五本木クリニック院長ブログ

上流域にお住まいの「EM菌撒き散らしオバサン」、医師としては健康被害が心配です。


EM菌ってご存知でしょうか?

ついついツイートで「EM菌まき散らしオバサン」なるパワーワードを投稿しちまったので、EM菌に関して説明義務があるんじゃあないかと考え、普通の人は知らなけれどウォッチャーに取ってはその動向が確実に観察されているEM菌について少々述べさせていただきます。

知らない人もひょっとすると近くの小学校のプールがEM菌で清掃されていたり、濁った川や池にEM菌をばら撒かれている可能性があるのです。知っている人は知っているけど、知らない人は見たことも聞いたこともないであろうEM菌。

有用微生物群(Effective Microorganismsの頭文字をとってEM)で構成された菌を主成分とする

◎詳細不明の物体が「EM菌」です

EM菌の正体については科学的かつ医学的検証ではエビデンスは確立していません、だから

◎医学の一分野である微生物学の教科書を調べまくってもこのEM菌を見つけることは不可能です

だってある一個人が言い出した菌ですから。

このEM菌を使って汚染された土壌や川を浄化しようとしたりする一派に毒された方をを見つけてしまいました。それがこれ!!

これはFacebookの投稿です(現在は削除された模様 アメブロでも同様のことを書いており、キャッシュで確認できます http://archive.li/Ujr4B)。

この方が一般の主婦であったら私が問題提起の例として取り上げるのは不適切です。しかし、この方ってビーガン食(完全菜食主義者)を推奨する料理講習会を主催されたり(https://cafeohana.exblog.jp/)、本を出版されたり、お金儲けののためのセミナーを開催しているので(https://ameblo.jp/lightsoulnavigator/entry-12355340984.html)、ビジネスの一環としてこのEM菌というニセ医学・疑似科学を使っていると思われます・・・要するにプロです。

EM菌が小中学校で教えられている問題に関して「RikaTan (理科の探検) 2018年4月号」等をご参照ください(この雑誌で私もニセ医学の波動に関して投稿してます)。

ちなみにこの

◎EM菌は病気の治療にも有効である、と主張する人もいます

パーキンソン病やアトピー性皮膚炎、さらにはがん治療効果まで万病に効果があるとしてネット上で拡散されていますが、少なくとも

◎医学的効果はどれもこれは科学的な手法によって有効性が検証されているものはゼロです!!

そのようなEM菌を病気で悩んでいる人に勧める一派がいるのは大きなお世話というより、助かる病気を救えないだけじゃなくて、悪化させてしまう危険性を含んでいます。

土壌の汚染等のついては素人の私ですが、EM菌の医学的効果に言及されるとアウト

このEM菌はトンデモ案件であったのですが、今から7年前の2011年3月11日の東日本大地震の時に大活躍をしました、もちろん放射線障害をEM菌は治す、放射線で汚染された土壌を改善することを目的に日本の危機を救うためにEM菌信奉者が東日本に押し寄せました。EM菌の普及を推進している団体は全国の小中学校でEM菌を使用したプール清掃運動を拡めています。そんな流れに乗ったこのEM菌まき散らしオバサンは

◎最終目標はプールに入れる塩素をEM菌に変えてもらうこと

なんてトンデモ発言をしていています。予算を組んでプールにEM菌を投入する計画を目論んでいるようですが、そのEM菌ってご自宅でお手軽にペットボトルでお造りになっているんじゃないの。

◎自家製のEM菌を効果があるか明確なエビデンスなしに子供達が使うプールに投入

これでは子供達に健康被害がでる可能性が大いにあります。

◎プールに塩素が入っている理由としては細菌感染を防ぐ、ウイルス感染を防ぐ目的があります

それは文部科学省によって「遊泳用プールの衛生基準について」として通達されていますし、「学校保健安全法」という法律もあります(詳細は日本学校保険会の「学校における水泳プールの保険衛生管理」などをどーぞ)。

塩素を使用してプールの消毒しているのが当たり前のところに、殺菌効果があることさえエビデンスのないEM菌を撒き散らしたら、プールの浄化もできないでしょうし、成分不明の謎の菌であるEM菌感染症なんかに子供が掛かってしまったら、医師側は打つ手がありません、だってEM菌がどのような成分の菌で構成されているかは公表されていませんもん。

上流域に暮らす意識が上がれば下流域に暮らす・・・なんじゃこりゃ!!

このEM菌に毒されたオバさんは「上流域に暮らす私達の意識が上がれば、きっと下流域にも良いきっかけをもたらすと考えています」とも述べています。生態系にどんな影響があるか明確ではない(多分悪い影響)EM菌をプールに入れた後、排水時に上流域から下流域に流し込むのか、あるいは自分達は上流に生息する意識の高い層なので自分達がEM菌を積極的に取り入れれば、意識が低い下流域に暮らす人たちへ影響を与えられるという意味とも取れます。

◎こんな感じの選民意識を学校でのママ友に植えつけてマウンティングしているのかな?

こんな記載もあります「隙間時間に、銀座へ。歩いているだけで波動が整ってくよほど嬉しいのか内側にいる龍が、喜んでい...」(https://ameblo.jp/lightsoulnavigator/entry-12355653763.html)。

◎波動!!??これってEM菌が病気に効果を示す時に彼らが主張する理論じゃん

この波動理論を使ったEM菌は

◎福島の原発事故の際にEM菌が含まれる飲料を子供達に飲んでもらったところ、除染効果があったとのトンデモ話があります

その効果を測定した時に使用されたのが波動測定器なるどう見てもインチキ測定器なんです。胡散臭さMaxのEM菌が万病に効果があると信奉者が言い出したら、その効果を信じますか?

関連ブログ:波動医療というトンデモない代替医療というかニセ医学の拡散力の恐怖!!ニセ医学が典型医療をおびやかす

ちなみに首相夫人のアッキーもハマっている様子です
昭恵首相夫人がハマっている「波動理論」ってなんだ?

オーガニック→マクロビ→EM菌→スピチュアル、という王道

無責任にもEM菌でプールを清掃して、それを下流域にタレ流そうとしたオバサン、トンデモさんの王道を進んでいます。一般的に自然派を拗らせた方はオーガニックに懲りだし、その後一時期ビーガン食、そしてマクロビ、さらに進んでEM菌、次なるステップは予想通りのスピチュアルの世界です。この方のステップアップは矛盾だらけというか八方破というかビーガン食を推奨しながらご自身はしっかりとステーキを召し上がることからも知ることができます(https://ameblo.jp/lightsoulnavigator/entry-12343062924.html)。

ここからは私の想像ですけど、多分

◎自然派セミナー受講→オーガニック→マクロビ→EM菌→自分でセミナービジネス開始→スピチュアルで上がり!!

というお金の魅力に取り憑かれたトンデモさんがたどるステップを確実にお進みしているようです。

https://ameblo.jp/lightsoulnavigator/entry-12355340984.html

お金儲けが悪い、なんてことは申しません。「新しいお金のお話会」を開催しても、文句は言いません。しかし、疑似科学やニセ医学をビジネスにしてお金儲けすることは批判されるべきだと考えます。

私がトンデモの王者EM菌に今まで触れなかった理由

EM菌が怖くてブログが書けるか、トンデモを語るなかれと思いつつも敢えて今までEM菌に私は触れてきませんでした。というのもEM菌に関して否定的な意見を記述すると裁判沙汰になってしまう可能性があるからです・・・「EM菌 擁護者と批判者の闘い―ドキュメント スラップ名誉毀損裁判」 、本になる前から裁判になっていることは知っていました。

しかし、医業を営みながら裁判それも本業とは別の件で時間を使うことは患者さんにも迷惑がかかりますし、自分の精神的負担・肉体的負担・金銭的負担を考えると弱気になっていたんです。でもやっぱり児童や学生の健康被害に繋がる可能性を含むEM菌によるプール清掃そして塩素代わりにEM菌を使用するなんてトンデモ発言が密かに称賛を受けていることを見過ごすことは信念としてできません。

宗教儀式として川や池に自然環境・生態系に影響を及ぼさないレベルである物質を投げ込むのは否定される行為ではありません。

◎しかしEM菌というヘンテコな菌をド大量川に投げ込んでいたら、当然環境破壊・生態系への悪影響の可能性もあります

プールの浄化のために使用されたら健康被害が出る可能性があります。

本来ならばEM菌でがんなどを治療するというニセ医学分野について述べるべきですが、子供をもつ親御さんの間で密かに、しかし確実に流布しているEM菌神話の怪しさを知っていただきたいために、今回は誰でも変だぞ、と思われるプール清掃とプール消毒に関して述べさせていただきました。しかし、プールへの自家培養したEM菌散布をOKし、今後のEM菌散布の予算の見積もりを依頼した校長先生、事前に調べることをしなかったのでしょうか?

自宅で簡単にピーリング、それで満足できる美肌効果をゲットできますか?


肌をツルツルにする美容法の一つ、ピーリング

美容皮膚科の基本中の基本であるケミカルピーリングがあります。医療機関でクリニックでケミカルピーリングと呼ばれているのものは多種あります。

一番ポピュラーなものはグリコール酸というものを使用したものです。このグリコール酸、かなり高い濃度じゃないと美容皮膚科に通う意味はありません。だってホームピーリングセットとして通販等で簡単に手に入れることが可能ですから。

家庭用ピーリング剤は最高で3.5%しかグリコール酸が含まれていません。これ以上濃度を高くしたら薬機法でアウト

そうなると今までのケミカルピーリングに加えて当院として美肌治療のプロとして

いまいち押しのピーリング方法はレーザーを使用したもので、シャイニングピールと呼ばれる治療方法です

百聞は一見にしかず、とのことわざもあります。言葉で説明するよりは動画が良いと最近思い出しました。ちょうど当院の美容部専任の松下医師が動画作りに凝りだしたので、治療風景をこんな感じでご紹介しますね(文章で説明するの面倒だからじゃないよ)。

レーザー照射について良くある質問として「痛くないの?」というのがあります。その回答として良く使われる表現が「ゴムで弾かれたような軽い痛み」ってのがあります。でも、このシャイニング・ピールはYAGレーザーやダイオードレーザーとは波長が違い、まず痛いということはなく、なんとなく熱いという表現が適切だと思います。

シャイニングピールの治療効果はこれ!!

このような美容治療って本当はどうなのよ、と思う方向けに治療を受けた人の感想をもらうという方法が一般的ですね。前もって言っておくことがあります。

シャイニングピールの効果は個人によって違いがあります

それに納得の上、次にお進みくださいませ(いろいろうるさい人がいますから)。

シャイニングピールを受けた方の体験レポートというか感想を紹介します

けど、ここでさらに前もってお断りしておきます。

※個人の感想です

と、でっかい太文字で打消し表示をしておきますね(この打消し表示の件、わかる人にはわかる、わからない人にはわからないw)。

シャイニングピール感想 その1
0.2の出力で行いました。
3〜4日後に薄皮が剥けて、それから2〜3日は洗顔のたびに剥けるような感じでした。
そのあとはツルツルでハリがでました。次はもう少し出力を上げて行ってみたいと思います。

シャイニングピール感想 その2
一番弱めのジュール数で施術。施術中は熱さと多少の痛みを感じます。施術後、化粧水はヒリつきがあり頬は赤みがありました。3日後には口周りが皮むけがおこり1週間くらいで剥がれました。肌のツヤ感が感じられ、ぱつんと引き上がったようにも思います!1週間くらいの効果実感だった気がします、、、。

シャイニングピール感想 その3
施術中は心地よい熱さでした
施術後は火照った感じはありましたが、痛み等はありませんでした。わたしは肌が強いようで、その後化粧水がしみる感じもありませんでした。
施術後は2-3日目は肌が剥ける感じはそれほど感じませんでしたが、化粧のりが悪かったです。そのあとは1週間ほどお肌がなめらかで、調子がよく、化粧のりがいつもより良かったです。

シャイニングピール感想 その4
照射時はレーザートーニングに似た感じで痛みはほとんどありませんでした。直後は赤みが少し出ましたが夜には引きました
6日後鼻とアゴの皮が少し剥けてきました。7日後には全体の皮がポロポロ剥けてきました
8日目にはすっかり綺麗になりました。
皮が剥けるまでの1週間はとても張り感を感じましたが、 その後はツヤ感、張り感はあまり感じることは出来ませんでした。

シャイニングピール感想 その5
800shot 全顔照射。
照射されている時は肌全体が暖かく、頬骨の辺りはパチパチ、ゴムで弾かれている感覚がありました。照射直後は赤みがあり、少しひりつき感あり家に帰る頃には落ちついていました。
次の日肌全体が乾燥し、つっぱりが強く感じ、3日後ポロポロと薄皮が剥けて肌にハリ、艶がでました。

シャイニングピール感想 その6
照射されている間、温かいより少し熱い感じがしました。
終わった直後はほてり感、頬の赤味が有り、多少の突っ張り感が有ります。
4日後位に肌がパツッとなりその後、薄皮の様なものが顔の中心から剥け始め、お化粧ノリの悪い日が数日続きましたが、それが終わる頃にはツルッとした肌に生まれ変わった感じがします。

以上の6人の方のシャイニングピールを受けた感想・体験レポート(レポートとは呼べないか、これじゃ)をお伝えしました。なお6症例の感想の文章は頂いたものをそのまま使用していますので、誤字脱字のご指摘はご遠慮ください。また、0.2の出力とか800shotなどの謎の言葉、および文章能力についての評価はお断りいたします(笑)。

おまけ:シャイニングピールを私も試しました・・・ガサガサ、ギトギトの肌がツルツル・ピカピカに!!シャイニングピール体験レポート!!

文章で説明したのはこれです・・・五本木クリニックの美容美容部門専用サイト「シャイニングピール」、ご興味のある方は合わせてお読みいただけると幸いに存じます。

「スマホ認知症」20代の物忘れ外来患者が増えている、これって本当?


スマホ認知症という病名は無いはずなんだけど、若者の患者さんが増えているの?

2018年2月28日にスマホ認知症という聞きなれない病気のことが日本テレビのニュースで放送されました。さらにそのスマホ認知症報道をYahoo!ニュースが取り上げたためにネット上では医療関係者によって、「このスマホ認知症ってエビデンスあるのかよ」「スマホ認知症とたんなる物忘れを混同しているんじゃないの」「スマホ認知症とうつ病って関係あるの」「認知症とうつ病の症状をごっちゃにしてるんじゃない」と言った意見が飛び交いました。

認知症の専門家は日本老年精神医学会や日本認知症学会に所属している医師がほとんどで、私は門外漢です。でも、ある市販薬に対して疑問を感じてこんなブログを書いたときに認知症と物忘れに関して勉強しました。

物忘れを改善する生薬「オンジ」、これが認知症に効果あり!!って本当??

批判します!!小林製薬さま、「物忘れ改善薬 ワスノン」の作用機序をお教えください

確かに大学病院でも市中のクリニックでも「もの忘れ外来」を開設しているところはあります。もの忘れという言葉は認知症の傾向が疑われる患者さんが受診しやすいように工夫された言葉なんじゃないかなあ(認知症のことを以前はボケなんて酷い言葉も使用されていましたね)。もちろん若年性の認知症はあるにはありますが、20才代で発症するのはスマホとは関係ないと考えます。

20代の物忘れ外来患者が増えているとしてもそれがスマホと関連しているエビデンスはあるのか?

日本テレビのニュースを受けてYahoo!ニュースではこのような記事が書かれています。

いま、働き盛り世代の人に「スマホ認知症」の症状を持った人が増えているという。スマホと認知症の関係とは?

そして

「物忘れ外来を訪れる患者の若年化がどんどん進んでいる」認知症を専門とするクリニックでは、患者の30%が40代~50代、10%が20代~30代と認知症にならないような世代の受診がここ数年は増えているという。

https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/nnn?a=20180228-00000041-nnn-soci

この文章だけでいくつかの疑問が湧いてきます。

1:スマホ認知症の症状は学会等で定められているのでしょうか?

2:物忘れ外来を訪れる患者の若年化がどんどん進んでいるデータは公表されているのでしょうか?

3スマホの使用が認知症の原因となっていることは医学的な定説になっているのでしょうか?

などなど、この報道はどうなのよ的な疑問がバンバン出てきてしまうのです。

1については色々と探し回りました。しかしスマホ認知症に関する学会等のガイドラインはありません。

2についてはこの取材に応じたクリニックが広く知れ渡って患者さんが増加しただけの可能性が考えらえます。

3についてのエビデンスは私の調査能力が足りない可能性も否定はできませんけど、少なくとも論文ベースでは見つけることはできませんでした。

こんないい加減な内容をバラエティ番組でなく、ニュースとして取り上げるのはかなり問題ありと考えます。

スマホの使用によってうつ病や認知症と同じような症状が出る???

Yahoo!ニュースの記事には書かれていませんが、日本テレビのニュースはスマホ認知症は脳が過労状態になることによって、うつ病や認知症と同じ症状が引き起こされることがある、と伝えています。

http://www.news24.jp/articles/2018/02/28/07386801.html

さらに日テレの報道は症状が継続すると老後の認知症の危険も高まる、なんて事まで言いだしています。iPhoneが登場したのは2008年、その当時にスマホ認知症の症状があったとしても、たった10年しか経過していない現時点で老後の認知症の発症リスクが高まった、なんてデータが蓄積できるわけないじゃん!!

うつ病とスマホの関係を調べた研究はいくつかあるけど、スマホ認知症なんて言葉は出てこない

確かにスマホの使用時間とうつ病の関連性を研究した医学論文はいくつかあります。例えば「Depression, anxiety, and smartphone addiction in university students- A cross sectional study」(PLoS One. 2017 Aug 4;12(8))が有名です。しかし、これはうつ病とスマホ依存症の関連を述べたものであり、スマホの使用がうつ病を引き起こす原因であると断定したものではありません。

さらにスマホの使用が認知能力低下の原因になっているかもしれないと話は確かにあります。テキサス大学オースティン校のサイトで「The Mere Presence of Your Smartphone Reduces Brain Power, Study Shows」とのタイトルでスマホと認知機能の関連について書かれています。でもこれはスマホの使用だけでなく、スマホが身近にあるだけで認知機能の低下を引き起こすとのレポートであり、スマホが認知症の原因になるなんて一切書かれていません。

https://news.utexas.edu/2017/06/26/the-mere-presence-of-your-smartphone-reduces-brain-power

ニュースの取材した人は多分ここまでは調べてはいないと思いますけどね。

今後は今回のスマホ認知症とは全く逆の動きが医学的には主流になるんじゃないかと予想します。例えば「Smartphone-Based Health Technologies for Dementia Care: Opportunities, Challenges, and Current Practices」(J Appl Gerontol. 2017 Aug 1:733464817723088)にあるように、スマホを使用して認知症の患者さんのケアをしよう、との試みがドンドン推進されていますからね。一見医学用語風のスマホ認知症なんて言葉、メディアは使用するならそれなりにエビデンスを調べてからにしてくださいませ。

うつ病の人へのヘンなアドバイスが出て来そうで怖い

ネット上には親切というより余計なお世話的なアドバイスをする人が多数棲息しています。自分の病気や家族の病気に関してのアドバイスをSNSに求める人も多数います。若者が最近物事に集中できなくて、物忘れが激しいのでどうしたらいいでしょうか、なんて感じの相談があれば、今回のスマホ認知症をテレビで見たかYahoo!ニュースで見た半可通の人が「それはスマホ認知症です。すぐにスマホを使わないようにしてください」ってアドバイスをするんじゃないでしょうか?若者の死因の1位は自殺です。うつ病の場合、自殺という最悪の状況を招く可能性があります。自殺するかもしれない若者に対して「スマホの使用をヤメて」なんて言っていると最悪の結果になってしまいます。

メディアの方々、医療、医学に関する報道はくれぐれも慎重にお願いいたします。

注意:私はこの報道の取材に応じた医師を批判しているのではありません。経験上報道、特にテレビ系は話の一部だけを取り上げて本当に伝えたいことが映像として放送されることは少ないことを知っていますので。

追記:大失態でした。インタビューされていた医師は「10万人の脳を診断した脳神経外科医が教える その「もの忘れ」はスマホ認知症だった (青春新書インテリジェンス)」という書籍を出していました。ひょっとするとこれを読んだメディアが取材したのかもしれません。スマホ認知症という言葉は彼の造語の可能性が高くなりました(2018年3月3日10:07)。

薄毛治療 の費用と効果について・・・脱毛治症療薬と再生医療を併用するのが一番効果的!!


