食感や味を専門店では楽しめるらしいです(おしゃれなお店というかブームになっているような店は私は行ったことないなあ、多分)。となるとせっかく美味しい料理を提供してくれる調理人の方の健康状態が非常に気になってきます。

■なんだこりゃ、この調査って中国が対象じゃん!!

ステーキ店やハンバーガー屋さんを営んでいる患者さんがなぜか多数いらっしゃる当院として、このバーベキュー心血管系死亡リスクを増やす説に対してどのような個別指導をしようか思案していて、もう一回この論文を読み直してみると・・・

The study included 341,730 adults aged 30–79 years recruited from ten areas of China in 2004 to 2008.

と書かれているではないですか!!

バーベキュー健康に悪い説はガスや電気が普及していない中国に人を対象にした研究だった

だからこそ、こんなグラフが次に掲載されていたわけなんです。

薪や木炭などを調理に使用しないで、電気やガスなどのいわゆるクリーンな燃料に変えるとこの心血管系の死亡リスクが減少するよ、ってことなのでした。

電気やガスを燃料とすると心血管系死亡リスクが減少することは理解できました、でもさあ、電気やガスを作るときに発生する大気汚染問題などの健康に対する影響もないわけじゃないはずだし、なんてことも考えてしまいました。

■大々的な調査によってわかったバーベキューは死亡リスクを高めるとの説

今回の論文は中国の人々34万1730人を対象として、2004年から開始した研究で2017年まで追跡調査したものなので、かなり説得力はあります。このバーベキューが健康に悪いとの論文(違ったか、薪や木炭や石炭を燃料とした調理です)、いくつかの点で気になることがあります。

例えば、バーベキューの(違ったか、しつこいけど)食材は何が多かったのか?肉、特に赤肉を食べ続けることはいくつかの病気のリスクになることは多くの方がご存知だと思います(一般書籍としては津川友介さんの「世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事」がおすすめ)。

この研究の対象者は中国の10の地域から選ばれています。中国ってめっちゃ広い国ですし、人種的にも多様性がありますから、それらの影響はどうなんてるんだ?なんて問題も発生してしまいます。

さらに、なんでエネルギー問題なんて世界的な大問題に対してのご意見、下手すりゃ政治問題にまで発展しかねない案件を医学専門誌が掲載しちゃったんだろう、と感じてしまいました。

私が先日食べた炭火焼き料理。非常に美味しかったのですけど・・・お店に行くまでの道がけもの道状態。対向車が来ないかと道幅1.2メートル、脇には落ち葉や枯れ枝散乱の山道を、ヒヤヒヤしながら約一キロの道のりでやっとこさ辿り着けるような、ユーザビリティは全く無視したお店でした(笑)。

バーベキューじゃなかった、炭火焼き料理はお店で楽しみましょう!!

インスタ界隈でワクチンを拒否するための印籠が出回っている!!??


■インスタ方面で「反ワクチン」を扇動する医師はかなり問題だと思います

2018年、風疹の流行が勢いをとめません。現時点(2018年10月17日)でこんな感じで風疹が猛威を振るっています。

東京都感染症情報センター 

風疹に対しての予防方法はご存知のように予防接種、つまりワクチンを接種することは医学的にも十分に証明されていることであり、一般の方も常識としてご存知のはずです。しかし、世の中には様々な理由でワクチンは悪と考えてしまう人が若干存在していることも承知していましたが・・・そんな反ワクチン派を扇動するような医師がいるんです。

その医師は

ワクチン接種を拒否する親御さんに「印籠」と呼ばれているワクチンを打たない宣誓書的な書類を発行しています

そのワクチンに関しての方針が書かれた書類をこんな感じでインスタでご披露している方もいます。

この「横地先生」先日のブログにも登場してきている反ワクチンを扇動している、と判断しざるえない特殊な考え方の持ち主のようです。

インスタの反ワクチン界隈がスゴイことになっている件、怖い、怖い。

私が言いたいことはワクチン拒否の証明書(?)を誇らしげにインスタにアップしてしまう母親がどうのこうのということでは無く、なぜ医学部で医学を学んで、国家試験に合格した医師がワクチン接種を否定し、その独自の風変わりな思想を一般の母親に流布するのか、非常に気になってしまうのです。

■やまびこ小児科クリニックの横地先生のワクチン講座に謎は隠されている

横地先生という方は南アルプス市でやまびこ小児科クリニックを営んでいる、間違いなく医師免許をお持ちの医師です。地元で小児科という非常にヘビーな科目を専門として、多くの親御さんの支持を得ている開業医とお見受けしたのですが・・・

日本中を飛び回ってワクチン講座を開催、これが反ワクチン派養成講座の可能性?

なんじゃないでしょうか?横地先生のクリニックサイトのトップに出張講座のお知らせがあり、毎週の様に各地でワクチン講座を開催しています。

横地先生のワクチン講座の内容に関しては詳細を知る方法がありません。しかし、ワクチン接種を拒否するための印籠をお持ちの方の投稿内容をいくつか読んだところ、

ワクチン講座はワクチン拒否を煽る講座であることに間違いは無さそうです

というのもインスタの中に横地先生にアクセスすると「ワクチン証書」なるものが頂けると読み取れる文章があり、その「ワクチン証書」を小児科受診時に提示することによって、まともな小児科が当然推奨するワクチン接種を簡単に逃れるとの使用方法が書かれていました。

■ワクチン拒否を推奨する医師の将来的なトラブルについて

病気の診断を下す権利は多くの医療関連業種の中で医師だけに許されている権利で、権利を行使するに当たっては、もちろん重い責任を負わなければなりません。医師の場合、裁量権という権利が付与されており、自分の責任においては例えば標準医療をして認められない特殊な治療を行うことも可能です。

この横地先生は医学的には常識である感染症予防対策である

ワクチンを接種しなことを宣言する「ワクチン証書」をご自分の責任において発行しています

万が一、この証書を行使してワクチン接種を拒んだ親御さんのお子さんが、ワクチン接種で回避できるはずである感染症に罹患して重症化、あるいは最悪の場合、死亡となった場合は横地先生はどのような責任が問われるのか、法律の専門家ではなくても医療に携わるものとして背筋か凍る思いがします。

■横地先生はトンデモさん、と呼ぶような可愛いレベルの問題じゃないような・・・

横地先生のクリニック「やまびこ小児科クリニック」のサイトのよこにこんなことが書かれています

誕生数秘学!誕生数秘学という、誕生日占いの原型のような学問(統計学?)があります。西暦で表記し、全ての数字を一桁になるまでたし続けて出てくる数字で、その人の持って生まれた性質を知る手段ということです。

誕生数秘学!!??これってオカルトじゃん

星占いとか占いは男性より女性ファンが多いと聞きます。ちょっと子育てにお悩みの母親が占い等に興味を示すことを非難はできません。しかし、いかにも科学的手法による学問であるかのように見せかけた誕生数秘学を堂々とクリニックの公式サイトに掲載してしまう、小児科の横地先生、私と大違いで女性心理を十分に理解できるデキル医師のようです(苦笑)。

さらに横地先生のクリニックのサイトを丹念に見回してみると

「アロマセラピー講座開催」のお知らせが掲載されています

病気を治すというより、病気と闘っている方々がアロマを使用してリラックス効果を期待することは否定されるべきことではありません。正しいアロマの使用方法をセミナー形式で伝授している方も多数いらしゃる一方で、このアロマは一般的にはマルチ商法と呼ばれる、販売方式に問題を含む商法の商材となっている点が気になってしまいました。

アロマ系飲料を飲んでウンチが緑色にならないと病気、って話が怪しすぎる。

このブログで触れたように、ニセ医学的な理論で強引にアロマ販売に誘い込む輩もいるのです。これはあくまでも一般論というか、特殊な例なのかもしれませんので、横地先生がそうである、と言っているワケではないことをご理解ください。

■ご注意ください、自然派をこじらせるとこんなことになってしまいます

食の安全性、という切実な問題をネットで調べていくとたどり着くのが「放射能汚染」「農薬」「添加物」「オーガニック」「化学物質」などに関する情報。なぜかネット情報って科学的医学的に正しい記事より、ニセ医学・疑似科学に汚染された記事の方に惹きつけられてしまう方が多いようです。中にはワクチン証書と称する「印籠」をゲットされた方のように、ハッシュタグをつけて「ノーワクチン」とか「ワクチン拒否」「予防接種」等のキーワードをつけてソーシャルに投稿すると、どこからともなく親切なフォロワーがトンデモないアドバイスをしてくれちゃいます。

横地先生、詳細な状況は不明で断定はできないので間違っていたら謝罪しますが・・・先生はひょっとしてリアルで診察していない方に対して、電話で会話をするだけで「ワクチン証書」なるワクチン拒否の印籠を発行していませんか?近年、遠隔診療が保険適用されました。

しかし、

この遠隔診療を行うためには初診は対面である必要があります

先生的には診療したのではなく、実際に会ったことのない人にワクチン拒否の印籠となりうる証明書を発行しただけなのかもしれませんが・・・この方のお子さんが将来、ワクチン接種で回避可能である感染症に感染して、予後に問題を残した場合はどのような対応をするおつもりなんでしょうか?

もしも現時点でご自分で調べた範囲でワクチンはメリットよりデメリットが大きく、ワクチン接種を拒否しようとお考えで、横地先生にご相談される方は最低限、ワクチン証書を発行するに当たってどのような質問をされどのように回答して、どのような条件下で印籠である「ワクチン証書」がもらえたのかを詳細に記録しておくことをオススメいたします。裁判等になった場合、詳細な記録は大きな力を発揮する、と法律の専門家はおっしゃっていました。

高周波温熱治療器「ラフォス」の効果はたるみ改善だよ!!


■たるみ治療用高周波温熱治療器ラフォス始めました!!

美容医療系の入門編として高周波を使ったラディエイジというのあるのですが、ちょっと時代遅れ的な雰囲気を醸し出したので、

最新の高周波系美容医療機器としてラフォスというのたるみ治療器を先日導入しました

ところで美容に関心のある方にとって、一番気になるラフォスの効果だと思います。

ラフォスが効果を発揮するのは、ズバリたるみ!!

顔のたるみ、首のたるみ、目の周りのたるみ・・・

肌の老化のシンボルがたるみ、そのたるみを改善する治療方法がラフォス

ってことです。

これがラフォス、スイッチ周りにビニールのようなものがあるのは、たるみ治療中にジェルを使うのでスイッチにその手で触れるとベタベタになっちゃうからです。

■当院のご紹介とラフォスの関係について

えーっと、当院は泌尿器科を中心として地元にびっちりと密着した保険診療を21年間行ってきました。そうそう、地元の皆様に愛されてつつ、患者さんのご希望も強かったために、そういえば美容皮膚科や美容外科も自由診療で行っています(わざとらしい)。

大手チェーン系のクリニックや大々的に広告をしている美容系クリニックとは

当院は一味違った地元密着型の美容クリニックも併設している

ってことを今更ですがお知らせてしておきます。

美容皮膚科担当医は常勤1名(松下医師とは彼がペーペーのヨチヨチ医者だった頃からの友達)、非常勤医2名でこなしている大量生産型ではない、小ぢんまりした美容系クリニックと解釈してくださいませ。

このラフォスのたるみ治療、かなり評判がよろしいようです

他院でサーマクール(これは高周波治療機器の大御所)を継続していた方も、なぜか当院のラフォス導入を知ったようでかなり遠方から来院いただいています(えーっ、本来なら地元密着型なんだけどね)。

ラディエイジの場合、かなり高額な治療費で行っている美容系クリニックが目立つらしいために、当院でラディエイジのためにわざわざ遠方から患者さんがいらしてくれていたようですけど(うーんと、地元密着はどこいった!!)、これからは

たるみ治療はラフォスを中心に行っていきます

このラフォスを使って期待できる効果は肌のハリ改善、引き締め効果、血行促進、むくみ改善です。医療系美容機器であっても、その効果効能に関しては「?」って捉えてしまうものが残念ながら多いです。このラフォスを導入する際もかなり多くの検証を院内で繰り返しました。結論として、

ラフォスは確実に効果あります、私が証明です!!

n=1じゃん!!でもね、ビフォーアフターをご覧ください。ラフォスの効果に納得されるかと思います。

こんな感じの疲れ切ったタルタルの緩んだ肌のオッサンがラフォスで治療すると

            ↓

            ↓

            ↓

            ↓

            ↓
ジャジャーン!!どうだ、この効果!!

たるみが消えてスッキリしたフェイスラインになれるんです!!

このイラストは三国志大戦などの作品がある夢路キリコ先生に描いていただきました。これ見て吹き出したスタッフは厳重にチェックしてボーナス査定できっちりケジメをつけさせていただきますぜ(本当はパワハラなんて言わないでね、訴訟しないでね、懇願)。

「院長、こんな若くないし、格好良くないないことインスタに投稿しちゃおうかなあ」「まあ待て、焼肉食べたくない?お寿司今度食べに行こうよ、バーキン欲しくない」なんて話が院内をビュンビュン飛び交っています。こうやって最終的には当院のスタッフの給与がアップしているのでした(ウソ)。

厚労省の厳しい指導によって、治療に関してのビフォーアフター画像はきつく叱られます(いくつかの条件を満たせば許されるそうです)。これは誰がどう見てもウソって分かるから見逃してください。

■ラフォスってエステでも使ってるじゃん、とのご意見に対して

高周波を使った美容機器ってなぜか普通にエステでも使用されています(法律的な解釈は専門家にお任せしますね)。説明文句としては「リンパを流します」とか「お顔の引き締めに」なんて感じでしょうか、多分。中には「体質を改善しまーす」なんて危なっかしいセールストークを使っているところもあるかもしれません。

このラフォスを開発して、販売している会社の社長は理系の知識をしっかり学んだ方で、私のしつこい理屈っぽい質問にも理論的に説明してくれました(医療面の知識はまあ普通)。エステの場合は多分、営業の人が対応しているのかな。

ラフォスのたるみ治療の効果を裏付ける理論は熱変性

この説明でヘンテコなこと言った営業の方に対して大変失礼な対応をしてしまったことをここでお詫び申し上げます(でも、理論が変なんだもん。熱伝導の仕組みをもう少し勉強してね)。

サーモグラフィで温度の変化を観察したもの。左がラフォスを使用する前、右がラフォスを使用した後(メーカー提供)。

こんな感じで熱が皮膚の奥深くに伝わっていることがわかります。皮膚はタンパクが主成分なので、熱が加わると熱変性という変化を起こします。

ラフォスで治療すると皮膚内のタンパク質が熱変性することにより皮膚が引き締められます

さらに皮膚を構成する成分としてコラーゲンが有名ですよね。なんと

ラフォスは真皮にあるコラーゲンの活性化して増やす効果

がありますから結果的に皮膚の弾力もアップします。

話は戻りますが、エステで使用されているラフォスと医療機関で使用されているラフォスは違いがあります。具体的にどのような違いがあると言うと・・・モゴモゴ、ゴニョゴニョ。

一般論として

a:脱毛の場合
エステの光脱毛(違法か適法かについては専門家の判断にお任せ)と医療機関で使用するレーザー脱毛には大きな違いがあります(詳細は各自お調べくださいませ)。

b:美肌目的の場合
エステで美肌目的で使用されている光治療と医療機関で使用される光を使ったIPLとはパワーの点で大きな違いがあります。

C:法律的な違い
当たり前ですけど、医療機関は注射もOK,薬の処方もOK。エステでそんなことしたら速攻でアウト。

このaとbとcを合わせてエステで使用されているラフォスと医療機関向けのラフォスに違いがあるかもしれません、ご判断は各自でお願いいたします(美容系の表現規制で比較が問題視される可能性が無いわけじゃないから)。

当院に通院されているエステ関係者やエステにお勤めでSNS上で私のフォロワーになっていただいている方が多数である状況に配慮してこのような表現とさせていただきました。

さらに「院長が過激なこと書くから、エステ関係者がドン引きじゃないですか、キーッ」ってスタッフの罵声を浴びまくっている私の環境を忖度してください。

■このラフォス、エステでは間違いなく不可能な圧倒的に効果のある使用方法を検討中です

このたるみ治療器ラフォスですが、美容医療クリニック独自の治療方法があります。いくつかのエステでやっちまったら明らかに医療事故というか違法になってしまう範疇の治療です。

この案件に関しては当院で多くの協力者のご尽力によって、多分、今年中には明らかにすることが可能となる予定です。ぜひぜひお楽しみに。

いつも趣味的なトンデモ関連ブログを書いていて、美容部担当の松下医師、そして美容部看護師、さらに受付のスタッフにまで「院長は好き勝手なことばっかりブログにして。クレームの電話に出るのは私たちなんだから、キーッ」と強く諫言されたので、アリバイ的に美容系の記事を書かせていただきました。

帯津良一医師があのアエラとタッグを組んだ連載記事、どっから見てもトンデモ。


■代替医療界の大物とアエラのタッグ、悪用されないことを祈ります

AERA(アエラ)の医療関連記事って、なんじゃこりゃ的なものが目立ちます。もちろん玉石混淆でたまには良記事もあるにはあるのですが、私的にはどうしても医学的に確実に誤認しているような記事、あるいはトンデモに分類されるべき医療関係者の記事についつい引き寄せられ(引き寄せの法則じゃないよーだ)しまいます。

やっちゃった、アエラ。「絶対に電子レンジを使わない」食の専門家はトンデモさんだよ!!!

週刊朝日の医学記事は一線を越えてしまったようで・・・高濃度ビタミンC点滴療法でがん治療??!!

とか、一連の朝日系メディア「アエラ」関連ブログはPCの場合は右にある、スマホの場合は下の方にある「症状・治療機器等検索」をご利用くださいませ(これ今までサイト内を網羅していなかった欠点があり、先日改善したのでインフォメーションっとw)。

今回は医療業界のビッグショットである帯津良一医師とそのちょっと如何なものかねえ的媒体アエラがガッチリタッグを組んだ連載記事を見つけました。

指圧・マッサージと認知症予防はいい関係? 帯津医師の見解

ネット上の医療・健康関連情報のいいかげんさが問題になっている昨今、アエラらしい絶妙のテクニックを駆使して標準治療とはちょっくらかけ離れた主張を繰り返す医療業界(って言っても一部のマニアックな)のビッグショット帯津良一医師のお話を分析して見ますね。

■健康記事のタイトルに「?」をつけて「見解」とする高度なテックニック(笑)

よくもここまで適当な医療記事を掲載するよね、って批判され閉鎖された健康関連サイトが以前ありました。素人ライターにどっかから引っ張らせた記事でページ数を水増ししているような医学健康関連サイトは複数まだご健在のようです。

正しい情報が求められるべき医療記事に「?」をタイトルにつけることで、

これは標準医学で100パーセント確認されているものではないですよ、という逃げ道を残すことが可能</h3>であり、

※個人の感想です的なさらなる逃げ道である「見解」をタイトルにつけてしまう老獪なアエラ

編集部の高度なテクニックにシビれてしまいました。まあ、タイトルごときに対してゴチャゴチャいうのも大人気ない対応なんでこれから本題に入りますね。

そういえば私のブログもタイトルに「?」ついているの多いか(笑)。ブログだから※個人の感想です、だし。

■果たして帯津医師が語るように、指圧やマッサージは認知症予防に効果があるのか?

帯津先生の認知症の記事はのっけから私の知識と大きく乖離しております。例えばこの出だし

指圧は中国古来の治療法で、経穴、経絡を刺激

非常に気になります。

指圧は私が知る限りでは「指圧の心は母心、押せば命に泉湧く!!」のキャッチフレーズで有名だった浪越徳次郎さんが発案された民間医療です。この浪越徳次郎さんは当時奥様番組でしばしば取り上げられ、浪越さん専用のコーナーが作られていた奥様番組(当時は情報バラエティ番組との用語は無かったはず)もありました。小学生の頃、母親とテレビを観ていると浪越さんが女性モデルの胸部に指圧を施す場面になると「さっ、勉強するかな」と言ってドキドキしながら離席した甘酸っぱい思い出があります。

この指圧に対して「代替医療のトリック」中でサイモン・シンは

普通のマッサージ以上に、この療法に時間と金をかけても、それに見合うだけの効果は期待できない

と無慈悲は評価を下しています。当時浪越さんは家庭で簡単にできる民間医療として指圧を紹介していたことを創始者であると考える先人に対しての敬意を示す意味で記しておきます。

効果効能については、気分転換になって気持ちいいかもレベルの指圧ですけど、

帯津先生、本当に指圧って中国古来の治療法なのでしょうか?

もしもそのような文献があるのなら、ぜひサイモン・シンに送付して著作の間違いを教えてあげてくださいませ(サイモン・シンも創業者は浪越徳次郎さんと考えています)。

さらにこの文章もかなり気になります。

目に見えない電磁波を理解するには場の理論が必要です。同様に生命にも場の理論があって、その生命場のネットワークが経絡であり、トリガーポイントになるのが、経穴だと考えています。

唐突に飛び出してきた魅惑のキーワード、電磁波!!

西洋医学的手法で経絡や絡脈を証明することが不可能であったとしても

目に見えない電磁波であっても、電磁波が出ているかどうかは簡単に解明できますぜ!!

少なくとも理系の方は高校レベルの物理でも電磁波は波長によって分類されること習ったことあるはずです。電磁波は電波・紫外線・可視光線・X線・ガンマ線などなどありますが、帯津先生のおっしゃる生命の場の概念における電磁波の波長はどうなっているのでしょうか?どんな波長であっても電磁波を測定することは可能ですから、ひょっとしてその波長さえ判れば、帯津理論は世界中の科学者が論文に成し得なかった生命の根本的な謎の解明に結びつくかもしれません・・・もちろんノーベル賞ゲットは確実。

さらに帯津医師の格言は続きます。

経穴、経絡を刺激する指圧は、生命のエネルギーを高めます。生命のエネルギーが高まれば、免疫力、自然治癒力が上昇します。それが認知症予防につながることは、これまで何度も語りましたが、間違いのないことでしょう。

うっ、存在が明らかになっていない経穴、経絡、そして中国古来とも明らかになっていない指圧、どのような方法で計測したのか不明な生命のエネルギー、医学的用語に聞こえるがノーベル賞を受賞した本庶教授がいいかげんな治療方法が巷を賑わしていると酷評した免疫、こんな感じの裏付けに乏しいとの批判なんかどんとこい的文章の後に続く「認知症予防」、こんな主張を医学知識を持ち合わせたまともな人は無批判に受け入れることは無いと考えます。

この記事後半に「樹状細胞」に関する話が出てきて、これ疑問がテンコ盛りです。さらにトンデモ本指定(誰が指定したんだw)されている『皮膚は「心」を持っていた!』の著者の発言も記載されていますけど、長くなるので止めておきます。

だからこそ、タイトルに「?」が付いて、さらに「帯津医師の見解」という逃げ道というか、テクニックを駆使しているんでしょうね、老獪なアエラさんは。

■帯津医師との個人的な出会い

実は私は10年以上前にリアル帯津先生にお会いしたことがあります。医療業界では海外でも有名な某科の某教授の一般向け本の出版記念パーティーだったっけかな、確か(認知症じゃないよ、ただの物忘れ)。某教授が今後も一般向けに正しい医療情報を発信する予定だったために、普通の人ってどんな医学・健康関連図書を読んでいるかを調べたところ、ダントツに人気があったのがこの帯津良一先生でした。

そこで出版社を通してパーティーに帯津先生を招待したのですが「おい、桑満、この方があの帯津先生!!一度お会いしたかったんだよなあ」と私と某教授で帯津先生のところに駆けつけました。私、某教授、帯津先生の3人でほんの数分立ち話をしました。お忙しい帯津先生が途中退席された後「ねえ、桑満。一般的に人ってあんな話を信じちゃうの」と某教授。「だってメディアが取り上げると一般の人は信じちゃうもん」と私。

無責任でいいかげんな医学健康情報に対して、ネット上で批判を繰り返している現役医師って実はごくごく少数であり、トンデモ系の医学伝道者だとしても、どうしてもメディアにしきりに登場する医師の主張の方がなぜか信頼度が高いのが世の流れです。

帯津良一先生の民間医療に対する暖かい眼差しにシンパシーを持った民間医療というよりニセ医学を理論背景としたインチキ治療家(もちろん無資格)も多くいる状況を考えるとトンデモ方面医師の言動は目を離すことができません。

認知症の方に対して周囲が言葉を掛けたり、マッサージ等で身体的な接触を試みると症状が軽快することは多くの論文によって報告されています。本当の効果を判定する手法である二重盲検法を用いることが難しい認知症です。

しかし、ヘンテコな理論を駆使してご自分の主張を裏付けようとすればするほどトンデモ界隈が大喜びし、悪用されかねないことをメディア上有名な大物医師は頭の片隅に入れておいていだだきたいと思います。

中学2年生全員に胃がん検査!!??これでは過剰診断・過剰治療の温床になっちゃう?


■がん検診の年齢を下げれば下げるほど、死亡率を下げるのか?