実は当院一押しの薄毛治療ですけど、積極的じゃなかった理由があります

薄毛でお悩みの方がもちろん多いことは知っています。薄毛の治療薬も処方していますし、薄毛をもっと積極的に治療する方法も当院は行なっています。

◎でも当院は薄毛治療に関するアピールはあまり積極的じゃないというか消極的でした

積極的にアピールしなかった理由は

◎薄毛治療・発毛治療にに再生医療を取り入れているからです

発毛・育毛に再生医療を積極的に行なっていますが、再生医療関連の治療を行うためには、厚生労働省の定めにしたがって届け出を治療メニューごとに提出する必要があります。

しかし、心無い一部のヘンテコな医師によって臍帯血を使用してアンチエイジングだの、あるいは臍帯血を使ってがんを治療するなどの無法行為が蔓延していたために、それらのインチキクリニックと当院を同じような目で見られたくなかったからアピールは控えていました。

テレビCMやネット広告を積極的に宣伝している

◎医療機関以外で薄毛を改善するリー⚫️2◯とかって、実は医療機関で治療するより高額になる

なんて話を患者さんから聞いて、当院も効果の高い薄毛治療を積極的にアピールした方が良いのでは、と最近考え出しました。

男性向けの薄毛治療薬としてプロペシアは有名ですけどが、さらにもっと強力に発毛を促す薄毛治療薬も今は承認されています。

(https://goo.gl/nnwf5M)

この男性型脱毛症治療薬と再生医療を組み合わせた治療方法が現時点で一番効果のある薄毛対策だと考えていますので、これから積極的にアピールしたいと思います。

再生医療で薄毛治療をするためにはこの届け出が必要なんだよ

薄毛治療を含む再生医療に関しては様々な法律があり、皮膚の老化対策を再生医療の範疇で治療する場合は「多血小板血漿を用いた再生医療(皮膚および皮下組織)」として厚生労働省に再生医療等提供計画を提出しますし

◎薄毛対策を行う場合は別途「多血小板血漿を用いた再生医療(頭髪)」として再生医療等提供計画を届け出なければなりません

両者ともに多血小板血漿を用いた再生医療なんだから、一回でいいじゃん、なんて考えていると法的にはアウトです。この届け出もスッゲー枚数の細かい書類を用意しなければなりません(安全性を担保するためには当たり前だけどね)。

当院では薄毛治療として厚生労働省に承認された薬(健康保険は使えません)と多血小板血漿を併用して、ボチボチ治療を行なっております。

民間の非医療機関の発毛対策とか薄毛改善方法ってめちゃくちゃ高額!!??

私は美容系のクリニックの費用ってエステと比較するとめちゃ高いという思い込みがありました。でも、例えば脱毛は安価な費用で誘い込んでいて、実際は医療機関も目ん玉飛び出すくらいの料金を取っているエステもあるようです。薄毛を改善すると称するある非医療機関では、発毛を促すと称していろんな機械を使用してマッサージのようなことを行なってさらには自宅でも補助的に

◎薄毛を改善するためのサプリとか機器を買わされて、最終的には150万円以上支払った方が男性複数人から当院へ相談がありました

なんで当院に相談があったかというと女性向けの薄毛対策治療はそれなりに実績があったからのようです。

当院の発毛治療

プロペシアとかの処方自体も積極的じゃなかった当院なんですけど、女性向けの治療薬は日本ではありませんから女性向けのアピールはそれなりにしていました。

男性向けの民間の薄毛・発毛をバンバン広告している所の費用があまりにも高額であることを知り、これからは男性の薄毛・発毛治療を積極的に発信していくべきだと考え出したのです。

当院の発毛・薄毛治療の費用って安いじゃん!!

当院で行なっている男性向けの発毛・薄毛治療の費用は324000円!!(費用について)

これを5回、つまりこの治療を5回2年半繰り返しても、発毛・育毛・薄毛対策を行なっている数十年間に及ぶ発毛システムを売りにしている非医療機関より安いじゃん!!

発毛・育毛・薄毛治療の男性モニター大募集中です

厳密なデータを提示しても一般の方に対するアピールは残念ながら弱いようです。医薬品や疫学のような統計学的手法を用いたデータを十分に理解するためには、一定以上の知識が必要です。

美容系の医学論文は科学的な手法を用いていても、基礎医学を研究している医療系の研究者には鼻であしらわれることが多いのも事実です。

◎美容医療の治療効果が理論的に正しく証明されても、あくまで効果は見た目が重視されます

当院としては発毛・育毛・薄毛治療の効果を女性を例としてサイトの掲載しています。でも、これもあくまで効果があったと自覚された、あるいは見た目で効果があったと当方が判定したものになっています(※印 お客様の個人的感想ですレベル)。これじゃあ、リー⚫️2◯とかとあまり差別化できないことになります。

そこで

◎薄毛に悩まされている男性に限ってモニターさんのご協力をお願いします

治療過程や治療効果を画像でサイトで使用することをお許し願いことを条件として(顔出しはいたしません)、正規料金324000円のところモニター料金216000円でお願いします<(_ _)>(トーカ堂の北社長状態)。

治療は多血小板血漿を用いた再生医療(頭髪)、これPRP治療と呼ばれていて当然厚生労働省に届出済みと発毛治療薬6ヶ月分をプラスします!!<(_ _)> 奈美悦子さんと八波一起さんのレスポンス、さらにオバ様中心の効果音(拍手、歓声、笑い)が欲しいところですが、予算の都合上というか、広告にはお金をかけないとの信念で当院は運営されているのが残念。

モニターにご協力いただける方は「メールでのご相談」をご利用いただいて「院長ブログ読んだよ」と書き添えてくださいませ。ご協力お願いいたします(背景に拍手、歓声の効果音をイメージしながら 笑)。

風邪をひきやすい人の特徴・・・これ典型的なオッサンじゃん!!??


やっぱり規則正しい生活がかぜを引かない一番のコツ?

病気にならないためには子供の時から言われてきたように、早寝早起きをして朝昼夜としっかり食事をした方がいいのでしょうか?

◎かぜをひきやすい人は睡眠時間が短い

傾向があり

◎運動不足の人もかぜをひきやすい

さらに

◎食事をしっかり食べていない人はかぜをひきやすい

なんて感じの傾向があることがわかりました。ちなみにやや痩せ型の人の方がかぜをひきにくいとの結果も。

今シーズンはインフルエンザが猛威を振るいました。かぜのほとんどの原因はウイルス感染であり、感染すると症状が重症化しやすいのがインフルエンザとざっくり考えて間違いありません。まだまだ暖かくなるのは先の日でしょうから、どのようにすればかぜをひきにくくなるのか、逆に言えばどのような人がかぜをひきやすいのかを考えて見ます。

http://www.healthworry.com/letss-kick-off-the-cold-flu-virsus/より 年末年始、久々の長引くかぜをひいてしまった私、まさにこのイラスト状態でした。

シンデレラ体重だとかぜをひきやすいぞ!!

先日からネット上でシンデレラ体重というヘンテコなワードが飛び交っていました。そのシンデレラ体重は「(身長m)×(身長m) ×20×0.9」の式に当てはめて計算して算出するらしいのですけど・・・

◎シンデレラってどう見ても普通のBMIを18に合わせるために逆算しただけじゃん!!

と医師免許を持ったオッサンは思ってしまうのです。BMIはBody Mass Indexの略で「体重kg ÷ (身長m)÷ (身長m)」の式を使って計算しますよね。このBMIが18.5~25未満だと普通、それ以下だと痩せ、それ以上だと肥満って日本肥満学会は定めています。

シンデレラ体重は若い女性向けに拡散されている、モデルのようなアイドルのような体系を目指すものでBMI=18を目指しているものです、これじゃガリガリ。このヘンテコな

◎シンデレラ体重の計算式、なぜわざわざ20×0.9なんて数字出てくるんだ?

単純に18にすればいいじゃん、と医師免許を持ったオッサン以外も思われたはずです。まあ、もっともらしい計算式にして算数に弱いいたいけな人々を混乱させるためなんでしょうかねぇ。話はめちゃくちゃ飛びましたが

◎BMIが23.0~24.9だとかぜをひきにくい

との結果に今回行われた、かぜをひきやすい人の日常生活習慣ではなっています。シンデレラ体重を目標としているそそっかしい方は十分にご注意くださいませ(病気とか体質でBMI18以下の方も感染症にはご注意くださいね)。

遅くなりましたが、今回のどんな人がかぜをひきやすいか?の研究は神奈川県立保健福祉大学大学院保健福祉学研究科の柴田みちさんと中島啓さんによって今年の第52回日本成人病(生活習慣病)学会で発表されました。詳しくは2018年02月05日のMedicalTribuneをご覧ください(これ会員登録しないと見られないんだっけ?)。

かぜをひきやすい人の傾向を調べた大掛かりな研究だけど、この研究方法はどうなんだろう?

今回使わせていただいた研究は40歳から79歳の健康な埼玉県の39524人を対象に行われたものです。調査した項目はBMIの他に白血球数・肝機能・コレステロール値・睡眠時間・運動習慣・食事の習慣など多項目に渡っています。

結果的に
1:かぜをひきやすい人はは血球数が高かった

2:かぜをひきやすい人は肝機能の指標の一つ血清ALTが高かった

3:かぜをひきやすい人はコレステロールの中で善玉と言われているHDLコレステロールが低かった

4:かぜをひきやすい人は睡眠時間が短かった

5:かぜをひきやすい人はBMIが普通と考えられている23.0~24.9より高かった、あるいは低かった

6:かぜをひきやすい人はほとんど運動をしていなかった

7:かぜをひきにくい人は飲酒していなかった

8:バランスの良い食事をしている人はかぜをひきにくい

など傾向がわかったのです。

◎しかし「かぜをひきやすい」は自己申告制で判定しています

えっ〜自己申告制って「私って体が敏感だからかぜひきすい人じゃな〜い」という方もいたでしょうし「俺は生まれてからかぜひとつひいたことないんだぞ」的な人も4万人以上を対象にした調査なんで混じり込んでいた可能性は否定できません。

こんな人はかぜをひきやすい、ってことね。オッサン注意!!

今回使わせてもらった研究はまだ紙ベースの論文になっていない模様なんで詳細な元データはわかりません(2018年3月1日の時点)。かぜをひきやすい人の1から8に検討を加えてみると

1の白血球増加は喫煙者に見られる傾向です。

2の肝機能の異常は飲酒あるいは肥満等が原因の可能性があります。

3の善玉コレステロールが低い人も喫煙習慣あるいは健康的じゃない生活習慣を送っている可能性があります。

4の睡眠時間不足。多忙な仕事が忙しい、そのくせだらだらと飲酒したりネットを見まくっている、あるいは遠距離通勤で睡眠時間が不足している可能性が考えられます。

5のBMIはシンデレラ体重だとかぜをひきやすいし、メタボ傾向にある場合もかぜをひきやすいことを示しています。

6の運動不足問題、睡眠時間が短く深酒で二日酔いだとそりゃ運動不足にもなります

7の運動不足問題は・・・これ私のことじゃん

8の不規則かつ偏った食事・・・これも私のことじゃん、もちろんダイエットに励んでいる「なんとかダイエット」と取り入れている人もこれに当てはまります。

以上からわかったことは・・・

◎オッサンはかぜをひきやすい、と強引な結果を私は提案します

でも、今回の研究のかぜをひきやすい、ひきにくい判定は自己申告なんで「俺は今までかぜひとつひいたことがないぞ!!」と申告したオッサンが混入していたとすると、私の強引な結論も揺らいでしまいますね。

不摂生な生活を送っているオッサン、そして今回の研究をもとに強引な結論を導き出す私(もちろんオッサン)、かぜをひかないようにするにはおばあちゃんの教えにしたがって、規則正しい生活、三度三度の食事と偏食を避け、そしてメタボじゃないし痩せすぎない体型を維持して飲酒は控えめにしつつ、運動を生活の一部に取り入れる必要があるようです。

ヨーグルトの乳酸菌が原因で死ぬ寸前の敗血症に!!今後ヨーグルトは十分に加熱して食べよう??


善玉菌がいっぱいのヨーグルトで敗血症!!

お腹の調子を整える乳酸菌、花粉症にも効果のあると宣伝される乳酸菌いっぱいのヨーグルト。発酵食は確かに健康面でプラスの効果があるかもしれませんけど、とにかくなんでもかんでも発酵させりゃあ体に良いと信じちゃっている自然派志向さんは十分に注意が必要なんです。かなり特殊な例かもしれませんが

◎実は市販のヨーグルトが原因で乳酸菌敗血症になった患者さんがいます

Septicemia from Lactobacillus rhamnosus GG, from a Probiotic Enriched Yogurt, in a Patient with Autologous Stem Cell Transplantation」とのタイトルで症例報告されています。これ海外ではなくて日本でも話、ちなみにこの症例報告を書いた済生会横浜市南部病院血液内科の藤田浩之医師は私の後輩だよ。

ヨーグルトを食べてなんで敗血症になったか?

この論文、日本語にしないとわかりにくいので、簡単に解説させていただきますね。急性骨髄球性白血病の治療のために自己幹細胞移植を受けた患者さんが下痢に悩まされました。市販のヨーグルトを食べて下痢を治そうとしたところ・・・なんと一週間後に1週間後、敗血症性ショックになってしまいました。治療チームは血液培養を行なって原因菌を市販のヨーグルトに含まれた乳酸菌であると特定(これPCR法を使用しているので、間違いはないです)。さらに問題が発生、この乳酸菌は抗生物質が効果を発揮できない多剤耐性菌だったのです。

藤田浩之君(後輩なんでいきなり君付けかい)の話によると懸命の治療によって患者さんは現在無事回復したとのことです。

お腹の調子が悪いからと言って安易にヨーグルトをバクバク食すると敗血症になってしまうこともあるんです。

ヨーグルトは総務省統計局のデータだと、こんな感じの急カーブでガンガン売れています。

ヨーグルトは温めて食べるのがダイエットには効果的?

ホットヨーグルトと称してヨーグルトを温めてから食べるとダイエットに効果ある、なんて医学的根拠に乏しい健康関連情報がネット上で出回っています。そのダイエット効果の理由としてヨーグルトの有効成分が吸収されやすくなる、なんてことが書かれています。

◎でもさー、ヨーグルトに含まれる乳酸菌が体内に吸収されたら、もろ敗血症になっちゃうんじゃないの?

とにかく素人ライターが健康や医療に関する記事を書くと結局こうなっちゃうんです。ヨーグルトが原因となる敗血症を予防するためには

◎ヨーグルトは十分に加熱処理してから食べましょう!!??

ってことになることは自明の理。でもこれじゃあ、せっかくお腹の調子を整えてくれる乳酸菌も全滅だよ〜!!非常に稀なことではあるんですけど、市販のヨーグルトが原因で敗血症になる可能性があることは、頭の隅に残しておいても損はないと思います。だからと言って市販のヨーグルトは危険と思って

◎丁寧な生活を送るためにヨーグルトを手づくりしちゃうとそりゃまた食中毒になってしまう可能性もありますからそれはそれっで危険ですね

そういえばホットヨーグルトのダイエットの効果としては便秘を解消できます、と書かれていました、それ発酵じゃなくて腐敗しての下痢なんじゃないの?

発酵と腐敗の違い

今回引用させていただいた症例報告は自己幹細胞移植を受けた患者さんであり、腸のバリア機能が十分に働いていなかったことが敗血症を招いたと思われます。一般的に発酵食品が健康に良いとされる大きな理由は腸内で高栄養で吸収されやすい代謝物が作られることであり、乳酸菌などの菌が直接血流に乗って全身を駆け巡るためではありません。そんな健康面より味噌とかぬか漬けとチーズとかヨーグルトとかが好まれるのはその香りと美味しさなんだと思います(もちろん好き嫌いはありますけどね)。

今まで私のブログを読んでくれていた人は発酵と腐敗の違いはご承知だと思います。

やっちまった消費者庁、酵素ジュースの腐敗に気づかないとは・・・ニセ医学推進しちゃダメだよ!!

人間にとって不利益をもたらすのが腐敗、有用だと思われるものが発酵なんです。実はどちらも同じことなんですけどね〜。あとよく間違える人がいるのが酵素と酵母、これ英語にすれば全く別物とすぐにわかるのに、いわゆるトンデモさん方面でニセ医学健康法を唱える人は混同しています。

「酵素と酵母の違い」誰でもわかるように解説しちゃうよ!!

丁寧な生活関連セミナーとか講習会に行くと発酵食品や酵素を売りつけられることが多いとの報告を頂いています。

◎酵素の話をセミナーの講師がしだしたらこんな質問をしてください

「先生、酵素って生きているんですか?」先生が「そうです、酵素は生きていて長生きの決め手なんて言われています」と言ったら速攻で退席して下さいね、。そのあとのフォローは私にお任せ下さい。

◎発酵食品関連のセミナーや教室ではこんな質問をして下さい

「先生、発酵させる菌に話しかけると美味しくなるんですか?」。先生が「そうなんです、発酵している菌にありがとう、と感謝の言葉をかけるようにして下さい」と言ったら速攻で席を蹴りたてて退席して下さい。後始末は私がします、だってそれじゃまるで「水からの伝言」という疑似科学が元ネタですから、その先生は波動系さんのワナにばっくりはまり込んでいるのです。

美味しいからヨーグルトを食べる、栄養もあるし、って考え方をするべきです

体に良いと言われている食べ物ばかりを食する、これじゃまるで片岡鶴太郎さんになってしまいます。片岡さんがヨーグルトを召し上がるかは不明。私が大好きなヨーグルトはこれ。

別に低糖である必要なのですけど、絵が可愛いから見つけるたびに購入しています。もちろん敗血症の原因となった市販のヨーグルトではありませんよ!!

そういえばぬか漬けも凝った時期あったなあ。

今はキッチンのシンクの下の戸棚に無かったことにするためにか奥深ーくに鎮座しているはずです。発酵食品(ぬか漬け)を作っているときは毎日のぬか床の攪拌時には波動さんの教えにしたがって「美味しくなーれ、ありがとう」と声がけしたんだけど、ツボを開ける勇気は無いです。

ニセ医学を振りまく「脳みそ発酵オバサン」、各地に出没中!!