がん対策として定期的にがん検診を行うことによって、がんの早期発見・早期治療ができ、がんが手がつけられないほど進行する前に手を打つことが可能になることは常識。でも早期発見・早期治療が生存率を高めること、つまりがんによる死亡率が減少することが明らかになっているのは

●胃がん

●子宮頸がん

●乳がん

●肺がん

●大腸がん

以上の5つのがんだけです(がん情報サービス「がん検診について」より)。まあ、私の専門である泌尿器科領域では前立腺がん検診に関してはこんな感じになっていて、有効と考えたいところです。

「前立腺がん検診」有効、有効じゃない論争に幕?意外な結果が出ました!!

しかし、がんの早期発見が重要だとしても

中学2年生全員に胃がん検診をやって、死亡率が減少することはエビデンスがあるの?

との素朴な疑問が湧き上がってきてしまうような事態が発生しております。

NHK「横須賀市 中2全員に胃がん検査

福島の原発事故に伴う甲状腺がん検診に対する医療関係者の一般的な解釈は過剰診断から過剰治療につながることから、これ以上検査をやる必要なし、です。

■ピロリ菌を除菌すれば胃がんにならないで、死亡率が減少する・・・これも実は明確じゃない可能性あり

胃の調子が悪くて消化器内科等を受診した場合、いわゆる胃カメラ検査は一回はやっておくべき検査だと個人的には判断しています。胃の不調を訴えた場合、ピロリ菌の有無を確認され、必要に応じてピロリ菌が発見された場合は間違いなく除菌を勧められます。

ピロリ菌の除菌に使われる薬は胃酸の分泌を抑える薬と抗菌剤3種類です。胃酸の分泌を抑える薬の副作用も気にはなりますが、ただでさえ抗菌剤が効かなくなった耐性菌問題を抱える感染症を扱う医師だけじゃなく(泌尿器科医は問答無用で抗菌剤を処方するとのご批判もございます)一般の方でも3種類も抗菌剤を服用するの〜!!と反応すること多いです。

ピロリ菌の除菌が胃がん予防になるなら、メリットとデメリットを比較して、まあ除菌した方が良いよねえ、と納得するのですが・・・

実はピロリ菌を除菌しても死亡率が減少することは明らかにはなっていない!!

ということが、泣く子も黙るコクランには書かれているのです。

コクラン「胃癌予防のためのヘリコバクター・ピロリ除菌治療

ヘリコバクター・ピロリ菌に感染している人が胃がんになりやすいのは紛れもない事実。となると、ピロリ菌をやっつければ胃がんになるリスクが減少して、結果的に死亡率が減少する、と普通は考えます。しかし、コクランは

抗生物質の投与により胃癌による死亡数が減少するかどうか、総死亡数が増加するか減少するか、食道癌の発症が増加するか減少するかは明白ではない。治療の副作用に関するデータの報告は、不完全であった。

との報告をしています。

つまり、

ピロリ菌を抗菌剤によって除菌しても胃がん死亡者が減少するかは不確実

なのです!!何を根拠に横須賀市はがん対策条例を可決して、疫学的に明らかになっていない中学2年生全員に対してピロリ菌検査を行うことにしたのか、大いに疑問が残ります。

過剰診断が過剰治療につながる可能性のある中学2年生に対するピロリ菌検査なんじゃないかなあ、と多くの医師は考え込んでしまっています。

■中学2年生にピロリ菌検査をして、胃がん予防に繋げる根拠はこれかな?

横須賀市は私の出身大学に隣接しており、横須賀市内の病院の多くはいわゆる関連病院です。このNHKの報道を観て、早速横須賀の関連病院勤務医(同級生ともなると院内では偉い人)や横須賀で開業している友人にこの件を尋ねると「なんかそうらしいけど」的な回答。SNSつながりの医師が教えてくれたこの記事を読むと

尿検査でピロリ菌がいるかどうかをチェックして、陽性の人にはさらに便の検査をして、確定診断後に除菌を行い、その費用を全て神奈川県医師会が負担するというものです。

と受診者にとって侵襲性の少ない検査方法が取られていてちょっと安心しました。しかし、前掲のNHKの報道だと

条例では、血液検査で胃がんの原因となるピロリ菌を見つけて内視鏡検査を行う

となっていて、かなり違った風景ですね。さらにピロリ菌の除菌については

強制的に除菌させるようなことはしていません。除菌については20歳までにやってもらうようにお願いしています。

と書かれていてさらに一安心。なぜ中学2年生を対象にするかという素朴な疑問を抱いた私ですが

高校生になるといろいろな地域の学校に行く子も、中卒で働く子もいますよね。中学生であれば基本的には市内の学校に行っているので、市内の中2人口は網羅できます。

ともおっしゃっているので、100パーセント納得というわけじゃないけど、中学二年生を対象にしたのかの理由ははっきりしました。

医療ガバナンス学会「胃がんは撲滅できる 横須賀市と地元医師会の挑戦

なお、ピロリ菌の除菌を希望する中学2年生の費用は神奈川県医師会が負担するそうなので、中学2年生を対象にしたピロリ菌検査はヘンテコリンな陰謀論に毒された一般の方やがん検診は必要ないと主張するトンデモ方面の医師が唱えるところの医療業界と製薬会社の陰謀だあー!!は否定されたので、かなり安心しました。

■大いなる疫学調査と呼べないわけじゃないけどなあ

某有名私立小学校は大学までのエスカレーター方式なので(転がり落ちる生徒も多い)、小学校1年からの身体検査の記録に始まって、少なくとも既往歴などを高校時代までのデータを蓄積していることが知られています。

昔はインフルエンザの予防接種って集団接種だったよね?

今回の横須賀市のちょっとこれはねえ的に捉えられることが多いと予想される中2全員に胃がん検査も、横須賀市公衆衛生担当理事の医師のインタビュー記事を読む限りでは、最終的には大いなる疫学調査とも呼べるものであり、中学2年生に対して危惧される過剰診断・過剰治療に直結するものではなさそうです。さらにこの横須賀市は以前から私が本当に効果あるの?と素朴な疑問を抱いている胃がんのバリウム検査を早々に廃止して、胃がんリスク検診に切り替えたそうなのでこれはぜひ当院のある目黒区でも取り入れるべきです(そういえば何年か前、私は目黒区のがん検診委員長だったっけ)。

胃の検査でバリウム飲んでいる医師がいたら手を上げて!!

ここで話を戻します。現時点でピロリ菌を除菌することによって胃がんのリスクを減少させ、死亡率が減少することの明確なエビデンスはかなり弱いものです(前述のコクランを参照してね)。しかし、適切な胃がん検診ががん死を減少させることは明確だと判断すると、胃がん検診はより簡単であり、受診者の侵襲が少なく手間暇がかからない方が良いに決まっています。中学2年という対象年齢に対する議論はあっても良いですが、横須賀市医師会の進取の精神は偉いと思います。

となるとNHKの報道って正確なのか?あるいは医師会の意向とは違った方向に横須賀市議会は行ってしまっているのか?非常に気になります。

参考までに・・・医療ガバナンス学会の記事は2018年10月11日06:00に掲載されています。NHKの報道は2018年10月09日18時15分にアップ。

飴を舐めて議会紛糾の熊本市議会緒方夕佳議員、ところで「のど飴」って咳に効果あるの?


■のど飴を舐めながら登壇・・ところで「のど飴」って本当に咳を止めるの?

熊本市議会の緒方夕佳議員がのど飴を口に含んで質疑をしたことがきっかけとなり、市議会が紛糾したことは記憶に新しいと思います。まあ、議会と市議との間には以前から色々とお互いに思うところあったようなので、その問題には触れません。

http://blogos.com/article/329257/より

今回、この報道を読んで医師として

のど飴って本当に咳止め効果があるの!!??

というあくまでも医学的な見地に立った素朴な疑問が湧いてきました。

のど飴を舐めることによって口腔内や喉に湿り気を与えることによって、上気道の感染を防ぐ効果はありそうです。また、のど飴の成分によっては直接咳を止める作用があるのかもしれません。

実は以前は風邪で医療機関を受診するとSPトローチなどの、舐める薬が処方されてたものでした。しかし、のど飴的な作用を期待される

SPトローチの本来の効能・効果つまり適応症は咽頭炎・口腔創傷の感染予防・口内炎・抜歯創の感染予防・扁桃炎

であり、風邪に伴う咳止めの効果は期待できません。

SPトローチを処方する医師は最近見かけなくなりましたが、平成30年以降も薬価収載はされているので保険処方が可能のようです(私もここ数十年は処方した記憶なし)。

市議が口に含んでいたのど飴は多分この医療機関で処方されるSPトローチではないと予想されます(処方薬であったら、まず間違いなく薬服用中と申し出たでしょうから)。となると、

一般的に「のど飴」と称される商品の咳に対する効果効能が気になるところです

単純に「のど飴」で検索して上位表示された浅田飴等の効果効能について調べてみました。

■せき・こえ・のどに浅田飴、と言っても多くの商品が販売されています

のど飴と聞いて多くの方がイメージするのが「せき・こえ・のどに浅田飴」の浅田飴ではないでしょうか?浅田飴のサイトによると

浅田飴は指定第2類医薬品に分類されますので、薬です

今では多種多様なラインナップが出ています。この浅田飴が薬である所以としては4種類の生薬エキスが配合されている点です。

生薬はキキョウ根エキス・トコンエキス・マオウエキス・ニンジンエキスでそれぞれが、たんを切る・気道粘液分泌促進・気管支拡張・去痰作用を受け持っています。

ということですから、市議が口に含んでいたのが浅田飴であったらご本人がおっしゃるような「質疑中に咳をするといけないから」的な理由は正当化されます。

■緒方夕佳市議が舐めていたのは龍角散のど飴でした、果たして咳止め効果はあるのか?

市販の咳止めといえば「ゴホンといえば龍角散」ですよね。いくつかの報道によると緒方夕佳市会議員が口に含んでいた(口に咥えていた、との記載の記事もあり)のは龍角散のど飴、とのこと。

ハフポスト 「のど飴」で怒号が飛ぶ熊本市議会 イギリスでは、咳き込むメイ首相がのど飴をもらってた

龍角散の「喉のお薬 医薬品」も豊富なラインナップを取り揃えています。しかし、

緒方夕佳市議が舐めていた龍角散のど飴は食品であって薬じゃないぞ!!

という嫌な事実を見つけてしまいました。

ゴホン!といえば龍角散 より

そうなると食品に分類される「のど飴」が咳止め効果あるいは咳が出るのを予防する効果があるのかが気になってきます。

■のど飴を舐めると咳は止まるか、咳予防効果はあるか?

医薬品に分類されるのど飴にはたしかに咳止め効果があると判断して問題なさそうです(エフェドリンを含むマオウが入っていますから間違いない(そのほかの効果に関しては今回はパス)。

なんとなく喉がカラカラする、いがらっぽい時に別に医薬品じゃなくても飴玉を舐める方も多いでしょう。しかし、医薬成分が含まれていない食品の飴玉・のど飴が果たして咳止め効果あるいは咳予防効果があるのか、これちょっと疑問があります。

咳が出るのは異物に対する人間に備わった自然の仕組みなので、空咳以外は積極的に咳は止めない方が良いと判断する医師も少なくないはずです。

異物が入り込むと、まず咽頭や気管、気管支など気道の粘膜表面にあるセンサー(咳受容体)が感じ取ります。その刺激が脳にある咳中枢に伝わると、横隔膜や肋間膜などの呼吸筋(呼吸をおこなう筋肉)に指令が送られ、咳(せき)が起こります。この反射運動を「咳反射」といいます。咳(せき)にはまた、気道にたまった痰を外に排出する役割もあります。

第一三共ヘルスケア「咳(せき)の原因」より 非常に申し上げにくいことなんですけど、

飴を舐めることによって咳を止める、あるいは咳予防効果はあまり期待できない

と感じたのは私だけでしょうか?

こんな調査結果があります・・・「のどの乾燥対策」にのど飴は効果的?

https://www.sbfield.co.jp/press/20171110-12015/より  ここから読み取れるのは

喉の乾燥にのど飴は効果的である、と一般人の65パーセントが考えている

ことであり

食品に分類されるのど飴に咳を止める、あるいは咳予防効果は無し

なんじゃないのかなあ。

ちなみにこのデータの取材に協力したのはカンロ株式会社。のど飴でカンロを思い浮かべる方も多いとは思いますけど、残念ながらカンロは食品会社なので医薬品は販売しておりません。というか病状に対して効果効能のあることを表記することはかなりリスキーなので本当は「咳止め効果あるよ!!」と伝えたかったのかもしれません。

■「のどあめは医療行為」と熊本市議会に市民団体が抗議・・・これちょっとねえ

ここから下は某市民団体の方には読んでほしくないので、団体関係者の閲覧はご遠慮くださいませ。こんな報道もありました。

「のどあめは医療行為」 熊本市議会に市民団体が抗議

医師法および薬機法にしたがって考えた場合、医薬成分を含むのど飴を口に含むことは明らかに医療行為というか、治療行為だと考えます。しかし、食品に分類されるのど飴を口に含んでいる場合にその行為を医療行為と呼べるのでしょうか?

食品等を摂取することが医療行為だとすると、健康食品を使った代替医療や民間医療も医療行為となるわけで、そうなると医療行為を行ってよろしいと国からお免状をいただいた者以外がそれらしきことをしているのは医療行為であり、医師法に違反する可能性が大となってしまいます。もちろん、自分で自分のことを民間療法であろうが、ニセ医学であろうが治療することを罰する規則はありません。

まあ、のど飴ごときで議会を止めてしまうオッサン議員さんたちの行為もどうかとは思いますけど、緒方市議も「風邪で咳が気になるので」なんて感じで事前にのど飴をくわえていることを事前に伝えれば良かったのかも(意地悪でいつかからんでやろうと思った議員はそれに対しても難癖をつける可能性も否めませんね)。

飴なめて出席停止の市議に「初めに許可を得たらいいよね」

のど飴を舐めることによって上気道の潤いを保つことは風邪の予防効果はあると考えます。しかし、医薬品に分類されないのど飴が果たして咳を止める、あるいは咳が出ることを予防するのかについては疑問が残ります。

ちなみに診療中に風邪の患者さんがのど飴を舐めていても別になんとも思いませんが、風邪気味の医師がのど飴を舐めていたら多分クチコミサイトに悪口投稿されます。

インスタの反ワクチン界隈がスゴイことになっている件、怖い、怖い。


片山さつき氏厚生労働相に!!との報道には驚かされましたけど・・・

内閣の改造人事に関して某大新聞社が誤報を流し、医療関係者は奈落の底に一瞬ですが落ちました。

「片山さつき氏が厚労相」は誤り

医療関係者が冷や汗たらりとなった理由は片山さつき氏が反ワクチン活動の急先鋒とも言える某市会議員のことを持ち上げる発言が過去にあったからです。

科学的根拠のない反ワクチンさんが国民の健康をつかさどる厚生労働省の大臣就任なる事態が誤報であったことにほっと一安心(まあ、EM絡みの議員さんが科学技術担当大臣就任もかなりマズイですけどねえ)。

非科学的かつ医学的な根拠に欠ける反ワクチン界隈のご活躍の場がFacebookであったことは知っていたのですが、その活躍の場が今では

反ワクチン派がインスタ方面を賑わしている件を先日知りました

私はなぜかインスタはいじっていませんので、かなりの周回遅れでその事実を知りました。

常々まずは一次ソースを確認するべし、と言っていた私として絡んでいないインスタ界隈の一次ソース確認作業に手間取りはしましたが、

インスタ界隈にはびこる反ワクチン派の感染拡大に怯えてしまいました

例えば

https://www.pintaram.com/u/mee_mama_?uid=5530857475より インスタの場合、引用するときの著作権とか不明かつこのインスタの主が素人さんの場合を考慮してモザイク処理しました(著作権等を侵害している場合は速攻で削除いたします)。

ハッシュタグだらけの文章になんじゃこりゃ状態の私ですが、どうもインスタというものは第三者に見つけてもらうことが一つの目的らしいのでハッシュタグ多用は普通なんですってね。ってっことは「#インフルエンザ予防接種」とか「#HPVワクチン」とか「#ワクチン接種」とかを打ち込むと、反ワクチン派界隈の日々の検索努力によって当然のこととして、

下手にハッシュタグを使うと非科学的かつ医学的根拠のない反ワクチン陣営に引きずり込まれる

ことになっているようです。

反ワクチン界隈のスター医師「横地先生」って誰だ?

私がインスタ方面で活躍されている反ワクチン界隈のおぞましさを知ったツイッター上でも、いくつかのキーワードで見つけることができた素人さんと思われるインスタにも登場する「小児科専門の横地先生」がどうしても気になります。

この横地先生に関しては、トンデモ界隈ニセ医学系情報はそれなりにこまめにEvernoteに記録している中に確かあったはず・・・ありました、この医師で間違いないと思います。

http://yamabiko.dr-clinic.jp/より この医師は「やまびこDr.の診療日記」というアメブロ(アメブロっていうだけであっち方面のイメージを持つ方も多いかも)、以前からおかしなことを書き連ねていたことがしっかりと私のEvernoteに残されていました。例えば間違いな

トンデモ方面ニセ医学である胎内記憶の伝道者池川明医師の講演会をプッシュしています

「池川明先生講演会 in 山梨」のご案内

集会の自由は憲法で守られるものですから、どんな怪しげな非科学的かつ医学的根拠に欠ける講演会を開催することに難癖をつけるつもりは全くございません。一方で言論の自由も憲法でしっかり守られていますので、トンデモ医師に対する私のブログも詳細な個人情報の暴露等な悪趣味な傾向がない限り、非難されるものでないと判断します。

この池川明医師は先日は第98代内閣総理大臣安倍晋三夫人であらせられるアッキーを招いた講演会に絡んでいたことは以前ブログにしました。

胎内記憶のトンデモ池川医師と安倍昭恵夫人がタッグを組んだ??

トンデモ界隈の方々はなぜこのような有名人や政治家の力を借りようとするのか、その辺りもかなり気にはなりますよね。

自然派に興味を持つことは否定しないけど、トンデモにはご注意くださいませ

トンデモ方面の医師や料理研究家や美容研究家や管理栄養士さんを批判するブログを書く私に対する院内の風当たりがかなり強くなった時期がありました。

患者さんが減っているのは院長が過激なブログを書くからです!!キーッ

とのスタッフの批判に対して

患者さんが減っているとのデータを示してください

的な返しをする厄介な院長ではありますけど。まあ、ブログに対する診療中の電話にての苦情に対応するスタッフの苦労というか、不快感に対しては・・・ごめんね、苦労をかけて、ですけど(以前はクレーム対応専従とも言えるスタッフがいたのですが、今産休中)。

必要以上に化学物質に対して反応すること等がきっかけで自然派への道をご自分なりに勉強しつつ邁進する方はそれはそれで評価をしますけど・・・ハッシュタグを駆使して検索することによって、どう見ても医学的な根拠のない反ワクチン陣営に引きずり込む手段ってどうなんでしょうねえ。

このようなワクチン拒否派の地味な活動があるからとは言わないけど・・・インフルエンザ・風疹・麻疹はもとよりオーストラリアでは2028年に撲滅できるとさえ言われている子宮頸がんなんて予防できないわけで、地域密着型のクリニックを営んでいる私としては黙ってはいられません。

反ワクチン陣営の最終目的って何?と素朴な疑問

ワクチンの副反応被害に会われてワクチンの危険性を訴える行為は否定できません。その人が医師であった場合はかなり厄介なことになります。例えば「インフルエンザワクチンは打たないで」の著書のある母里啓子医師。

このかたはめちゃ古い群馬県の医師会が作成した研究である「前橋レボート」を持ち出して、その疫学的研究の間違いを指摘しつつ、インフルエンザワクチンが効果無いどころじゃなくて、副反応の危なさを色々な場所で開催される講演会に招かれて間違った医学知識をご披露しております。

わかりやすく解説します、インフルエンザ予防接種の効果の有効率・・・かなり誤解されています

医師としてワクチンのリスクを拡散することは、ゲスの勘ぐり的には講演会料収入や「先生、先生」と持ち上げられる自己満足以外にも何かあるんじゃ無いでしょうか。そういえば前掲のやまびこDr.の診療日記を書かれている医師って、なぜか布おむつを推奨しているし、アロマについても書かれていますし、もちろんステロイドも忌避していますし、さらには最近は誕生数秘学なるオカルト方面に対しての言質も見られます。

トンデモ医師界隈のビッグショットである「♪」医師の活動が最近聞かれなくなってきました

確かいくつかのSNSがアカウント停止したような記憶あり。まあ、トンデモ医師の世界は人材不足なんてことは無く、次から次とヘンテコな医師が登場する選手層の暑さに驚かされますぜ。

先日ノーベル生理学・医学賞を受賞された本庶佑教授の「科学誌9割はうそ」発言の誤読が多発しています。多分、反ワクチン界隈は

BMJやランセットやニューイングランドがワクチンの有効性を検証した論文を掲載しているけど、9割は嘘なんですよ!!

と勧誘文句をインスタ界隈で多用しているんじゃないでしょうか?怖い、怖い。

これもどーぞ

インスタ界隈でワクチンを拒否するための印籠が出回っている!!??

医療情報はネット記事のタイトルや広告に惑わされがちなので注意が必要です!!


■ノーベル賞を「免疫療法が獲得!!」は大きな誤解を招いています

医療系の記事を読むときに注意が必要なのが、とにかく全文読むこと。タイトル、見出しって呼ぶのかな、あれに目をさらっと通しただけで内容を理解したような気になってしまうのは将来的に問題が発生します。

しつこいようですが、2018年にノーベル生理学・医学賞(ノーベル医学・生理学賞との表記もあり。正式には生理学が前)を日本人の医学研究者本庶佑教授が受賞したことをあたかもがん免疫療法が受賞の理由とも読み取れる報道に対してこんなブログを書きました。

がん免疫療法がノーベル賞を獲得!!この表現は誤解を招き、怪しげなクリニックを歓喜させる可能性が!!追記あり

私が懸念していた事態が早々に起きてしまい、追記をさせていただきました。このがんの免疫がらみに関する医療機関のサイトに対して、医学に携わるものとしては書きたくても書けなかったパワーワードを使用したこのような記事があります。

コラム その検索は「死の商人」を召喚する

このような辛辣な評価もネット検索の問題点として、医療関係者のモラルが問われているのです。

■あのBuzzFeedが報じたノーベル生理学・医学賞でさえ、こんなに歪められてしまいます

媒体の好き嫌いはあるでしょうが、少なくとも医学関連記事に関しては綿密な取材の上で記事にしているバズフィード特にバズフィードメディカル(正式にはBuzzFeed Japan Medical)は医療関係者の中では高く評価されています。私は常々一次ソースを確認することの重要性を伝えているつもりで、新聞記事の斜め読みを危険視しています。これはバズフィードメディカルではなく、バズフィードの一般記事専門の記者さんが報じたもの↓

「ネイチャー誌、サイエンス誌の9割は嘘」 ノーベル賞の本庶佑氏は説く、常識を疑う大切さを。

この記事を転載したYahoo! JAPANニュースではこんなタイトルのトップになっちゃいます↓

科学誌9割はうそ 本庶氏説く

まあYahoo!の記事を読めばバズフィードが伝えたかったことは十分理解できるはず(だって、記事の内容は同じだから)。しかし、このYahoo!ニュースをツイッターで拡散するとこんな感じに↓

これだけ読んだ人はノーベル生理学・医学賞受賞の本庶佑教授は科学誌はウソを9割も掲載している、って解釈してしまう可能性が出てきます。

タイトルや見出し、小見出しだけを読むことはそれこそ死の商人を召喚することにも繋がってしまうのです。

■検索が「死の商人」を召喚するとは、どんなことなんでしょうか?

多分、ショッキングな「その検索は『死の商人』を召喚する」はノーベル賞絡み、免疫療法絡みのキーワードで検索しても検索結果に現れないと思います。この記事には重要なことが書かれていますので、お時間のある方、家族ががんと診断された方、ご自身ががん闘病中の方はぜひタイトルだけではなくしっかりと本文をお読みいただければと思います。

免疫療法で検索すると画面トップに広告が表示される→表示される広告の中には詐欺的な文言が並んでいる→必死で生きたいと手段を検索している人に悪影響→人の命を金のためにもて遊ぶ輩がいる→それが「死の商人」である

ということです。

■なぜこのような問題が発生するか?

ここからは理屈っぽい話になりますので、飛ばしていただいて問題ありません。

死の商人、というショッキングなパワーワードを目にしてしまった私はかなり動揺しています。多くの医療関係者が「インチキ治療」「ニセ医学」と酷評していても、医学的根拠のない治療方法が蔓延っているのはなぜでしょうか?それはネット広告だけの問題なのでしょうか?なぜどんながんでも治ってしまうような表現にヒトは引き寄せられてしまうのでしょうか?