丁寧な生活をこじらせた方面の方々、なぜかニセ医学に走るようです

お恥ずかしい話なのですが、オーガニックとか自然派をこじらせた方々に違和感を感じていた私ですが、たった一言の「丁寧な生活」でイメージが掴めました。この「丁寧な生活」って言葉は数年以上前から使用されていたようなんですけど、サブカルの優「月刊サイゾー」の2018年3号で初めて知りました(SNSつながりの方に教えてもらったんだけど)。この月刊サイゾーってあのトンデモ医学記事満載のビジネスジャーナルと同じ会社が発行しているのには驚きますけどね(私、サイゾー系の某メディアは喜んで取材協力しております)。

サイゾーの記事で「金と「時間」が追いつかない!『丁寧な暮らし』雑誌の実と虚」と題する記事にショックを受けました。

丁寧な生活をこじらせて極端な自然派になってしまった方の多くはなぜか発酵食品をありがたがり(もちろん手作り)、なぜかニセ医学方面にシフトしちゃうのです。

これは私が一時期凝っていたぬか漬け用のぬか味噌です、いい感じに発酵しているようです(イメージ画像w)

例えばこの方「予防接種を打つか打たないか」と題してこんなこと述べています(https://simple-brew-life.com/blog/)。

日本の法律には、ワクチンの強制接種は存在しません。なので、打たないという選択をしても、それは法律を遵守した行為なのです。打ちたくなかったら打たなくてもいいのです。

と強制接種という強烈な圧迫感のある言葉を使って、さらに

では、どうやって予防接種を拒否すればいいのか?ワクチンを打つときに署名する「同意書」に署名すれば良いのです。署名すると言っても、署名する欄を間違えてはいけません。同意書というのは、重篤な副作用を十分に理解した上での署名ですので、同意書に書かれた内容をしっかり読んで、最後の「同意しない」の欄にマルをつけて署名すればいいんです。

と定期接種を忌避する方法を伝授しております。

よそ様の子供さんが重篤な感染症に罹ったらどのように対応するのか、非常に危険な発言だと考えます。

なんで発酵・調味料・料理教室を主宰しているオバさんがこのような現代の標準医学に挑戦するようなことを拡散しようと目論んでいるのでしょうか?

菌と語り合う発酵おばさん、これかなりヤバイ方面に向かわれています

オリンピックのスケート関連選手が「氷と語り合う」的な発言をしてましたが、これは氷の状態を詳しく知るということをうまく表現したものであることは明らかです。でもこの発酵おばさんは

菌は怒ってる人の前では、発酵しません。楽しい、笑顔が大好きなんです。今からでも、話しかけてあげてね。

とご自分のお話会で科学的にありえないことを主張しておりま(https://goo.gl/PVnvLZ)。そういえばこの件については先日ブログにしました。

医師諸君、今後は怒りながら抗生物質を処方しよう!!菌は怒っている人の前じゃ発酵しないらしいから

さらに丁寧な生活の一環としてでしょうか、太古のおまじないのようなかなりスピの入ったことを行なって販売しています。

作るときも、最終封筒に入れる前にも気を使っております。ホワイトセージで、浄化し美しい氣を閉じ込めます。

この方が作られて販売している「オルゴナイト」は自然界のエネルギーを効率よく吸収しながら放出するという、明らかなトンデモグッヅであり、有害な電磁波もカットしてくれるし、もちろん当然放射線(彼女、彼らは放射能って書きますけど)から人体に対する悪い影響を取り除いてくれるそーです。

この順調に発酵している(発酵は有用だから、腐敗との意見もありますがブログなんで内容証明が通知書で届く可能性があるので却下)オバサン、ヒーラーでもあるんですよ!!

ヒーラーが病気を治療しちゃ医師法違反なんじゃないの?

ヒーラー(healer)って、治療者という意味で「エネルギー療法、手当て療法、霊能力による治療を行う者を指すことが多い」とウィキには書かれています。直接他人さまの身体に触れて病気を治すような行為を行うと速攻で医師法違反です。

そこで編み出されたのが、遠隔セラピーとか手をかざす治療方法。現在更新されていませんけど、サロンを経営していたことがFacebookから知ることができます。このヒーラーさんは遠隔リーディングなるものの使い手であるようで「オラクルカードとチャネリングを使った遠隔セッションです」らしいです(ぜーんぜん、意味わかんないよ)。これ占いとかであれば許される行為でしょうし、モシモシ相談レベルでも医師法違反にはならないでしょう、でもヒーラーって普通は治療を行う人を意味しますんで・・・以下自粛。

菌に話しかけつつ、洋服やヒーリンググッヅを販売するやり手のこの発酵こじらせた方面の方、元々はハンドメイド商品を売れる方法を伝授する本をお書きになって(手作りはとにかく丁寧な生活の基本)、それなりに

ファンをゲットした後、手作り商品をうまく販売する方法まで教えてくれるアフターフォロー完備のシステムとなっております。

さらにさらに「スマホでキレイに撮って、販売記事をもっと素敵に書く講座」(goo.gl/7qUeDZ)なども積極的に行なっています。この流れに乗ってしまった方はこの方の影響から離脱することは難しい状況になっているのではないでしょうか?

因みにこの発酵オバサンのセミナーってアメブロでブログを毎日書いて読者登録1000人目指せ、Facebookで友達2000人作れ、ランチ会・お茶会への勧誘に終始するとの情報をいただいております。

ブログ内でスピチュアルは宗教ではない、スピチュアルの主役は自分です!!って言っていますけど、どう見ても宗教の教祖を目指しているように感じるのは自分だけでしょうか?

岐阜市で発酵・調味料・料理教室を行なっている人、どっかで見たような・・・うわあ、やっぱり

以前セミナービジネスにどっぷりハマって自然派を拗らせた方に関して「発見!!カジュアル遭難主婦はミスドを敵視する波動系信者さんだあ!!」とのブログを書きました。この方、ある意味でセミナービジネスの被害者でもあったのですが、多方面で炎上してツイッターのアカウントは閉鎖したようです。

ネットワークビジネスにも強い関心があったようですが、今回のブログで最初にご紹介した発酵・調味料・料理教室を主宰している方、同一人物のような気がします(間違っていたらスイマセン)。炎上した時に目指していた料理教室も無事開講できて嬉しい限りです(棒)。この発酵・調味料・料理教室の方も順調に脳みそを熟成して最終的にはヒーラー発酵オバサンと同じ道を目指していると予想しておきます。

「喫煙後45分間も大学構内に立入禁止」が強く支持されるべき理由。


隣の人が宝くじに当たったら、自分も宝くじに当たる・・・これが受動喫煙問題

よく言われるのは喫煙によってみんながみんな肺がんになるわけじゃないじゃん、自分の父親はヘビースモーカーだったけど肺がんにならなかったよ的な論法。でも、これは完璧間違い。疫学とか医療統計学を持ち出すと、そんな難しいことわかんない、って人はこれで納得するかな?

◎飲食店で隣に座ったオッサンが宝くじに当たった、だから自分も宝くじが当たるかあ?

・・・これは全くあり得ないことは十分納得していただけると思います。でもタバコの場合

◎飲食店で喫煙オッサンが隣に座った、自分も肺がんのリスクが上昇する

これが受動喫煙問題。受動喫煙で科学的手法によってわかっていることは

◎受動喫煙によって肺がんのリスクが1.3倍になる

ということ。喫煙オッサンが隣でタバコを吸うと、宝くじは当たらないけど肺がんのリスクが高まる、ということになります。じゃあ、1日一本くらのタバコは許してよ、と思っても脳血管障害のリスクは1日20本吸う人のたった半分にしかなりません(「Low cigarette consumption and risk of coronary heart disease and stroke: meta-analysis of 141 cohort studies in 55 study reports」)。だからこそ

「喫煙後45分間」も大学構内に立入禁止 北陸先端大が全面禁煙に踏み切った理由

といった対応をする施設が出てくるのです。ということは

がん基本計画 受動喫煙 数値目標を断念

つまり受動喫煙対策を強化する健康増進法改正案は全くの骨抜きになってしまっています。

実はタバコと無縁の人にとって能動喫煙はもとより受動喫煙もあまり関心がない?

周囲にタバコを吸う人がいない人が一番よくいうタバコ問題は「飲食店にいって喫煙席があると臭い」だと思います。

◎タバコの臭いを感じるということはその物質を吸入しているから、それが受動喫煙

ってことなんですけど、臭いだけじゃなくても刻々と健康被害を受けていることにもなります。受動喫煙に関して肺がんのリスクが1.3倍になるとのがん研究センターの結果についてがん研究センターは

「日本人のためのがん予防法」で受動喫煙防止を明確な目標として提示

と強く主張しています。これに対してJTが反論したところ

受動喫煙と肺がんに関するJTコメントへの見解

とがん研究センターのがん対策情報センターの若尾文彦医師(どうでもいいことだけど、私の同級生)がガチで怒っています(https://goo.gl/UZ9KPy)。

しかし、この日本たばこ産業VSがん研究センターの論争を知っている人は喫煙問題特に受動喫煙問題に関心のない人にとってあまり知られていないのではないでしょうか?

喫煙後45分は他人様の健康に危害を加えている可能性について

国会で受動喫煙対策を強化する健康増進法改正案が提出されるのですけど、これが完璧に骨抜き。本来ならば受動喫煙を0にしなければならないのに、受動喫煙被害防止に関しての数値目標が定められていません。

がん基本計画 受動喫煙 数値目標を断念 毎日新聞2018年2月20日

男性に比べて喫煙率が低い女性、でも家族やパートナーあるいは職場で受動喫煙の被害を受ける可能性が高いのは子供であり女性でもあるんです(もちろん逆もあるけどね)。ということはネット上では非喫煙者による受動喫煙は常に激しく問題提起されているんですけど、なぜか被害を受ける可能性のある人はあまり関心がないような気がしないでもありません。多分、お昼や夕方の情報番組で受動喫煙問題が取り上げられることが少ないからかなあ、なんて感じております。

全面禁煙だけでなく喫煙後45分間構内立ち入り禁止に踏み切った北陸先端大の記事中に

「今年の3月に専門家を呼んで講演会をした際に、『喫煙後、45分間は肺から有害物質を吐出している』との説明があった。そのため、受動喫煙防止措置として、喫煙後45分間は本学の敷地内及びJAIST Shuttle(シャトルバス)車内への立ち入りを禁止している」と担当者

と書かれていて、これを支持する医学論文を探したのですが、今の所発見できません(じゃあ、エビデンスねーじゃん、っと反撃されるかもですけど)。

たばこを吸ったことは10日経過してもわかっちゃんだけどね

タバコを吸うと一酸化炭素をはじめとしてポロニウムなどの有害物質4000種類が体内に入り込むことはご存知だと思います。さらに有害物質はたばこを吸った後も呼気中に含まれていて、例えば一酸化炭素に至っては最低8時間も息に含まれています(予想より大きい受動喫煙の害)。となると喫煙後45分間構内立ち入り禁止であっても受動喫煙被害に会う可能性も出てきちゃいますね。

生命保険に加入するときに非喫煙者だと「非喫煙者料率」というのが適用されて掛け金が安くなります。喫煙者が自分はタバコは吸いません、と自己申告しても「コチニン検査」という検査を受けなければなりません(ニコチンじゃなくて、コチニンだよ)。このコチニンはニコチンが体内に入り込むことによって作られる化学物質で、保険料を安くしようと一時的に禁煙しても10日間程度は検出されてしまいます。さらに一時的に禁煙するために、ニコチンパッチやガムで代用してもコチニンは検出されるんです。このコチニンは受動喫煙によっても確実に検出できますので(BMJ 2009;338:b462)、周囲に喫煙者がいると本人は喫煙しなくても生命保険の掛け金が高くなってしまう可能性も出てくるんですね。

つまり受動喫煙は周囲の健康を損なうリスクを高めて、金銭的な不利益ももたらしてしまう可能性も大。全面禁煙だけじゃなくて、喫煙後45分間構内立ち入り禁止は強く支持されることなのです・・・でも、多分奥様番組や情報番組では取り上げないだろうなあ、残念です。

医師諸君、今後は怒りながら抗生物質を処方しよう!!菌は怒っている人の前じゃ発酵しないらしいから(爆)


耐性菌を生み出さないたのコツは怒りながら抗生物質を処方するべし

先日SNSを見ていて吹き出しちゃいました!!「大人かわいいモテ服作家」と称する方のビジネス用と思われるアメブロでこんなことが書かれています。

菌は怒ってる人の前では、発酵しません。楽しい、笑顔が大好きなんです。

「自己実現引き寄せの自己中時代はもう終わったよ〜お話会」
https://ameblo.jp/kisaragi--luna/entry-12352928692.htmlより(kisaragiとluna の間に-が連続して二つなんですが、うまく画像にでないので短縮  goo.gl/ufvawC でURL表示とさせていただきます)。

◎ええっ!!菌は怒っている人の前じゃ発酵しないの?

これが科学的事実であるのならば、耐性菌を生み出さないために、より効果的に抗生物質を使用するために

◎医師の諸君、これから抗生物質は怒りながら処方するようにしましょう

ってことになりますね。もちろん、薬を飲む患者さんも怒りながらね。抗生物質の不適切な使用による耐性菌の出現を懸念する厚生労働省はこんな考え方を取り入れるようです(朝日新聞デジタル2018年2月17日)。

風邪に抗生物質、使わない病院に報酬 耐性菌の抑止策

この方のブログやサイトを読んだ理科や化学や生物を教えている教育者は強い敗北感を味わうことでしょう。さらに読み進めると、いろんなトンデモ医学やトンデモ科学の影響を受けていると思われる「大人かわいいモテ服作家」さん、それなりの信者さんを集めていることに驚愕しています。

女性がおしゃれをしたい気持ちはいくつになっても当然だと考えますけど・・・かわいいモテ服って表現はイタイです。

発酵と腐敗の違いって、そもそも何よ?

発酵食品ってなんとな~くからだに良さそうなイメージがありますし、それなりに良い働きもしています。腐敗はものが腐っていて、食べちゃうとからだに悪いと普通は考えますよね。

◎でも発酵と腐敗は科学的現象としては同じこと

食べてみて病気になれば「腐敗した食品」、食べてみてもからだに害がなければ「発酵食品」ってことなんです。そう言えば以前こんなこともありました。

やっちまった消費者庁、酵素ジュースの腐敗に気づかないとは・・・ニセ医学推進しちゃダメだよ!!

この「大人かわいいモテ服作家」さんは菌は怒ってる人の前では、発酵しない説を取り入れて菌に優しく話しながら発酵食品に話しかけている模様。おばあちゃんが「美味しくなーれ」と言いながら糠床を混ぜている風景は微笑ましいものですが、このオバサマ方が夜な夜な集まって「菌さん、美味しく発酵してね」なんてニコニコ話しかけていたら、中世のヨーロッパだったら魔女だと思われちゃう可能性がありますね。

怒りながら作った味噌は真っ黒?

この方が主宰する集まりには類は友を呼ぶ的な方々が多いようで

今日も、味噌を作った方が、怒りながら作ったそうで、発酵しないで、表面が黒くなってきたそうです。

って不思議な現象がおこっています。普通このようなことが味噌作り中に発生したら「塩分が足りなかった」とか「余計な菌や酵母が入り込んだ」って考えるのですけど、この一連の流れに乗ってしまうと「ああ~、私があの時怒りながら味噌を作ったんで表面が真っ黒になったのね」と科学的思考全面停止状態になるようですね。

「大人かわいいモテ服作家」さんのブログや管理しているサイトを拝見すると例の「引き寄せの法則」やトンデモ認定というかニセ科学認定されている「EM菌」が登場してきます。このような危なっかしい考えを拡めるセミナーや教室が密かに蔓延っている現代の日本はかなり闇があるのかねえ??

夜泣きの原因は腸内の悪玉菌?

「大人かわいいモテ服作家」さん、いろんなところからヘンテコな話を仕入れてきては、セミナーたかお教室だかお集まりで皆様にご披露しています。こんなことも書いていますね。

腸内環境が良くなかったら、赤ちゃんは夜泣きするそうです。穏やかな人は、腸内細菌の善玉菌が多いんだと思います。

この話は根も葉もない噂では無く「Lactobacillus reuteri (American Type Culture Collection Strain 55730) versus simethicone in the treatment of infantile colic: a prospective randomized study」(Pediatrics. 2007 Jan;119(1))という医学論文の結果が伝言ゲームのように伝わったと考えられます。10年ほど前に書かれた論文なんで信頼度が低い、ってことにはなりません。でもこの論文は「腸内環境が良くなかったら、赤ちゃんは夜泣きする」とは書かれていません。

論文のタイトルにもなっている「infantile colic」はいわゆる「ギャン泣き」。これは夜泣きに限らず日中も起こり得る現象なんだけどなあ。夜泣きの原因って明らかな病気がない限り普通は原因不明と考えるのが医学的に一般的解釈な。ひょっとしてこの「大人かわいいモテ服作家」さん、お約束の次なるターゲットを子育て中のママに狙い定めたのだろうかと、かな~り不安になってきました。

週刊朝日の医学記事は一線を越えてしまったようで・・・高濃度ビタミンC点滴療法でがん治療??!!


現役医師50人が実践する健康法がおかしすぎる!!

先日、アエラドットでトンデモナイ医学健康記事を見つけてしまったことはお伝えしました。

やっちゃった、アエラ。「絶対に電子レンジを使わない」食の専門家はトンデモさんだよ!!!

アエラドットは週刊朝日の記事を転載しているので本来ならば週刊朝日を購入して、つまり一次ソースを確認してからブログネタにするべきでした。しかし、週刊朝日って滅多にコンビニでゲットできないので(私の生活圏では)その作業を怠っていました。前掲のトンデモ医学健康記事を書かれた記者さんがほかにもヘンテコな医学関連記事を書いていないかとチェックしていたら

「貯金」より「貯筋」! 現役医師50人が実践する100歳越え健康法(https://dot.asahi.com/wa/2018011800073.html?page=1)との医学関連記事を発見しました。2018年1月26日号の週刊朝日に掲載されたようなんで、現物は図書館にいくしかない・・・そっか、電子書籍って手があった!!BookLive!でゲットしました。それがこれ。

偉い大先輩医師が実践している「※個人の感想です」的な健康法についてとやかく言うつもりはありません。しかし

◎高濃度ビタミンC点滴療法、これは誤解を招くというか少しでも医学について勉強したのか、書いた記者さんは?

その記事はこれ

美容や疲労回復など、アンチエイジング作用に期待できる「高濃度ビタミンC点滴」だが、この点滴とがん治療との併用で治療効果を高めることを訴えるのは、SPICクリニックの柳澤厚生名誉院長。定期的にこの点滴を受け、「飲むビタミンC点滴」と言われるサプリメント「リポカプセルビタミンC」も多く摂取するように心がける徹底ぶりだ。

(週刊朝日2018年1月26日号 これ前掲のアエラドットでも見ることできます)。

この発言をしている医師は高濃度ビタミンC点滴療法に特化したクリニックにお勤めで、高濃度ビタミンC点滴療法関連の書籍も書かれています。

以前も高濃度ビタミンC点滴の怪しさを簡単に説明しておりますので、お時間がありましたらご覧くださいませ。

関連ブログ 高濃度ビタミンC点滴療法で「がん治療」??・・・高城 剛さん、これこそニセ医学ですよ!!

高濃度ビタミンC点滴でがん治療はエビデンスあるの?

高濃度ビタミンCってなんだかサプリとかでビタミンCを摂取するよりは効果がありそうな気がしないでもない、って捉える人も多いと思います。ところで

◎高濃度ビタミンC点滴によってがん治療の治療効果を高めるとのエビデンスってあるのでしょうか?

記事では「併用で治療効果を高める」と標準治療と併用することで効果があるような書き方をしていますけど

◎がんに対して標準治療を行っている医師で高濃度ビタミンC点滴療法を推奨している人なんているの?

高濃度ビタミンC点滴はノーベル賞をダブル受賞したライナス・ポーリングさんが嵌りこんでしまったトンデモ医学が話の発端です。ノーベル賞を受賞した権威ある博士の提唱する医学論に対して、そんじょそこらの医師が反論するのは難易度高いです。さらに高濃度ビタミンC点滴療法の理論背景は分子矯正医学とか分子矯正栄養学とかオーソモレキュラーもっともらしいネーミングがついていて惑わされてしまいます。

関連ブログ トンデモさんからのDM、オーソモレキュラー療法セミナーのお誘い。

分子矯正医学・分子矯正栄養学・オーソモレキュラー、これは標準医学からすればトンデモ系ニセ医学と認識されています。確かにビタミンCが細胞レベルでがん細胞に対して影響があることは確認されています。しかし、人間のがんに対して高濃度ビタミンC点滴療法が治療効果を発揮したことを裏付ける論文ベースのエビデンスを提示したまっとうな医学論文はありません(学会、医学専門誌と呼ばれるものは多数あり、かなりヘンテコな論文が混じりこむことがあります、学問の自由ってのがあるので)。細胞レベルで効果があったとしても、動物実験レベルで果たして効果があるのか?

◎ましてや試験管レベルで起きた現象がそのまま人体に効果発揮するワケないじゃん!!

高濃度ビタミンC点滴療法によってがん治療ができるという方々が伝家の宝刀として持ち出すのがこの論文「Pharmacologic doses of ascorbate act as a prooxidant and decrease growth of aggressive tumor xenografts in mice」(Proc Natl Acad Sci U S A. 2008 Aug 12;105(32))、これマウスを使った研究であり人間が対象じゃないからね!!

さらにこの記者さんは、サプリメント「リポカプセルビタミンC」をこの医師が服用していることを書かれています。これってまんまサプリの固有名詞というか商品名じゃないの!!??これでは週刊朝日は標準医療じゃないがん治療方法を推奨して、さらにサプリメントの広告までしてくれている、トンデモ方面医師にとって非常にありがたい媒体になってしまっています。

トンデモ系ニセ医学の広告塔になりかねない週刊朝日、と思ったけど

週刊朝日がこんなヘンテコリンな記事を掲載して大丈夫か?一般の人は別会社とはいえ天下の朝日新聞系列の週刊誌の記事はかなり信頼度高いと感じちゃうのでは。でも、大丈夫そうで・・・いろいろな数字をグラフ化してわかりやすく説明してくれる不破雷蔵さんのこの記事を見て安心しました。

一般週刊誌の部数動向をさぐる

週刊朝日は私が偏愛する週刊大衆より売れていません(笑)、さらにアエラに至ってはこれまた私が偏愛する週刊SPAより売れてませんもんね、あー安心した。

ローヤルゼリーを91.5%の医師が推奨する!!??どこからその数字引っ張ってきたの?


ローヤルゼリーの効果を91.5パーセントの医師が認めた?って本当かよ

健康食品業界もエビデンス的なものを要求される世の中になって、お困りの様子です。消費者庁が昨年「打消し表示に関する実態調査報告書」を公表したことにより、※のあとに小さな文字で「お客様個人の感想です」的な良く見かける広告はいかがなものかという風潮が出てきたためです。

健康食品業界としては数字を提示することにより、効果を客観的に示そうとした手法が使われだしました。例えばこれ。

http://www.3838.com/shopping/camp/rjkg_w1/prid=pad_ab_aaa_A19_CS1881&sc_cid=pad_ab_aaa_A19_CS1881 なんでこんなにURLが長いんだ?

「91.5%※の医師が推奨する健康素材とは?」との見出しです。実際は※は上記画像のようにかなり小さいフォントが使用されています。いちいち※以下にどんなことが書かれているのかに注意を払う人が少ないために、こりゃいかがなものか?と問題視したのが消費者庁ってことですね。

この広告の打消し表示の一つとして「日本先端医療医学会調べ(アンケート調査)n=47」と記載されています。一般の方は「おおっ、医学会が医師を対象にしてアンケート調査した結果なんだから、確かにローヤルゼリーを91.5%の医師が推奨するんだろうな」と感じるかもしれませんね。でもね~、これかなりヘンなんですよ!!

日本先端医療医学会が行った医師を対象としたアンケート調査ってなんだ?

健康食品業界の広告でよく見かけるのが「学会で発表」「学会誌に掲載されました」。だから自分ちの健康食品の効果が証明されていますよ、とユーザーに認識させる手法です。

でも学会と名乗ることは誰でもできるんです。本当の学会(本当のという言葉が適切ではないかもしれませんけど)は日本学術会議という偉い団体が日本学術会議協力学術研究団体として認めたもので、医学の場合は日本医学会があり、その分科会として私たちが所属するいわゆる学会があります。

この日本先端医療医学会は現時点では日本医学会分科会に属していません。日本先端医療医学会は勉強会あるいは研究会レベルであり、少なくとも権威ある学会ではないと考えて差し支えありません(※あくまで個人の感想です 笑)。ある一定方向の思考回路や嗜好がある同好の士によって構成された学会が所属する医師に行った調査がこのローヤルゼリー会社が提示する「91.5%の医師が推奨する」とのフレーズになっているわけです。

バイアスの掛かったもっともらしい数字に惑わされてはダメだよ!!

91.5%の医師が推奨すると称するローヤルゼリーの広告を詳細に見てみると

※2017年4月 日本先端医療医学会調べ(アンケート調査)n=47

に続き

※全国の医師96名を対象にインターネットリサーチ方式(調査期間2017年3月27日(月)~2017年4月3日(月))でアンケートを実施。その中から『「ローヤルゼリー」に興味がある』と回答した医師47名を対象に調査を行いま
した。

と書かれています。アンケート調査の対象人数が47人と小規模な調査(それもアンケート)で果たして統計学的に有効なデータであるか不安が残ります。それよりも調査の方法がインターネットによるアンケート調査ってこと、非常に気になります。まず、インターネットによるアンケート調査に応じた時点で、健康食品に興味をもっている医師であることが大いに予想されますので、バイアスがかかっていますね。さらに96名のうちローヤルゼリーに興味があると回答した医師47人の中で43人が「推奨する」と答えたことから「91.5%の医師が推奨」ってことになったようです。

◎これって立憲民主党内で、安部政権を91.5パーセントの議員が支持しなかった、と発表するのと同じです

※安部政権を例に出したのはあくまで例えです

気になるローヤルゼリーの効果は?

法の規制あるいは自主規制によって何を言いたいのか良くわからないローヤルゼリーの広告です。要約すると、加齢によって気力も体力も低下するために栄養補給としてローヤルゼリーを飲んでね!!ってことになるようです。まあ、なんで私がこの長ったらしい広告の要約をしなければならないのか・・・健康食品は広告で効果・効能を記載することが出来ないからですね。

エビデンスレベルである程度認められているローヤルゼリーの効果は、血圧を下げる効果があるかもしれないです。例えば「ローヤルゼリー分解物の正常高値および軽症高血圧者に対する降圧作用の検討」では高血圧者87人にローヤルゼリーを服用してもらったところ、血圧が下がった人が22人いたことが書かれています。しかし「Effect of royal jelly ingestion for six months on healthy volunteers」(Nutr J. 2012 Sep 21;11:77)では血圧の変化は認められていません。

ローヤルゼリーが血圧に及ぼすメカニズムはある程度予想されていても、実際にどれだけの量を服用すれば良いかは不明ですし、どれだけの効果があるのかさえ現時点では不明です。副作用的な報告はアナフィラキシー等のアレルギーがあります。

ローヤルゼリーが病気を治すことについてのエビデンスはかなり弱いと考えて差し支えないと思います。しかしね~、とにかくバイアスの掛かったもっともらしい数字を掲げた広告はひとまず疑うことを日常生活に取り入れることを推奨します(※あくまで私個人の見解です)。

やっちゃった、アエラ。「絶対に電子レンジを使わない」食の専門家はトンデモさんだよ!!!


こんなトンデモ案件を記事にしちゃうアエラ、大丈夫か?

アエラって媒体は朝日新聞系だよね?このデジタル版であるAERA dot.(アエラ ドット)で誰が見てもトンデモさんである食の専門家が取り上げられていました。この食の専門家である南清貴さん(別称フードプロデューサー)は複数回トンデモねたとしてブログに書いてきました。

今回のアエラの記事はこのフードプロデューサーである南清貴さんのさらにパワーアップしたお考えを嬉々として記事にしています。

「絶対に電子レンジを使わない」食の専門家が実践する調理法・・・こんな見出しのアエラの記事、大丈夫なんでしょうか?

南清貴さんの記事で理系であろうと文系であろうと高校レベルの常識というか中学レベルの常識で理解できるヘンテコな考えは

◎タンパク質が変性するから絶対に電子レンジを使用しない

に凝縮されています。今回のアエラの記事、さらに缶詰は酸と反応して重金属が溶け出して体に入るのでコーティングされたものを選択するとか、原材料がカタカナのものは避ける(これは他の方のご意見だけど)とか、味覚を壊す黄金トリオ(これまた別の方のご意見)とか、とにかく科学的医学的常識からかけ離れた医学健康関連情報満載なんです。

このトンデモ食関連記事は元は週刊朝日に掲載されたようですが、私の周囲のコンビニでは週刊朝日って売れ行きが良いためか、滅多にお見かけすることのない稀少本となっていますので、ネットで確認できる内容に限定して南清貴さんがどれだけヘンテコなトンデモ医学健康情報を述べているのか、ご紹介します。

南清貴さん関連ブログ

フードプロデューサーさま、ニセ医学系の健康に関する異説を唱えるなら、せめて1次ソースを調べてからにしてくださいませ

食品ジャーナリスト達は「コンビニおでん」いじめが旬のようです。でも根拠は間違いだらけだよ!!

専業主婦促進論かよ、幼稚園のお弁当ママの手作り推進派・・・それを煽る自称食の専門家

無責任にもほどがある!!「はしか、水ぼうそう、おたふく風邪はかかったほうがいい」とフードプロデューサー

他にも突飛なご意見を開陳されている食の専門家南清貴さんに関するブログを書いたかもしれませんけど、まあこのくらいにしておきます。

熱を加えるとタンパク質が変性するのは明らかだけど、なんで電子レンジは絶対使用しないのか?

生卵を茹でると、白身と黄身が固まります、これは熱によってタンパク質が変性したからです。私たちがある種のレーザーを治療に使用する場合、皮膚を切ることや出血を止めることができるのもタンパク質が変性したからです。この熱によるタンパクの変性が人体に害を与えるとすると

◎人類は火を操ることによって、生き残るために大きな戦略ミスをしたってことなんでしょうかねえ・・・

いやいや、南清貴さんは電子レンジで加熱することの危険性を訴えているんだ的なご意見も出てくる可能性があります。

でもさ〜、どんな方法であろうとタンパク質が変性するのは、ある一定温度以上に温めらることよる化学反応なんだから、熱源はなんでもいいはず。なんで電子レンジだけを忌避するのか、多分電磁波過敏症を拗らせたお仲間たちの影響が強いのではないでしょうか?必要以上の電磁波過敏症方面の方に関して以前ブログを書きました。

電磁波による健康障害、でもIH調理器で健康は害しないだろうけどね!!

電磁波って電子レンジとかスマホが槍玉に挙げられることがトンデモ方面でトレンドです。でもさ〜、電車のモーターも電磁波を発生しているし、掃除機だって電磁波を生み出しているし、もちろん医療機器からも電磁波は出ています。調理器具によってゆで卵の人体に対する有害性が変化するわけはないし、相当な電界を発生する電磁波発生源じゃなきゃ人体に悪影響を及ぼすことはないし、食や健康面にトンデモ説を持ち出す方々は基礎的な物理・科学・医学知識に乏しいいとともに、量の概念も乏しいようです。

ああっ、あの安部司さんもアエラに登場!!

アエラの絶対に電子レンジを使わない記事の文中に

一般にスーパーで売られている漬物の多くにアミノ酸や砂糖などが含まれている。酒かすやみりんかすだけを使って家庭で作ったほうが安心ではあります

と述べているトンデモ食の専門家のニューカマー食事療法士の辻野将之さんの続いて

前出の安部さんは食塩、化学調味料、たんぱく加水分解物を、味覚を壊す「黄金トリオ」と呼ぶ

との記載があります。この安部さんってひょっとしてあの安部さんなのか、と記事を読み直しても文中で見つけることができません。

やっと見つけました。2018.2.13のアエラドットに「即席めんは『ゆでた湯を捨てる』プロが指摘する『食べてはいけない』もの」(https://dot.asahi.com/wa/2018020900048.html)という見出しで、あの食品ジャーナリストと称する安部司さんのありがたいお話が掲載されていました。

この安部司さんもトンデモ方面ではかなりのビッグショットであり、私もいくつかブログねたにさせていただいております。これ南さんの記事と同じ日付でアップされているので、ひょっとしたら週刊朝日に同時掲載された可能性もありますね(先ほども述べたように週刊朝日は私の生活圏では稀少本なんで、実物は入手しておりません)。

日本の伝統食が安全と強調する「食品添加物の神様」安部司さま、欧米食も案外健康的ですよ!!

食品添加物の安部司さん、子育て中の母親にあらぬ不安を煽る南清貴さん、その両者を操っている可能性がある電磁波恐怖症の船瀬俊介さん(関係なかったらごめんなさい)、彼らの目指すところはなんなのだろう?

週刊朝日やアエラやアエラドットを発行しているのが朝日新聞の別会社だったとしても、クオリティーペーパーである朝日新聞の関連会社であることは間違いありません。アエラドットではまともな記事も多く見受けられます。例えば「『天然=安心』ではない 添加物を怖がりすぎな』」(https://dot.asahi.com/aera/2016071900098.html?page=1)とかです。

そういえば先日、朝日新聞の医療健康情報に特化した朝日アピタルもどう見ても読者を誤誘導する記事がありました。

大流行中のB型インフルエンザ関連記事、朝日新聞に電凸しました!!その結果は・・・。

政治関連記事は様々な意見があっても許されるかもしれません。でもさ〜、間違った物理や化学の知識を元にした健康医学関連記事を掲載するのはビジネスジャーナルに任せた方がよろしいのではないでしょうか?

2018年2月17日11:02追記

週刊朝日・・・やはりやらかしています。
週刊朝日の医学記事は一線を越えてしまったようで・・・高濃度ビタミンC点滴療法でがん治療??!!

大流行中のB型インフルエンザ関連記事、朝日新聞に電凸しました!!その結果は・・・。


健康情報記事なんだからエビデンスはあるのか、電凸しました

私は朝日新聞はデジタル版の有料会員です。Yahoo!!ニュースを斜め読みするだけの読者ではないことを前もってお断りしておきますね。昨日、ちょっと気になる記事を見つけたのでこんなブログを書きました。

朝日新聞さま「B型インフルエンザは高熱がでない」はエビデンスがあるのでしょうか?

ちょっと勇み足のタイトルのブログであった点は反省しなくてはなりません。朝日の記事は「高熱出ず気付かぬ例も」であり、B型インフルエンザの特徴が高熱を出さないことである、とは書かれていませんので失礼しました。

しかし、朝日新聞の健康情報に特化した

◎朝日新聞デジタルのアピタル(apital)の見出しは「インフル患者、再び最多更新 高熱出ないB型に注意」

と書かれていました。なぜか現在はタイトルが「インフル患者、再び最多更新 B型で高熱出ない恐れも」に変更されています(https://digital.asahi.com/articles/ASL292VK6L29UBQU004.html)。これもまだヘンです。なぜならA型でも高熱出ない症例がないわけじゃありませんからね。ネット上では「B型インフルエンザ 特徴」とか「今年 インフルエンザ特徴」とかのキーワードで検索すると、B型は熱が出にくいとの記事が目立ちます。

ちなみに私がA型であろうと、B型であろうと症状に変わりはないと主張するエビデンスはこれです。「Clinical Characteristics Are Similar across Type A and B Influenza Virus Infections」(PLoS One. 2015 Sep 1;10(9))。

この表からも

◎症状はウイルスの型によって有意差がないことが明らかです

今、朝日新聞アピタルの見出しが若干変わっていたとしても、巷で伝え聞く「今年のインフルエンザは熱がでないのよね~」が頭の中にあるとしたら

◎B型インフルエンザは高熱がでない、と一般の読者は捉えちゃうのではないでしょうか?

さらに昨日のブログでは書きませんでしたが、こんな医学論文もあります → 「The burden of influenza B: a structured literature review」(Am J Public Health. 2013 Mar;103(3))はB型のインフルエンザの特徴に関連する多くの論文を検討したものですが、この研究でもA型であろうとB型であろうとインフルエンザの型によっての症状に違いがないとの結論に達しています。

今回の朝日新聞の記事のいわんとすることは「症状が強くないインフルエンザもあるから、いつもと違うなあ、と思ったら医療機関を受診してください」であることは十分に理解しています。

でもやっぱり見出しが気になります。そこでB型インフルエンザは高熱が出ない例が多い、あるいは消化器症状が多いとのエビデンスがあるのか、朝日新聞の「新聞記事などに関するご意見・お問い合わせ」に電凸しました。

健康関連ですから、もちろんエビデンスは・・・

既に紙の記事になっているか否かを確認してもらいました。まだ記事になっていないとのことだったので「これを書かれた担当部署に繋いでいただけますか」とお尋ねしたところ直接は繋げないとの返答。でも、記事一般について伺う部署があるからとのことで、そちらに繋いでいただきました。

自分は都内の開業医であることを事前にお伝えして「B型インフルエンザが高熱がでない場合が多いと読み取れるのですが、それってエビデンスあるんでしょうか」と聞いたところ「医学関連ですから、もちろんエビデンスがなければ記事にしません」といった内容の回答でした。

「あのー、A型とB型では症状に違いはないとのエビデンスはあるのですけど」と伝えると「えー私、この記事書いたものではないので・・・」、一応、伝えておきます的に処理されてしまいました。この意見が記事を書かれた方に伝わったことは確認できるのか、については毎日多数のご意見を賜っていますのでとあっさり返されちまいました(録音したわけではないので、やりとりに若干の違いはあるとは思いますけど、こんな流れであったことは間違いありません)。

電凸後に見出しが変わっているので、担当した記者さんに意向は伝わったのかもしれません。

「多かったりすることがあるという」という謎のフレーズ

見出しが変わっても記事の内容は同じ。都内の医師の発言として

B型は高熱が出なかったり、下痢など消化器症状が多かったりすることがあるという

と書かれています。電話に出た方も「多かったりすることがある」が高熱が出なかったことにかかる言葉なのか、下痢など消化器症状にかかる言葉なのか、それについて疑問があるんでしょうか的なことをおっしゃっていましたガー

◎消化器症状に直接かかる言葉であったとしても、A型であろうとB型であろうと臨床上の症状に違いはない

とのエビデンスがあるわけです。

また「ことがあるという」という伝聞形も万が一けちをつけられた時に取材相手がそのように言ったんだもん、ってことなんでしょうかねえ。

今後、A型インフルエンザと比較してB型インフルエンザは高熱が有意に出ないし、消化器症状は有意に多いとの疫学論文が出る可能性もあることにはあるんですけど、今現在の医学的コモンセンスではありません。

取材を受けた医師が言いたかったことはこれだと思います

私は取材を受けた医師の伝えたかったことを忖度だか斟酌してみますと

1:インフルエンザはA型B型どっちでも高熱が出ない場合がある

熱がなくても全身の倦怠感とか呼吸器症状があればインフルエンザも疑われるよ、ってこと。

2:消化器症状が出ることもある

これちょっと説明補足します。たぶん、今の時期はノロウイルスなども流行するので消化器症状があるからといってノロとは限らないよ、って話もしたんじゃないかなあと妄想。乳児やお年寄りは迅速キットでノロウイルス感染を保険で調べられますから(ちょっと忖度だか斟酌だかし過ぎかな)。

3:インフルエンザは重症化することがある怖い感染症

でも、症状がはっきり出ない場合もあるのでだだの風邪だと自己診断しないで、おかしいなと思ったら医療機関を受診しましょう。

これらを伝えたかったはずです。

朝日新聞デジタル版の見出しに過剰に反応した私も反省点はあると思います。でもやっぱり健康に特化したアピタルの見出し「高熱出ないB型に注意」って誰が見てもB型の特徴として高熱がでないことがある、って解釈しちゃうんじゃないでしょうか?もちろん記事全体を読めばあくまでそんな例もあるよ、とわかります。できればA型インフルエンザだって高熱が出ないこともあることを書いて欲しかったです。

「エビデンス?ねーよそんなもん」が頭にあったからではありません

電凸したとき、先日話題になったというか問題になった朝日新聞の方の「エビデンス?ねーよそんなもん」が頭に残っていたから、エビデンスを教えてくださいと言ったわけではないことは事前に話しておきました。まあ、その時の先方の「あれは冗談ですから」には少々閉口しました。というのも池田信夫さんはアゴラで朝日新聞の影響力について述べています。

高橋純子記者の「エビデンス? ねーよそんなもん」のエビデンス

最近医療系で良い記事が目立つ毎日新聞もやらかしています → インフルエンザ予防接種は効果がありません、という毎日新聞の報道への疑問が満載!!