医師は医師である上で大きな力とともに多大なる責任を負わされています。それは医師の裁量権です。この医師の裁量権を拡大解釈すると、自分は医師免許を保持している故に自分勝手な治療を推奨してそれを患者さんの提供しても構わない、ということになってしまいます。逆になんでもかんでもEBM(Evidence-based Medicine 根拠に基づいた医療)の指針であるガイドラインにそって治療してしまうことが果たして正しい医療なのか、との疑問も出てきます。

疫学データが蓄積されることは重要なことです。最終的に一番信頼度が高い研究はランダム化比較試験のメタアナリシスですが、これを医学知識の無い方に伝えることは、ただひたすらデータの提示にしかならない場合も出てきます。

医師にとって大切なことは裁量権を振りかざすためには「良心」がもっとも重要なのではないでしょうか?医師の裁量権を重要視するならば、その前に医師は常に正しい医療情報を患者さんに提供することが義務だと考えます。

話は戻りますが、本庶佑教授が伝えたいことは

自分の頭で考えて、納得できるまでやるということです

であり

研究者になるにあたって大事なのは「知りたい」と思うこと、「不思議だな」と思う心を大切にすること、教科書に書いてあることを信じないこと、常に疑いを持って「本当はどうなっているのだろう」と

だと解釈しました。believer(信者)ではなく、常にskepticism(懐疑主義)を大切にしよう!!ということです。

私はskepticism(debunker デバンカーという言葉が個人的には好き)を忘れずに微力ながら正しい医療情報を発信し続けます。

がん免疫療法がノーベル賞を獲得!!この表現は誤解を招き、怪しげなクリニックを歓喜させる可能性が!!追記あり


■がんの免疫療法の薬を開発したからノーベル賞を獲得したわけじゃない

2018年のノーベル生理学・医学賞は京都大学の本庶佑先生が獲得しました。先生の業績に関して「がん免疫治療薬を開発」と報じるメディアが多く見られます。

この報道の「がん免疫療法ノーベル賞受賞」に関して医療関係者から「ちょっと違うんだけど」とのささやきと共に

がん免疫治療といっても巷に溢れかえるがん免疫治療は似て非なるもの!!

との懸念が出てきています。というのも

ノーベル賞を受賞したのは免疫チェックポイント阻害因子の発見であり、免疫療法を発見に対してではありません

えっ、新聞の見出しはどこもかしこも「本庶佑さん がん免疫療法開発 ノーベル医学・生理学受賞」ってなってるじゃん、とお考えでしょう。でも本庶佑先生が研究していたのは、がんを治療する上で邪魔になっていた物質を特定したことでであり、さらにみなさんが免疫といったら「何々を食べて免疫力アップ」とか「体温を上げて免疫力を上げる」をイメージされる免疫療法とは全く違うものであることを早めに知っていただきたいと思います。というのも今、自由診療クリニックを中心として

日本では治療効果が明確ではないがん免疫療法が一人歩きしているのです

この危なかしい事態に対して今までいくつかのブログを書いてきました。

あの週刊現代が「がんの免疫療法はインチキだ!!」で医師から大絶賛!!

などです。しかし、今回の本庶佑先生のノーベル医学・生理学賞受賞によって「がん 免疫療法」とのキーワードで検索するとこんな状態になっています。

これらの医療機関および特定の医療機関への誘導を目的に作られたサイトで行われているがん免疫療法は真っ当な医師が思い浮かべるがん治療とはかけ離れたものなのです。

多くの医療関係者が懸念していた医学的に効果が証明されていない免疫療法を専門に行っている医療機関が速攻で今回のノーベル賞受賞をネタにしておりました(詳細は後述)。

■ノーベル賞医学・生理学賞を獲得から開発された薬は免疫チェックポイント阻害剤です

巷に溢れる限りなくニセ医学に近い「がん免疫治療」は真っ当な医学的検証を踏まえてものではありません。今回、ノーベル医学・生理学賞を受賞した本庶佑先生の研究はPD-1というタンパク質であり、このPD-1の働きを邪魔する薬が免疫チェックポイント阻害剤なのです・・・って言われたも多分多くの人にはよくわからないと思います。この図を使って説明します(https://www.ono-oncology.jp/contents/patient/immuno-oncology/step1_06.htmlより)。

がん細胞は免疫が働かなくなるような物質を自ら作り出します

そのがん細胞が自分自身を守る

PD-L1とPD-1が結合しなくなるような効果を発揮するのが免疫チェックポイント阻害薬なのです

巷に溢れかえっている「がん免疫治療」の広告からイメージされる免疫とはかなり違いませんか?捕捉:PDL-1はPD-1の受容体。

お時間がありましたらこのブログも参考にお読みいただけるとうれしいです。

高額がん治療薬「オプジーボ」、普通の人にもわかりやすいように問題点を解説します。

■yahoo!の「免疫療法」検索結果に至ってはこのありさまです

ネットを健全にする、ネット情報が検索結果として正しい情報を表示されかを研究されているSEOの神様と呼ばれている方のツイートです。

辻さんがおっしゃっているのは、yahoo!は病気関連キーワードで検索した場合に上位に信頼たる医療機関や研究機関のサイトが表示されるように工夫を凝らしているのに、この検索結果では正しい情報が表示されないで広告が表示されていることに対して苦言を呈していると思われます→「Yahoo!検索」が国立がん研究センターと連携し、検索結果画面で国立がん研究センター提供の情報を掲載開始

下手にこのyahoo!の表明を知った人だったら、この検索結果の上位に表示された医療機関は信頼たるものである、と誤解する可能性も出てきてしまいます。

■がん免疫療法を正しく知るにはこのサイトを利用してください

がん治療といったら国立がんセンター、なんてことは私は考えてはいません(理由に関しては諸事情がありまして自粛)。しかし、国立がんセンターの関連施設である「がん情報サービス」は一般の傾けのサイトを設けており、ここに書かれていることは間違いなく日本のがん治療に関しては信頼度No1と言えます。がんの免疫療法に関してはこのようなことが書かれています。

これまでの研究では、残念ながらほとんどの免疫療法では有効性(治療効果)が認められていません。現在、臨床での研究で効果が明らかにされている免疫療法は、「がん細胞が免疫にブレーキをかける」仕組みに働きかける免疫チェックポイント阻害剤などの一部の薬に限られ、治療効果が認められるがんの種類も今はまだ限られています。

ということは

免疫チェックポイント阻害剤以外は治療効果は明確じゃない!!

ということなんです。正確にいえばこの表に書かれている免疫療法だけが、治療効果あり、です。

国立がん研究センター・がん対策情報センター長の若尾文彦医師は昨年開催された「第12回がん診療連携拠点病院等の指定に関する検討会」においてこのように述べられています。

がん拠点病院の中にも、先進医療から外れた形で免疫療法を提供している病院がある

この当時と比較すると医療系広告の規制も厳しくなったいるとは思えるのですけど、いまだに「がん免疫療法」をウリとしている医療機関(ほとんどが自費のクリニック)であることに注意が必要です。

今回のノーベル生理学・医学賞受賞に便乗して「ノーベル賞を獲得した免疫療法!!」と大々的に宣伝する限りなくインチキに近いがん治療を行っている自由診療クリニックが出てくることを、真っ当な医学関係者は懸念しているのです。

■追記 すでにがん免疫療法ノーベル賞受賞を利用?したとも思える手法を駆使しているクリニック発見!!

今回のノーベル医学・生理学賞受賞の報道を受けてちゃっかりこんなブログをアップしているがん免疫療法専門クリニックがあるとのご指摘をいただきました。

https://ameblo.jp/sbc-menneki/entry-12409049797.htmlより

共同研究できてよかった、と述べているのは小野薬品の社長でありこのクリニックの医師ではないことにご注意ください。この記事中で

あきらめないがん治療。劇的な効果も期待できる最終手段、NK+オプジーボ+ヤーボイ投与

と書かれています。しかし、

オプジーボ+ヤーボイの併用は日本では悪性黒色腫のみが対象となっています

小野薬品「オプジーボ・ヤーボイ併用療法とは」

このクリニックでトッピングされているNKは多分NK細胞のことだと予想されます。しかし前掲の国立がん研究センターの効果ありとされる免疫療法にこのNK細胞は入っていません。このような医学的な根拠の薄い、治療効果に対しては大きな疑問がある独自の治療が許されているのが残念ながら日本の医療の現状です。

医学は日進月歩です。ひょっとしてこの治療方法が画期的な効果を挙げる可能性がゼロとは言えません。しかしながらまずは標準治療を選択するべきであり、論文ベースでは否定的あるいは論文になっていないような治療方法を選択することが、ベストであるとは言い難いことは知っておいて損はないはずです。

医療業界の権威が薦めるブロッコリーのサプリ・・・本当に効果があるの?


■素朴な疑問があります。医療業界の権威が薦めるからといって効果は実証されているのでしょうか?

今回も個人的に大嫌いなブロッコリーに嫌な絡み方をします。ちなみに前回ブロッコリーを原料としたサプリに絡んだのはこれです↓↓↓

ブロッコリーから作った特許取得サプリで、がんは治るのか??

ブロッコリーに恨みは無いのですけど、苦手な食材って誰にでもあるはずです。私の場合苦手なブロッコリーを母親にすすめられる度に「ブロッコリーって健康にいいのよねえ」と言われるのが心底イヤでした。「じゃあ、その健康に良い成分だけ抽出して薬になればいいじゃん!!そしたら飲む」なんてことを若かりし頃の反抗期に私は考えていました。

「健康にいいのよねえ」的評価を受けている

ブロッコリーの有効成分だけ抽出したサプリメントが登場しているです!!

Amazonで簡単に購入できるブロッコリーを原料としたサプリメントです。

どんな業界でも「権威」がある方はいらっしゃると思います

当然私が生業としている医学の世界でも権威と呼ばれる医師は多数存在しています。そんな権威ある医療関係者が推奨する治療方法であったとしても、医学も科学の端くれなので、「ありゃ、旧式の考え方」「あの人も昔はそれなりに頑張っていたんだけど」的に一度獲得した権威も長幼の序は守られつつも、ひっくり返されることも少なくはありません。前置きが長くなりましたが

医療業界の権威が薦めるサプリであっても効果が保証されたわけじゃない!!

ということをお伝えしたいのです。サプリメントの広告は病気の治療又は予防を目的とする効能効果を表記することは薬機法違反、身体の増強、増進を主たる目的とする効能効果を表記することも薬機法違反、薬に期待されるような効果効能を暗示することも薬機法違反と見なされることがあります。つまり

サプリメントの広告は効果効能を表記することが禁じられている

と法律の素人ではある私は解釈しております。そこで医療関係者への取材というか、インタビューというか、意見を広告記事とすることによってあくまでも「※個人の感想です」的に処理して薬機法に抵触しないような工夫が凝らされています。先日、アフィリエイターの方が医師になりすまして特定のサプリメントを販売した騒動があったことがありましたね、私もブログでこんなの書いちゃいました↓↓↓

ニセ医者疑惑急浮上!!内科医工藤って誰だ????

その後、バズフィードで記事になったのでご存知の方も多いと思います。このニセ医師になりすましたアフィリエイターが売り込んでいたサプリがブロッコリー を原料としたこれです。

http://www.brolico.jp/html/page3.htmlより 超有名私立大学医学部の教授であり、医学部長にもなられた医療業界の権威なんで、さすがの私もお名前と大学名はモザイク処理してしまいました。

長幼の序は知ってか知らずか少なからずとも儒教の教えが染み込んでしまっている私ですけど、この記事全体が醸し出す妙な空気について分析してみます。

■医療業界の権威の方の文章がかなりヘンテコリン

まずは言い訳を・・・私は文章を書くことが商売ではないので、趣味として書いているこのブログも誤字脱字は多数ですし、文章がヘンなこともしばしばです。しかし、医療業界の権威に書いていただいた推薦文(?)ってそれはそれは慎重に取扱注意物件のはずです。でもこの文章で「おお!!健康維持するにはこんなことに注意しなきゃ!!」って受け止めますか?

ストレスにも種類があり、何かに立ち向かうストレスと、受け身なストレスがあります。NK細胞を低くさせてしまうのが受け身のストレス、悲しいストレスなんですね。

それ続いて

若くて規則正しい生活をしている高等学校の学生などは、健康状態が非常に良いですが、期末試験なんかでお母さんが「試験だ!試験だ!」というと入試前に健康を維持できなくなるのも、ストレスのためです。

と書かれています。NK細胞の件に関しては、あとで解説しますね。

本題とは関係ないけど、高校生のことを「高等学校の学生」と表現するところに権威とお年を感じてしまいました。

この文章って明らかにヘンです。

期末試験でお母さんが「試験だ!試験だ!」と言うとなぜ「入試前に健康を維持できなくなる」のでしょうか?

入学試験前に「試験だ!試験だ!」とお母さんが言って、それが高等学校の学生のストレスとなりの、入試前に健康が維持できなくなる、との話ならまあ納得できます。

さらに推薦文と普通は受け止める記事は続きます。これも医療業界の権威がおっしゃった、あるいは書かれた文章とは思えないくらいヘンテコ。

ここで初めて具体的にブロッコリーを原料としたサプリメントの名前を挙げて健康維持について述べられています。

私が行った研究で、健康を維持できていない人に漫才を観てもらってゲラゲラ笑った後に調べたところ、健康なカラダの状態を維持できるようになりました。日頃から笑顔でいることが、今すぐ簡単にできる最高の健康法です

と述べられています。お言葉を返すようですけど

ええっ!!ゲラゲラ笑いと笑顔でいることはちょっと違うんじゃない!!??

なんて長幼の序に反するような高等学校の学生的に絡んでしまいました(ちょっとしつこいか)。

1番最初に分かったのが、大量のビタミンCです。注射するくらいのビタミンCを入れると健康な状態を維持できますが、普通の食物に含まれるビタミンCを摂るくらいではなかなか上がりません。

このビタミンCの大量投与はトンデモ医学の中でも非常に有名な案件です

ビタミンC大量摂取で病気を治す説を唱えだしたのは、ノーベル賞をダブル受賞した科学界の本物中の本物、大権威であるライナスポーリング博士であるとこが非常に厄介です。この高濃度ビタミンC点滴等に関しては関連ブログをどーぞ→

週刊朝日の医学記事は一線を越えてしまったようで・・・高濃度ビタミンC点滴療法でがん治療??!!

普通の食物に含まれるビタミンCではなかなか上がりません、って何が上がらないのでしょうか?

多分、免疫力が上がる、と書いちゃうと薬機法で禁じられている身体の増強や増進に関する効果効能を謳ってしまうからなんでしょうかねえ。最後のお言葉、非常に重要なんでぜひメモを!!

とにかく、長生きするためには、健康な状態を維持することが重要なのです。

ええっと・・・無言。

■NK細胞を使ったがん治療って確立された方法なの?

医療業界で謎の3大キーワードとされているのが「体温を上げて免疫力アップ」「免疫力でがんを治す」「体の毒素をデトックス」です。このブロッコリーを原料としたサプリがNK細胞を活性化、あるいは免疫力をアップさせる、ようなイメージをユーザーに与えていると読解力の無い私は捉えました。中高年以降を読者層とした週刊誌やネット広告で見かけるNK細胞を使ったがんの治療法はまともな医師の間で

NK細胞によるがん治療は科学的に効果が証明されていない!!

って判断されています。ご興味のある方は日本医科大学武蔵小杉病院腫瘍内科教授の勝俣範之医師のこの記事等をご参照くださいませ。

“画期的ながん治療”の罠(2)~エビデンス・ベースト・メディアのすすめ

今回取り上げたブロッコリーを原料としたサプリメントの広告には他に2名の医師が登場します・・・この方々が医療業界の権威である、と認識している医療関係者はごくごく少数と考えられるので割愛させていただきました。

そういえばトップに掲げたこのサプリ広告のキャプチャに注目を、上の方に「効果が口コミで拡大中」って書かれているけど、これっていいの???

ニセ医者騒動→彼が推奨したサプリは特許取得しているそうだけど、効果があるとことは別問題→医療業界の権威の推薦文(?)がへん、とシリーズ化しつつあるブロッコリーを原料としたサプリの広告、なんとなーく、あと数本ブログを書けるような記述がテンコ盛りです。

ブロッコリーから作った特許取得サプリで、がんは治るのか??


■ブロッコリー、がん予防効果があっても、がん治療に役立つかは疑問だらけ

ブロッコリーが健康に良さげであるのは大間違いではありません。ブロッコリーががんの発症を防ぐ可能性がありそうなのも間違いではありません(「A major inducer of anticarcinogenic protective enzymes from broccoli: isolation and elucidation of structure.」PMID 1549603などによる)。

しかし、

ブロッコリーを食べることによってがんを治す、これは間違いです!!

さらに

ブロッコリー由来のサプリでがんが治る!!は全く根拠なしです

ブロッコリー系のサプリはネット広告上に溢れかえっています。先日、ニセ医者騒動の主もしきりにブロッコリーの成分を含むサプリを推奨していました。

いかにもがんの治療に役立ちそうな表現テンコ盛りのブロッコリー系サプリには、もっともらしい特許取得とか患者さんの声とか臨床データ風のグラフが掲載されています・・・これらをじっくり調べてみるとかなりいい加減です。

家族ががんと診断された、ご自身ががん闘病中が「がんに良い食べ物って何だろう?」とネットを検索する行為は人として当然のことです。そんな方々の足元を見るかのようなサプリビジネスがネット上にははびこっているのです。

薬機法や医師法による取り締まりが厳しくなっている中、あの手のこの手でサプリの効果をうったえる広告手法にウンザリしている方はぜひ御一読いただけると幸いに存じます。

■特許取得=治療効果が証明、というわけにはいきません!!

「ブロッコリー サプリ」のキーワードで検索すると、こんな感じになりませんか?上位にブロッコリー系のサプリの広告が現れます。

たまたま、一番上に表示された「特許取得のブロリコ」の広告をクリックすると

こんな感じの宣伝文句が現れます。

https://lp.brolico.net/g_pc?utm_source=google&utm_medium=cpc&utm_campaign=jigyousho_002&gclid=Cj0KCQjw3KzdBRDWARIsAIJ8TMRJp5SFophGe2vwVkO8ztEbs4eHKPRKbDa4wXcpsPOzoLYV1Z7VXQkaAtfjEALw_wcBより 何でこんなにURLが長いの?という問題はひとまずおいといて、

おお!!天下の東京大学と共同で特許取得したサプリ!!こりゃ本物だあ

って普通は考えます。

でもねえ、この特許を調べて見るとこの

特許はこのサプリの治療効果を示したものではありません

・・・特許とかの専門家なら当然と考えるでしょうけど。

http://www.genome-pharm.jp/reseachresults/pdf/JPB_0005394233.pdfより 

薬の特許を取得する場合、実は実際に効果があるかを調べる臨床試験の前に特許を取得しなければならないのです(先に臨床試験の論文を書いちゃうと公開された情報と判断されて特許が取れなくなる可能性があるからだそうです)。

http://www.jpma.or.jp/ 「日米における医薬品の特許期間」より

つまり

特許を取得していても治療効果があるとは限らない!!

ということです(ここ重要ですから、ぜひメモを)。

おまけ:この特許取得に発明者としてお名前がある東大の先生のご専門は蚕です。特許も蚕の筋の収縮活性に関するものであることにご留意くださいませ。

■1000倍のパワーが確認・・・何のパワー???

サプリの常套文句として「乳酸菌が100億個!!」とか「シジミ300個分のオルニチン」ってのがあります。これって実は何を意味しているのかよくよく考えると謎。

乳酸菌が10個の場合と100億個の場合で何が違っているのか、個数が増えれば何かの効果が高くなるのかも不明ですし、シジミのオルニチンが一個分だとどれだけ体に良く、それが300個分になれば300倍効果があるとは考えにくいと思うのです。

あるブロッコリー系サプリの場合はこんな表現をしています。

https://lp.brolico.net/g_pc?utm_source=google&utm_medium=cpc&utm_campaign=jigyousho_002&gclid=Cj0KCQjw3KzdBRDWARIsAIJ8TMRJp5SFophGe2vwVkO8ztEbs4eHKPRKbDa4wXcpsPOzoLYV1Z7VXQkaAtfjEALw_wcBより これもメチャURLが長いなあ。

食品の活性率が1000倍以上!!って何がどれだけすごいの???

日常生活で「これって食品の活性率が10倍なんだよねえ」って使いますか?まだ乳酸菌が100億個やシジミ300個分の方が何となーく理解できます。

■ガン細胞も消滅するブロッコリーの成分???

確かにブロッコリーはひょっとするとがんの予防になるんじゃないの?との可能性を示す医学論文は多数存在しています。私が専門とする泌尿器科領域でいえば、ブロッコリーを食べると前立腺がんになりにくいとの結果の論文がいくつか存在します。

一方で「Phytotherapeutic interventions in the management of biochemically recurrent prostate cancer: a systematic review of randomised trials.」(BJU Int. 2016 Apr;117 Suppl 4:17-34.) のように残念ながらサンプルサイズが小さくて判定不可との論文もあります。

別のサプリ会社のこんな広告記事がありました。

https://gotcha-note.com/iherb_broccoli_supplement/より

ブロッコリーの成分、例えば「スルフォラファン」が試験管レベルでがん細胞にダメージを与えたとしても、スルフォラファンによってできてしまった人のがんを治療し、生存率が高くなるような治療効果を明らかにしたエビデンスレベルの高い医学論文は見当たりません。

ブロッコリーの成分が、がん治療効果あるのなら、なぜ医薬品にしないのでしょうか?

間違いなく医薬品にした方が値段も高く設定できますし、企業として儲けも大きくなるはずなんですけど・・・。

ブロッコリーが健康に良いとしても

ブロッコリーによる、がん治療は残念ながら今のところは確立されていません

ここでどうしても素朴な疑問が湧き出てきます。

実は遺伝子レベルでいうとブロッコリーもキャベツもカリフラワーもほとんど違いが無いのですが、何でブロッコリーだけがもてはやされるのでしょう?この理由、誰か教えてくれないかなあ・・・非常に個人的なことなんですけど、私ブロッコリーが大嫌いです。

ニセ医者疑惑急浮上!!内科医工藤って誰だ????


■内科医工藤です・・・この人って本当に医者???

先日から医療関係者の間で話題になっている超有名な医師がいます。その方のお名前は「内科医 工藤」。なんでこの医師が医療関係者の間で話題になっているかというと

どうも工藤医師は医師じゃない!!

と考える医師が多いからなんです。医師の世界って本当に狭くて、友達の友達レベルくらいまで捜索の輪を広げるとその人が本当に医師免許を持っているのか、医師と詐称しているのか分かってしまいます。

https://doctor-health-food.com/より

医師の知人がいない方は厚生労働省の医師等資格確認検索(https://licenseif.mhlw.go.jp/search_isei/)を使ってみて下さい。ほとんどの場合、

あなたのかかりつけ医が本当に医師であるか瞬時に判断できます

(この医籍登録を確認するサイト、かなり問題というか欠陥があることは後述)。あるいは、医師と称する人の発言内容から、「こいつ本当に医学を学んだことあるのか?」をうかがい知ることが出来そうだと多くの方はお思いかもしれませんが、これってかなり難易度高いです。

■内科医工藤さんは本当に医師であるか、医籍登録を調べてみると・・・

内科医工藤さんが運営しているサイトがあります。その「医師が教える長生きのための食事術」っていかにもありそうなタイトルなので惑わされた方も多いのではないでしょうか?

さらにツイッター上にここんところ頻回に流れてくる内科医工藤さんの健康に関する格言を信じ込んじゃっている方もいるとかいないとか。そこで前述の厚生労働省の医師等資格確認サイトに「工藤 弘樹」といれると(姓と名の間に必ずスペースね)・・・

内科医工藤さんのフルネームは「医師が教える長生きのための食事術」の下の方の記述により「工藤 弘樹」であることがわかります。

ジャジャジャジャーン、条件に該当する医師等は存在しません!!

との結果が得られました。この検索サイトには

氏名の文字や職種・性別に誤りがないかを確認願います。

なお、この検索システムは、医籍(歯科医籍)の氏名に対応しているため、旧姓等の利用により、登録名と利用の氏名が異なる場合等は検索できません

との注意書きがありますので、性別や氏名の文字等をゴチャゴチャいじくり回しても、やっぱり当該者なし。このシステムによって内科医工藤さんが医師じゃないのでは説が強まっていくのでした。

この医師等資格確認サイトはいくつかの欠点というか問題点がありますのでご注意ください。これは二年に一回厚生労働省から医療機関に所属する医師を提出してね、との調査票が届き、それを各医療機関が提出することによって初めて登録が完了します。その二年の間に結婚等にて姓が変わったり名が変わったりした場合は医籍登録が確認できないで、にわかニセ医者疑惑が浮上してしまいます。

さらに医療機関の事務サイドがうっかりミスをしでかして書類に従事している医師の名前を書き漏らすことも無いわけではありません。

さらにさらに二年に一回の調査なんで医師になりたての場合は当然のこととしてニセ医者疑惑が浮上してしまう可能性を含む検索サイトであることを書き加えておきます。

■医師が書いたとされるサイト内の記事からニセ医者を見分けられるか?