産経新聞もやっちまっています → 正しい医療情報を得る方法、新聞でさえコレですからかなり難しいかと・・・。

読売新聞ももちろんやってます → 読売新聞「冷え対策」の記事、芳ばしいトンデモ臭が・・・。

朝日新聞、とくに健康医療情報に特化したアピタルは友人・知人も医療記事を寄稿しているので個人的には信頼していました。今回の誤解を招く見出し、そして記事、読解力の問題だけじゃないと思います。

朝日新聞さま「B型インフルエンザは高熱がでない」はエビデンスがあるのでしょうか?


今シーズン猛威をふるうインフルエンザ、B型は熱が出ないと巷で噂ですけど本当?

毎年風邪のシーズンになると「今年の風邪はのどに来るのよね~」とか「今年の風邪、ほんとうに咳がしつっこくて」的な会話を耳にします。カルテを見ながら「この患者さん、去年もおんなじこと言ってたけど」なんて思っても「そうですね、風邪のウイルスって100種類以上あるからね」と返答している毎日です。でも、この朝日新聞の記事はちょっと待ってほしい

◎B型インフルエンザは高熱が出ない、そんなエビデンスあるの?

インフル患者最多更新 B型流行、高熱出ず気付かぬ例も

記事中に

B型は高熱が出なかったり、下痢など消化器症状が多かったりすることがあるという。インフルエンザと思わずに学校や職場に行き、感染を広げてしまう恐れがある。

とあります。医療情報であるためか慎重を期して、医師の発言として扱ってさらに「多かったりすることがあるという」と断定は避けています。

確かに巷で「今年のインフルエンザはあまり熱がでないよね」「B型インフルエンザって熱がでないらしいから」って言われています。でも、これってエビデンスのある話なの?

A型であろうと、B型であろうと症状に変わりはない、とのエビデンスありますぜ

本年2018年に爆発的にインフルエンザが流行した一つの原因として季節外れのB型インフルエンザの感染拡大があります。通常A型インフルエンザが先行して流行して、ちょっと時期が遅れてからB型インフルエンザが、というパターンが多かったのに、今年はA型B型が同時に感染が拡大しています。

呼吸器科専門ではない当院であっても本年高熱と全身倦怠感の症状の患者さんに対して検査キット使用して確定診断したところ、B型インフルエンザの方が多くて驚いています。呼吸器を専門としない私レベルの町医者としては、A型インフルエンザとB型インフルエンザの臨床症状に違いはないと考えていたのですけど、世の中では「B型インフルエンザは高熱が出ない」と言われていて、さらに朝日新聞が前掲のように記事にしたのですけど・・・

それはこれ!!「Clinical Characteristics Are Similar across Type A and B Influenza Virus Infections」(PLoS One. 2015 Sep 1;10(9))。PLoS Oneという科学専門誌はメチャクチャ権威あるとは言い切れませんけど、それなりの信頼度はあります。この医学論文ではA型インフルエンザとB型インフルエンザの臨床症状は似通っていて、特徴的な違いは無しとの結論になっています。A型でも高熱が出ない場合もあるし、B型も同様ってことになります。今後、今回のインフルエンザの症状の特徴の研究がおこなわれる可能性もありますが、巷の「今シーズンのB型インフルエンザって熱が出にくいのよね~」は今の段階ではエビデンスなしです。

朝日新聞の記事を書かれた方は医学専門の記者さんでなくても、科学専門の記者さんでなくても簡単なキーワードでこの論文を見つけることができるのにね。

A型であろうと、B型であろうと基本的な治療方法は同じ

A型であろうとB型であろうとインフルエンザに罹ってしまった場合、処方に大きな違いはありません。基本的な治療は対処療法であり、必要に応じてタミフル、リレンザ、イナビルなどの抗インフルエンザ薬を処方します。今ではインフルエンザのウイルスを数分で判定できる検査キットが普及しています。

これを使用する大きな理由は風邪様の症状はインフルエンザが原因なのか、それほど重症化することが無い他のウイルスによるものかを見分けることです。インフルエンザは遺伝子の違いによってA型、B型、C型に分類されています。

検査キットで見分けることができるのはA型とB型。じゃあ、臨床症状に違いがなく、薬にも大きな違いがないインフルエンザをA型、B型と見分ける必要があるのでしょうか、なんでだろう??この件は宿題とさせていただきます。

インフルエンザは空気感染しないよ、って書いちゃいましたけど・・・反省

先日ブログでインフルエンザは空気感染しないよ、と書きました(加湿器はインフルエンザ感染予防に効果があるか?と素朴な疑問)・・・これ猛省しなければなりません。というのもその後、ブログを読んでいただいた方からこんな論文を教えてもらいました。「Infectious virus in exhaled breath of symptomatic seasonal influenza cases from a college community」(PNAS 2018; published ahead of print January 18)、この医学論文が掲載されたPNASは日本のメディアでは米国科学アカデミー紀要によれば、などの形で報道されることの多い権威ある科学雑誌です。

この研究は呼気中に含まれるインフルエンザウイルスの感染力や量を調べたものであり、いわゆる空気感染の可能性を示唆しています。朝日新聞の記者さんに文句言っている私、ブーメランでした(涙)。

言い訳:私がインフルエンザは空気感染しないよ、ってブログを書いたのは1月20日、PNASに空気感染の可能性があるとの論文が掲載されたのが1月18日。医学情報って日進月歩なんで常に知識をブラッシュアップしなければと猛省いたしました。

追記:2017年2月10日 1:20
ひょっとしてインフルエンザB型の場合、熱が出にくい等の特徴があるエビデンスがあるのかもしれないと、朝日新聞にお尋ねしました。その経緯はこれです → 大流行中のB型インフルエンザ関連記事、朝日新聞に電凸しました!!その結果は・・・

炎上した「あたしおかあさんだから」の絵本作家と「胎内記憶」のトンデモ系医師の深い関係


あたしおかあさんだから」に反応したネットユーザーの鋭どさに驚いた

最初「あたしおかあさんだから」がなぜ批判され、ネット上で炎上したのか理由が分かりませんでした。よくあるお母さんをテーマにした童謡だと感じたのですが「子育てに専念するお母さんを賛美しすぎ」「母親の自己犠牲が美しく書かれている」などの理由が批判の原因のようです。

『あたしおかあさんだから』歌詞への批判受け、絵本作家のぶみさんがコメント 「これはママおつかれさまの応援歌」

この炎上を報じたハフィントンポストに童謡の歌詞が掲載されていて、よ~く読んでも「まあ、昔からある童謡じゃん」と思ったのですけど・・・昔と違ってこのお母さんのキャリアも歌われているぞ!!最近の童謡ってそんな感じなんだ的に受け止めたのですが・・・ネットの世界の人って、非常に鋭いです。この詩を書かれた方の思想背景を嗅ぎ取って「これなんだかヘン!!」って思ったんでしょうね。

なにを隠そう、この詩を書かれた絵本作家のぶみさん、トンデモさんと思われる胎内記憶とか経皮毒とかのニセ医学を提唱している池川明医師の影響を受けているのです。

今までも私は繰り返ししつこくヘンテコ医学の絶好のターゲットは子育て中の母親や妊婦さんです。池川医師はまさにその層に狙いを定めています。

池川明医師「胎内記憶」って赤ちゃんや母親に無茶苦茶プレッシャーかけていませんか?

日経さま、トンデモ系の池川明医師が顧問している「胎教アドバイザー」の広告塔になってはマズイですぜ

もともと本とか詩とか作者の意図しない読み方をされる傾向があるので、まあ、読者によって様々な受けとめ方ができるのは当たり前です。でも、やっぱりこの童謡の作詞をされた絵本作家さんと池川明医師の関係はかなり気になってしまいます。

絵本作家ののぶみ氏と池川明医師の関係

「胎内記憶」とか「胎教」を強く訴える普通の解釈ではトンデモ系の池川明医師ですが、熱狂的な信奉者がいることで、トンデモウォッチャーの間では知られた存在で、彼を定点観測している人も多いです。

「胎内記憶はありまぁす!」派に感じる違和感…。全力でツッコみます。

女性向けヘンテコリンなトンデモ系ニセ医学について観察している山田ノジルさんの記事。messyというサイト、実は私が今までブログネタとして利用させていただいているビジネスジャーナルと同じサイゾーという会社が運営しています。まあ、それはひとまず置いといて

池川明医師は、言わずと知れた胎内記憶研究の第一人者。本によると、子供の口から語られているのは「ぐるぐる回って泳いでいた」「ひもでつながれていた」などの胎内記憶です。精子記憶の証言では「たくさんの仲間がいて競争し、自分が勝った」なんてものも。

こんな話をもっともらしく拡散しているのが、池川明医師。私はどう見ても非科学的でありニセ医学の領域であると断定します。

池川医師は子供は親を選んで生まれてくる、との考えもありこれは必要ないプレッシャーを親とくに母親に与えるものに他なりません。また「母乳神話」というこれまたいらん苦労とプレッシャーを母親に背負い込ませる考えも池川明医師は強く主張しています。

「母乳神話」母乳で育てると赤ちゃんはもちろん、ママの病気も防ぐ、でも疑問だらけ。

トンデモ医学の伝道者である池川明医師と今回炎上した「あたしおかあさんだから」を作詞した絵本作家のぶみさんが仲良しさんであることを、ネットユーザーは鋭い感性で気が付いたんでしょうか?

「東京・横浜ヒプノセラピスト&カウンセラー Takakoのブログ」 アメブロより

ちなみにヒプノセラピストとは催眠療法を行なっている人のことで、前世のこととか未来のこととか潜在意識とかを調べて病気や悩み事を解決するらしい、これまた怪しげな民間医療の一つと考えて間違いありません。

池川明医師ってこんな人なんだけど

ここで注意があります。私は今回の「あたしおかあさんだから」は、子育てにおけるワンオペ育児を褒め称えている感はありますが、内容自体は今風の童謡はこんな感じだろうと思っています。

「蟹工船」や「セメント樽の中の手紙」の愛読者が共産主義信奉者であるはずもなく、三島由紀夫ファンの全員が愛国者であり右寄りであるわけでないと思います。

また作家や作詞家、詩人の中にも自分の思想信条とは別の考えの作品を書き上げるばかりでもないので、絵本作家のぶみさんの作品である「あたしおかあさんだから」の受け止め方は聞いた人、読んだ人それぞれの違った解釈でOKのはずです。

でも、のぶみさんは「このママにきーめた!」という絵本もお描きになっているので・・・池川明医師の影響を強く受けているのは間違いなさそうです。

私はこのシリーズ全部持っています。

池川明医師はトンデモ医学の御大真弓定夫医師とがっちりタッグを組んでいます。これでも池川明医師のトンデモさがわからない方はこれをどうーぞ。

http://www.30ans.com/memory/backnumber/200609.html

さらに養生LABOというサイト(http://youjo-labo.com/shampoo-from-amniotic-fluid-4234.html)で

よくネットとかに経皮毒の問題で羊水がシャンプーの匂いがしたなど 書かれていたりしますが、それは本当なんですか?

との問いかけに対して池川明医師は

「先生、ちょっと来てください」って。「どーしたの?」って聞くと、「何か匂いません?」結構広い部屋なんですが、部屋に入った途端にすごい 臭うんですよ。これが例のシャンプーかと思いましたね。

と返答しています。さらに

特にその方は、毎日朝晩シャンプーしてたみたいで、だから臭うんだなと思いましたね。

とも。経皮毒、特にシャンプーが原因で羊水がシャンプー臭いなんてデマと考えて問題ないことを拡散しております。

私は経皮毒は非科学的なニセ医学であり、これを流布する人、特に医師を批判してきました。

都市伝説「経皮毒が原因で羊水からシャンプーの臭いがした」・・・ニセ医学です

このようなトンデモ医学を拡散している医師の影響を絵本作家のぶみさんは受けている可能性があることは、知っていても邪魔にはならないと考えます。

そういえば、のぶみさんの絵本って以前も話題になりました

夫婦喧嘩の後に珍しくご主人が子供さんに絵本を買ってきてその本が「ママがおばけになっちゃった! 」だった、なんて話も耳にしました。この絵本の内容はママが交通事故にあって死んでしまって、残された4才の息子さんがオバケになったママとの交流を書いたもです・・・アレアレ、これも作者はのぶみさんだ!!この絵本も一時期ネット上で賛否両論が議論されていました。のぶみさん、とかく話題性のある作品を創作しているいい意味でも悪い意味でも話題性ある方なんですね。

乳酸菌が体内に吸収!!??は無いけど、本当に花粉症に効果はあるのか?


アンチエイジング専門医が乳酸菌についてヘンなこと言っているけど

某健康情報というか美容に関するサイトでヘンテコ記述を見つけちゃいました。

ヨーグルトは腸内環境を整えるには効果的ですが、特に38℃程度に温めると(ラップをせず、500wの電子レンジで約40秒)、乳酸菌の吸収力が上がり、腸内を活性化してくれます。

アンチエイジング専門医が推奨する「あたりめダイエット」(https://diet.news-postseven.com/16977)とのタイトルのダイエット記事です。

◎体内に乳酸菌が吸収されちゃったら、血液中を乳酸菌が駆け巡り、乳酸菌による敗血症になっちゃうんじゃないの?

このダイエット記事が気になって乳酸菌界隈をウロウロしていたら花粉症のシーズンということもあるので

◎乳酸菌で花粉症のようなアレルギーの病気を治す

的な記事や広告が目立ちます。果たして腸内細菌に乳酸菌を取り入れると果たして本当に花粉症やアレルギー系の病気を治したり改善したりすることが可能なんでしょうか?まずは乳酸菌が花粉症に効果がある説を検討して、乳酸菌で花粉症の症状改善は疑問だよ説も見つけましたので検討してい見ますね。

カルピス「L-92乳酸菌」の花粉症への有効データより

カルピスの花粉症対策と注目のL-92乳酸菌はどうなんだ?

乳酸菌飲料の代表であるカルピス、これキライに人って滅多にいないんじゃないかなあ。私は水で薄めるタイプのカルピスのグレープ味が大好きでした(最近、あまり見かけない)。子供時代から刷り込まれているカルピスが近年ではヤクルトに対抗するかのように健康対策に力を入れています。ネット上の広告もしばしば目にします(私は表示されるたびに、かならずバナーを踏んじゃいます)。そこで現れたのがこれ。

http://calpis-kenko.jp/l92/allergy_guide12/?cid=DSY02

2018年は飛散する花粉の量が昨年と比較して2倍、なんて予想されていますので花粉症を患っている方にとっては辛い年になりそうです。

カルピスは

◎アレルギー症状が起きる原因として免疫力のバランスが壊れるから

と考えているようです。免疫力のバランス、って言われるとなんとなく分かったような気になっちゃいますけど、そもそも免疫力の指標というかバロメーターって何なんでしょうか?カルピスの場合、骨髄で作られるリンパ球の一種類であるT細胞を免疫関連の指標としています。このT細胞はヘルパーT細胞とかキラーT細胞とかの種類があります。その中のヘルパーT細胞の一つであるTh1細胞とTh2細胞のバランスが崩れることによってアレルギー症状が出るとカルピスは考えているようです。

このアレルギー発症メカニズムはなるほど、と納得できるものです。

◎でも、アレルギー発症メカニズムがわかっても乳酸菌がそれを改善するかは別の話

であることは当然です。L-92乳酸菌の研究によって花粉症への効果が有効であると続々と発表されています、とカルピスは強く主張しているのですけど・・・これに対して次のような意見もあります。

花粉症に乳酸菌サプリの効果は?

夕刊フジってご存知でしょうか?ご存知でない方に簡単に説明すると、オッサン向けの夕刊紙、特ダネ記事もありますがモッた記事も多数であり、エッチな写真も掲載されている、ご家庭に持ち帰りにくい新聞です。この夕刊フジ、なんでお前が愛読しているかというご質問にお答えすると、とにかく記事のタイトルや見出しの付け方が秀逸(まあ、盛ったとの表現もありますけどね)。

そんな夕刊フジですから信頼度に関しては甚だ疑問をお持ちの方もいるとは予想します。でも、この記事の発言者は千葉大学医学部の教授であり、耳鼻科関連のプロ中のプロです。

岡本美孝教授はこのように述べています。これ夕刊フジのデジタル版まんま画像をアップしていますが、口頭で使用許可を頂いています。産経って太っ腹。

1:乳酸菌の花粉症の症状を抑える効果は実験で確認されている、動物実験だけど

2:乳酸菌の花粉症に対する効果を人間を対象に行ったけど有効性は証明できなかった

3:理論的には効果があるはずでも、実際の効果は期待できないことがある

4:プラセボ効果も考える必要がある

5:服用した人が効果あり、と考えるのなら活用してもいいよ

カルピスはサイトに論文を多数掲載しているけど、権威ある現役の医師には

◎乳酸菌が花粉症に有効という話は科学的根拠を示すのは難しいケースとして処理

されている模様。高額な費用がかからないで、健康被害がないかぎり効果を感じる人は食べたり飲んだりしてもいいんじゃない、と判断されているようです。

どうしても気になる「乳酸菌が吸収される」というフレーズ

乳酸菌で花粉症を治す、というよりは症状が軽減するなら食べてもいいんじゃないの、って多くの医師は考えると思います。腸内細菌叢にそれなりの良い影響を与えて、快便になればいいし、お腹の異常発酵による膨満感が消失すればなんとな~くヤセたような気にもなれますしね。

しかし

◎気になるんだよね~医師の「DIET ポストセブン」中の「乳酸菌の吸収力が上がり、腸内を活性化してくれます」発言

。乳酸菌は腸内で活躍するわけで、それを吸収とは呼ばないし、医学的な吸収という用語で解釈したら乳酸菌が血流に乗って各臓器に到達することになっちゃうじゃん。これかなり危なっかしい事態を引き起こしてしまうのでは・・・と思ったところ、これを書かれた医師、どっかで直接お会いした記憶があります、ヤバイ、ヤバイ。またスタッフに怒られちゃうかも。

乳酸菌関連ブログ

乳酸菌やビフィズス菌で花粉症対策、という話。なぜ、ヨーグルトが花粉症に効果があるのか?

「乳酸菌」生きてる派の森永製菓VS死んでても大丈夫派の森永乳業、どっちが正しいの?

乳酸菌が100億個!!ところでどうやって数えてんだ??

お時間がありましたらお読みいただけるとうれしいです。

温泉の効果効能にエビデンスは?ってことより医療費控除の対象になれば色々な効果が!!


温泉の費用が医療費控除の対象になると、こんな経済効果もあるぞ!!

え~っと、今まで温泉の効果なんてねえ、と考えていた私ですが転向します。今年になって深い理由はないのですが温泉ファンになってしまいました。温泉が医学的に効果があることが証明されれば、気軽に確定申告時に医療費控除の対象になり、国民はニコニコって具合になると思います。

温泉費用が医療費控除になっちゃうと、財務省はこれじゃ税収が落ちると心配しているかもしれませんけど・・・

大分の温泉、1200億円生む 大銀経済研が「白書」 波及効果試算

医学的効果が実証されれば厚生労働省も後押しするはずです

国土交通省 観光庁のデータ毎年確実に日本人が国内旅行をしている人は右方上がり。

今回は温泉って効果効能を掲げているけどそのエビデンスを検討するとともに、私の温泉体験レポートも報告しますね。あっ、医療費控除ができなくてもブログのための経費として税務署さまが認めてくれるなんてことを期待していませんから、下衆の勘繰りはやめてねm(__)m

温泉の効果か?なんだか胃腸の調子もいいし、足のしびれも軽くなった

ここから私の体験レポートとなります。先日、都内から1時間ちょっとで行くことの出来る、全然有名じゃない温泉に行ってきました。そこの温泉の効果効能は神経痛、婦人病、外傷、慢性消化器病などでした。

お正月早々、胃腸の調子がイマイチであり、慢性的な肩こり・首痛を合併しつつ、左足のしびれ感もある私にぴったりの内容。まあ、ここの温泉に一泊で3回ほど浸かったところ、なんと一週間は

こりゃ間違いなく温泉は医学的な効果あり!!と判定しちゃいました

やっぱりプラセボかなあ。

となると温泉って医学的にエビデンスがしっかりあるのかが気になります。別に温泉じゃなくても、家庭内のお風呂でも十分に効果があったりする場合もありますんで、温泉自体に病気を治す効果があるのかエビデンスを調べてみました。

温泉に浸かってニコニコの私は普段なら「デトックス!!なんじゃこりゃ、デトックスの定義を述べよ」的に絡むんですけど「おお~、女性心理をよく理解した旅館の経営者だねえ」なんて大人の対応を取っちまいました。これも温泉の効果効能かねえ(笑)。

おまけ:プラセボとかプラシーボとか偽薬効果とか呼ばれている現象がありまして、こんな感じになっております → ニセ医学がはびこる理由・・・プラシーボ効果ってこんなに凄いからねえ

温泉は医療と密着仲良し「日本温泉気候物理医学会」は立派な学会だよ!!

学会と名乗ることを制限する法律はありません。極端なことを言えばあなたも明日からなんちゃら学会を設立することが可能です。しかし、本当の学会という言い回しもヘンですけど、本来の学会の頂点にあるのが日本学術会議でここが「学会」と認めているのが本当の権威ある学会。そのなかに日本医学会があって、その下部団体の一つが日本内科学会とか私の所属する日本泌尿器科学会とかになっています。

温泉と医療関連の日本温泉気候物理医学会は日本医学会の日本医学会分科会に属していますから、ちゃんとしたアカデミックな学会と考えて間違いありません。

私的には温泉の医学的効果について実はこんな疑問があります。

1:温泉の成分の違いは効果効能に影響があるのか?

2:温泉と普通のお風呂に効果の差があるのか?

3:温泉の適応症はそれぞれエビデンスがあるのか?

この1-3について語るためには、まずは温泉の定義とはなんぞや、から初めないといけません。

製薬会社HPの「体温を上げて免疫力アップ」???なので電凸しましたレポート!!)。

温泉の成分がどのように人体に影響しているのか等はもう少し調査を継続して、ある程度結果が得られたら報告しますね。ちなみに私は自宅でいつもちゃんと湯船に浸かりなさい!!って家人に怒られています。でも、お風呂って浸かっているだけだと、飽きちゃって1-2分が限度。

家内安全、健康増進なら医療費とか経費とかで認めたらどうでしょうか?

奥様や彼女を温泉に連れて行って(ご主人や彼氏でもOK)喜ばれないことはないですよね。家庭内が安全で(安全じゃないか、夫婦円満かな)、彼氏彼女がご機嫌さんなら結婚する人も増えるでしょうし、少子化に歯止めがかかるかもしれません。

今現在の消費者の動向としてものを買うより、なにがしかの経験をより優先しているために・・・「モノ消費」から「コト消費」へと変化する生活者の価値観 なんてことが言われだして久しいですよね。温泉に行く、というコトはこれからの消費をリードするような気がします。消費が増えるなら消費税等の税収も増えますが

温泉利用型健康増進施設

日本旅行業協会 「数字が語る旅行業 2016

温泉を楽しみつつ、食も楽しむ・・・これが旅先の一番多く取られている行動、ということは温泉と食事は切っても切れない関係。つまり、

昔はインフルエンザの予防接種って集団接種だったよね?


集団でワクチン接種はこれだけ効果的!!

以前から感染症のワクチンって自分を守るだけじゃなくて、体質的な理由などでワクチン接種できない人に感染症が移らないという面もあるんだよ、と伝えてきました。予防接種は
1:個人の健康のため

2:集団の健康のため

の二つの目的があるのです。以前は2の集団の健康のために、学校で予防接種の集団接種が行われていたことをご記憶の方も多いと思います。副反応問題に関して特に重篤な後遺症が残ってしまったために国に損害賠償を求める訴訟が増えたことにより、国側が弱気になったため、強制的な集団接種は行われなくなりました。

先日のハフィントンポストに

インフルエンザ大流行。日本から失われた「集団免疫」とは?

という非常に興味深い、下手すりゃ反ワクチン派が猛攻撃してくるような良記事が掲載されています。

この中で都内のある小学校の24年間に渡る調査結果が紹介されています。この小学校は超有名私立学校であり、女性誌等が「芸能人の誰々の子供がお受験」とか「あのスポーツ選手の息子が合格」とか、どうでもいいゴシップで取り上げられることが多いです。

実はこの有名私立小学校、健康面のデータ蓄積に以前から力を入れており、関連大学の医学部併設の健康管理センター(?)でデータの解析を行なっていました。そこで研究された医学論文がハフィントンポストで提示されたデータです。論文は「Influenza Vaccination of Schoolchildren and Influenza Outbreaks in a School」というタイトルでネット上、どなたでもご覧になれます → https://academic.oup.com

当院の周辺からこの小学校に通学している小学生が多くいるため、この記事と論文を読んで「ああ、あそこね」ってわかりました。

セレブの子供が通う小学校だから、予防接種りつが高いわけじゃない

実はお金持ちが多いから、予防接種の費用負担が重圧にならない、だからこの小学校はインフルエンザの接種率が高く、学級閉鎖も少ないことにはなっていません。

前掲のハフィントンポストの図を見てみる、強制接種が行われた時代と比較して任意になった1995年から1999年の間は学級閉鎖の期間がその前後の時期より誰が見ても長くなっています。

ここの小学校は関連する医学部から医師が派遣され常駐している恵まれて環境なのですけど、やはりインフルエンザの予防接種を受けるような指導が始まった時期から任意接種率が高くなるとともに、学級閉鎖日数が激減しています。保護者会の初めの方で必ず生徒の健康について校医(論文中にもその名前は書かれています)が長々と解説をするとの話を聞いています。

集団接種、任意接種、定期接種の違いは?

予防接種は国の法律でその運用が定められ各自治体が行なっています。定期接種と任意接種の大きな違いは費用を行政が負担するか、しないか。

http://www.wakuchin.net/というサイトにわかりやすい表がありました。

もっと分かりやすく言えば

◎定期接種は無料で任意接種は有料

ってことです。例えば季節性インフルエンザ(普通、インフルエンザワクチン接種と呼んでいるやつ)は有料、つまり自己負担する必要があります。高齢者の場合、自治体によって補助金(助成金?)が出るには出ますけど、やっぱり自己負担0円にはなっていません。探せばあるのでしょうけど、子供に対するインフルエンザの予防接種はほとんどが自己負担100パーセント。これじゃあ、集団接種による感染の流行を抑制することは不可能ですね。

予防接種が安く受けられるのは1月31日まで、なんでだ?

あと、現時点でもインフルエンザのさらなる流行が懸念されています。昨年はインフルエンザワクチン不足が報道されました。昨年末になってやっと流通が通年の状態に戻りました。このワクチン不足の影響を受けて、インフルエンザワクチン接種を希望していても、受けられなかった方多数。年明けに予防接種をしようと思っていても、医療機関はインフルエンザ患者さんで溢れかえっているので感染が心配、じゃあ2月に入って予防接種を受けようと思うと・・・自治体のワクチン補助の期間は無情にも1月31日で終了となっています。

これ横浜市のもの、当院がある目黒区はページが既に削除されている。

行政側が本気でインフルエンザの流行を抑えようと考えているのなら、もう少しフレキシブルに制度を運用する必要があるでしょうし、インフルエンザワクチン接種を定期接種にできないの?なんて考えてしまいます。

集団接種の問題点

誰でも一律に無料で受けられる定期接種、それを受ける側の利便性と接種する医療サイドの利便性を考えるとなんでインフルエンザワクチンは定期接種や集団接種にならないのか、不思議でしかたありません。

ある集団において、一定の割合の人が予防接種を受けるとその集団で感染症は大流行しないと考えられています。体質の問題等で予防接種を受けられない人も周囲の人が予防接種を受けることによって、感染する可能性が低くなります。ワクチン接種は危険、危険との騒いでいる人たちがいることは知られています。この方達は本当にワクチンが危険だと考えるのなら、安全なワクチン開発等を支援する方がよろしいのではないでしょうか?気をつけなければならない注意点として、非科学的な思考回路にズッポリはまり込んで、医学的根拠なく「ワクチン反対ーい!!」と言っている人たちの中には、インフルエンザを防ぐと称するグッヅや健康法(もちろん医学的根拠なし)へ誘導しようとの目論見がミエミエの連中がいます。気をつけましょう!!

こんなヘンテコな意見の人もいますから → 無責任にもほどがある!!「はしか、水ぼうそう、おたふく風邪はかかったほうがいい」とフードプロデューサー。

おまけ:C型肝炎は集団接種が原因と考えられています。しかし、当時は注射器や針の使い回しが横行していました。いまでは個々の注射器も針も使い捨てのディスポを使用しています。集団接種が集団感染の原因には現在ではなりえません。

ガサガサ、ギトギトの肌がツルツル・ピカピカに!!シャイニングピール体験レポート!!


シャイニングピールって何だ?

お肌をツルツルピカピカにしたいと多くの方、特に女性は望んでいると思います。美容皮膚科の治療の基本中の基本としてケミカルピーリングがあります。今まではグリコール酸が一番安全で気軽に多くの美容系クリニックで使用されていました。

そのグリコール酸がなぜか劇物(劇薬じゃないよ)に指定されたことによって、販売メーカーが管理する手間暇が大変になったことにより安定配給されなくなったために当院でもあまり使用しなくなっています。詳細はブログにしました → これからは「ケミカルピーリング」をエステで行うと危険だし違法だよ!!たぶん。追記 その他のピーリング方法について。

当院が得意とする治療の代表的なもので「ニキビ跡の治療」があります。フラクショナルレーザーという医療機器が日本に紹介された時、新し物好きの私は「フラクセルレーザー」という機種を日本で数番目に購入し(これがまたメチャクチャ高価で当院のような小規模なクリニックで本来は導入するようなレベルのレーザーではなかった)、これをニキビ跡治療の一つとして多くの患者さんに喜ばれていましたし、現在も喜ばれています。

このフラクセル(正式名称はフラクセル2)がちょっと古くなったので、新しいレーザー導入を考えていたら

◎ニキビ跡の治療にも使用できるし、ピーリングにも使用できるレーザーを見つけました

そのレーザーはエルビウムヤグレーザーと呼ばれる方式のもので、名称は「シャイニングピール」です。

◎シャイニングピール、光る、輝くピーリング、って意味のネーミングセンスはハッキリ言ってダサい

けどしかたないか。

シャイニングピールの効果はこれ!!

エルビウムヤグレーザーは色に反応する性質ではなく、水分への吸収性が高くレーザー照射時間は一瞬であるために、CO2レーザーのように熱によって皮膚が焦げることはありません。

◎シャイニングピールはこのレーザーを顔全体に照射することによって、肌のキメを整えてツルツルピカピカにできるのです

ある日、お昼休みのまったりした時間に当院美容担当の女医さんが「院長、お暇そうですね、ちょっと来てくれますかあ」とか言われて、言われるがままになったのがこの画像。

いきなりベットに寝かされて、バシバシバシって音と共にこのシャイニングピールの実験台となったのです。当院で新しい治療機器を導入するにあたって、まずは院長である私が実験台になるのは恒例。このシャイニングピール、実は別名があるのですが非常にダサいネーミングのためここでは書きませんけど、ニキビ跡や黒子の治療も出来るので、それらに治療するための実験は私は経験済み。導入した後でピーリングもこのエルビウムヤグレーザーが効果を発揮することを知ったのでした。

肌をツルツルピカピカにするシャイニングピール、それなりの音はしますけど痛みは皆無に近く麻酔は不要で、治療時間もほんの数分。女医さんが院長だから麻酔もいらないだろうし、適当にレーザー照射しちゃえ、ってことが無い限り。

シャイニングピールを受けた後はどうなるか?

昼休み中にチャッチャッと治療してもらったシャイニングピール、その後通常の保険診療を済ませました。私がちょっと髪型を変えただけで「先生、その髪型いいねえ」とか「院長、ちょっと切りすぎ。前の方がよかったよ」なんてことを言ってくれる患者さんが多いのが当院の特徴なんですけど

◎シャイニングピールを照射したら、顔が真っ赤っかになった様子は少なくとも患者さんからはご指摘はありませんでした

当日、家に帰ってお風呂に入ってビールをたっぷり飲んだところ、家人から「パパ、シャイニングピールやったの」と指摘されただけでした(家人は既にシャイニングピールを当院で実験台として経験済みだったらしい)。鏡を覗いてみたら少々赤みが出ているだけで、ほてり感とか痛みはありませんでした。翌日、鏡を見ると赤みも腫れもありません。ただ、手触りとして顔全体が少々ザラザラしているように感じました。メーカー提供の画像だと、肌がウロコのようにポロポロ取れてくるようです。


私の場合、3日経過してもこの画像のように、肌がポロポロ取れてなかった。でも、

◎一週間程度経過したら、なんとなーく肌のキメが整って来たように感じています

今の所、私のちょっとした変化に敏感な当院の愛すべき患者さんから「先生、肌ピッカピカだねえ」とか「院長、お肌ツルツルだけどなんかやっているの」とのお言葉はいただいていません(泣&笑)。

シャイニングピールは今後代表的なピーリング方法となるか?

実はこのシャイニングピールは既に多くの美容系クリニックで採用されているピーリング方法です。当院でもほとんどのスタッフが既に実験台的に経験済みで、今のところ有害なトラブルはありませんから安全なピーリング方法と言えるでしょう。今までのフラクセル2も、美肌目的として使用していました。メーカーの提供するレーザー照射後の画像はこのようになっています。

メーカー提供の写真ですから、他社製品と比較していかに自社製品が優れているかを強調している可能性は否定できません。理論から考えると、まあこんな感じかなあと思われますし、私の体験談としても表皮にダメージを与えずに真皮層まで熱エネルギーが到達ってのは納得です。どうやって真皮まで熱エネルギーが届いたかは、どうやってお前はわかったのかよ的なご質問はご遠慮くださいませ(笑)。

これまたメーカーの資料なんですけど、特徴(特長かな)はこんなこととなっています。

院長(怒)!!美容系のブログもたまには書いてくださいよ〜、とのスタッフの叱責に対応するためにアリバイ的に新規に導入いたしましたシャイニングピールの体験レポートでした。

このシャイニングピール、既に当院の美容治療メニューとして採用しておりますので、ご質問等はこちらへ → メールでのご相談・資料請求・カウンセリング予約

院長のブログ読んだよ、って伝えていただけると多分サービスしちゃいます。

ホリエモンVS近藤誠医師「ピロリ菌除菌する、しない」論争はどっちが正解?


胃がんにならないため「ピロリ菌を除菌」VS「除菌しても意味がない」

医学常識に対して逆張り説を掲げてメディアで取り上げられる有名医師である近藤誠氏の最近の著作「近藤誠がやっている がんにならない30の習慣」(宝島社)の初版本を持っています。

近藤誠氏の理論「がんは放っておけや!!」じゃないけど、購入してはいたけど放置していました。

まあ、30の習慣のうち、9.5習慣くらいは同意できるタイトルでした(近藤医師がその習慣をやっている理由の医学的根拠については疑問があるもの多数)。この著作で

ピロリ菌除菌について近藤誠医師がホリエモンをスッゲー勢いで批判しています

先日、素人が素人の健康法を一次ソースとして健康関連情報を記事にすることについてブログで批判しました。

無責任にもほどがある!!「はしか、水ぼうそう、おたふく風邪はかかったほうがいい」とフードプロデューサー

医学については素人であるホリエモン、ホリエモンを批判している近藤誠氏は医師免許をお持ちなんで素人ではありません。

さて、胃がん対策として積極的にピロリ菌の検査を推奨する医学の素人ホリエモンとピロリ菌検査及びピロリ菌の除菌について反対しているトンデモ系医師の代表格であるけど素人ではない近藤誠氏。

この論争っていうか、一方的にホリエモンに噛み付いたプロ近藤誠医師の主張、どっちが正しいのかを胃がんやピロリ菌は全く専門ではないけど、一応医師免許を持っている私が整理してみます。

こんな理由で近藤医師はホリエモンを攻撃しているけど・・・

ホリエモンがピロリ菌検査をしてピロリ菌を除菌することで胃がんの発症を3-4割減らせる可能性があることを知ったが、ピロリ菌検査及びピロリ菌除去による胃がん予防の認知度が低いことをクラウドファンディングのサイトに書いたことが近藤誠氏の気に障ったようです。

このクラウドファンディングが予防医療普及協会というピロリ菌簡易検査キットの販売を行なっている組織のバックアップになっているために「早期発見・早期治療ビジネス」の手口である、これは患者さんを”呼ぼう”医療普及協会であり、金儲け主義であるとのお考えのようです。

ホリエモンが明らかに標準医療とかけ離れた主張をして、ニセ医学と考えられるインチキがん治療やトンデモ代替医療を推奨しているのなら、それは真っ当な医師から批判を浴びて当然です。

ホリエモンが言う所の除菌することによって胃がんの3-4割りを減らせる可能性、この主張にエビデンスがあれば近藤誠医師がただ単に検診や人間ドックは意味がない、医師に近づかないのが苦しまずに平穏な最期を迎えるというご自分の意見に反するからホリエモンを批判の対象にしたと考えられます。

標準医療ではピロリ菌はこんな病気と関係していると考えるのが一般的です。

日本癌学会

ホリエモンの語る「ピロリ菌を除菌することで胃がんの発症を3-4割減らせる可能性」、この話は日本消化器病学会の「予防医療としてのピロリ菌検査と除菌」にはこのように書かれています。

除菌したグループと除菌しないグループを約8年間継続して観察してみたところ、除菌をした方が約30%発がんを抑制できたとい結果が出ています。

・・・難しい英文で書かれた医学論文を提示するまでもなく、日本消化器病学会が一般の方向けに作ったページにしっかり書かれています。結局

ホリエモンの語るピロリ菌の除菌効果に間違いは無い!!

ってことです。

近藤誠医師が「ピロリ菌を除菌しない」習慣を取り入れている理由のここがヘン!!