えーっと、医師と称する人の発言内容や署名記事からその人が本当に医師免許を持っているのかを判別する、これって非常に難易度が高いです。

https://twitter.com/naikaikudouより

明らかに医学の常識というより、

科学の常識から逸脱した発言や記事があったとしても、正真正銘の医師免許保持者ってことも少なからずあります

今まで私がトンデモさんとして取り上げてきた、突拍子もない説をのたまっている方々も残念ながら医籍登録されています。どんな業種であろうと、どんなグループであろうと一定の確率でバグが存在してしまうのです。

この内科医工藤さんの場合、やたらめったらに記事内で特定のサプリを推奨していることによって、「こいつ怪しい、ニセ医者かあ?」と考え、記述がどうみても一般書籍レベルであることからも「限りなくニセ医者っぽい」と多くの医療関係者が考えた次第です。

内科医工藤さんが唱える「長生きのための食事術」のどのへんがどんな具合にヘンテコリンなのかは、追って報告予定です。

■昔からあるニセ医者問題

私が子供の頃もニセ医者問題は当然のごとくありました。その当時は旧日本軍の衛生兵であったり、看護師であったり、全くの無資格者が近所で名医と評判で本当に驚きました的な新聞記事がありました。ニセ医者問題の解決方法として厚生労働省は医師等資格確認検索サービスを開設したのでしょうけど、前述のようにこのシステムも完璧ではありません。

医師って本当に狭い世界で生きているために「誰々って知っている?」と尋ねることによって「ああ~、あいつねえ」的に少なくとも医学部に所属していたことを確認することはたやすいです。

また、問題が無いわけじゃないですが医学部への進学ができる高校もある程度限られていることによって高校時代の友達に尋ねるという方法もあります。

さらにさらにこれまた問題ではあるのですが、東医体とか全医体とかの運動部つながりによって「誰々って知っている?」と尋ねることも可能です。

一般的には医師と名乗る人物の経歴をたどれば高確率で自分の医師友達となにかしらのつながりがあり、それを頼りに「こいつは医師である」と確信するという非常にアナログな手段が残念ながらメインとなっています。

となるとあなたが医師だと思っている人が本当に医師免許(これは写真入りでもないたんなるお免状形式)を保持いない可能性も無いわけじゃありません。ただ一つ確実な方法は所轄の保健所に問い合わせてみてくださいませ(個人情報とかは言わないとは思いますけど・・)。あるいは出身大学を尋ねて、その大学出身者に聞いてみる方法もあります。

内科医工藤さん、もしあなたが本当に医師であるなら医籍登録の番号をお尋ねするようなことはしませんので、せめて出身大学(追記 出身大学は東京慈恵医科大学とプロフィールにありました。絶対ではないですが、慈恵出身の医師は東京慈恵「会」医科大学と書く傾向があります)卒業年次だけでも教えてくださいませ。

関連ブログ
この人がしきりに推奨しているのがブロッコリーを原料としたサプリで、がんも治っちゃうらしいです。

ブロッコリーから作った特許取得サプリで、がんは治るのか??

「3分でほうれい線を飛ばす」どうでもいい話ですけど気になります。


■「ほうれい線を3分で飛ばす」方法がクラウドファンディングで資金集めに違和感を

アイディアはあるけどそれを商品化したりする資金が足りない時に利用すると便利な仕組みが「クラウドファンディング」です。私は今まで大宅文庫の存続をかけたクラウドファンディングを支援したり、世界の子どもに天体望遠鏡を配布するクラウドファンディングを支援した経験があります。

スモールビジネスを育て上げるパトロン的なクラウドファンディングにはあまり興味はありませんでしたが・・・ある美容家のクラウドファンディングにはちょっと前から注目していました。無事に先日目標額に達しプロジェクトが成り立ったようなので今回のお題とさせていただきます。

https://camp-fire.jp/projects/view/91476より

3分でほうれい線を飛ばすリフトアップは医学的にみて可能か?

このプロジェクトの肝である「3分でほうれい線を飛ばす」ことが医学的に考えて可能であるかの検証(まず無理)をして見たいと思いますけど・・・まず、のっけからこの表現方法は厚生労働省の医療広告ガイドラインに抵触します。

この美容家さんは医業を営んでいるワケじゃないので、医療広告ガイドラインに則る必要は当然ありません。ちなみにガイドライン上問題となると思われるのが「3分」で、医学的な常識の範囲を明らかに逸脱していると考えられます。美容家であったとしても、一般的に誇大な表現として解釈されると不当景品類及び不当表示防止法とかに抵触するような気がしないでもありません(この辺りは法律の専門家にお任せ)。

3分でほうれい線を飛ばすリフトアップはクラウドファンディング利用はなんだかなあ・・・。

さらにこの3分でほうれい線を飛ばすDVD作成プロジェクトの精査を行ってみます。例えばどの金額が人気があり、そのリターンはなんであるかとは今後クラウドファンディングを利用することを予定している方にも役立つヒントがあるかもしれませんしね(棒)。

なぜこのクラウドファンディングは北海道の震災のチャリティと関係しているの?

さらにこの3分でほうれい線を飛ばすリフトアップDVD作成&佐世保活性化プロジェクトがなぜか北海度の震災に対してチャリティまで行っている理由はなんなのか?に興味津々です。

■3分でほうれい線を飛ばすことは医学的に可能か?

クラウドファンディングってプロの投資家にお金をつぎ込んでもらう手間暇を考えると、スモールビジネスを始めようと考えている人にとっては有効な手段だと思います。しかし、この

3分でほうれい線を消すのは無理です

ほうれい線を薄くする、目立たなくする治療は美容系医療機関で非常に人気の高い治療方法です。シワの治療として有名になったボトックスはほうれい線治療には全く役立ちませんし、ほうれい線はヒアルロン酸の注入だけでは到底歯が立たない難易度の高いかつ悩める方の多い部位です

3分でほうれい線をなくす、消す、だと厚生労働省あるいは国民生活センターから注意されますので、「飛ばす」との表現を使用したのでしょうねえ。

■3分でほうれい線を飛ばす、これに支援したパトロンの見返りは何?

このプロジェクトがどうだこうだと言っているワケじゃありません。非常に面白い傾向を支援が見ることができます

一番支援者が多いのがリフトアップDVDとプロジェクトで作るDVDの見返り

この見返りがちょっと曲者。クラウドファンディングで製作する予定のDVDが特別価格で購入できるというリターン、これかなり違和感があります。というのも実際は定価7800円で販売予定のDVD、これを5000円で購入できる権利を得ることがこのファンディングの見返りだそうですが・・・普通パトロンってただでもらえるんじゃないの?さらにこの方、ファンディング成立前にセミナー開いてるじゃん!!

https://www.facebook.com/events/221072272100945/より このセミナーは台風21号の影響で中止になった様子です。この受講料が5000円でしょ、クラウドファンディングでDVDを特別価格で購入できる権利が5000円でしょ・・・色々なことが頭の中をグルグル回っちゃうのでした。

38万円の支援者はゼロ、そのリターンもなんか変です

高額の支援をするとこの美容家さんのノウハウを伝授してもらえるようです。この価格ってよく見かけるセミナービジネスの受講料というか、免許皆伝料に近いものを感じたのは私だけじゃないと思います。

目標額は50万円、ご自分で手配できなかったのでしょうか?

ご自分で事業を行なっている上で50万円がご用意できなかった諸事情があるのかもしれません。しかし、経営者でありこれから新規事業とも言えるDVDの製作に取り掛かるにあったって50万円をファンディングで集めるのってなんか変な気持ちがします。

■北海道の震災のチャリティが組み合わさってしまう理由が不明

実はここからが本題です。美容家さんが効果があるか無いか(医学的にはあり得ない)は不明のほうれい線を飛ばす方法をDVD化しようが、セミナーを行おうが、セミナーのチケットをクラウドファンディング方式で販売しようが、それはビジネスの一方法として非難されるものでは無い、と大人の解釈をします。しかし、なんんでクラウドファンディングが北海道の震災のチャリティーを一緒くたになってしまうのでしょうか?

https://ameblo.jp/muse-maki/entry-12403572943.htmlより

セミナーの受講料の一部を震災の募金に当てるようですけど・・・

豪雨や地震などの災害に対するクラウドファンディングは具体的にどのような援助に費用が使用されるのが明確であり、日本赤十字社の義援金には規模は到底及びませんけど、それなりに有効な支援方法の一つだと考えられます。今回の平成30年北海道胆振東部地震に対するクラウドファンディングも立ち上がり、無事にプロジェクトは成立しています。

https://readyfor.jp/projects/A-PADJapan-201809/announcements/85279より

3分でほうれい線を飛ばすセミナーの受講料金の中から1000円を北海道地震募金クラウドファンディング(ママ)に募金するそうです。でも

この度の台風21号、北海道地震により、被災された皆さまの少しでも早い復旧をお祈り申し上げます何かやらなければ!!という気持ちが高まり緊急で北海道地震へのチャリティ企画として、そして私の美容家友達の●●さんクラファン応援としてイベントを立ち上げました!

氏名は私が勝手に伏字にしました。セミナー形式をとったクラウドファンディングの応援とチャリティ、なんだか違和感あるなあ・・・。

違和感は私の考えすぎである、でも3分でほうれい線は消えません

私がクラウドファンディングの知識に乏しいが故に「なんか変だなあ」と感じたにきまっていますよね。一瞬であってもクラウドファンディングを利用してセミナービジネスの宣伝をしている、と感じてしまった私の歪んだ心を反省いたします。

おまけ:ワードプレスに目次機能を搭載してみました。目次が気になってスラスラとブログが書けなくなってしまったので、この目次機能は慣れるまでは使用は控えようっと。

トンデモさんの逆襲だあ!!こんなに溢れかえっているヘンテコな医学情報。


■観察を怠っていたらヘンテコな医学情報が氾濫していた

へんてこりんな医学情報をウォッチングすることを趣味にしていた私ですが、ここ数ヶ月ちょいと他の件でゴタゴタしていたためにトンデモウォッチングを怠っていました。ボチボチ様々なゴタゴタが解決の目処がつきだしたので、iPad片手にトイレに入っていてスマートニュースなぞをサクサクと目を通していたら

大量のトンデモ医学情報がジャジャ漏れ状態

別にこんなバカバカしいトンデモ医学を放置しておいても、俺には関係ないや的な態度を取ることも大人の対応なんでしょうけど・・・久々に

ネット上の医学関連情報がどれだけトンデモであるか

をブログにしてもバチは当たらないだろうし、皆様がお楽しみ中の連休でもあるので読んでくれる人も少ないだろうとの予想の元に以下の三つのネット上で見かけたトンデモ医学3題を検証してみますね。

1:なぜ、やせているのに中性脂肪やコレステロール値が高いのか?
https://beauty-men.jp/56518より

2:秋は体が老ける!? 理学療法士が教える、免疫力がアップする食生活
https://fytte.jp/healthcare/35407/より

3:冷えとり名人が指南/体操編①「振り子運動」で簡単気功
https://ourage.jp/column/karada_genki/146513/より

今回お題とさせていただく媒体であるMen'sBeautyもFYTTEもOurAgeも今までみたことも聞いたこともない健康情報サイトです。こんなサイトを教えてくれるスマートニュースって本当に暇つぶしにはもってこいですね、ぜひ「貴様」もアプリを入れることをお勧めいたします(笑)。

■高コレステロールや高中性脂肪を「体質です」で片付けちゃう、って凄い!!

血液中のコレステロールや中性脂肪が高いことを高脂血症と呼ぶことは多くの方がご存知だと思います。コレステロールは生物の細胞を包みこも細胞膜やホルモンの原料であり人体が生きるために必要なものです。中性脂肪は人間が活動する上でのエネルギー源であり、万が一用として皮下脂肪として蓄えらています。コレステロールも中性脂肪も人間にとって必要不可欠な物質なのですが、両者ともに必要以上に高くなってしまうと動脈硬化を引き起こしてしまい、心臓は脳の病気の原因となってしまいます。

血液中のコレステロール値が高い、中性脂肪値が高いからといって即肥満が頭に浮かぶ方も多いためにMen's Beautyでが痩せているのに中性脂肪やコレステロール値が高い場合はどのような対策を取ればいいかを健康関連記事にしたようですけど・・・

中性脂肪やコレステロール値が高いのは体質です!!

の一言で片付けちゃう非常に勉強になる内容となっています。

A 血液に脂肪がとどまりやすい体質の可能性あり。ストレスにも要注意やせているのに中性脂肪が多い人は、食事からとった脂肪が皮下脂肪や内臓脂肪よりも、血液中にとどまりやすい体質なのかもしれない。

と非常に投げやりなご回答。さらにコレステロール値は善玉と悪玉に分けて考えることが一般化されていますが

総コレステロール値や、悪玉コレステロールといわれるLDL-コレステロール値が高いのも、そういったものがつくられやすい体質とも考えられる。

とあっさりのご回答。取材に応じられた医師は正直な方だと私的には非常に好感度高しです。多分、取材した側はどんな運動をすれば良いのか、どんな食生活をすれば良いのか、との回答を期待したのでしょうけどね。

厚生労働省「食事摂取基準の策定」より

以前は厚生労働省が「日本人の食事摂取基準」の中で、1日に食べて良いコレステロールを含む食品の量を男性750ミリグラム、女性600ミリグラムとしていたのですが、この基準が2015年から無くなっているのです。要するにどれだけの食べ物を摂取すると、どれだけ摂取すれば良いかの十分に科学的な根拠が無いことがわかったためです。

取材する媒体の予想を裏切るような回答をされた医師を尊敬するとともに、これを記事にしてサイトに掲載してしまう豪気なMen's Beauty、これから目を離せない健康関連情報サイトです。

■体温を上げると免疫力が上がる・・・この定説化された医学関連話って本当?

体温を上げると免疫力が何パーセントアップするとの話はなんとなく常識化されているのですが、この理論って人間において実証されているのでしょうか?動物実験レベルや試験管レベルで証明されたメカニズムであっても、それがそのまま人体に通用する理論となると限らなことは誰でもわかることだと思います。以前、製薬メーカーのサイトに体温を上げると免疫力がアップするとの話が書かれており、これを徹底的に追求したのがこれ↓

製薬会社HPの「体温を上げて免疫力アップ」???なので電凸しましたレポート!!

結論としてこの考え方を明確にした医学系論文は存在しなかったのです。FYTTEというちょっとオシャレ系の健康関連情報サイトでは

とくに夏から秋は気温がぐっと低くなるので免疫力が落ちます。人間は体を一定に保とうとする働きがあって、例えば体温だったら36.5度くらいを保とうとするのですが、この体温が下がれば下がるほど免疫力も落ちてしまいます。このとき、体にしっかり栄養がとられていないと、風邪をひいてしまうんです。

と書かれています。外気温が下がると体温も下がるのでしょうか?人間の体はホメオスタシスによって環境がちょっと変化したくらいでは影響を受けないような仕組みになっています。寒い季節であろうと暑い季節であろうと体温に変化はない、あるいは逆に基礎代謝は寒い季節に高く、暑い季節には低くなることが研究でわかっています。

さらに

季節の変わり目は、「活性酸素」も増えがちです。活性酸素は体を酸化させて疲れやすくします。

とも書かれています。日本は季節の変わり目が年に4回ありますが、風邪を捉えた場合に本当に季節の変わり目に患者さんは増えるのでしょうか?例えばこれ↓

https://www.kenporen.com/study/toukei_data/pdf/chosa_h29_03-3.pdfより これは健保連のデータですが、風邪で医療機関を受診した人の数です。季節の変わり目に風邪の患者さんって増えているようには見えません。

どう見ても季節の変わり目に感染症が増えてるというより、秋である9月10月は感染症がはやる季節とは言い難いようにしか見えませんよね。

またこの記事を書かれた理学療法士さんは「食欲の秋」は「よくかんで」食べすぎ防止!との見出しに対して

もう1つ気をつけたいのは「食べすぎない」ということです

と書かれています。

食べ過ぎ防止策として「食べすぎないこと」って当たり前じゃん!!

そんなこんなでこのFYTTEという健康関連サイトももう少し気の利いたコメントが欲しかったかもしれませんけど、食べ過ぎ防止策として食べすぎないことなどという安直な小学生にもわかるような原因と結果を掲載するほど健康ネタのにはお困りの様子です。

■とうとう出ました「冷えとり」さん

「冷えとり」というトンデモ界隈では有名なニセ医学があります。

ニセ医学だよね、「冷えとり」のために、なんで靴下だけ重ねばきをするの??!!

これはある方が多分体温を上げると免疫力アップに触発され開発した医学的な根拠は全く無いと言って差し支えのないニセ医学的健康法です。この冷え鳥の一つとして、靴下を重ねばきさせる方法がありますが、これを赤ちゃんに行うと非常に危険なんです。

乳幼児突然死症候群のリスクとして「着せ過ぎ」が明確になっています

OurAgeという健康関連サイトで冷えとりがシリーズ化される模様ですがされる模様ですが、この記事を担当している鍼灸師さんは冷えとりさんプラス気功の信奉者であることが記事から伺えます。

https://ourage.jp/column/karada_genki/146513/より 

意識的に体を動かして体と心を緩めて、と美津さん。振り子運動は“スワイショウ”というベーシックな気功

であり

上半身の気の乱れを整えるので、腕をぶらぶら振っているうちに、頭を離れなかったアレコレも"ま、いっか"となり、心も体も軽くなる

らしいのですけど・・・

気の乱れ、って何ですか???気の乱れはどのように観察できるのでしょうか?

といった素朴な疑問がわいてきますよね。測定不可能な気の乱れを「振り子運動」を行って改善した場合、どのような方法で治療効果を測定するのでしょうか?「ああ〜、心も体も軽くなった」と患者さんが述べる以外に効果判定ができないと思うのは私だけでしょうか?

ネット上の医学健康関連情報って本当にいい加減ですね。誰にも頼まれていないし、余計なお世話でしょうけど、医学健康関連サイトは目が離せません。

小林よしのり氏の「女性医師の外科手術はいやだ」発言批判に対する反論、ちょっと事実誤認ではありませんか?


■小林よしのり氏の「女性外科医はいやだ」関連発言は医療制度等に関しての発言ではなかったと思います。

おぼっちゃまくんは全巻持っていますし、差別問題に関する小林よしのり氏の漫画には「なるほど、そうだよなあ。優しい気持ち持っている人なんだよなあ」と感じていた時期もありました。ここ数年というか数十年小林よしのり氏の発言を雑誌やネット上で見かけて「おお、そうだよな」と感じる時もありましたし「それはちょっとねえ」と思ってしまうこともありました。

しかし、週刊現代の「命にかかわる、新聞がなんと言おうと女性医師の手術はいやだ」のコメントに関しては100パーセント同意できません。そのため、私は

週刊現代「女性医師の手術はいやだ」は稀に見る悪記事!!エビデンスつけて反論します!!

を書きました。私のブログを参考にした中村幸嗣医師のブログをお読みになった小林よしのり氏の記事がBLOGOSに掲載され、意味合い的には中村医師への反論とも受け止められるような書き出しになっています。小林氏の反論はそれなりに支持されている様子がSNS上では見られます。そして日本の医療の方が欧州の医療システムよりユーザビリティが高いとの前提で話が進められています。でも、この前提にかなり間違いというか誤認識があるのです。

中村幸嗣医師のブログ

小林よしのり氏のブログ

http://blogos.com/article/325410/より

■私は小林氏の「女性医師の手術はいやだ」におけるこの発言を批判しました

しかし、週刊現代中では小林よしのり氏の発言中には日本の医療制度に関連する発言があったとしても、私が問題としたのは次の発言です

手術を受ける患者の立場になれば、女性より男性の医師が安心だという感情は誰にでもあると思います

であり

なぜ女医の外科手術に不安を覚えるかというと、身体的特徴があるからです。何時間もかかる手術の間は立ちっぱなしで、集中を維持しなといけない

そしてそれに続く

生理中だったり、妊娠中だったりしたらどうなるか

・・・男性医師だってアル中やニコチン中毒、借金問題や離婚問題を抱えていることだってありますけどねえ。そして締めの言葉的な

彼女たちも身体的に不利だから、外科医を目指さないわけでしょう

です。身体的に不利とは具体的にどんな点なのでしょうか?

これらの発言は全く小林よしのり氏の思い込みであり、根拠となるようなデータや論文はありません。ただの嗜好とか選り好みとも言えなくはないですよね。

私は世間一般で言われるフェミでもありませんし、スタッフからは院長は女性心理がわかっていないとしばしば言われています。小林よしのり氏は男尊女卑が激しいと言われている福岡市のご出身ですが、私は福岡より男尊女卑が激しいのではと言われることもある熊本をルーツとしています。

私はデータというか根拠(エビデンス)に基づいて前掲のブログにて女性外科医が男性外科医より劣っていると考えるのは感情論、思いつきであると指摘したのです。

中村医師のブログを受けて小林よしのり氏はは「欧州の医療システムは導入できない」をBLOGOS誌上に投稿されました。このブログに書かれている欧州の医療システムが小林よしのり氏の勘違いあるいは資料の誤読であるとツイッター上で指摘しました。

■小林よしのり氏のこの記事のどこが変だと感じたのかをブログとさせていただきます

小林よしのり氏は「欧州の医療システムは導入できない」でこのように述べています。

欧州では利用者が好きな時に、好きな町医者や大学病院を選ぶ自由はありません。セカンド・オピニオンなんて気軽に聞きに行く自由などないのです。医療センターに電話して、指定されたかかりつけ医・家庭医に、指定された日に行くしかないのだから、緊急の体調悪化の場合、治療が手遅れになるかもしれない

なんとなーく外国の医療システムってこうなっているんだよねえと思わせる一文ですが、これは明らかに誤認です。

まず欧州とざっくりひとまとめにしていますが、欧州と呼ばれる国々は50カ国以上あります。一般的にヨーロッパといって思い浮かべる国は英国・フランス・ドイツ・イタリアあたりではないでしょうか?

これらの国だけでも税制も違っていますし、保険医療を含む社会保険システムも違っています。英国等の国は日本と同じレベルの医療を提供していると考えて差し支えないはずです。では各国の医療制度を簡単に説明します。

英国:国民保健サービス(NHS)と呼ばれる医療制度が基本です。これを利用すれば原則自己負担なしで医療を受けることができますが、残念ながら小林氏の指摘するように気軽にいつでも受診できるわけではありません。しかし、別にプライベート医療サービスもあり、この場合は希望する医療機関を受診でき、待ち時間もNHSと違ってあまり待たされません。自己負担ですが、個人的に保険会社と契約を結んでいると医療費は保険でカバーされます。しかし、緊急を有する病状であレバ、NHS未加入であってもNHSシステムに組み込まれている医療機関を受診できます。

フランス:自由と平等の国、フランスの医療制度はかなり複雑ですが、治療が必要と考えらえる場合は重症度に関わらず、医療機関を受診することができます。緊急性のない場合は小林氏が指摘されているように直ぐに好きな医療機関を受診できるわけではないのですが、私が尋ねたフランス人やフランス在住の日本人によれは「いろんな事情があるんだよねえ」との不明朗な回答でした。

ドイツ:大学病院は普通の患者さんは一切診察しないで緊急性のある症例に限って受け入れています。一般の医療機関を受診するときは予約制が主ですが、ドイツ人の友人に尋ねたところ、英国のようにここの地域の人はこのクリニックしか受診できないわけではありません。

イタリア:イタリアは国の財政問題等を抱えているためか、医療費は日本のような国民保険でカバーできる人と保険医療はできないいわゆる自由診療が混在しています。また公的病院に勤めながら医師が個人でクリニックを開業している例も多く、この場合は予約制のためにあまり待たされないとのことです(ご両親がイタリア人の友人談)。

このように欧州と言っても国々によって医療機関のシステムは大きく違っています。小林さんが書かれている欧州の医療とはちょっと違っているのではないでしょうか?(欧州の医療システムに関しては月刊「診療研究」海外レポートや日本医師会雑誌の切り抜き、外務省及びウィキ等の内容を私なりに整理しました。)

また「セカンド・オピニオンなんか気軽に聞きに行く自由などないのです」と書かれています。小林さんの言うところのセカンド・オピニオンってドクターショッピングのことなんじゃないでしょうか?日本でもセカンド・オピニオンを受け入れている医療機関の多くは予約制で直ぐに相談できるわけではないでし、相談料は100パーセント自己負担と定められています。

タイトルにあるように欧州の医療システムは導入できない、はそれぞれの国の事情があるので間違いでないでしょう。しかし、海外の医療システムはこんな風になっている、ということ前提に論じていますがその前提が間違っていたら素晴らしいご意見も台無しになってしまいます。

■小林よしのり氏の最後の言葉をどう受け止めるか?

今回取り上げたBLOGOSの最後に

日本の医療に関しては、男女平等なんかより、もっと重要な問題があるはずです。

と書かれていますが、「男女平等なんかより」以下の文章は医師全員が納得するはずです。世界と比較して気軽にいつでも受診でき、それが国民皆保険制度によって自己負担が少なく世界レベル、あるいは世界でも何番目かに位置するであろう医療機器による検査が受けられ、さらに苦情も他のサービス業と言われる業種よりダントツに多いのが日本の医療システムです。医師の長時間労働、医師のサービス残業、患者さんの過大な期待に押しつぶされる医師も少なからずいます。これは男女ともに抱えている問題です。

医療系に対する悪質なクレームがダントツです。小林さんは男女平等よりもっと重要な問題があるはず、とご指摘になっています。男女平等より命に関わる問題だからと言って今そこにある問題は解決するのでしょうか?

今回の週刊現代誌上における小林よしのりさんの発言は本当に伝えたいことは端折られれているのかもしれません。しかし、今現在日本が面している大きな問題の一つとして医療を取り上げてくれて話題になり、様々な議論がなされることは大歓迎です。しかし、医療に携わるものとして、医師の半数が女性医師になる時代は目前ですから、この問題に優先順位はつけられなくは無いと考えます。

まずは、今働いている外科系の女性医師がより働きやすい環境整備、そうすれば男性医師と技術的に差がない、あるいは優れている女性医師がさらに活躍できるはずです。

LAKUBI(ラクビ)というダイエットサプリの広告が凄過ぎる!!衝撃の真実を追求しました。


ダイエットサプリ「ラクビ」は本当にサイエンス(Science)に掲載されたの?

ダイエット用のサプリ、スマートニュースかグノシーかで見かけたことのある広告がとうとうツイッター上にも出てくるようになりました。これどう見ても怪しげですよね。

テレビで紹介されようが、テレビで話題と言ってもどうせ健康関連バラエティ番組でしょう的に一定レベル以上のリテラシーを持った方は解釈するはずです。

しかし

この「LAKUBI(ラクビ)」ってダイエットサプリはなんとサイエンスに掲載され

ってことがこの広告には書かれています。サイエンスと言ったらそれはそれは権威ある格調高い科学誌なんで、これが本当なら疑り深い一定以上のリテラシーを持ち合わせた人でも信じてしまうのでは無いでしょうか?

ちょっと時間があったので、このテレビで話題かつサイエンスに掲載されたダイエットサプリ「ラクビ」について事細かに調べましたので報告いたします。

追記:そういえば先日取り上げた商材も「LAKUBI(ラクビ)」でした。

NHK絶賛?と称する腸内フローラダイエット。これって本当に効果あるの?

クリックしまくっているので、色々なパターンの広告が配信されるようです。

「ラクビ」が世界的に権威のあるScienceという科学雑誌に掲載されたと言うけれど・・・無いじゃん!!

薬機法の改正や医療系広告の規制によって健康関連グッズの広告はかなり厳しく制限されています。もちろんサプリといえどもこれらの規制を受けるはずなんです。

理系のオッサン的にはサイエンス(Science)に掲載された論文は一定以上のクオリティが保証されたものと捉えがちです。このダイエットサプリのラクビ関連の論文がサイエンスに掲載されたとなると一気に信頼度が高まるのです。

この広告では何年何月何日号に掲載されたのかは記載されていませんので、サイエンスの表紙の画像から基となった論文を見つけようと試みました。このサイエンスの表紙は非常に特徴があり「Asteroid Itokawa」というタイトルが書かれています。

http://dietbeauty.tokyo/archives/509より

サイエンス(Science)があの小惑星探査機「はやぶさ」がサンプル採集を行なった小惑星「イトカワ」を取り上げた号を見つければ、ラクビ関連の論文を読むことが可能と考えて、探しに探し回ってついに「イトカワ」を表紙にしたサイエンスを突き止めました。

ラクビのことが掲載されたと称しているサイエンスは「Science Vol. 312, No. 5778」なのですが・・・

ラクビのことなど一切書かれていません

まあ腸内細菌に関する論文が二本掲載されてはいますが、どれもこれは実験段階、つまり人間に対しての効果を報告した論文なんて一切掲載されていません(このURLでサイエンスの論文のタイトルを見ることができます http://science.sciencemag.org/content/312/5778)。

ラクビの販売会社はここまで追求されるとは予想していないかったと思われますが、世の中には暇なオッサンもいることをご承知おきくださいませ。

「ラクビ」が減らすという、「デブ菌」ってそもそも何?

ひょっとしたら私が間違えていて、サイエンスの他の号にラクビ関連論文が掲載されている可能性もありますので、そもそもラクビはどんなメカニズムでダイエット成功率を高めるのかを確認しておきます。

腸内細菌には痩せ菌とデブ菌があるそうで、痩せている人は痩せ菌が多い

から、って解説されています。逆に太りやすい人の腸内細菌はデブ菌が多いため、消化されたものを溜め込むという理論(???)。

その独自の理論に従ってデブ菌を減らして痩せ菌を増やすのがラクビらしいです

腸内の細菌はそれはそれは多種多様であり、腸内細菌叢とか腸内フローラと呼ばれて健康関連バラエティ番組で取り上げられるています。このラクビの広告では「バイキング」や「たけしの家庭の医学」で取り上げられたことをラインマーカーで強調されています。

医学用語じゃ無い、この痩せ菌とかデブ菌って何なのだろうとその定義を捜索したところたどり着いたのが、あの藤田紘一郎さんが書かれた「ヤセたければ、腸内『デブ菌』を減らしなさい!2週間で腸が変わる最強ダイエットフード10」でした。

藤田紘一郎先生は寄生虫を専門とした真っ当な医学博士だったのですけど、いつの間にやら免疫に手を出されてトンデモウォッチャー界隈では常に話題を振りまいている方なんですけどねえ。

藤田紘一郎さんが痩せ菌とかデブ菌とかの言い出しっぺでかどうかは不明ですが、Amazonで販売されている一般書籍で探してみる限りでは藤田先生の著作が一番古いようです。

藤田紘一郎さんの前掲の著作によれば太らせる性質を持つ細菌群があり、これを「デブ菌」と呼ぶと書かれています。医学用語では「フィルミクテス門」に所属する細菌を「デブ菌」と藤田先生は独自に定義しています。この「フィルミクテス門」に所属する

「デブ菌」が腸内で増えてしまうと、ちょっとした食べ物を摂取しても大量のエネルギーを吸収する体質になるとの理論

によって、デブ菌を減らして痩せ菌を増やせばダイエットに成功する、という考え方らしいのですが・・・これって医学的にというか科学者界隈でコモンセンスとなっているの?

素朴な疑問、こんな広告を見てダイエットサプリを買う人ってどんな人?

ラクビで痩せ菌を増やしてデブ菌を減らしてダイエットに成功!!ってことが絶対に無いと私は主張しているのではありません。

広告手法がヘンテコリンなのです。例えばラクビ(LAKUBI)は爆発的な人気があり、@コスメのダイエットサプリ評価比較で何とダントツのNo.1となっていると広告では言っていますけど・・・

@コスメを調べたところラクビ(LAKUBI)はベスト10にも入っていないんだなあ

https://www.cosme.net/tag/tag_id/14865/productsより ひょっとしたら過去にNo.1だったのかもしれませんので、そうだったら謝罪いたします。

サイエンスにもそれらしい論文は掲載されていませんし、@コスメでもダイエットサプリ評価で1位になった気配がありません。まあ、このネット上に現れる広告をクリックして

宣伝文を読んで「今度こそダイエットに成功するぞ」とラクビ(LAKUBI)を購入してしまう方って本当に素直で純情なのでしょうねえ

ちなみに私がちょいと調べたところによると、このラクビを販売している会社は何と年間の売り上げが50億円もあるようです。他の商品もこんな感じで

https://www.u-u-kan.jp/GoodsList.jsp?category_id=01より 世の中の現象やトレンドには全くご興味の無い方がまだまだ日本にはいらっしゃるようです。ラクビを服用して健康被害にあわれた方も私がネットで調べた限りではありません。

サプリごときにガタガタケチを付けるのもおとなげ無いとの考え方もあるでしょうけど・・・あまりにもヘンテコリンなネット広告だったので、私だけではなく皆様と一緒に笑い飛ばそうとの考えで今回俎上に載せました。

こんなバージョンもあるようです(苦笑)。

立ちくらみは市販の貧血改善薬じゃ治らないよ!!??


■立ちくらみの原因って貧血じゃないこと多いです

患者さんの症状の伝え方が医師の解釈する病状と違っていることは日常茶飯事です。例えば「先生!!先週から腕に蕁麻疹が出まくってかゆい!!」という患者さんの症状が医学用語的には湿疹であったり、接触性皮膚炎であったりします。

蕁麻疹と湿疹の違いに関しては各自調べていただくとして、薬剤師界の論客高橋秀和さんのBuzzFeedの記事がとても役立つものだと考えて、ちょっくら乗っかってみますね。

BuzzFeed Japan Medical「立ちくらみに鉄剤は効果的?」

この記事中の漫画がうまく状況を一般の方に伝えているのですけど、高橋さんがOKであったとしても、BuzzFeedが太っ腹であったとしても、漫画をお描きになった方の著作権(?)を侵害したくはないので、リンク先でご覧くださいませ。

患者さんがたちくらみの症状を貧血と訴えても、それは起立性低血圧であることがほとんど

であることは多くの医師が経験しているはずです。でも市販薬の場合、たちくらみの薬として鉄剤が中心成分となったものが広告されているよね。例えば下手すりゃ私が悪質クレーマーにもなりかねないほど批判を繰り返している小林製薬の貧血に1日1回の服用で効くファイチ

これは明らかに貧血の症状として「たちくらみがする」とアピールしております

小林製薬のファイチって本当に立ちくらみに効果があるのかな?との素朴な疑問に関して追求および検証してみますね(これって悪質クレーマーかなあ?)。

■そもそも貧血の症状はこのようなものが代表的です

医学的に貧血と呼ばれているものは

●鉄欠乏性貧血

●再生不良性貧血

●悪性貧血

●溶血性貧血

の4種類が代表的です。この中でファイチのような鉄剤が効果を示すのは鉄欠乏性貧血であり、その他の貧血の場合はセルフメディケーションで治療するのはかなりリスキーで、医療機関に受診するべきです。

ファイチで改善できる可能性のある鉄欠乏性貧血であっても

貧血において、過去に血液検査を実施しているかどうか、婦人科での相談ができているかは重要なポイントです。鉄剤による吐き気・食欲不振の可能性もあり、この時期の立ちくらみに鉄剤を推奨するかどうかは、薬剤師・登録販売者によって意見が分かれるだろうと思います。

と高橋秀和さんの記事には書かれています。

立ちくらみの原因が貧血、貧血の治療には鉄剤

と自己判断、自己治療をすることはやっぱりリスキーなんじゃないでしょうか?鉄剤飲んでも立ちくらみは多分改善しないでしょうし、必要以上にヘモグロビンが上昇してしまうようなリスクもありえます。

■貧血改善薬「ファイチ」は手軽にネット通販で購入できますけど・・・

処方箋を必要としない薬、いわゆる市販薬の中でも薬剤師さんが在籍していないと販売できないものがあります。処方箋を必要としない市販薬(OTC)がネット通販で気軽に購入できるという利便性はそれなりに評価できます。

一方で副作用の心配もあるのでOTC全部が全部ネット通販で購入できるのは問題あり、と考える方もいます。市販薬は第1類医薬品、第2類医薬品、第3類医薬品に分類されていてhttps://www.daiichisankyo-hc.co.jp/health/knowledge/otc/type.htmlによればネット通販が許されているのは第一類医薬品に限られています。

でもさあ

小林製薬の貧血改善薬ファイチはネット通販で売られているのはなぜ?

医薬品のネット通販に関しては医師の間でも賛否両論、薬剤師さんの間でも賛否両論です。

先程の第一三共のサイトでは第一類医薬品のみネット通販が「可」となっていました。でも、このサイトでは

まあ一番信頼性が高いと考えられる厚生労働省によれば

https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201405/1.htmlより 平成26年6月12日から医薬品のネット販売のルールが変わったのですね。そうなるとなんで第一三共のサイトはいまだに古い情報を掲載しているのかという素朴な疑問もでてきます。検索エンジンって公的な病院が上位に表示され、その次は製薬会社のサイトと今では考えられているのですけど、権威はあっても情報が正しいとは限らないという問題も発生しているわけですね。追記:私の表の見方が間違っていたようです。第一三共の表は一般医薬品はネット通販可ってことでした、横線が薄くて老眼の私としては見誤りました、ゴメンナサイ第一三共様。

立ちくらみがした、薬局に薬を買いに行った。そんな時はできるだけ薬剤師さんに相談したほうが的確な薬を選んでくれるし、ひょっとしたら立ちくらみは貧血によるものだから鉄剤の薬を飲めば治っちゃう、との考えが間違っていることを教えてもらえるのですからね。

つまり、BuzzFeedの記事中にある「薬剤師さんを積極的に活用しよう」ってことになると思います。薬剤師さんは

医薬品に関する専門家として、皆さんの健康管理や治療を行ううえで、きっと力になってくれるはずです。

そんな環境を作るためにも、BuzzFeed上で高橋さんは

生活圏で信頼に足る薬剤師を見つけたら、親しくお付き合い頂ければと願っています。

と述べています。

■日本の医療制度を賢く使う一つの手段はこれ!!

やっぱり市販薬のネット通販はこんな感じで規制されています。https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/sinseido.pdf気軽に手に入れることが可能であっても、万が一健康被害なんてことが起きないように規制されているのでしょうけど・・・海外では市販薬はもちろんのこと日本では処方薬とされていて医師が処方箋を書かないと手に入れることができない薬も簡単にネット上で購入することができます。

医療制度や医療に期待するものは国々によって違いがありますので、どれが正解でどれが間違いと簡単に判断することはできません。医師の長時間労働問題や病院の待ち時間問題などなど日本の医療制度はまだまだ改善改良できる点がたくさんあります。医師の中には「風邪くらいで医療機関受信しないでほしいなあ」って意見も出ています。

今ある日本の医療制度を賢く利用する一つとして「調子悪い時は信頼できる薬剤師さんに相談する」というのもいいことなんじゃないかなあ、間違いなく素人が運営している健康関連サイトなんかに相談するよりはね。

悪質クレームの被害No. 1は医療・介護・福祉!!から考える医療機関のクチコミサイトの信頼度。


■最近聞かなくなった悪質クレーマー「モンスターペイシェント」はどこに行った?

東洋経済オンラインで悪質クレームに対して法整備が必要性を訴える記事が目に付きました。悪質なクレームの被害に会うNo.1は私が営んでいる医療だそうです。

東洋経済 サービス業に蔓延「悪質クレーム」の被害実態より

人と接する業種なので言葉の行き違い等が不平・不満になりそれが苦情となり、さらに悪質クレームになることを100パーセント未然に防ぐことは不可能だと考えます。

しかし、一時期医療系の悪質クレーマーをモンスターペイシェントと呼んで医療業界のみならず一般的にもその存在が知られることになったのですが・・・。

当院ではそう言えばどう見ても理不尽な苦情というか、モンスターペイシェントというか、悪質クレーマーは最近ほとんどと言って良いほど見かけなくなったような気がします(症例報告的にはn=1であり、エビデンスレベルとしては一番信頼性が無い)。

そんな悪質クレーマーは今はどこに行っちゃったのか?当院の医師や看護師や事務スタッフが急速に対応が改善された為であると喜ばしいことなんですが・・・多分、違うんじゃないかという目線でこのモンスターペイシェントによる悪質クレームについて検証してみます。

■そもそも医療はサービス業なのか?サービス業なので悪質クレームが多いのか?

先日こんなブログを書きました。

週刊現代さま、医療はサービス業なんでしょうか?

私のブログを愛読している方的には私は週刊現代に対する悪質クレーマーかもしれませんけど(笑)→週刊現代「女性医師の手術はいやだ」は稀に見る悪記事!!エビデンスつけて反論します!!

それはさておき、今回の東洋経済の悪質クレームに記事においても医療はサービス業として分類されています(苦笑)。

威嚇・脅迫を受けた業種別として医療・介護・福祉が前掲のグラフのようにダントツです・・・もっとも悪質なクレーム被害を受ける、というか

別の見方をすればクレームをしやすい、そのクレームが悪質化しやすい業種が医療・介護・福祉なのかもしれません。

今サービス業のお手本として帝国ホテルの「100-1=0」との法則が私の周囲で話題になっています(症例報告としてはn=3くらいで、エビデンスレベルとしては先ほどよりは若干信頼度が増す?)。まあ、この法則の意味としては一つのミスがお客さんの満足度を0にしてしまう、との解釈です。

私が当院でクレームというか悪質クレームが体感的に減少していると先ほど述べましたが、こんなデータがあります。

高知医療センター

高知医療センターは

患者さんの苦情は宝物であると考えています。 患者さんに安心、安全、快適に診療を受けていただけるよう心がけていますので、 ご意見や苦情などがございましたら、各フロアに設置しています宝箱にご投稿いただくか、1階の[0まごころ窓口]でご相談くださいますようお願いいたします。 いただきましたご意見や苦情につきましては、真摯に対応し、今後の患者さんサービスおよび医療の質の向上に活かしていきたいと考えております。

とサイトに表記して苦情を汲み上げることによって、ユーザビリティを高める業務改善努力を継続することによって苦情の件数を年々減少させたようです。

これと同様のことを当院でも以前から採用しています。患者さんの満足度の抜き打ち的調査、当院に対してこのような点を改善してほしいとの希望の吸い上げ、スタッフには内緒で覆面調査等も行なっています・・・それらのご意見をもとに業務を改善してユーザビリティを高めたために、体感的に悪質クレームが減少したのでしょうね、ってことを言っていたら経営者として失格です。

■悪質クレーム、モンスターペイシェントはこんな所に潜んでいます

苦情件数が年々減少していると報告している高知医療センターのこんなデータもあります。

これは患者さんから寄せられたお誉め感謝の言葉の件数です。苦情は年々減少してるけど、お誉め感謝の件数は対して増加していないように感じませんか?そうなんですよ、医療機関(他のサービス業)って苦情はあったとしても感謝の言葉をいただくことってかなり少ないのです。

わざわざ感謝やお誉めを文章にして医療機関に届ける人なんて稀なんです(当院も時々ですけど、感謝やお褒めのご丁寧なお手紙をいただきます)。

となると、少なくなったと思われた苦情や悪質クレームは水面下に隠れてしまっている可能性があります。見つけました、それはクチコミサイトです!!

■医療機関のクチコミサイトの情報はあてになるか?という素朴な疑問

グーグルのサービスの一つとしてGoogleプレイスというのがあり、そこにクチコミを投稿することができます。このクチコミによって評価が五段階になっていますよね。例えば苦情が減って感謝のことばが若干増えている高知医療センターはこんな感じです。

あれだけ企業努力をして苦情は宝物であると考えて業務改善に力を入れている中核病院でさえこのような評価になってしまうのです。恐る恐る当院のGoogleプレイスのクチコミを見てみると

ひぇ〜!!星2.1かよーーーー!! (?_?)

リアル苦情は減っていると体感的なデータをもとに、にんまりしていた経営者の顔が見て見たいです(って私じゃん)。

高知医療センターは医療系のネット情報に力を入れて、様々病気に関するキーワードで検索するとGoogle先生のアルゴリズムの改善効果によってここのところ上位表示されるようになっていたので私は定点観測していました。

当院も私のブログもたまには人様の役に立っているようでネット検索ではある程度上位表示される傾向があります。

病気になって医療機関を探すときにネットを利用する人が多いことは、苦情はネット上のクチコミサイトに書き込まれる比率が高くなって当然なんでしょうねえ。

高知医療センターの担当者さん、時間の調整がつきましたら一度お会いしてこの問題について語り合いませんか?

こんなご意見もあります。


このツイートに関しては私は激しく同意します。

このクチコミサイト、あまりにお褒めの言葉、感謝の言葉が多く、評価の星が多数の医療機関って本当にいわゆる「良い病院」「良い医療機関」なのでしょうか?つまりクチコミサイトって信頼のおける情報なのか、との素朴な疑問が当然出てきます。こんな医療関係者向けの記事があります。

医療機関から金銭授受を受ける医療情報サイトは広告

メディ・ウォッチ

つまり、クチコミサイトに金銭を支払えばクチコミ内容を操作することが可能であるから、医療機関から掲載料等を徴収して運営されている医療情報サイトは広告である、広告であるから広告規制の対象となるよ、ってことですね。

掲載料等を支払ってまで自分のクリニックの悪口を書いてもらおうと思う医師や経営者がいるはず無いですよね。となるとクチコミサイトの信頼度はあてにならない可能性も出てきます(注意:Googleプレイスのクチコミはオーナーサイドとしてはどうしようもないです)。

話は飛びますがどっかで食事をしようと思ったときに使うツールとして食べログとかを使う人は多いと思います。クチコミをあてにしてその店に行ったけど全然書かれていたことと違うじゃん、って経験した人は少なくないと思います。そんな場合はヤラセ投稿疑惑を感じませんか?

逆に同業他社が依頼して悪口を投稿するような有料掲載、無料掲載は別として評価を下げることを生業としているけしからネット系広告会社もあるらしいです。

医療機関を含むクチコミサイトの信頼度はどこに書かれていたかより誰が書いているのか、の方が重要なんじゃないかなあ・・・。

週刊現代「女性医師の手術はいやだ」は稀に見る悪記事!!エビデンスつけて反論します!!追記あり


■週刊現代の大問題記事にエビデンスをつけて反論いたします

週刊現代さま、不肖五本木クリニック院長の桑満おさむが貴誌2018年9月22、29日号にて報じられた「女性医師の手術はいやだ」と題された記事についてお尋ねというか、反論というか、抗議をさせていただきます。週刊現代は雑誌ジャーナリズムの本道を行くと自称されおりに、大新聞のようにお上に忖度しない記事を書くことに存在価値を見出していることは承知しております。しかし、

執拗に医療批判を繰り返している週刊現代さま、今回の「命に関わる女性医師の手術はいやだ」記事は炎上狙いなのでしょうか?

言われなき差別が社会問題化されている平成の御世に時代錯誤も甚だしい事実誤認による炎上狙い記事

を掲載されることは言論の自由、出版の自由に守られた行為であることは重々承知しております。また刺激的な小見出しで「命より男女平等が大事か?」とも記されていますよね。

外科系女性医師が劣っているとの考えは全くエビデンスの無い、たんなる思い込み、あるいは妄想です

と明言します。

これからは女性医師がどんどん増えてきます。外科医を目指す女性医学生が増えることは医療に携わるものとしては大歓迎なのですが、

なぜ手術を女性医師に任せては命に関わるのでしょうか?明確な根拠をぜひご提示ください

私は外科医の場合には手術成績に男女差は認めないとの論文を提示させていただきます。

週刊現代の悪記事を読んで私はとっさにこんなツイートをしてしまいました。


このツイートで宣言したように週刊現代の根拠ない女医の手術はいやだ記事に対してきっちと反論を書かせていただきます。週刊現代は医療批判記事によって部数を伸ばしたかもしれませんけど

こんなポンコツ記事を平気で掲載するということは、編集サイドがかなりポンコツである

と判断してもいい気がします。

ちなみに取材に応じている

小林よしのりさんの女医は身体的特徴により不安をおぼえる発言は論外

ですし、医師としてコメントしている元代議士の方(すっげー昔、飲み屋でお会いした記憶あり)の女性は反射速度や判断速度が遅い説から導き出された

女医さんは外科手術は得意でないでしょう発言は思い込みによるものだと考えます

今回この週刊現代の時代錯誤的ポンコツ記事に対して、医学的・統計学的・疫学的研究結果を根拠に反論させていただきます。

■手術成績に医師の男女差は認められないことの根拠はこの医学論文です

女性医師が担当した場合、治療成績は男性医師より優れているとの有名な論文があの大ベストセラー「世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事」の著者である津川友介医師の手によって論文になっています。「Comparison of Hospital Mortality and Readmission Rates for Medicare Patients Treated by Male vs Female Physicians」(JAMA Intern Med)によれば

内科医の場合、女性医師が担当した方が男性医師が担当した時より治療成績が良くなっている

ことがわかりました。理由に関してはいくつかが考察されていますがその件に関しては今回は話題としません。この論文よりは一般的な知名度は低いかと思われる同じ津川友介医師の論文で若い外科医と年をとった外科医との治療成績を調査したものがあります。その研究論文「Age and sex of surgeons and mortality of older surgical patients: observational study」(BMJ)では結論的に年をとった外科医の方が若い医師より治療成績が優れていることが判明していますが、同時に

外科手術に関しては医師の男女差によって治療成績に違いは無かった

ことが結果として出ています。

悪記事を書かれた記者さん及び編集部の方はお忙しくて論文全部に目を通すお時間は避けないと思われます。そんな時に医学論文の内容をざっくりと把握する手段としてアブストラクトだけ読むのも一つの手です。

外科医の場合、男性医師であろうと女性医師であろうと治療成績に差がなかったことを報告した論文のアブストラクトでは

After stratification by sex of surgeon, patients’ mortality declined with age of surgeon for both male and female surgeons

と書かれています。もし英語が苦手な場合はGoogle翻訳等のサービスがありますので、それを使用すれば「男性と女性の外科医で治療された患者の間では、手術死亡率が異なっているという証拠はなかった」と翻訳されるはずです(細かい数字は当方にて省略)。これでも

女性外科医の手術を受けるのは命に関わる問題なのんでしょうか?