前掲の「がんにならない30の習慣」の中で習慣9として「ピロリ菌を除菌しない」との項目があります。その理由として

ピロリ菌を除菌すると死亡率が上がる

です。

また、ピロリ菌を持っている早期の胃がん患者さんを除菌するグループと除菌しないグループに二つに分けた研究があり、除菌したグループの方が新たな早期胃がんが減った論文に対して、近藤誠医師は

ピロリ菌を除菌しても「胃がん死亡数」「総死亡率」に関して記述がないことにお怒りの様子

これらを説得力のあるものにするには一次ソースである論文のタイトルや番号を示すべきなですけど、近藤医師の書かれた本は素人さんむけ。こちらも英文の論文を提示するより、どなたでもアクセスできるものとしてこんなのをご用意いたしました。

当院も参加したJapan Gast Study Groupではピロリ菌を除菌することにより、胃がんの発生を抑制できるかという研究を行いました。この研究では早期胃がん内視鏡術後にピロリ菌を除菌することにより、異時性多発がんの発生が1/3になることが明らかになりました。

がん研有明病院「早期胃がん内視鏡治療後のピロリ菌除菌治療

ピロリ菌を除菌することで胃がんの発症を抑えることは「Helicobacter pylori eradication therapy to prevent gastric cancer in healthy asymptomatic infected individuals: systematic review and meta-analysis of randomised controlled trials」(BMJ. 2014 May 20;348:g3174)で明らかにされています。

近藤医師は多分この論文を目にして、ピロリ菌を除菌すると死亡率が上がると思ったと予想されます。

この論文が言わんとしていることはピロリ菌除菌で健常者の場合、胃がんの発症を減らす、ってことです。論文の総死亡率を見てみると有意差は無いのですが、若干ピロリ菌を除菌しないグループの方が低くなっています。

これによってピロリ菌を除菌すると死亡率が上がると考えるのは間違い

その理由として、胃がんで死亡しないために、他の病気での死亡が増えるために総死亡率が増えて見えるだけとも考えられます。

不利益なことばかり騒ぎ立てる近藤誠医師

近藤先生はピロリ菌を除菌することによって、偽膜性大腸炎を発症して死に至ることもある、なんて述べていますけど、確かに除菌に使用する抗菌剤がその原因になる場合もあります。

偽膜性大腸炎は抗生物質(抗菌剤)を長期使用することによってクロストリジウム-ディフィシル感染症にとなる病気で、多くは老人施設で集団発生することがあります。

ちなみに偽膜性大腸炎の罹患率は米国のものしか見つけられませんでしたけど、100万人あたり23.7人。一方胃がんの発症率は男性10万人あたり78.9人、女性10万人あたり67.1人、これを100万人あたりにしてみると男性789人、女性671人となります。

偽膜性大腸炎の恐怖を語るより、胃がんになることの方がメチャクチャ高いことを述べないで、ご自分のヘンテコな主張を発刊し続ける近藤誠医師の方が、よっぽど病気をビジネスにしていると思います。

ホリエモンの本もちょっとヘンだけどね

おまけ:ピロリ菌だけが胃がんの原因ではありません。喫煙や過剰な塩分摂取も関連していますことにご注意ください。

また堀江貴文さんの著書「むだ死にしない技術」の帯の「胃がんの99パーセントはピロリ菌が原因」には若干の疑問点は残ります。あくまでピロリ菌感染は胃がんを引き起こす因子の一つですからね。でも少しでも因子を無くすことはメリットとデメリットを考えても、ピロリ菌の除去の場合行う方が良いと判断します。

オレも飲んでたぞ!!「認知症の原因は胃薬」との医学論文に惑わされた自分


気軽に処方していた胃薬が認知症の原因に?私も飲んでたぞ!!

胃酸が多いなあ、なんか胃がシクシクするなあ、胃酸が逆流してくるような気がする・・・そんな時に気軽に処方して、私自身も服用しているプロトンポンプ阻害薬という薬があります。代表的な処方薬として「タケプロン」「オメプラゾール」「パリエット」があります。PPIが発売された当時、「お酒を飲む前にタケプロンを飲むと翌日楽だよね」なんて言いながら、素人さんがヘパリーゼやオルニチンを飲むような感覚で服用していた医師も多数いたと記憶にあります。ところがこんな論文が発表されました。

◎胃酸の分泌を抑える胃薬プロトンポンプ阻害薬(PPI)が認知症の原因!!

なんて権威ある医学雑誌に論文が掲載されたので、私は焦りまくりました。自分が認知症になるのはまだ先だろうけど、高齢者にもタケプロンとかのプロトンポンプ阻害薬を処方していた私としては、医療過誤 → 医療訴訟 → 裁判・敗訴 → 賠償金で当院倒産、なんて図式が一瞬頭の中をグルグル周りだし、PPIの処方を躊躇しつつ「念のため胃潰瘍とか逆流性食堂園がないか、内視鏡検査を受けましょうね」と消化器専門のクリニックに患者さんを紹介して責任逃れしようなんて姑息な動きをしてしまいました。

背筋を凍らせた医学論文はこれ!!「Association of Proton Pump Inhibitors With Risk of Dementia」・・・・権威あるJAMA(米国医師会雑誌)に掲載されているので、素直にこれはそうなんだろうなあと解釈しちゃいます。この論文はプロトンポンプ阻害剤(PPI)は胃の症状に広く使用されているけど、認知機能の悪化に関連しているよ、との内容。

https://jamanetwork.com/ この図は明らかにPPIを長期服用していると、認知機能に問題が生じることを表しています。

認知症の治療費は世界中で6000億ドル以上!!??

この論文では認知症の有病率はグングン上昇しており、2010年では治療費として6040億ドルとのこと。認知症を減らすためには認知症の予防が必要であり、認知症の予防方法がはっきりわかっていない現在は認知症を引き起こすリスク因子をあぶり出すことが求められている、なんて書かれています。そこで認知症の原因となっている因子の一つとして、気軽に処方されている胃薬プロトンポンプ阻害薬(PPI)に目をつけたようです。この医学論文はドイツの高齢者を対象として研究されています。

ドイツでもプロトンポンプ阻害剤は10年間で使用量が4倍に増加した人気薬であり(二日酔い防止に処方はされていないとは思います)いるけど

◎逆流性食道炎や胃潰瘍の確定診断なしに処方されている例が60パーセント近くあったようです

・・・良かった、海外でも内視鏡などを行わないで処方されていたんだ、医療過誤 → 医療訴訟 → 裁判・敗訴 → 賠償金で当院倒産は回避できたかも、と自分勝手にホット一息つきました。

悩みに悩んだ胃薬プロトンポンプ阻害薬(PPI)、これが認知症の原因になっている説、実は間違いなんじゃないのとの医学論文が最近出てました(さらに医療過誤 → 医療訴訟 → 裁判・敗訴 → 賠償金で当院倒産の図式は遠のいたぞ)。

胃薬プロトンポンプ阻害薬は認知症と関係ないよ!!

ところが2017年に

◎胃薬プロトンポンプ阻害薬は認知症のリスクに関係してないぞ!!

との医学論文が発表されました。「Proton Pump Inhibitors and Risk of Mild Cognitive Impairment and Dementia」(J Am Geriatr Soc. 2017 Sep;65(9):1969-1974)によれば米国で10486人の50才以上を対象として、プロトンポンプ阻害薬(PPI)の服用が認知症へどのような影響があるかを調べたところ、関連性はあまりない、との結果になっています。

PPIを常用していた人は8.4パーセント、時々服用していた人は18.4パーセント、一度もPPIを服用したことがない人が73.2パーセント。この研究の結果、今までの報告とは逆にPPIを常用していた人は服用したことない人より認知機能の低下は少なかったのです(PPIを服用すると認知症が悪化しない、ってことではないので注意!!)。

今まで気軽に胃の調子が悪い、胃酸が多いなどの症状を訴える患者さんにPPIを処方してきた医師は胸をなでおろすのでした(たぶん、私だけじゃないはず)。

違った結論の医学論文を医師はどのように患者さんに説明するか?

「先生によって言うことが違うから信頼できない!!」とのご意見を度々いただきます。医師によって同じことを説明しているのに、表現力の差から患者さんがそのように捉えることも多いと思われます。しかし、医師によっては全く今までの知識をブラッシュアップしていない人もいるかもしれません。でも今回のPPI騒動の場合、一時期は「PPIは認知症のリスクを高めるから気軽に使わないね」と言っていた医師が「やっぱりPPIは認知症の原因じゃないよ」と患者さんへの説明が変わってしまうことになります。

◎ブラッシュアップしたために「先生、以前言ってたことと違うじゃん」とお叱りを受ける可能性も出てきちゃいます

困った、困った。まあ、私の場合は正直に以前自分が伝えていた医学知識が実は最近になって覆ったと説明してはいますけど・・・陰では「先生の言うことコロコロ変わる」なんて言われているかもしれません。

ところでPPIは認知症との関連はないよ論文、今読み返したらPPIを服用している人は心血管系などの持病を持っていることが多いので、ひょっとすると手厚い看護・介護・診療を受けていた可能性が出てきます。となると、今後この論文を否定する新しい研究結果が出てくる可能性もあるわけで・・・確定診断なしにPPIは気軽に処方しないほうが吉。

無責任にもほどがある!!「はしか、水ぼうそう、おたふく風邪はかかったほうがいい」とフードプロデューサー。


素人のブログをネタに医療健康情報を書いちゃうフードプロデューサー

医師以外が健康情報について語ってはいけない、なんてことは考えておりません。しかし、一昨年・昨年と健康情報サイトの信頼度が社会問題化していたことはご記憶に新しいと思います。あまりにもひどい状況に対してGoogleが日本限定で検索エンジンのアルゴリズムを変えたというのに・・・

◎何が悲しゅうて素人が素人のブログを一次ソースとした健康関連情報の記事を掲載しちゃうんだ?

世の中の常識を打ち破るようなご意見がおありならばまずはその根拠を示すべきです。素人さんに対して医学的エビデンスを呈示せよ、というのも大人げないだろうけど、せめて一次ソースは教えてよ、フードプロデューサーの南清貴さん!!

http://biz-journal.jp/2018/01/post_22144_3.html 

この標準医学を否定する記事を執筆されたフードプロデューサーであり一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事でもあらせられる(両者ともになんだかわかんないけど)南清貴さんは以前からヘンテコな主張をされています。

フードプロデューサーさま、ニセ医学系の健康に関する異説を唱えるなら、せめて1次ソースを調べてからにしてくださいませ

「風邪時の危ない風呂の入り方…私が孫にワクチン接種させない理由」とのタイトルからどのような経緯かは不明ですが「はしか、水ぼうそう、おたふく風邪はかかったほうがいい?」に発展して、

はしかはそもそも、子供が呼吸器を発達させるために必要なステップです。同じように水ぼうそうは泌尿器を、おたふく風邪は生殖器を発達させるために越えなければならない重要な関門なのです。ワクチンを接種することで病気を回避できたとしても、それは将来的にはあまり良いことにはつながりません。

との意味不明な根拠希薄な主張を述べています。こんなヘンテコリンな説をどこで仕入れたのでしょうか?

どうみても素人のブログが一次ソースじゃん!!

言論の自由は守られなければなりません。どんな主義主張であろうと発言する自由は保障されるべきですし、相手の意見を聴く姿勢は大人の常識。奇をてらったタイトルは人の目を引きますし、話題にもなりやすいと思います。

でもねえ〜、健康情報、特に生死に関わる場合とか将来に重い後遺症を残す可能性がある病気に関して、根拠の無い話をするのははっきりいって有害、どのように責任を取るつもりなんでしょうか?

◎間違った医学情報やインチキ医学は言論の自由の以前に有害なんだよ!!

この水ぼうそうが泌尿器を発達させる過程で必要な関門であり、さらにはおたふく風邪が生殖器を発達させるために必要という常識はずれの理論はどこが一次ソースなのでしょうか。少なくともまともな医学論文では見つけることはできませんでしたし、私の持っているトンデモ系の書籍の中でも発見できませんでした。

おたふくかぜ(ムンプスあるいは流行性耳下腺炎)に罹ると精巣炎を合併することが知られています。万が一両側の精巣炎となると、それが原因で男性不妊症になってしまいます。それがなぜ生殖器を発達させる関門なんでしょうか?

このヘンテコな主張の一次ソースとして考えられるのは2005年06月27日付けの素人さんのブログです。

おたふく風邪というのは生殖器を成長させる上で必要な風邪だそうで、耳下腺を腫れさせ生殖器の成長を促す作用があるそうです

ブログ全体を見てみると、標準医療を否定する民間の代替医療に嵌った方がどっかで仕入れたニセ医学が中心となっています(https://plaza.rakuten.co.jp/papa3mama3/diary/200506270000/)。さらに2013年5月16 日にアップされた整体師さん(整体は国家資格ではありません)の書かれたブログで

●水疱瘡:主に消化器●耳下腺炎(おたふく風邪):主に生殖器●はしか:主に呼吸器の成長を促すということが言えるのです。

との奇妙な記述が見つかりました(https://ameblo.jp/seitailabo/entry-11531332355.html)。さらにさらに2015年06月25日には

整体の世界では、おたふく風邪は生殖器の発達、それに伴う股関節・泌尿器の発達に必要な病気、腎臓の機能を整え高めるために不可欠な病気だと言われています。

と整体師さんは述べています(http://blog.livedoor.jp/appie_happie/archives/52347626.html)。このようにして

◎ネット上で医療に関するデマは拡散していくのです

多分、南清貴さんもこれらの全く医学的な根拠のない話を聞きかじって記事を書いたのだと思われます。

ワクチン接種、専門家の間で意見は割れていません!!

南清貴さんはさらにこんなことも述べています。

ワクチン接種の是非については、専門家の間でも意見が割れるわけですから、そう簡単に結論が出るとは思えません。

との記述がありますが、ワクチンに反対している医師はごくごくまれであり、ヘンテコリンな反ワクチン派の医師の話が興味を引くから目立つだけです。

これから医療や健康情報はなにを信用すればいいのか?

年末から年始にかけてある理由で少々ネットから遠ざかり、ブログも自主休業していました。Googleの努力にもかかわらず、相変わらずネットは非科学的なインチキ医療情報やニセ医学がはびこっています。数ヶ月でより良い正しい医学情報がユーザーに届くような状況になるわけはないでしょうけど、ゲンナリします。言論・出版の自由は制限されるべきじゃないのは当たり前です。

◎本当に病気で悩んでいる人にどのようにすれば正しい医学情報を届けることができるのか

大きなお世話でしょうけど悩んでいます。とにかく分かりやすい正しい医学情報をユーザーが興味を持って楽しめるコンテンツを微力ながら配信し続けるしかないと考えています。

私はサブカル系雑誌等の取材は積極的に受けるようにしています。レガシーメディアより週刊スパや宝島系の取材を優先してしまう私。実はこのビジネスジャーナルを運営しているサイゾーって会社が後援するウェブでトンデモさんや怪しげなニセ医学について対談したことあります(もちろん無償だよ)。

◎しかし、健康医療系の記事を掲載するのならもう少し考えてもらいたいと思います

・・・なんて思ったんですけど、フードプロデューサーと称する職業の方の医療情報と医師である私の医療情報を比較すること自体ヘンかも、だって私がレストランを評価するより、ミシュランガイドの方が信頼度高いのと同じじゃん。

ブログを削除しました


このブログは諸事情により削除いたしました

ナースキャップを見かけなくなった理由はこれかも??!!


ナースキャップ感染源説以外の理由はこれかな?

1980年台後半くらいからナースキャップって忙しく動き回る看護師さん(当時は普通は看護婦さん、って呼んでいた)に取って邪魔!!との意見と共に院内感染対策として、菌を撒き散らす感染源になっているんじゃないのって話がでてきました。ナースキャップが廃止になった理由として

1:看護師業務を行う上で邪魔

2:院内感染の感染源になりうる

がと一般的には考えられています。私としてはもう一つの理由として

◎3;ナースキャップは男性看護師さんには似合わないから廃止された

可能性もあるんじゃないかと妄想しちゃったので、それに対する考察を行ってみました。

男性看護師は増えているか?

1980年代位から現在までの看護師さんの男女比の推移を調べようと思ったのですが、明確かつ信頼たるデータベースは残念ながら見つかりませんでした。

内閣府男女共同参画局サイトより

おっ、このデータ、公的機関の資料だ!!女性看護師さんが占める割合を元にして男性看護師さんの人数の推移が出せるぞ!!と思ったら、スペインのデータでした、残念。

さらに2002年から2012年の厚生労働省の調査による男性看護師さんの数はあまり増加していません。

私の仮説「ナースキャップが使用されなくなったのは男性看護師さんが増加したから」は見事に否定されましたあ。

ナースキャップが感染の原因になるというエビデンスは多数あり

ナースキャップが院内感染対策の一つと日本で検討されだした1990年台にこんな論文が発表されています。看護学生に対する感染防止教育 (第3報)では「ナースキャップ付着菌の細菌学的検討:ナースキャップ付着菌の細菌学的検討」(環境感染 10(3), 49-52, 1995)。この論文では36人のナースキャップを調べた所27人(75パーセント)から菌が検出されて、そのうちの一人から院内感染で特に注意が必要なメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が検出されています。その他にもナースキャップ感染源説を述べた論文は多数あります。

一方でナースキャップとフェミニズムの関連に言及した論文もあります。例えば「ナースキャップの表現する看護婦像とフェミニズム : 英米におけるナースキャップ廃止議論の背景にあるもの」(日本看護研究学会雑誌 25(2), 87-99, 2002-06-20)ではナースキャップの歴史からナースの社会的地位などが詳しく述べられ

ナースキャップを着用するということは、見た目という外観だけでなく、内面的にも"女性である"ことを無意識のうちに表現したことから、看護婦自身の意思にに関わらず、ステレオタイプ化された女性特有とされるイメージを伝えることになってしまった。

との結論を導いています。

さらに

男性(医師)より劣る女性(看護婦)とされ、看護は医学や医師による支配を受けること、医師を尊敬し従属すること、それと引き換えに医師から庇護を受けることをよしとしていた

と現在読むとチョット力が入り過ぎに思えるような論文となっていました。

データ元の信頼度は不明ですけど、私の説をバックアップする記事を見つけ

ナースキャップを見かけなくなった理由の一つが感染症対策であることは明らかです。フェミニズム問題は私はあまり関わりたくない分野(当院のスタッフの95パーセントは女性)ですし、詳しい状況を把握していませんので意見は控えますね。ところで看護師さんの男女比についてブログを書き終えようと思った矢先にこんな記事を見つけました。県内男性看護師が10年で2.5倍 養成段階の実習先確保に課題

これは岡山県内に限った話であり、全国レベルで男性看護師さんが2.5倍増えたのかは不明です。私の妄想である「ナースキャップが使用されなくなったのは男性看護師さんが増えた」説もありかなあ・・・。

「添加物は危険!!」と煽る食品ジャーナリスト郡司和夫さん、またやらかしました!!


郡司和夫さん、EUは食品添加物リン酸塩の使用中止なんて決めてないよ!!

必要以上に食品添加物の危険性を述べ、コンビニを目の敵にしている食品ジャーナリストの郡司和夫さんがまたもややらかしてくれました。

http://biz-journal.jp/2018/01/post_22089.html 

まあ、媒体がビジネスジャーナルだから、なんて考え方もできます。確かに大手コンビニがリン酸塩不使用を打ち出してはいます。もともと加工食品の見栄えや食感を良くする為に使用されているリン酸塩は安全な使用量が食品衛生法で決められています。なんでもかんでも食品添加物は悪とする風潮に対してコンビニ業界が影響を受けたためと思われます。

郡司和夫さんはこのリン酸塩についてこのように述べています。

昨年12月、欧州連合(EU)加盟国のギリシャ・アテネで大騒動が起きました。EUが食品添加物のリン酸塩について使用中止の方針を打ち出したことが発端です。

あの〜、それって多分この記事を一次ソースとしていると思われます。この記事の内容が伝言ゲーム的になったような気がしなくもありません。というのも・・・EUでそんなことになってないんだもん。

independent.co.uk より

ここに書かれているのは

◎EUでリン酸塩の使用禁止が拒否された!!

であり、郡司さんの記事のタイトルと出だしの文章から「リン酸塩ってEUで使用中止の方向性なんだ」と思ってしまうあわてん坊が続出するんじゃないかなあ、まあそれが郡司和夫さんの手法でもあるけど。

郡司和夫さん関連ブログ
「セブンイレブンのCMにものすごく違和感を感じる」に違和感を感じた

食品ジャーナリスト達は「コンビニおでん」いじめが旬のようです。でも根拠は間違いだらけだよ!!