もしも女性外科医の手術を受けた場合に命に関わるとの医学論文がありましたらぜひご提示ください。

私はエビデンス至上主義者ではありません。エビデンスといっても症例報告レベルからランダム化比較試験のメタアナリシスまで信頼度に大きな違いがあります。しかし、ご自分の意見を思いつきでは無く、妄想でも無いことを伝えるためにはある程度の質が担保された研究論文を根拠とすることは医学では必要だと考えています。

■女性外科医の方が男性外科医より治療成績が優れている、との論文もあります

週刊現代の編集者の方は、もしよろしければこの論文もお読みください。「Comparison of postoperative outcomes among patients treated by male and female surgeons: a population based matched cohort study」(BMJ)では

女性外科医が手術した方が死亡率が下がるとの結果になっています

故に週刊現代の外科系女医さん拒否記事は根拠無き全くの思い込み、あるいは妄想と断言してよろしいかと思われます。

私が根拠とした論文は全部海外のものです、すると「お前の提示したのは外国じゃん、日本の女性外科医に命を託してはいけないことを否定する論文を提示せよ」と反論をされる可能性があります。でもねえ、日本における女性外科医は数が少なくて統計学的手法で男女別による治療成績は検証できないかも、ってお返しいたしますね。

世界的に見ると日本では女性医師は圧倒的に少数です(https://labcoat.jp/doctor-men-women-ratio/)、さらに外科系の女性医師となると

女性医師の割合は外科は7.1パーセント、整形外科は4.4パーセント、そして我が泌尿器科は5.0パーセント

という結果になっています(厚生労働省 女性医師の年次推移より)。まあ、このようにサンプルサイズが小さくても統計的検証はすることは可能かもしれませんけど、その件に関しては統計学の専門家にお任せします。

■たかが週刊誌というなかれ、週刊現代のポンコツ記事に医療現場は振り回されています

夕刊フジや東スポに反論することは誰が見てもおとなげ無い行為ですよね。エッチな記事や写真が掲載されている中年以降の男性を主な読者としている週刊現代もそれらの娯楽紙と同様に扱えばいいのでは?なんてお考えの方もいらっしゃると思いますが

週刊現代の今までの医療批判記事によって実際の診療現場はかなりの混乱というか無駄な時間を浪費しています

週刊現代「がんでも受けてはいけない手術」は間違いだらけ!!?

週刊現代さま、血圧の薬は危ない薬で「一度飲んだらやめられません」って本当ですか?

などなど今まで多数の週刊現代の記事に対する疑問をブログにしてきました。

あの週刊現代が「がんの免疫療法はインチキだ!!」で医師から大絶賛!!

で巷の限りなくインチキ臭い自費でのがん治療に対して、かなり突っ込んだ記事があり

やれば出来るじゃん、週刊現代!!「受けてはいけない、がん免疫療法第二弾」!!

などで一時期はまともというか良記事を掲載して改心したと思われた週刊現代ですが、シリーズが継続しなかったことを鑑みると、まともな記事だと販売部数が伸びなかったのかもしれません。

世の中の常識に反する意見を述べて注目を集める医師あるいは大学教授は、週刊誌的には非常に有用な存在だと思われます(ex:近藤誠医師、武田邦彦教授)。ネットでは炎上商法と呼ばれる手法もあるようで、これらの手法を週刊誌業界に取り入れたかのような今回の週刊現代の記事は私が愛用する「トンデモ」なんて可愛い表現が適さないくらい悪質な記事と判断します。

女性医師の団体である日本女医会は正式に抗議を週刊現代にするべきだと思いますし、この問題は医療に従事している男女を問わず関係者全員に対する侮辱だとも考えるしだいです。

追記:小林よしのり氏は女性医師差別の背景として医療システムについてBLOGOSで述べられています、でも誤解があるようです。

小林よしのり氏の「女性医師の外科手術はいやだ」発言批判に対する反論、ちょっと事実誤認ではありませんか?

2018年9月18日00:57

「妊娠加算」という妊婦さんの外来受診時の負担が増える制度の問題点。


■「妊娠加算」という仕組みが今年から保険診療でできたけど、それを巡る議論が勃発!!

保険診療における料金体系の仕組みはそれはそれは複雑で、今ではほとんどの医療機関がレセコンという診療報酬明細書を作成するソフトに頼りっきりです。私が開業した当時は所属する医師会員の半数以上がベテラン医療事務のオバサマの手計算に頼っていましたが、今ではそんな伝統技術は消え去ったようです。よく患者さんからある質問として「この病気で受診したらいくらになりますか?」なんてのがあります。検査は処方する薬によって患者さんが窓口で負担する診察料は大きく違ってきますが、具体的に「この検査とこの薬を処方されたら窓口でいくら負担しなければいけませんか?」と質問されても明確な数字を返答できる医師は少ないと思われます。

今、「妊娠加算」料を巡る意見がSNS上で燃え上がっています

この妊娠加算という仕組みは医師側にとっては収入増、となるので当然患者さん側からすると支出増となります。保険医療法や保険医療機関及び保険医療養担当規則という法律によって保険診療にかかる費用(診療報酬)は決められています。2018年4月に診療報酬の改定があり

妊婦さんが外来を受診した時に妊娠加算という診療報酬が上乗せされることになりました

具体的に加算される診療報酬は初診時は75点、再診時は38点であり金額的には750円と380円、一般的に患者さんが保険診察を受けた時に窓口で支払うお金は3割となので、妊婦さんの場合は医療機関を受診する時に初診時に230円、再診時に110円負担が増えることになります。

http://blog.esuteru.com/archives/9186148.htmlより

患者さん側からの声として「知らない間に窓口負担が増えた!!」であり、医師側からは「たかが数百円程度でガタガタ言うなら!!」なんて意見も混じり込むから当然のこととして議論というか、論争というか罵り合いがSNSで散見されることになっているようです。

この妊婦加算が採用された理由として様々の事情があるとは思うのですが、臨床上特に妊娠している方に対して慎重になってしまうのが薬の処方です。

■なぜ妊婦加算が採用されたのか、その理由はこれらです

妊婦さんへの検査や処方をする場合は一般の方より慎重になってしまいます。母体の安全という面もありますが、万が一お腹の赤ちゃんに悪影響があったら、と考えるといくら文献で副作用はまず無いとされている薬であっても、もしものことがあったらどうしよう的に普段は強気な私でも躊躇することが少なくありません。

今年になって妊娠加算が診療報酬にオンされた理由として産婦人科以外の医師が妊婦さんへの処方を行う場合に手間暇がかかるからその手間賃的なニュアンスが一つとして挙げられます。

お役所的な表現としては、妊婦さんへの積極的な治療・処方を控えている医師は今後しっかり勉強してください、だから手間賃ね

ってことかもしれません。

必要以上に薬の副作用を恐る患者さんの対応に閉口している医師や薬剤師さんも多いことと思われます。何パーセントの確率でこんな副作用が出る可能性があると説明しても「まさか自分はこの低い副作用が出るはずないや」と解釈する人もいまし「先生、それって副作用が出る確率がゼロってことではないのですよね、私はもともと薬はあんまり好きじゃないほうで・・・」なんてことをいう方もいらっしゃいます。必要と思われる薬を処方する場合、できる限り飲んでいただけるように解説している私ですが

妊婦さんへの処方の場合、めちゃ弱気になってしまうことが多いです

私が弱気になってしまう理由の一つとして、薬を服用したことによって流産や障害を持ってくる赤ちゃんが生まれるかもしれないからですし、ご自身とお腹の赤ちゃんのこと故にに必要以上に副作用を気にされる妊婦さんが多いからです(当たり前ですけど)。

ここで万が一ということを考えて参考文献を本棚から取り出したり、ネット上の副作用情報を検索したりして、一般の方への処方で注意する以上に妊婦さんへの対応は慎重になります。全く副作用がない薬はないですし、多くの薬が安心して妊婦さんに処方できるとしても、それはそれは慎重になってしまいます。薬が原因でないとしても流産したら「あの時にあの薬を飲んだことが原因かも」と思いますし、

もしも障害を持った赤ちゃんが生まれてきた場合、薬の副作用でないことが明らかであったとしてもお母さんは一生自分を責めるかもしれません

そうなると当然処方した側の医師も因果関係が無いと頭でわかっていても

あの時、あの薬を処方しなかった方が良かったかも

と感じないわけではないと考えます。となると一般の方への処方よりは慎重になり、弱気になっている医師も多いことが予想されますので、妊婦さんを診察したら妊娠加算をいただけることになった可能性もあります。

妊婦さんへの診察や処方が必要な場合、医師の中には「それは産婦人科医に相談してください」とやんわり断っている方もいらっしゃると耳にします。これではただでさえ負担が増えている婦人科医、特に産科医師の負担が増えてしまいます。そのために妊婦加算が制度化された理由の一つでもあるはずです。

■妊婦さんに薬を処方するとこんなことが発生します

出産を控えて不安でしかたない妊婦さんが頼りにする情報源の一つとしてネット情報が挙げられます。中にはなんで医師に聞かないで素人の意見を求めるのか不思議な構成によって成り立っているサイトもあります。例えばある薬を「この薬は妊婦さんに対して処方が禁忌になっていません」と説明して処方しても、自宅に帰ってからネットで検索する方も少なくありません。その検索結果が医師側の伝えた内容と違っている場合の選択肢は二つ。

1:処方された薬を飲まない

2:ネットで副作用がある、って書かれていたと医療機関に相談する

まあ、なかには妊婦さんへの処方が危険と言われている薬をこの医者は処方しやがった的に口コミサイトに書き込む方もいるかもしれませんが、これは例外としますね。1の場合は医療費の無駄使いにつながりますし、2の場合は問い合わせに対応することで、医師や薬剤師さんサイドとしては手間がかかってしまいます。そんなことが起きないように、処方するに当たって今まで以上に懇切丁寧に説明することに対する報酬として妊婦加算が採用されたとも判断することができます。

■私が妊婦さんに薬を処方する時に参考にしている情報源はこれ

私が妊婦さんへの処方をする時に手元にある薬の副作用情報や「妊娠または妊娠している可能性のある婦人に禁忌の主な医薬品リスト」以外に使用するのがネット検索です。検索するキーワードによって検索結果が違ってきてしまうと、信頼度の高いサイトにたどり着いてしまうのでのそれなりのテクニックが必要となります。

例えば膀胱炎の特効薬として泌尿器専門外の医師が処方しがちな抗菌薬のクラビット、これを「クラビット 妊娠中」とのキーワードで検索すると・・・妊娠中の使用は控えた方が良い、と記されたサイトが上位表示されると思います。一番信頼性のあるサイトとしては「クラビット 添付文書」のキーワードで上位表示されるはずの「独立行政法人 医薬品医療機器総合機構」のPMDA(Pharmaceuticals and Medical Devices Agency)だと考えています。ここをクリックすると「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」との項目があり、

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]

と書かれていることがわかります。つまり妊婦さんへのクラビットの投与はしてはいけないとの結論になりますし、禁忌(してはいけないこと)にもクラビットは当てはまります。

本来ならばこれらの副作用は臨床実験によって明らかにされるべきだと思う方もいるかもしれません。しかし、クラビットを処方する治験を妊婦さんに行うことは倫理的に許されません。

■妊婦さんが服用しても100パーセント副作用が無い、と言い切れる薬ってあるの?

抗菌薬として多分誰でも一回くらいは処方された経験があると思われる「フロモックス」の場合はどうでしょうか?妊婦,産婦,授乳婦等への投与の項目では

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。また,妊娠後期にピボキシル基を有する抗生物質を投与された妊婦と,その出生児において低カルニチン血症の発現が報告されている。]

となっています。治療上の有益性が危険性を上回る場合に処方するべきであるのは全ての薬に対しても当然のことです。

処方しようと思っても「妊娠中の安全性は確立されていない」と書かれていると医師はもちろん服用する側に妊婦さんも躊躇するのではないでしょうか?

ちなみに多くの産婦人科医は妊娠時期にもよりますが、フロモックスは妊娠時に処方しても安全であるとのコモンセンスが得られているようです(泌尿器科医的には耐性を示す場合がしばしばあるので困りもの)。

このように妊婦さんを診察する場合、特に処方が必要な場合は慎重に慎重を重ねているのです、だから妊婦加算をいただけるような仕組みになっていると解釈できますが・・・初診時に妊婦加算をいただくことはそれなりに理解できないワケではないのですが

再診時に同じ病気に対して診察する時も徴収するのは若干抵抗があります

再診時に同じ薬を処方された場合に妊娠加算を妊婦さんに理解していただくのは難易度が高いと思われます。

ここで提案です。この妊婦加算ですが、医療機関には今の点数が妥当かどうかの議論はおいといてそのまま支払いつつ、妊婦さん側の負担をゼロにすることは不可能なのでしょうか?少子化が大問題となっているのですから、それぐらいの費用は無駄な検査や無駄な処方をバンバン削れば捻出できると考えるのですが、医療経済学の専門家のみなさん、ぜひ研究していただけたら幸いに存じます。

週刊現代さま、医療はサービス業なんでしょうか?


■医療はサービス業である、と仰る週刊現代さまですけど・・・

伊集院静さんが某大学病院の外来で1時間45分も待たされたことを週刊現代紙上にお書きになって、医療関係者の間でちょっと話題になりました。私は予約料というシステムがあり、その大学病院がそのシステムを採用していて伊集院静さんがそれを利用したらブチギレすることも無かったんじゃないかなあ、なんてことを考えました。

病院の待ち時間にブチギレた伊集院静さんの記事をよーく考えて見た?

週刊現代のウェブ版ではこんな感じで

医療機関は「サービス業」の意識ゼロ

で医療機関をdisっています。この

医療機関はサービス業であるか否か論争は以前からありました

が医療機関サイドというか医師の間ではサービス業じゃないぜ的な意見も多いのが実情です。しかし、「サービス業」を国語辞典で調べてみると・・・

1:人のために力を尽くすこと
2:商売で客をもてなすこと
3:商売で値引きしたり、おまけをつけたりすること
4:物質的財貨を生産する過程以外で機能する労働

がサービス業の定義のようです(大辞泉等による)。1と4は医療行為の説明として妥当なものだと考えられますが、3と4がどうしても医師をはじめとする医療機関関係者には抵抗があるために「医療はサービス業ではない」との考え方は受け入れがたいものになっていると考えられます。

週刊現代がどのように医療はサービス業の意識がゼロと考えているのかは、リンク先をご覧ください。
なぜ日本の病院は、患者をこんなに待たせて平気なのか

■医療はサービス業の良い点は積極的に取り入れるべき、でもサービス業じゃないよね

医療機関、特に医師に対して「偉そう」「上から目線」「ぞんざいな態度」などがよくクチコミサイトで見かけるマイナス評価です。私はできる限り医師及び医療機関のシステムはサービスを心掛ける必要はあると考えていますが

医療=サービス業との考え方を全面的に支持するのには納得がいきません

あっ、これが上から目線といわれる原因かねえ(苦笑)。今医師の労働体系、特に勤務医の長時間勤務などが一般の方はあまり関心がないかもしれませんが、論議を呼んでいます。一部の患者さんの「医療はサービス業じゃん」的な対応にこたえるために過度の負担が医師、特に勤務医にかかってしまっています。

以前よく言われていたのが三時間待ちの三分診療

伊集院さんの場合は1時間45分待ちの、という具合です。

患者さんの中には自分の症状を上手く伝えられないで、診療に時間を取られてしまうことがあります。お年寄りだと「なになにさーん」とお呼びしても診察室に到着するまでに時間がかかることがあります。医師も患者さんに説明するときに、誤解を招くと将来的に訴訟になってしまうのではないか、とかんがえ必要以上に処方や検査や診断内容をくどくどと説明し、その内容を逐一電子カルテに打ちこむこともあります。診察料は全国どこでも同じことをすれば均一です。

今回は診察が3分だったので診察料おまけしておきますね!!

とか

長時間お待たせしちゃったので、血液検査おまけしてやっちゃいましょう!!

なんて話にはなりません。故に一般の方がサービスをサービス業に求めるのとちょっと違うんじゃないでしょうか?

■多くの医療関係者、特に医師の捨て台詞?

あまり大きな声では言えませんけど、医師の間では医療はサービス業である、との言われ方に対して

サービス業に徹しますから、全額自費治療としてくれ

なんてものもあります。

日本の医療費って世界的に見て低価格なんだから、米国のように高額の医療費を払ってくれるならサービス業といわれても受け入れる

なんて感じの捨て台詞のようなご意見を見かけたこともあります。これらの考え方をざっくり一言でいうと

医師の労働に対する報酬の対価が安過ぎる

との意味合いが強いように思われます。このような考え方の医師は聖職者的な扱いはされなくても結構だから、うんとサービスするからそれなりの金銭的なメリットをくれ、ってことなんでしょうねえ。この考え方も私は全面的に支持することはできません。

■総務省の統計基準「日本標準産業分類」によれば医療はサービス業?

統計を取るうえの便宜として日本標準産業分類というのがあります。これによると大分類「医療・福祉」中分類「医業」となっていて

医療業とは,医師又は歯科医師等が患者に対して医業又は医業類似行為を行う事業所びこれに直接関連するサービスを提供する事業所をいう

と定義されています。

国の考え方だと医療はサービスを提供する事業所だけどサービス業には分類されていません

私の医療はサービス業ではないけど、サービス業の良い点はどんどん取り入れるべき、との考え方は間違っていないようです。ちなみに自分の都合の良い点だけチョイスすることを確証バイアスと呼びます(笑)。

■患者様と呼ぶ苦肉の策はなんとなく不自然

一時期患者さんのことを「患者様」と呼ぶ医療機関が増えたことがあります。当院は開業以来21年間ずっと「患者さん」と呼んでいます。患者さま、と呼ぶことでサービス業的なサービスができたぜ、と単純な思考回路になってしまった医療機関および経営者および医師はいたってことですね。でもよくよく考えてみたらサービス業にありがちな「お客様は神様で」「とにかくお客様ファースト」「お客様第一主義」で医療を継続できるのでしょうか?医療の本質は「患者さんの健康第一」「患者さんの命が大切」だとかんがえています。

医療機関は取り入れることが可能なサービスはどんどん取り入れることは重要であり、当院としてもユーザビリティを高めるよう努力は継続してきます。しかし、へりくだった態度や卑屈な態度で患者さんと接することはまずありえません。患者さんと医師の関係ってどっちが偉いとか偉くないとか、どっちが上とか下とかでなくて対等である、との考えで当院は運営していく所存です。

病院の待ち時間にブチギレた伊集院静さんの記事をよーく考えて見た?


■病院はサービス業の意識ゼロ、と週刊現代と伊集院静さんが怒っているけど・・・

安定的に医療を批判している週刊現代です。伊集院静さんが週刊現代8月11日号「それがどうした」でご自身が慈恵医大の眼科を受診した時に二時間近く待たされたことに対して、誌上でメチャ怒っておりました。以前から世の中では医療機関の待ち時間についても問題点が指摘されていて、それへの対応策を全く講じていないわけでは無いのに、どうして待ち時間は解消しないのでしょうか?

厚生労働省 「病院の種類別にみた外来患者の待ち時間」より

現在使われている医療機関の待ち時間を短縮する方法は私としては一長一短であり、医療サイドも患者さん側もぜひ一考頂けると幸いに存じます。どうしても待ち時間を無くしたい、との方は予約料を払う、という方法もあります。この予約料の扱いがこりゃまた医療機関側も患者さん側も間違って解釈しているようなのでその辺りも解説してまいりますね。

個人的には「医療はサービス業だ!!」って言われると、なんとなくカチンとくる私

でもサービス業に学ぶ点は数多くあると思って試行錯誤はしています。サービス業だというならマクドナルドから始まり超高級フレンチもあるワケですし、日本の医療制度だってある程度の工夫は行われています。例えば次に述べる「予約料制度」、これって意外と知られていないのではないでしょうかか?

■どうしても待ちたく無い患者さんは予約料を支払ったらいかがでしょうか?

日本の医療水準というか医療技術レベルは世界的にトップであるとか、そんなことないよ、とかは別問題として

誰でもどこでも一定レベルの医療を低料金で受けられる国民皆保険制度に支えられている

ことは世界的にみても素晴らしい(素晴らしいから優れているとは限らないのが、これまた問題ですけど)仕組みとなっています。伊集院さんのような有名人であっても、そこらの一般庶民であっても、同じ医療費で同じ水準の医療を受けられますからね。ところがドッコイ、待ち時間を限りなく少なくする方法が存在します。それが

診察料とは別に予約料を徴収することで、待ち時間を短縮することが可能なんです

医療制度をご存知の方は保険診療と自費を合わせる混合医療は禁じられているんじゃないの?と思ったかと。実は

保険診療でも予約料を徴収することは許されています

以前から医療機関の待ち時間は問題視されていて、選定療養という特別な医療サービスが存在しているのです。予約料を徴収するに当たっては細かいルールは定められています。

●一人当たりの診察時間を10分以上とする

●予約時刻を30分以上遅れてはいけない

●予約料を徴収する医療機関は診療時間の2割りを予約患者さん向けに確保する

などなどです(詳細は厚生労働省「療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等の一部を. 改正する件」等をご覧ください)。

例えば順天堂大学医学部付属順天堂医院(一般的には順天堂の病院と呼ばれていますね)ではこのようにサイトに明記してあります。

伊集院さんもこのシステムを利用して、それでも1時間45分も待たされたのであれば「なぜ日本の病院は、患者をこんなに待たせて平気なのか」とブチギレてもしかたないですね、というか順天堂病院が厚生労働省の定めを守っていないことになりますので通報ものです。

ここにも明記されていますが、予約料を支払いつつ医療は保険診療で受けられます。医師の間でも予約料は自費なんだから、混合医療になってしまうから診療費も全額自費だよ、と誤解釈している場合も見受けらることを書き添えておきます。

■医師側にも、もちろん問題はあります

待たせることをなんとも思わない医師も少ながらず存在することは否定しません。私も大学病院や公的病院に勤務していた時は9時から診療開始なのに、9時に診察室に向かってお茶を一杯飲みながら看護師さんたちと雑談をして「さあ、ボチボチ外来開始しようかねえ」的に外来をこなしていました。

しかし、患者さんが溜まってくると「お腹が空いたからとっとと外来をこなさなきゃ」って感じで、飛ばしに飛ばして・・・結局のところ患者さん側からすれば一時間待ちの3分診療になってしまっていました。さらに外来が人気となると13時から予定していたオペに間に合わなくなるような事態にも繋がりますので、きっちり9時から診療を開始するようになりました。

当時は医療系も組合問題があったので、

定められた診療時間前に診察を始めると組合からクレームがきたんです@神奈川県横浜市

なるべく患者さんを待たせないで時間内は無理だとしても、常識的なお昼ご飯の時間には間に合うように工夫を自分なりにしました。

万が一、長時間お待たせした場合は一言「長時間お待たせして申し訳ありません」の一言を添えるだけで多くの患者さんは「先生は人気あるし」とか「忙しいねえ」とちょっぴりひきつった顔をしながら返答してもらえていました。

■開業医の場合、患者さんを待たせるのは全てにおいてマイナスです

医師、特に勤務医の長時間労働に関して大いに論議が盛り上がっています。外来診察の場合、どれだけの数の患者さんを診察しようが、医師の給与に影響はありません。開業医の場合、患者さんの数は直接自分自身の収入に多大なる影響を及ぼしますので、出来うる限り多くの患者さんを診察した方が当然収入はアップします。

しかし、「あそこのクリニックってメチャ混んで待ち時間が長いのよねえ」「待たせる割りに診察は数分だし」なんてことをご近所の方の噂になると、患者さんの数は激減して、それに伴い収入も激減、ってことにもなりかねません。となるとある程度人気のある開業医の場合はどのようにこなすのか気になりますよね。

あくまで私見ですけど

診療に緩急をつけること、これでこなすことが可能です

定期的に来院する方には時間の余裕がある時は雑談を交えてたっぷり長時間診療、そして待合室がわんわんしている時は診察の後に「ごめんなさい、今日は予想以上に混んじゃって診察もなんとなく流れ作業的になってしまいました」という一言を伝えるだけで多くの患者さんは納得してくれます。もしも待ち時間問題で患者さんに不快の思いをさせて、それが患者さんの数を減らしていることになるのなら自業自得ですけどね。

さらに当院は地元密着型で21年間送ってきましたので、待合室が混んでいるのを見た患者さんは受付を済ませて「ちょっと買い物済ませてから来るわ」とか「子供を迎えに行ってから一緒に来ていいでしょうか?」のようにおっしゃっていただけ、大変ありがたいことです。

開業前に医師会の先輩に「患者さんを待たせるのも人気あると思わせるテクニック」「シャッターを開ける前に列を作らせるのが人気の秘訣」なんてことを行っていたジイさん方もいましたが、それに対してはその時点でも現在でも大いに疑問を抱いています。猛暑の中、シャッターも開けずに患者さんを待たせることは、待つことも待たされることも嫌いな私には理解できません。

当院の場合は診察開始時間の30分前にシャッターを開けることにしていますし、もし早めにいらした場合のことを考えてシャッター前にベンチを設置しています(もちろん日陰です)。

■ひょっとして有名人だから待たされたことに怒っている、ってことはないですよねえ

当院も場所柄、いわゆる有名人の方もかなりの多いのです。私の場合、患者さんに恵まれているというか誰でもご存知の芸能方面の方も「あっ、自分はいくらでも待ちますから大丈夫です」なんてことをおっしゃる方も多いです。

あれだけ顔が売れている方となると、待合室でお待ちの方がザワザワし出すので、できる限り空いてる時間あるいは「今空いていますか?」って電話一本頂けると幸いに存じます。

当院の場合、有名人であろうと権力者であろうと、保険診療の場合は一般の方と同じようにお待ちいただいております

予約料制度は今のところ採用していません。ネット予約とか普通の予約システムも検討はしてはいるのですけど・・・それでお待たせした場合はどんだけ悪口をクチコミサイトに投稿されるかを考えるとまだまだ導入を決断できないという事情もあります、っていうかそれほど大人気のクリニックでもないし(笑)。

誰でもご存知の大会社の社長であろうと会長であろうと普通にお待ちいただきます(芸能関係の方と違って顔が売れている人はごくごく少数なので待合室はザワザワしません)。

記事から読み取ることはできませんが、伊集院さんはひょっとして自分が有名人であるのに待たされたのでは、との意見をSNS上で見かけました。伊集院さんの無頼派的なエッセイが嫌いではない私なんで、伊集院さんに限ってそんな理由で今回のようにブチギレたとは考えたくないですけど・・・。

著名人のがん死とそのリスク因子を記事にする件・・・喫煙と乳がんの関係を考えてみた。


■先日乳がんで亡くなった、さくらももこさんの喫煙はがんの発症に影響を及ぼしているか?

平成30年8月15日にちびまる子ちゃんの作者であるさくらももこさんが乳がんのためにお亡くなり、多くのファンがショックを受けました。ご冥福をお祈りいたします。

さくらももこさんがヘビースモーカーであったことによって喫煙が乳がんの原因になりうることを多く方に知ってもらおうとの気持ちからブログ等を書いた医療関係者およびインフルエンサーの方もいらっしゃるようです。ネットの反応で判断する限り

喫煙が乳がんのリスクを高めることって案外知られていないようです

論外的なものとして、乳がんと喫煙の関連性の医学的根拠やいわゆるエビデンスも一切掲載しないようなスッカスカのペーラペラのタイトルだけ「さくらももこ 喫煙」とか「さくらももこ ヘビースモーカー」などのキーワードを散りばめた便乗アフィリエイトサイトも目についてしまうの非常に残念です。

さくらももこさんが乳がんによってお亡くなりになったことをきっかけとして、喫煙の怖さを多くの方に知ってもらおうという思いの記事に対して「死んだ著名人を利用して!!怒」的なご意見もSNS上では見受けられました。私はいい機会(うーん、うまい言葉が思いつかないので不快な思いをされた方はごめんなさん)なんじゃないかなあ、なんて感じています。というのも、禁煙につながる可能性があると思われているたばこの値上げが話題になったとしても

たばこの値上げ問題をきっかけに禁煙しようと思う人って意外と少ないのをご存知でしょうか?

この表現をちょっと誤解を招きそうなんで正確にお伝えすると

たばこの値上げで禁煙に関心を寄せても、それは持続しない!!

との研究があるんです。たばこの値上げは禁煙の良いきっかけになると思っていたのですが・・・。となると、著名人がひょっとすると喫煙をしていなかったら、このようながんになる事もなく今でも元気に活躍できていたら、などの思いを抱いた方も多い現時点で乳がんと喫煙の関連性を記事にすることは責められるような行為ではないと私は考えています。

今回はさらに乳がんのリスク因子として喫煙は今のところ確実と判断して差し支えないこと、受動喫煙は家庭内の問題というより職場の問題として取り上げられる可能性があること、などをお伝えいたします。

■たばこは値上げしても禁煙のきっかけにならないほど依存性があるのか?

非常に興味深い研究があります。今年の1月に「Tobacco price increases and population interest in smoking cessation in Japan between 2004 and 2016: a Google Trends analysis」(Nicotine Tob Res. 2018 Jan 31)という医学論文が大阪国際がんセンターがん対策センターの研究者たちによって発表されました。

https://medical-tribune.co.jp/news/2018/0223513148/より

さくらももこさんが乳がんで亡くなったことと喫煙の関連性についての話題を提供されたのもネット上。それを批判した投稿もネット上。そしてこの研究も

たばこが値上げの日の前後で「禁煙」というキーワードの検索数の変化を調べたものです

この検索数を調べたのは2010年のマイルドセブンが一箱70円値上げになって喫煙者の関心を大いに集めた時点です。このグラフでもわかるようにたばこの値上げ前にはめちゃくちゃ検索数が増えていますが、人の噂も七十五日というか「禁煙」というキーワードで検索するボリュームは一ヶ月も待たずに急激に減少・・・禁煙への興味が短期間で薄れてしまっていることがわかります。

さくらももこさんが乳がんで亡くなったことを喫煙問題と絡めた記事に対して「日本では少なくとも49日は故人のことを考えたらネット記事にしちゃいかん!!怒」とのご意見もありましたが・・・たばこの値上げという喫煙者にとって切実な問題でさえ25日程度しか話題にならないのですから、49日過ぎたら多分多くに人は興味を失っているのではないでしょうか?

■乳がんと喫煙の問題

先日こんなブログを書きました。乳がんのリスク因子として背が高い、があることって多くの方はご存知なかったのでは?

背の高い女性は注意!!高身長だと乳がんのリスクが高まります。

すでに高身長の方はどうしようもないのですが、他のリスク因子に気をつけてもらいたいとの気持ちで書きました。前掲のブログでさらりと書き流した乳がんと喫煙の関係も実は多くの方がご存知なかったことに驚きました。

たばこを吸う女性は、乳がんになりやすい

との疫学研究結果は2005年に発表された医学論文が根拠となっていますので、まだまだ多くの方には知られていないのかもしれません。

「Active and passive smoking and breast cancer risk in middle-aged Japanese women」(Int J Cancer. 2005 Mar 20;114(2):317-22)にとのタイトルで掲載された論文をわかりやすく解説しているサイトがありましたので、そちらを引用して乳がんと喫煙の深い関係、つまり喫煙は乳がんのリスクを高めることをご紹介しておきます(以下引用は国立がん研究センターの予防研究グループのサイトから)。

たばこを吸ったことがなく受動喫煙もないグループの乳がんリスクを1としたときに、たばこを吸うグループでは1.9、つまり乳がんリスクが90%増加したということになります。

さらにこのような事も解説されています

閉経していたか否かで二つのグループに分けて、乳がんとの関連を調べました。閉経前の女性では、たばこを吸ったことがあるグループの乳がんリスクは、吸わないグループの3.9倍高いことがわかりました。一方、閉経後の女性の乳がんリスクには、喫煙の影響はみられませんでした。

上のグラフは閉経前に乳がんになった人の中で喫煙していたか否かを調べたものです。

喫煙者は非喫煙者に比べて3.9倍も乳がんになっていました!!

このような研究によって喫煙は乳がんのリスク因子である、と考えらるのです。この研究は今話題になっている受動喫煙に関しても衝撃的な結果になっています。

なんと受動喫煙でも乳がんの2.6倍リスクは上昇しています

さらにこのグラフは大きな問題を指摘しています。

家庭以外での受動喫煙が乳がんのリスクを高めているじゃないですか!!

ってことは家庭内での受動喫煙の発がんリスクより職場等での受動喫煙の方が乳がんのリスクを高めるとの結論になりますよね。

喫煙する人が様々な病気になる可能性を理解していても喫煙してしまうことは、経済的損失とか医療費の問題はあるにしても多様性の一つとの解釈も成り立ちます(愚行権の行使との考え方?)。また家庭内の問題に外部から口を挟むんじゃない的なご意見も十分承知いたします。

しかし、別に愛し合った関係があるわけじゃないし、血を分けた関係なんて無いよ、っていう

職場での受動喫煙によって乳がんになるリスクが高まることが因果関係として明確に証明されたら

・・・いつか経営者は乳がんの原因がわかっているのに対策を取らなかった

受動喫煙対策が不備であったと理由で訴えられる可能性が無いわけじゃ無いです

多分(この辺りは法律の専門家にお任せしますね)。金銭的な損失としたら多分パワハラ・セクハラより高額になるんじゃないでしょうか。職場における喫煙問題は企業の危機管理体制問題の一つとして、大企業の方も十分ご注意くださいませ。

■今回お伝えしたかったことは5つです

喫煙はもとより受動喫煙問題を取り上げている方に対して「喫煙者いじめ」ひどいのになると「禁煙至上主義ファシスト」なんて感じのご意見をせっせとSNS上に投稿されている人が結構いることに驚いてブログを書いてしまったので、まとまりが無いと受けとめるられるといけないので、お伝えしたいことを整理します。

●著名人の死をきっかけに有用な病気の情報をネットに投稿するのは悪ではない

●喫煙者にとって切実な問題であるたばこの値上げが禁煙につながるかはネットの検索ボリュームで判断する限りは明確ではない

●乳がんのリスク因子として喫煙は今のところ確実と判断して差し支えない

●受動喫煙は家庭内の問題というより職場の問題として取り上げられる可能性がある

●ひょっとすると受動喫煙問題を軽く考えている経営者(分煙じゃダメだよ)は将来莫大な訴訟を抱える可能性がないわけじゃ無いかもしれない

以上の5点ってことになります。

日本禁煙学会もさくらももこさんが乳がんで亡くなったことに関して、このようなリリースを出しております。

日本禁煙学会

声明自体はいかがなものかとは思われますが、このサイトからタバコと乳がんの関連性に関する最新知見を識ることができますので、ぜひご覧になっていただけたら幸いに存じます。

背の高い女性は注意!!高身長だと乳がんのリスクが高まります。


■背が高いことが乳がんのリスクを高める、って言われても・・・。

こんな食生活をしているとがんになりやすい、こんな身体的な特徴があるとがんになりやすい、とかく色々な話があますね。一般書籍レベルだと「がんになりたけりゃ〇〇しなさい!!」って命令調のタイトルが受けているようですが

乳がんに対するリスクとして高身長、つまり背が高い、があります

実は背が高いことが乳がんのリスクを高めること、恥ずかしながら私はあまり意識していませんでした。というのも乳癌であると診断される人の数を数十年前と比較したら、今の女性のほうが栄養状態・健康状態が良いはずなんで当然高身長ってことになりますもんね。

http://honkawa2.sakura.ne.jp/2182.htmlより

このグラフからわかるように女性の身長はここ数十年でガンガン伸びています。となると、平均寿命の伸び+女性の高身長化に伴い当然の結果として乳がんと診断される人は高身長との結果になるんじゃないの的に解釈していたら、これが大間違いでした。

乳がんと診断されている日本人女性はこのグラフのように右肩上がりで増加しています。

■高身長だと乳がんになりやすい説の医学的な根拠

乳がんのリスク因子として乳癌になった家族がいる、閉経後の肥満、飲酒習慣、喫煙があります。これらの乳がんリスク因子は「なるほどな」って素直に納得できるのですが、高身長だと乳がんになりやすい説はどんな根拠があるのでしょうか?たぶん「Body size and risk for breast cancer in relation to estrogen and progesterone receptor status in Japan.」(Ann Epidemiol. 2007 Apr;17(4):304-12)が一番有名であり信頼度の高い医学研究だと考えられます。この研究論文は40~69才の日本人女性55537人を対象としたもので、10年近く追跡調査したデータをもとに解析されたものです。この結果として

背が高い女性ほど乳がんになりやすいことがわかりました

疫学の結果に関して「それって外国の話じゃん」とか「ほかの要因の影響も受けるはずだから」とか「私のお母さんは背が低いけど乳がんになった」(これは医学的科学的検証としては論外)とのご意見が出ます。しかし、これはサンプルサイズは十分であり、日本人に関して調べたものですから

背が高い女性は乳がんに気を付ける必要がある

と言ってしまって問題はないのはずです。肥満や喫煙、そして飲酒はご自身で注意してコントロールできる乳がんのリスク因子ですが、背が高くなってしまった女性は今後どうすればいいのでしょうか?

高身長と乳がんのリスクの関係は成長ホルモンや女性ホルモンが関係していることが強く示唆されていますが、まだまだ原因と結果としての因果関係は十分にはわかっていません。

■背が高い女性が乳がんにならないためにできることは

健康ですくすく育ってしまった高身長の女性。いくら乳がんのリスクが高まるとしても背を低くすることはできません。そうなると自分はほかの人より乳がんになりやすい傾向がある、とのご自覚をお持ちになって肥満にならないような食生活を送り、過度の飲酒を控え、当然のこととして禁煙をすることである程度のリスク回避はできます。

著名人ががんになってしまった、あるいはがんで亡くなった場合「がんはとにかく早期発見が肝心です」といったご意見がメディアに掲載されます。さらに「乳がん検診を受けましょう」レベルを超えて医療機関の中には「とにかく乳がんのチェックをしましょう。人間ドックでも乳がん対策(オプション)は念入りに」と主張されるところもあります。

ここで注意が必要なことは

なんでもかんでもがんを発見するといわれている検査を受けてもなんの利益も得られない場合がある

ことです。例えば行政が行っている乳がん検診は40歳以上となっています(日本対がん協会等)。この年齢以下で乳がん検診の一方法として有名なマンモグラフィを受けたとしても、それが早期発見となって生存率を高めるというデータがないのです。

人間ドックのオプションで20-30歳代でマンモグラフィを勧められた方もいらっしゃるようですが、次回からはほかの人間ドック受診をした方がいいかもしれません。国としてもがん患者さんをいかに減らすかに力を入れているので、お金に余裕がある人しか人間ドック受けられないじゃん、ということが無いようにするために「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」というなの通知を出して40歳以上の女性を対象に二年に一回の問診とマンモグラフィを推奨しているのです。この乳がん検診は無料ですが、受診率が上がらない問題点として

仕事や家事が忙しくて乳がん検診を受ける時間がない!!

といったユーザビリティ関連があるのですが・・・二年に一回くらい時間を取れないことって現実問題としてあるのでしょうか?仕事をしていても当然の権利として有給休暇もあるでしょうし、いくら家事が忙しくても半日っくらいは時間とれないかなあ、それも二年に一回ですよ。仕事が忙しくて乳がん検診が受けられない理由として「日曜日に乳がん検診を行っている医療機関が無い」があるのですけど、そんな方は日曜日に乳がん検診を受けられる医療機関を探していないんじゃないでしょうか?

http://jms-pinkribbon.com/jmsclinic.html

こんなサイトもあるのでぜひご活用いただき、医学的疫学的根拠のある乳がん検診を受けていただきたいと思います。

緊急事態発生!!プラセンタ注射「ラエンネック」でB型肝炎感染の疑い!!??


■プラセンタ注射と呼ばれる「ラエンネック」でB型肝炎に感染!!??

驚きのニュースが飛び込んできました。若返りだの美肌治療に使用される

プラセンタ注射「ラエンネック」によってB型肝炎に感染した可能性が明確に否定できない症例があった

との情報を見つけてしまいました!!

日本生物製剤http://jbp.placenta.co.jp/files/2017/09/20180816.pdfより この文章なぜか日付が「8月」だけ・・・私がこの文書を見たのがお盆の最中。B型肝炎ウイルスが入るはずないと、日本生物製剤は書いてはいますけどこんな論文もあります→「Occult HVB感染と考えらえる血液製剤による輸血後B型急性肝炎の一例」つまり

肝炎ウイルスが紛れ込むことがゼロとは言い切れないと思います

これって本来ならばMRさんが当院を訪問して説明する、あるいは郵便でこのような内容を知らせてくれるべきなんでしょうけど、なんせ当院ではプラセンタ注射を当方から患者さんに推奨することは無いために

販売会社からすれば当院はラエンネックマイナーユーザーであり重要な取引先ではないと認識されてるんでしょうね

「他院でプラセンタ注射を始めたので、ついでにラエンネックを注射して」レベルの数人の患者さんにしか使用していなかったので、大事なインフォメーションを教えてもらえなかったのかなあ、なんて考えております。

このあくまで因果関係は明確ではないにしろ、プラセンタ注射ラエンネックB型肝炎疑惑に対して、当院美容サイトはこの情報を得た時点でこんな感じになっております。

正直なところ、この美肌注射には

もともとラエンネックは含まれていませんが、オプションとしてラエンネックの追加をしていたことはあります

簡単お手軽に採用できるプラセンタ注射「ラエンネック」は保険診療一本槍だった皮膚科でも、自費診療のお勧め等のセミナーの影響を受けて現在は多数の一般クリニックでも採用されています。

■ラエンネックを製造販売している会社の対応は疑問だらけ

まあ、当院のようなラエンネック少量ユーザーへの対応は後回しになって仕方ないと大人の解釈をしたとしても第一報でこれはないでしょう!!

ラエンネックの使用を当面の間差し控えることに関するお知らせ

って当面の間差し控え、なんて曖昧な表現じゃなくて

至急、ラエンネックの使用を中止してください

って危機管理を考えたらインフォメーションするべきなんじゃないでしょうか?さらにこの「当面の間さし控えることに関するお知らせ」は医療関係者でないと基本見られない建前になっています。

日本生物製剤 医療関係者の皆様へ(http://jbp.placenta.co.jp/medical_personnel/) 真面目な一般の方は自分は医療関係者じゃないや、と考えて「はい」をクリックしない可能性があります。これではラエンネックの疑いをあまり公にしたくないオーラが出まくりなんじゃないでしょうか?

私は日本生物製剤がラエンネックで一発当てようと欲を出したのか(もともとは非常にマイナーな製薬会社)、会社の発展のために当然の流れなのか

豚由来プラセンタサプリを製造販売した時点でなんじゃこの会社は!!

って感じたのが10数年前だったけなあ。ラエンネックって生物製剤なんで「未知の感染症の原因となる微生物が含まれている可能性があること患者さんに伝えること」との指示を従業員に出し、さらに念のためというかほんとは当院的に積極的にはプッシュしていないんだよという意味合いと万が一のために同意書を用意していました(なんで同意書なんか書かせるのよ(怒)って方は当然お断りしていました)→当然のごとくラエンネックを使用したプラセンタ注射希望者はごくごく少数ってことになります。また、万万が一のことを考えてラエンネックを使用している患者さんには献血は控えるようにお願いしていました。

■プラセンタ注射ラエンネック肝炎疑惑に対する当院の対応

前掲のように当院のサイトではラエンネックを使用したプラセンタ注射は中止しています。しかし、少数とはいえラエンネックを注射された患者さんがいることに間違いはありません。そこで当院としてはこのような対応をいたします。

当院でラエンネックを注射した方に対しては当然無料でウイルスの検査をいたします!!

すでに当院からの電話連絡をアンケート用紙にOKと書かれた方には連絡をとって採血を開始しています。

これは当院の在庫、廃棄すればいいのか、御社が回収するのかの指示もお願いします、日本生物製剤さま。

■情弱のクリニックは今でもこんな状態です

ネットで「プラセンタ注射」のキーワードで検索すると・・・・

こんな状態で広告が上の方に現れます。どこもいまだにプラセンタを積極的にアピールしているようです。広告を除くとこんな状態。

プラセンタ注射をこんな感じでサイトに掲載して大丈夫か?と余計な心配をしてしまいます。さらにはラエンネックがヤバイと知られ出したこの時期にこんな広告をしているクリニックまで・・・。

ここも当院のように製造販売会社から連絡こなかったのでしょうかねえ・・・。

■果たしてラエンネックにB型肝炎ウイルスは混入していたのか?

今はシワ等の治療にヒアルロン酸が主に使用されていますが、以前は同様の効果を期待してコラーゲン注射が多用されていました。このコラーゲンはもともと人体の皮膚の一部を原料として製造されていたのですが、BSE問題つまり狂牛病騒ぎの時に万が一原因であるプリオンが混入してしまう可能性があるために、医療では使用されなくなりました。生物由来成分の場合は疑わしきは罰するべき流れとなっているはずです(薬害エイズ事件なんてひどい事件もありましたね)。

今回のプラセンタ注射の薬であるラエンネックの場合も万が一という事態に備えて

即刻使用中止を製造販売会社は医療機関に通達するべきだったのではないでしょうか?

私の個人的な解釈だと、B型肝炎ウイルスが製造過程で混入することは、まずありえないとは思いたいのですが・・・入っていないはずの異物が混入して製造をストップさせた医薬品は今までにもいくつかあります。

https://area34.smp.ne.jp/area/card/5696/i1Iv6B/M?S=mbmjt0ljt0kより

しかし

本来のラエンネックの適応症は「慢性肝疾患における肝機能改善」です

肝機能改善を目的としたラエンネックで肝炎になってしまったら、それも保険治療で使用される以外のアンチエイジング目的の注射が原因となってしまったらどうなっちゃうのでしょうか?

積極的にご自分の使用している薬剤の情報収集を怠っている医療機関は早めにラエンネックの注射を中止して、最優先課題として危機管理体制をとって対応するべきだと考えております。

当院としてはラエンネックの安全性が確実になったとしても、この会社の対応に不信感を抱いておりますので今後も自主的に控えるのではなく中止とさせていただきます。

当院崩壊寸前!!??役職者を「さん付け」する会社が発展するなら医療機関はどうなちゃうんだ(涙)


■内部崩壊と外部崩壊同時進行中?ポンコツとなりかけている当院(涙)

当院の患者さん向けお問い合わせメールシステムが不調で多くの患者さんにご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。この当院サイトのメールシステム崩壊と同時に私が個人的に使用しているメール(サイトとは完璧に独立)もなぜかヘンテコになってしまい、これらの修復に三週間程度要してしまいました。

そんなこんなの悲惨な状況においてブログを書く余裕がありませんでした

さらにさらに8月から内部体制を大幅に改善(私は改善だと信じている)を行ったところクリニック内もギクシャク、スタッフに伝達するにしても今までのデータを掘り返そうとしても、メールだけでなくシステム自体もポンコツに成り果てしまうという

悲劇が悲劇を呼ぶ完璧に負のスパイラルに陥ってしまいました

そんな大混乱、頭の中はどれを先に解決すればいいのかのという常日頃は冷静沈着との評判の私もパニック状態。そんなこんなもうどうにでもなっていいや的な投げやりな気持ちになりかけた時に目にしたブログがこれ↓

役職者を「さん付け」する会社が崩壊する?

これは東洋経済に掲載された役職者を「『さん付け』する会社が崩壊するワケ」(https://toyokeizai.net/articles/-/165541)というタイトルで投稿された、どちらかというとポンコツ方面のオッサン(ジジイとの表現も見かけたような気がしないでもない)に対する猛烈な反論内容のブログです。役員であろうが社長であろうが数十年前から「さん付け」を社風として、今も元気なリクルート出身の私のネット上のアドバイザーでもあるブロガーじゃなくストラテジストの永江一石さんのブログを読んでしまったのです。

医療機関って普通役職・職種で呼ぶのが当然

なので、今までのように「院長」とか「先生!!」なんて読んでいたら当院の場合、内部崩壊+外部崩壊+権威付けの呼称で呼び合う意味のない悪習=即メルトダウンという図式がパニック状態の私の脳内をぐーるぐる。

■院長をなんと呼ぶか、それは大問題だぞ、なんてことはなさそうです

院内で私のことや他の医師のことを「先生」と呼ぶ、あるいは書き物に書くことは基本的に避けようよ、とのスタイルで21年間の開業医人生を送ってきました。私は院長という役職なので、流石に「桑満さん」って従業員に呼ばれたらムッとするかもしれません(この辺りがすでにポンコツなのかも)。

美容専門の松下医師のことを私もスタッフも「松下先生」と呼びますが、患者さんに対しては「当院の松下医師は」「松下Dr」という使い方を指導しています。

一時期うるさ型の方が

医師を先生と呼ぶのは如何なものか的な主張がメディア等を賑わせました

そもそも先生という意味は、なんてうんちくをご披露されていた時期があったのです。中には「センセ」って感じで医師を呼ぶ人もいますが愛着があると判断しますが、「センセイ」と書く場合はバカにしている場合が多いようです。以前は看護師さんのことを看護婦さんと何の抵抗もなく読んでいた時期と重なるような記憶もあります。

しかし、医療業界はその地位を患者さんに明確にしないと、看護師が診断を下したり、事務系のスタッフが採血したりなんて問題が発生しますので、役職で呼び合うことによって権限を明確にする必要もあるのです。当院の場合、名札に「院長」「医師」「看護師」「受付」と書き添えていいる上に白衣等も医師・看護師・エステシャン・受付で誰が見ても見分けが着くように開院当初から気を使っています。

■重要なのは「要は中身次第」ってことです

ある病院の受付の方がこんなことをツイートしています。


これは明らかに違法ですよね、事務の人が調剤やっちゃってますから。こんな病院はとんでもない医師・看護師が勤務しているリスキーな医療機関と言えるでしょう。永江さんのブログには

要は中身次第 という根本に戻ってしまうわけです。企業の本質がしっかりしていれば、肩書きで呼び合おうがさん付けだろうがたいした差はないと思うんですよ。

との真っ当なご意見が記されていますので、救われましたです。

当院の場合、医師だからといって個室の用意はありませんし

院長である私でさえ院長室がありません

スタッフはマンションの一室でゆっくり休憩が取れたとしても、医師は診察室の椅子で休憩、院長である私は非常勤医師に診察室を占領され院内を徘徊してしまうような時もあります。つまり

打ち合わせに課長様が出てこられるときは取り巻きが10人くらい参列されました。当時はトヨタでは役職が付くと食堂が別になり、椅子や机がグレードアップしていく。「出世したな、おれ」を痛感させる仕組みになってると中の人に聞きました。

ことにはならないのです。本当に永江さんがブログに書いたように

企業の価値は中身で決まり呼び方はその企業のスタイルによる

が大正解だと考えます。

■患者さんのことを「患者様」と読んでいた医療機関はその後どうなった?

医療機関もサービス業である、との考え方が流布した時期がありました。そのためか

患者さんのことを「患者様」と呼び出す医療機関が全国で多発しました

その時も私は「医師と患者さんの関係はフラット、医療はサービス業的要素を取り入れる必要はあるが患者さんに媚びる必要は無し」と考えて「患者さん」で21年間やり通しています。中には患者さんのことを「患者様」「何々さま」なんて呼んでおきながら影では「あの患者はさあ」とか名前を呼び捨てにしている医療機関も多分というか、間違いなくあったはずです。こんな医療機関の中身はスッカスカ、心のこもった医療なんかできるはずはありません。多分、今頃は患者さんと呼ぶようになっている医療機関が多数なんじゃないでしょうか?

ほらね、独立行政法人国立病院機構埼玉病院サイト(http://saitama-hospital.jp/patients/Patients_referred.html)。

じゃあ、なんで私のところはメールシステム、データ管理システムが崩壊して、さらに内部崩壊寸前に陥ってしまったのでしょうか?とのジレンマに陥っています。私は今流行りの医療機関のチェーン展開なんて考えもしませんし、地域にどっしり密着した医療を目指しています。さらに私の能力は大型バスの運転手にはなれなくても、マイクロバスの運転手程度。多分

自分自身がポンコツになり出したことが大きな原因だと思います

ここ数ヶ月かけてお問い合わせフォームの管理やデータ収集システム、そして内部組織の改変にポンコツではない、生き生きしたフレッシュな人材・知恵を外部・内部合わせてご協力いただくことにすることにしました。

そこでちゃっかり求人

私はwebにめちゃ強いぞ!!って医師・看護師さん・エステシャンの方、ぜひメールください

もちろんぶっ壊れた問い合わせフォームは現時点で絶好調です!!少なくとも現在の収入以上の給与は保証いたします。

そういえば企業の寿命20年説がありましたよね。当院も開業して21年経過しているんです、内装を大幅にいじっても基礎がポンコツになっていることに院長である私は気がつかなかったのかもしれません。さあ、スタッフの皆さん、明日からは私のことは「桑満さん」と呼ぶようにしましょう、ってワケになるはずないじゃん(苦笑)。

お盆休みに病気になった・・・医療機関もお盆休みで休診!!??


■お盆休みに病気になって医療機関を探し回ったことのある方へ

お盆休みに帰省したけど、体調が悪く医療機関を受診しようと思ったけど・・・医療機関までお盆休み。そんな経験をしたことありませんか?やっとお盆期間に診療をしている医療機関を訪れてもこんなトラブルがありがちです。

例えば保険証を持っていなかった、この場合はとりあえずは100パーセント自費で医療費をお支払いただき、後日保険証を持参していただいた時に自己負担料を相殺します。中には保険証のコピーをお持ちで来院され

保険証があるのになんで100パーセント自己負担なのよ!!

とブチギレる方もいるとの話を耳にしたこともあります(記憶にある限り当院では経験なし)。保険証はコピーだと全く意味をなしませんし、健保組合等の指導により保険証は実物を持参しない限り保険診療をしちゃダメということになっております。

こんなデータがあります。

これは平成27年から平成29年に医療機関から提出されたレセプトの枚数です(グラフは当方で作成)。これをみる限りなぜか3月がダントツに保険医療を受けた患者さんが増えているだけで、その他の月で患者さんの数は大きな変化は無いように見受けられます。ということは

一年を通して患者さんは大幅に増減することは無い、と判断して良さそうです

例外として皮膚科は夏に、耳鼻科は春に、内科は冬に患者さんが増えると言われてはいますが、全般的には季節変動はなく、お盆休みだからといって病気になる人が減ることは無いようです。

ブログと全然関係ないお知らせとお詫び:先日当サイトのメール機能が一時ダウンしておりました。メールで問い合わせしたけど、返事が無いぞという方は大変申し訳ないのですが、再送いただくことをお願い申し上げます。でも、よくよく考えたらSEの方が速攻で対応してくれたということは・・・SEさん、お盆休みを取っていなかったということなんですね、ありがとうございます。

■お盆期間、医療機関もお盆体制?

地方だとありがちな話として医療機関もお盆休み体制のために、せっかく通常通りに診療を行なっているクリニックを見つけても医師一人、看護師一人、受付・事務一人なんてこともあり、診察の順番が回ってくるのにメチャクチャ時間がかかってしまうなんてこともあるようです。

目黒区の一般診療所(いわゆるクリニック)を頭に浮かんだ20クリニックを抽出して、ネットによってお盆休みを取っているか否かを調べたところ20クリニック中14クリニックがお盆休みを取らないで診療をしていました。まあエビデンスとしては非常に弱い信頼度が低いものですが

少なくとも目黒区ではお盆期間でも普通に受診できると考えても良いようです

一方で

都内のある区の開業医のお盆休み状況を調べて見たら・・・なんとほとんどが休診!!

よくよく調べてみると、その区では医師会所属クリニックによって当番制でお盆期間中をやり過ごすようです。都内であっても開業医のお盆休み状況はまちまちとの結果になっています。

レセプトの枚数を見る限りではお盆期間を含む8月であっても患者さんはしっかり医療機関を受診しているのです。

そういえば薬問屋さんの中にはしっかりとお盆期間をお休みにしている、社員に優しい会社もあるようですが・・・医療機関の多くは通常通りなんだからご一考いただけると幸いに存じます。そういえば検査の外注した場合、これまたお盆の期間は検査結果が出るのに大幅に時間がかかってしまう事が以前はありましたが、最近はそのような検査会社は都内では見受けられなくなりました。

■医療機関の夏休みはいつだ?

大昔は医師会でなんとなーくお盆休み中は休診にしちゃおうよ、お盆休み中に診療して他のクリニックの患者さんを奪い取っちゃダメだよ的な暗黙のルールがあったような気がしないでもありません。先ほども書きましたが、少なくとも目黒区ではお盆なんて関係ないよ、という開業医も増えてきています。

ところで近年、医師とくに勤務医、さらに特に若い医師の働きすぎ問題が浮上しています。大学病院やその系列の病院に勤務する医師の労働時間はハードで約6割が過労死寸前との報道もあります(HUFFPOST等)。データとしての信頼性はかなり弱い私の経験としては夏休みでないと入院できない患者さんも多数いるために、夏休み中(ほとんどがお盆休み中と考えて問題ないかと)は手術件数も通常より増加する傾向があったと記憶しています。そうなると大人数の医師を抱える科目以外は勤務医は夏休みを取ることは事実上不可能。

じゃあ、勤務医はいつ夏休みを取るかというと、これまた私の経験としては9月とか10月前半に夏休みを先送りしてこなしていました。その当時は勤務医、特に研修医を含む若手は働くことイコール修行であり、寝ずに休まずに働くことは自分の勉強であるとの今考えるとかなり理不尽な理由でクソ暑い中、研鑽に励んでいたのです(タイムカードなどというものは研修医時代には見かけた記憶はありません)。

お盆期間でも通常通りに診療を行なっている大病院を気軽に受診することは、勤務医に取ってはオーバーワークとなる可能性

がありますので、お気遣いいただけるとありがたいと考えております。

■夏休み中、特にお盆期間に体調を崩した方への注意

お盆期間の帰省中、あるいは旅行中に体調を崩す方もいらっしゃるはずです。そんな方にこのような点にご注意いただきたいと思います。

●保険証を持っていないと100パーセント自費で治療費を払うことになる

●地域によって違いはあるけど、医療機関もお盆休みを取っている場合がある

●お盆期間は人手不足のために、至れり尽くせりの医療を受けられない場合もあるかも

●お盆休みだから医療機関も当然休みだとは考えないでネット等で調べる

●間違いなく診療していると考えていきなり大病院を受診しない

以上を留意いただき、お盆休みや夏休みをお楽しみくだされば、なんてことを考えながら当院は毎年夏休みやお盆休みを取らずに元気に通常通りに診療を行なっております!!

危険、危険!!エステや自分で黒子を取るのはやめましょう!!


■なかにはホクロ占いに影響されてほくろを取る人もいるようですけど

ブログを書き出した当初にホクロ占いを参考にして、ホクロをとったらどうなるか、なんてブログを書きました。

「ほくろ占い」を参考にして手術で顔のほくろを取ったら運勢は変わるか?

当院のようなレーザーを多数所有しているクリニックでも

実はホクロ取りって簡単そうに見えてなかなか難しいの治療です

しかし、どうも今でもエステではこっそりとホクロと取る背術が行われているようで、どんな方法でどんなやり方でやったのよ、って感じの悲惨な状態で当院に駆け込んできた患者さんがいました。そこで

エステではどんな方法でホクロを取っているのか気になって調べてみたらこんな報道資料が見つかりました

これは2009年に国民生活センターの資料です。かなり古いものと思われるのですが、どうも水面下では

今でも悪質なエステではホクロ取りを行なっている模様

https://www.marionnette-esthe.com/より

シミ・ホクロ取り専門サロンとサイトには書かれていますが、どうみても医療機関では無いですよね。今でもこのエステサロンではホクロやシミを取ることをウリにしています。

■エステでホクロを取ってこんな健康被害が報告されています

私たち医療機関でホクロを取るとなると、切る手術とレーザー治療くらいしか思い浮かびません。なかには液体窒素によってホクロを取ろうと試みる医師もいることには居ますが、必要ない皮膚にダメージを与えて色素沈着の原因になりますし、かなりの痛みを伴います。

エステで手術は当然違法、レーザーも違法、液体窒素も違法

ですからどんな方法をエステはホクロ取りに用いているのでしょうか?前掲の国民生活センターの報告によると「オゾン」という方法が例として挙げられています。

次にレーザー、これは明らかに医師法違反例ですね。

これは2008年の事例ですので、つい10年前はエステってこんな無法地帯だったことがわかります。エステ業界もこんなことではダメとの真面目な方も多数いらっしゃいますので、こんな乱暴なことはまともなエステでは行われていないはずです。

その次はホクロ取りクリームを使った被害。

多分、イボコロリ的なクリームを使用したのでしょう。

■シミ・ホクロ取り専門のエステでは果たしてどんな方法を採用しているのか

私はエステを民間資格だから、民間療法だからといって全否定する立場は取っていません。医療機関の美肌治療は「はい、シミが取れましたね。一週間後に再診を」って感じで、治せばOK的な所も多いようで、エステのようなリラックス空間とはそもそも目的が違った施設である、と考えています。先ほど例として挙げたエステのホクロ取りを詳細に説明しているはずのページには

詳細はカウンセリング時にてご説明いたします。

って書かれています。

なんじゃ、詳細は実際にこのエステに行かないと判明しないってことらしい

ビフォーアフター画像で見る限りは明らかにホクロが取れています。画像がフォトなんとかで加工されていないとの前提で考えると、盛り上がったホクロも平らなホクロも(この平らなホクロ取りって医療機関でも難易度が高い場合があります)綺麗に取れちゃっている・・・なんでだ、どんな治療方法でホクロを取っているんだ、と非常に興味津々になってしまいました。

ちなみにエステでのホクロ取りに関して国民生活センターはこのように述べています。

事業者への要望 レーザーや薬剤、針でホクロを取る行為や、ホクロに限らず皮膚を焼いたりはがしたり、針を刺すという行為は医師法に抵触するおそれがある。医師の資格を有していない者が、皮膚に傷をつける可能性のあるホクロ取りの施術を行わないこと。また、ホクロを自分で取ることも危険である。個人輸入代行業者をはじめとした事業者は、クリーム類や民間療法的な方法で簡単に取れるというような広告をしないこと。

レーザーは使えないし、薬剤も使えないし、針を刺すこともダメだし、このエステにお伺いすると詳細はカウンセリング時にしか教えてもらえないようだし・・・。

■ホクロと思って悪性黒色腫を取ってしまうと最悪!!

一見ホクロのように見えても、それが悪性つまりガンである可能性もあります。ホクロかなあ、と思っても実際はメラノーマ(悪性黒色腫)であるとすると

これはガンですから下手にいじくりまわすと転移してしまう可能性もあります

し、エステでホクロを取ってスッキリしてもメラノーマはガンですから、知らず知らずのうちに他の臓器へ拡散している場合も考えられます。

そこで私たち医療機関ではダーモスコピー検査を行なってからホクロの治療に入ります。さらに取ったホクロの一部を病理検査に提出して悪性の細胞がひょっとして万が一混じり込んでいないかを調べます。

ダーモスコピーを何かのきっかけでたまたまエステに用意されていたとしても、悪性黒色腫か単なるホクロかの見分けをつけること自体が医師法違反です。診断は医師だけに許された行為であり、看護師さんでも診断を下すことは医師法に抵触します。

日本皮膚科学会サイトより これがダーモスコープです。

悪性黒色腫の5年生存率は思ったより低いですよね。たかがホクロと思って医療機関以外で安易なホクロ取りをしてしまうと、それが悪性黒色腫だとしたら5年後に生きている可能性は70パーセント程度になってしまいます(もちろん病期にも生存率は左右されます)。

しかし気になるなあ、詳細はカウンセリング時にてご説明いたします、という文言。ネット上で治療?の詳細を書いた方が対応時間・説明時間に費やす時間の節約になると思うんだけど。ひょっとして、こっそりと危なっかしい方法を採用していないことを切に祈ります。

サマータイム導入は健康に悪い!?医学的なエビデンスはこれ!!!


■2020年東京オリンピック開催に向けてサマータイム導入が検討されていますが・・・

異常と呼んで差し支えのない猛暑に見舞われた2018年の日本の夏。二年後にオリンピックを控えている東京も39度が観測されていて、この競技に悪影響を及ぼしかねない酷暑対策の一つとしてサマータイムの導入が検討されています。サマータイムって若い人には馴染みのないワードと思われますが、日本に何度か導入しようとの試みがなされましたが日本には馴染まなかった過去があります。

経済的な効果や省エネ効果等に関してはそれらの専門家に任せるとして、オリンピックの競技の暑さ対策としてサマータイムを導入するのなら、開始時間を早めればいいのではと思いつつ、サマータイムが健康面でどのような作用があるかをちょいと調べてみたら・・・

サマータイムって健康に良くないじゃん!!との医学論文によるエビデンスがいくつか見つかりました

例えばこれ「Are daylight saving time transitions associated with changes in myocardial infarction incidence?」(BMC Public Health. 2015; 15: 778)によれば

サマータイム導入によって心筋梗塞が増加!!

との結果が出ています。ここで使われているdaylight savingは太陽光有効活用時間制度のことであり、サマータイムと考えて問題ないはずです。

■サマータイム導入推進派の方は健康増進の利点として挙げているけど・・・

産経新聞の報道によるとサマータイムを導入すると健康増進効果もある(産経の記事「酷暑対策でサマータイム導入へ 秋の臨時国会で議員立法 31、32年限定」) らしいのですが、一方で心筋梗塞が増加するというエビデンスもあります。もう少しサマータイム関連の医学論文をご紹介すると「Daylight savings time and myocardial infarction」(Open Heart. 2014; 1(1): e000019)では米国ミシガン州におけるサマータイム導入と心筋梗塞の発症を調べたもので

やっぱりサマータイム導入によって心筋梗塞の発生率が有意に高かった

との結論になっています。

このグラフに書かれているAMIはacute myocardial infarctionの略で急性心筋梗塞って意味です。サマータイム導入すると月曜日に心筋梗塞が増加していることがわかります。

「daylight savings time」というキーワードで医学論文のデータベースを検索すると出てくるは、出てくる、サマータイム導入は健康に悪いじゃん的な結論になったエビデンスが。

■サマータイムを導入すると事故が増える!!??

これはニュージーランドにおけるサマータイムと事故の関係を調べた2018年に投稿された出来立てのホヤホヤの研究ですが

サマータイムを導入すると交通事故が増える!!

という医学論文さえあります。「Accident rates and the impact of daylight saving time transitions」(Accid Anal Prev. 2018 Feb;111:193-201)によればサマータイムを導入した初日には16パーセント、二日目には12パーセント交通事故が増えたことが確認されています。

このグラフはSANGALINE.COMというサイトで見つけた「How many people will actually die this week because of Daylight Savings Time?」という記事です。この記事でもやっぱりサマータイムを導入すると交通事故死が増えることがわかります。

これじゃあ、

サマータイム導入は健康を害するだけじゃなくて、経済的な損失も増やしてしまう可能性さえ出てきちゃいますよね

さらにサマータイム導入は青少年の健康を害する可能性もあるのです。

■サマータイム導入は若者の睡眠に悪影響が出ちゃうぞ!!

早寝早起きはどう考えても健康に良さそうに思えますが、サマータイムで無理やり早寝早起きの生活リズムにすると、高校生の場合は健康に悪いこともエビデンスがあります(まあ、色々な角度から研究した場合、他の結果も当然導き出されるとは思いますけど)。「Adverse Effects of Daylight Saving Time on Adolescents' Sleep and Vigilance」(J Clin Sleep Med. 2015 Aug 15; 11(8): 879–884)によれば、40人の高校生に対して睡眠状態をサマータイム導入した期間に記録してもらいそれを分析した結果

サマータイムの影響で睡眠時間が32分減少した!!

らしいです。でもこれって、サマータイム導入されてもいつもと同じサマータイム導入以前の時間に寝て、サマータイムに合わせた時間に起床しているから当然じゃん、との解釈もできますね。サマータイムによって1日が逆に長くなってしまうということは、エアコンを使用している時間も長くなりますし、高校生ですからスマホをいじくり回している時間も長くなりバッテリーを頻回に充電することにもなりますし、中にはPCで良からぬ動画なんかも観ちゃっているかも知れませんので、エネルギー削減効果は怪しいものになる可能性も出てきます。

睡眠不足に伴い注意力と認知能力の低下も起きてしまっています。いくつかのサマータイム導入は健康に悪ぞ説の医学論文でした・・・多分、これらの原因は時間をズラすこと自体に問題の原因で、常に早寝早起きが健康に悪いぞ、ということじゃないと考えらえますけどね。となると一年中サマータイムを取り入れることになってしまい、日本の標準時間をズラすことになっちゃいます。こうなってしまうと経済効果はどうなっちゃうのでしょうか的な問題も発生必死ってことか?

■健康面では疑問符付きのサマータイム導入ですが、なんで犯罪防止効果があるんだ?

確か2018年8月9日のWBSでもサラッとサマータイム推進肯定派の意見として「犯罪防止効果もあるんですよ」との発言がありました。これと同様のことが前掲の産経新聞の記事の最後の方にも書かれています。これはどうしてなんでしょう?多分、子供の通学時間も明るいので犯罪に巻き込まれる可能性が低くなることを根拠としているようですが・・・

オリンピック開催期間は2020年7月24日〜2020年8月9日は夏休みじゃん!!

こうなるとサマータイムって本当に良い効果ばっかりなのかと疑問を抱えつつ

日の出と共に目が覚めて起きてしまうオッサンはセルフサマータイム導入に突入

してしまう猛暑の夏でした。

シミを消す化粧品、こりゃありえないでしょうよ(怒&笑)


■シミを消す化粧品って医薬品とは違うし、当然レーザー治療とは比較にならないはずなんだけど

国民生活センターや厚労省がヘンテコリンなサプリや化粧品などのネット上の広告に関して、積極的に指導を行いだしました。美容系の医療も同じようにかなりキツイ指導が実際に行われているようです。しかし、どんな業界でも抜け道を見つけちゃう人々が絶えないようです。例えばこのシミを消すと称する化粧品のネット広告。美容医療に携わるモノとしては笑っちゃうレベルですが、素人さんはこんな広告に惑わされてしまうようです。

https://beautymaker.xyz/shopping/lp.php?p=pc_shirony_2&adcd=yynjuybx0stより

皮膚の新陳代謝は教科書的には4週間程度必要と書かれていますし、臨床上は年齢等を考慮に入れるとさらに効果を実感することができるのはそれ以上の時間が必要です。医薬品として保険外治療で使用される一定濃度以上のハイドロキノンという成分を含有した漂白剤でさえ、ここまでの結果を出すには少なくとも数か月必要とまともな医師は考えます。しかし、このSNS上で話題沸騰?と自称しているシミ消し化粧品はたった二週間で

ここまで目に見えてシミが減っていったので、途中は楽しくて仕方ありませんでした!!

だそーです(苦笑)。お客様の個人的な体験によってこの化粧品の効果効能を表現する、というか広告する手法に惑わされて(騙されて?)しまう方も多数いるんじゃないでしょうか?だってこれはたぶんアフィリエイトと呼ばれる有料広告の手法であり、当然それなりの広告費がかかるんだから当然購入者もいるってことになりますもんね。

■これってあり得ない、レーザーでシミを消したか、あるいは・・・

前掲の画像も化粧品であっても医薬部外品であっても、これだけではありえない効果効能を表現していますけど、こりゃまたスッゲー症例写真?も掲載されています。それがこれ↓

もし、シミ治療に圧倒的な効果を発揮するレーザーを使用したとしても、3週間ではすっぴんでこのような状態までもっていくのはキツイです。というのもレーザーでシミを取ってもその直後は一週間程度はかさぶた状になりますし、かさぶたが取れた後は周囲の皮膚と比較してうっすらピンク色の肌になるはずです。ここまでキレイな状態になる可能性がある皮膚の状態は脂漏性角化症くらいです。脂漏性角化症は盛り上がった色素が特徴的で老人性角化症ともよばれて、この写真の方くらいの年齢でできちゃうのは珍しいのではないでしょうか?

そのあたりの詳細についてはこれをどうぞ。

小林製薬さま、ケシミンで本当にシミは消えるのでしょうか?

さらにさらに素晴らしい効果効能を体験談として伝えるこのアフィリエイト広告、レーザー治療等を組み合わせても実現が難し症例?さえもビフォーアフターにてその実力を伝えてくれます(苦笑)。

話は変わりますが、スマホとかで自撮りした場合、角度や照明等の条件できれいに写ったり、ありゃりゃ状態で写る場合がありますよね。さらに世の中にはフォトショなんとかという画像修正アプリもあると、どっかで聞いたような気がしないでもありません。

■シミを許しても、ニキビ跡は許せないぜ!!

この医学の常識を根底から覆す衝撃的な化粧品ですが(失礼医薬部外品でした)、シミだけじゃなくてニキビ跡にも効果を発揮しちゃうらしいです(苦笑・・・何回使うんだ、私は)。まあ、この画像の方、いままでどんなスキンケアしてたの状態のビフォー画像ですね。

こんなスキンケア放置状態の方でもこの化粧品(医薬部外品かw)を使用するとこんなにキレイな肌になっちゃうそーですが・・・どれがシミでどれがニキビ跡なんだか皆さん見分けがつきますか?さらにさらにこのアフィリエイト広告はこんなことも言っています。

どんなに良い医薬品やシミ消し方法を試しても消えなかったシミが短期間で全て消滅させた方法とは…!

さらにさらにさらに

海外セレブ愛用で流行し、国内TVでも話題沸騰!世界的に効果が認められているシミ消しクリームとは・・・

と記した後に白衣姿の医師と思われる人物が登場している、たぶんテレビ画像まで・・・。

■シミを消す効果がある化粧品・・・これ医院専用かつ市販されている謎

医療機関であれば化粧品よりも断然効果のあるシミを消す塗り薬を処方することが可能です。化粧品を販売する上である程度効果効能を伝えたい場合は医薬部外品として行政の届け出て承認を受ける必要があります。でもどう見てもインチキ臭いこの化粧品は

専用医院内で使用される「医院専用DDクリーム」が、病院ではなく自宅で使用出来る

ことをウリにしている模様。これ逆に考えればこのシミ消しクリームを取り扱っている医療機関はレーザー等でシミを消すことを放棄しているとも考えられますし、ネット通販で手軽にゲットできる化粧品に美容医療を託している情けない医療機関とも考えられます(これはあくまで※個人の感想です(笑))。だってこれだもん↓

ドラッグストアなどに販売されるシミシワ改善化粧品とは違い、即効性があり、より強力な効果の最先端DDクリームなんです!

とも書かれていますけど・・・他社の製品と比較して自社製品が優れていることを示すデータを示してくださいませ。これ今になって気が付いたのですがシミを消す主成分がどっこにも書かれていません。どんな成分で構成されているかを化粧品の場合は明記するルールがあったような記憶があります。

化粧品ごときにごちゃごちゃ言うのも大人げないとの声も聞こえてきます。でも、数年前に大々的な事件として報道されたカネボウの白斑の件を多くの皆様は忘れ去ってしまったのでしょうか?

あのカネボウの白斑被害が集団訴訟になったが、当院での治療結果は?

信頼できると考えられていた大手化粧品メーカーでさえこんな事件を起こしてしまいました。カネボウの美白効果のある化粧品も今回取り上げた化粧品とどうように医薬部外品でした。化粧品は夢を与える商品だと認識しておりますので、ちょっとは大げさな表現は許されるんじゃないか、なんて日々判断しています。しかーし、どうみてもインチキ臭い症例写真の力を借りて効果効能を表現する広告手法、製造メーカーに悪気がなくてもアフィリエイト広告を依頼してしまうと、無法地帯とも考えられるものになってしまうのです。

本当にこのシミを消す化粧品が良い商品であるならば、アフィリエイト広告はお止めになったほうがよろしいのでないでしょうか?

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