他にも以前書いたような記憶があるけど、こんな感じでいらん不安を煽るのが郡司さんなんです。

リン酸塩の毒性に関して間違った考え方をしている食品ジャーナリスト

国がリン酸塩の適正な使用方法や使用量を定めています。しかし、食品ジャーナリストと称する郡司和夫さんはとにかく危険、危険と騒ぎ立てるのです。

◎添加物の危険性を語る郡司さんら食品ジャーナリストの特徴は耐容一日摂取量について述べられることは少ないことです

この耐容一日摂取量は一生涯食べ続けても健康被害は出ないと考えられる一日の摂取量を表しています。今回必要以上に危険視されているリン酸塩ですが、リンの最大耐容一日摂取量は1日あたり70mg/kgとなっています。体重60キロの人なら1日4.2グラムなら毎日食べ続けても安全ということになります。食品添加物で使用されるリン酸塩はリンとして体内に吸収されるとしても、厚生労働省 「平成 25 年度マーケットバスケット方式による酸化防止剤、防かび剤等の摂取量調査の結果について」を見てみると265.6mgなので気にするほどの量を食べているわけではないのです。

厚生労働省「平成25年度マーケットバスケット方式による酸化防止剤、防かび剤等の摂取量調査の結果について」より

郡司和夫さんは

今は、あらゆる加工食品にリン酸はリン酸塩として添加されています。リン酸の過剰摂取は明らかです。

とビジネスジャーナル中でお書きになっていますが、それどっから仕入れた調査結果なのでしょうか?

リン酸塩を加えるとコーヒーが3倍になる!!??

郡司さんは食品メーカーがリン酸塩を使用する理由の一つとして

リン酸塩には増量効果もあります。たとえば、コーヒー豆の抽出に使えば、通常の3倍の量のコーヒーがつくれます。

と述べています。これインスタントコーヒーの粉の量が増えるのか、あるいは通常の3倍濃度の高いコーヒーを作ることができるのかハッキリしません。

こんな実験結果を見つけました。これはMy News Japan(これまたヘンテコな記事が目立つことで、一部の愛好者の間で有名なサイト)で「おかわり自由コーヒー、リン酸塩で増量疑惑 もっとも危険なのはロイホ」という記事にインスパイアされた「コーヒーとリン酸塩で実験-考察」とタイトルされたブログです。結果的に

◎リン酸塩を使用するとコーヒーの濃度は高くなるのですが、その量は最大で14パーセント

とのこと。郡司さんがおっしゃる3倍に増量ってどこから湧き出てきた数字なんだあ!!??

トンデモさんは計算が苦手で量の概念に乏しい傾向があります

トンデモさんの傾向として量の概念に乏しいことを以前ブログに書きました。

またもやヘンテコな管理栄養士さん発見!!スーパーの豆腐に物言う的に意気込んでいるけど、知識が・・・。

量の概念が乏しいということは、多分計算も得意じゃないことが大いに予想されます・・・郡司和夫さん、その期待を裏切りません!!同じビジネスジャーナル中に「コンビニおにぎりと弁当は危険!原価5円?添加物まみれで健康被害の恐れ」(http://biz-journal.jp/2015/10/post_11916_2.html)という記事があります。その中で

コンビニおにぎり1個の原価(コメのみ)は、間違いなく5円以下です。昨年などコメの取引価格が暴落して、産地によって違いはありますが、多くは60キロ(1俵)7000円台で生産者から卸業者へ売られています。コンビニおにぎりに使用されるコメは1個当たり80グラムほどですから、7000円台のおコメで計算すると、1個3円程度です。

って言っちゃってます。これ紙と鉛筆持ち出して電卓で検算してみました。

・おにぎり一個に使われる米は80グラム

・60キロ7000円の米

・60キロ = 60000グラム

7000円 ÷ 60000グラム × 80グラム = 9.3333・・・・・・

◎どう計算しても郡司さんが言っているように、おにぎり一個の原価は3円にならない!!

のです。ネット上の記事を見るたびに電卓持ち出す人は稀でしょうけど、私みたいな人間もいることを食品ジャーナリストの方々はお忘れないように!!

「発達障害を食の改善で治す」と称するニセ医学ビジネスについて


親の不安を煽る「食で病気を治す」こんなのに惑わされてはダメ

「なになにを食べて病気を治す」こんな感じのセミナー、講演会、一般書籍、webサイトが溢れかえっています。もちろん病気を防ぐ食生活もあるにはありますけど、このような話の多くはニセ医学が中心となっているので注意が必要です。特に現在の標準治療で治すことが難しい病気に関しては、どう見ても非科学的であり医学的な根拠に乏しい治療方法が拡散しています。

一般的に新聞といえば週刊誌はもちろんのことテレビの情報番組なんかよりも信頼度が高いと受けてめられています。でも、新聞といえども信頼度が怪しい場合も多数あるので注意が必要です。例えば先日

◎中日新聞で「発達障害 食で改善を 北陸の有志団体 提案へ金沢で来月講演会」なんて記事をネット上で見つけてしまいました

(現在は削除された模様)。

これ現時点キャッシュで残っています。

発達障害のお子さんを持った親御さん、特に母親向けの講演会は多数開催されています。中日新聞がどのような経緯かは不明ですが、かなりヘンテコな講演会を誌上で取り上げています。この講演会を行なっている

◎セラピスト大谷直美さん、私は酵素でデトックスとか不思議なことをおっしゃっている

ので以前からウォッチング対象としていました。

一般の方が酵素とかデトックスとかアロマとかに興味を持っていること自体は、まっいっか的に判断していますけど、明らかにビジネスとしてニセ医学を流布しているこのような方々は批判するべきであると考えます。

セラピストの大谷直美さんってこんな人

この大谷さんは「檜の酵素浴 ナチュラルリーフ」を主催して、ニセ医学である酵素栄養学も信じちゃっていますし、主婦の間で流行しているアロマによってこれまたニセ医学であるデトックスを商売として行なっています。この大谷直美さんは真弓定夫医師の信奉者なので、私の定点観測になっていたしだいです。真弓定夫医師はニセ医学と考えられる著作によって熱狂的な信奉者をゲットしているために、トンデモ物件ウォッチャー界隈ではかなり有名なトンデモ医師です。

「食育」は怪しげな雰囲気が充満しているのか?トンデモ案件多発中!!

牛乳はモー毒?よみがえる「牛乳有害説」、でもこれって医学的には否定されているんですけど・・・。

都市伝説「経皮毒が原因で羊水からシャンプーの臭いがした」・・・ニセ医学です。

これらぜーんぶ真弓定夫医師が監修しているヘンテコな本をブログネタとしています。

この大谷直美さんが主催していると思われる「アロマと檜の酵素浴 ナチュラルリーフ」のFacebookにはこんなことが書かれています。

発達障害、学習障害、うつ、自閉症などのお子さん達が数多く薬漬けになっています?しかし、ミネラル豊富な食事、ミネラル水でケアすると、改善してきている実例が沢山出てきているお話もさせて頂き、✨奇跡の食育✨の本もご説明して、皆さんに一冊プレゼントさせて頂きました

https://www.facebook.com/hinoki93/より 

◎出ました!!「奇跡の食育」もちろん監修は真弓定夫医師

ところでセラピストってなんだ?どう見ても大谷直美さんは医師ではないようですし、医学教育を受けた気配が感じられません。まあ、いわゆる自然派を拗らせてトンデモに走ったよくよく見受けられる、セミナー等で仕入れた知識をさらに自分でそそっかしく表面上をマネて講演会やらセミナーをビジネスにしている方と思われます。

そもそも発達障害ってこのように医学的には解釈しているんだけどねえ

発達障害って言葉を最近耳にする機会が増えましたが、どのような状態であるか把握している人は稀だと思います。厚生労働省

発達障害はいくつかのタイプに分類されており、自閉症、アスペルガー症候群、注意欠如・多動性障害(ADHD)、学習障害、チック障害などが含まれます。これらは、生まれつき脳の一部の機能に障害があるという点が共通しています。

と述べていますし、

◎発達障害は生まれつきの特性で、「病気」とは異なります

と強調しています。文部科学省も「主な発達障害の定義について」において自閉症の定義・高機能自閉症の定義・学習障害(LD)の定義・注意欠陥/多動性障害(ADHD)の定義が書かれていて、各々原因として中枢神経系に何らかの機能障害と述べています。

つまり公式的および医学的にはミネラル不足が原因で発達障害が起きたわけではないし

◎食事を改善することによって発達障害が治ることはない!!

って、ことになるわけです。

発達障害の治療方法としてミネラルが豊富な食って有効なのか?

発達障害の治療方法としてミネラルの摂取が有効なのか、そのようなエビデンスがあるのか少し調べて見ました。

確かに発達障害関連の医学論文でミネラルや食事について述べられたものがいくつかあります。例えば「Dietary Patterns of Children with Autism Spectrum Disorder: A Study Based in Egypt」(Open Access Maced J Med Sci. 2015 Jun 15; 3(2): 262–26)、この論文では確かに「自閉症児は、ビタミンDやC、カルシウム、葉酸、マグネシウム、リン、亜鉛、鉄などの微量栄養素の摂取が不十分」との結論が出ています。でもねえ、かなりマイナーな医学雑誌ですし、これってエジプトの話。エジプトって貧困による栄養失調が問題になっていて、自閉症の子供の場合、摂食障害や偏った食生活を送ることが多いことが知られていますしねえ、相関関係にあるかもしれませんけど因果関係とは言えないと判断します。

◎ましてやミネラルを摂取すれば自閉症が改善することも証明していません

中国でも自閉症児と食事の関連性が研究されています。「A preliminary study on nutritional status and intake in Chinese children with autism」(Eur J Pediatr. 2010 Oct;169(10):1201-6.)によれば、結果的に自閉症児は慢性的に栄養失調状態であることが判明しています。でも、これは自閉症であるために偏食したためと考えるべきであり、栄養状態を改善すれば自閉症が治ることを意味したものではありません。

現在の医学では自閉症を改善する方法はコミニケーション能力や適応性を伸ばすことであり、自閉症自体を治す薬は存在しません。注意欠如・多動性障害(ADHD)に関しては薬物療法がある程度効果ありと判定されています。少なくともミネラルの摂取やいわゆる食育で残念ながら治療可能ではないのです。発達障害と診断された子供を持つ親御さんの苦労や将来に対する不安は私たちの想像を超えたものだと思います。そんな人々を惑わせるニセ医学を宣伝するような内容の記事を新聞が取り上げたらダメだよう〜!!

大相撲問題:暴行で顔がゆがんだ、整体に行け!!それ接骨院か整形外科の間違いじゃないの?


骨が折れて整体へ!!??整体は整形外科でも接骨院でもないんだぞ

日馬富士・貴乃花問題などとかくお騒がせ体質の大相撲。今度は大相撲の春日野部屋に所属していた力士による弟弟子による傷害事件が明らかになりました。入門したばかりの弟弟子は顔などと殴られて顔が歪んだ状態になっているのに、整形外科ではなく整体を受診するように親方から指示を受けた模様です。そういえば先日整体のヘンテコな広告がツイッター上で話題になっていたばかり。整体とは国家資格を持つ柔道整復師による整骨院でや接骨院とは全くの別物である点に注意が必要です。

これ骨盤の歪みを矯正するとかの話以前に右大腿頚部の骨が折れています!!無資格と思われる整体師の方がレントゲン写真を持ち出して広告をしたのでしょうけど、全くの逆効果。

兄弟子に暴行を受け、骨折したと思われる春日野部屋の新弟子も整体なんか行かないで最初から整形外科を受診すれば後遺症に悩ませられることがもっと少なかった可能性もあります。

http://matomame.jp/user/marifx1800/d7244d5c00575414fd4f より

整体・整骨・接骨・整形外科の違いについて少々述べさせていただきます。

骨盤歪む説に関するブログ →「骨盤は歪むVS骨盤は歪まない」論争は用語の解釈違いが原因です!!

民間療法と国家資格のある伝統医療の違い

骨盤ケア施設のトンデモレントゲン写真の話はさておき、大相撲の傷害事件はフジテレビ系「とくダネ!」及びそれを記事にしたスポーツ報知によればこのような内容です。

暴行について矢作さんは「1歳年上の兄弟子から夜10時半から11時の間に掃除の話があると言われて、オレ以下の下っ端を集めてくれといわれた」

その後に

布団に入って寝ようとした時に「左のあごを殴られた。グーパンチで」と明かし、左右の顔面を3発殴打され「手で止めたら膝蹴り5発食らいました。腹に」と証言した。殴打された後に「あごを触ったらずれていたのが分かった。骨が刺さっていた。右のあごがひどかったです」

(スポニチ:春日野部屋暴行問題、被害者の男性「協会は全然動かず、何も調べない状態が続いている」より

弟子に理由等は不明ではありますが、理不尽な暴行あったことには間違いはないようです。素人でも骨折のリスクを考えてしまうような状況でなぜ整形外科ではなく、整体に行ったのか不思議で仕方ありません。と思ったのですけど、皆さんは整体と整骨、あるいは整体と整形の違いってご存知でしょうか?

簡単にいえば整体はカイロプラクティックなどと同じ補完代替医療であり、施術を行う上で国家資格を必要とはされていない民間療法。似たような名称である整骨は国家資格を持った柔道整復師による施術であり接骨院、ほねつぎと呼ばれている由緒正しい伝統医療です。整体・カイロプラクティックは19世紀ころに始められた民間の代替医療であり、それほど古い歴史はありません。

カイロプラクティック的手法が日本に入ってきたときに、なんとなーく昔からある伝統医療の一つのほねつぎ・接骨をイメージするようなネーミングを採用して整体って名乗ったことが予想されます。

骨折しているところに整体で骨をバリバリやられちゃマズイぞ!!

スポニチの記事を読んでぞっとしました。被害者の矢作嵐さんは受傷後

親方から兄弟子も「整体に行くからお前も一緒に行ってこい。なんで整体と思ったんですけど、折れているのにガンと入れられた。その影響でもっと痛みがでた」

前記スポニチより 

これと同じような経験を私はしています。今から10数年前、腰の痛みと頻尿を主訴として来院された患者さんがいました。血尿もでているようなので前立腺がんの腫瘍マーカーであるPSAを測定したところ正常値が4.0以下なのにその患者さんのPSAはなんと1000以上!!明らかに前立腺がんが骨に転移したことによって腰痛が出現していたのです。話をよくよく聞いてみると、なんとその患者さんはここ数年整体に通って背骨や骨盤をボキボキ言わせる施術を受けていたとの事。前立腺がんが骨に転移してもろくなっているところに、力をグイグイ入れられたんだからたまりません。詳しい検査の結果、危うく下半身不随になる寸前の腰椎骨折と診断されました。

その患者さん及びご家族の話によると整形外科に通院しても一向に腰痛が良くなる気配がないために、整体を選択したとのこと。整形受診時に前立腺がんを発症していたかは不明ですが、整体に通っている数年の間に一回でもレントゲン検査を受けていれば骨折にならなかったでしょうし、前立腺がんの骨への転移も見つかっていたかもしれません。患者さんおよびご家族は整体は医療機関の一つであり、医療系の正式な資格をもっているものだと信じ込んでいたとのことでした。

レントゲン撮影ができるのは整形外科だけであり、国家資格を持っている柔道整復師さえもレントゲン検査を行うことはできません。民間療法である整体は当然検査できませんし、診断を下すことも違法です。

ちまたにはびこる民間療法の問題点

骨盤ケアと称して医学的に意味があるとは思えない施術を行っている施設があります。以前ブログにしましたが、一般の方が思っているように骨盤はちょっとやそっとで歪みませんし、万が一歪んでいたとしても外部からグイグイ押しても歪みは修正できません。整体やカイロプラクティックの全部が全部医学的に非常識なことを行っているとは言いませんが、期待できるのはリラクゼーション程度であり病気を治すわけではないことに注意が必要です。

相撲協会は隠微体質だけじゃなく、アスリートの健康管理さえも十分にできていないことが今回の春日野部屋暴行問題からわかります。私は個人的には貴乃花親方にあまり好意をもっていませんが、大相撲の体質に対して問題提起したことは評価されると考えます。

漢方薬「大建中湯」を試してみたら・・・効果あるじゃん!!


効果効能を疑ってきた漢方薬さま、ごめんなさい

西洋医学どっぷり、ってわけではないのですけどなぜか漢方薬に対して冷たい態度を取ってきた私ですが・・・新年を迎えるにあたって、今までの考え方を改めなければならない事態が発生しました。

年末年始にだらしない生活にどっぷりハマり、今までにない体調不良を経験してしまいました。日夜、AmazonのファイヤーTVスティックのリモコン片手にプライムビデオを観まくる生活、もう一方の手にはビールの入ったグラス。風邪を引いた時くらいお酒飲むのはやめなさい、との家人の言葉に反抗するかのように積み上げられる空き缶(ビン・缶収集日には出すのが恥ずかしいくらいてんこ盛り)。

これじゃあ、風邪もなかなか治らないでしょうし、もともと弱い胃腸がガタガタで当然ですね。手持ちの胃腸の薬(もちろん、クリニックで処方している所謂西洋薬)を色々と試したのですが、一向に症状が軽快しません・・・まあ、飲酒を続けながらの治療ですから当たり前かもしてませんけど。

そこで、以前話のネタ的に試したことのある

◎漢方薬であるツムラ大建中湯の服用を開始しました。するとあら不思議、お腹の痛みも排便の様子も見事に改善

したのです。

ツムラの漢方薬の売り上げは副作用が無いと一般的に考えられていたのに、重篤な副作用が報道されて一時期落ち込んでいましたが、今では回復基調です(http://www.tsumura.co.jp/zaimu/business/bsn/09.html)。副作用が無いと思って安易に処方あるいは服用するとリスキーですよ、と伝えたくて今までブログで漢方薬をいじめてきまいした。

漢方薬は副作用が無いと思っていませんか?高齢者ほど危険な漢方薬の副作用。

ツムラ大建中湯のエビデンスを探してみると・・・

エビデンスを提示せよ!!って頑なに言い張る派ではないと自分のことを分類してはいるのですが、論争となると「エビデンスは?」と言いたくなってしまう傾向は認めます。

私は素人さん相手に「エビデンスを提示せよ」って言って、相手が提示できないと英文の医学論文を晒して、参ったか的な手法はあまり好みません。

私は子供の時からお腹が弱いとの認識を持っていたので、様々な胃薬、特に胃酸分泌抑制剤があるプロトンポンプ阻害剤(PPI)やH2ブロッカーを常備薬的に服用していたのですが、今回は一向に効果がありません。そこである程度エビデンスがあると言われていて、以前に服用してそれなりの効果があったツムラ大建中湯の服用を始めたのです。ちなみに、この大建中湯はツムラの医療用漢方製剤ではナンバーワンの売上高を誇っています。


これちょっとデータ古いですが、大建中湯の売り上げがトップであることには変わりはありません(http://www.tsumura.co.jp/zaimu/library/l_tanshin/pdf/1403.pdf)。

大建中湯の効果・効能としては「腹が冷えて痛み、腹部膨満感のあるもの」が添付文書には書かれています・・・西洋医学を学んだ者としては不定愁訴じゃん、なんて感じてしまいます。実はこの大建中湯はそれなりにエビデンスがあるんです。例えば「Daikenchuto, a traditional Japanese herbal medicine, for the maintenance of surgically induced remission in patients with Crohn's disease: a retrospective analysis of 258 patients」(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4097200/)ではクローン病に対する効果が研究されていますし、「Effect of daikenchuto (TU-100) on gastrointestinal and colonic transit in humans」(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20378829)では、小腸における輸送能の亢進と大腸の輸送能の有意な亢進が確認されています。

私の場合は腸の輸送能力が改善することによって腹部膨満感が解消されて、なんとなーくお腹の調子が悪いのが治ったのでしょうね。でもよくよく考えると私の症状って便秘ではなく、お腹が膨れた感じと排便してもスッキリしないし、何回も便意を感じてしまうというどちらかというと下痢的なモノだっただけど・・・となると前者の論文であるクローン病類似の症状改善効果だったのかな?

ひょっとして効果があったのは違う漢方薬だったかも(汗)

大建中湯ってしっかりとエビデンスがあり、さらには漢方薬をあまり好まない私が試して効果があったので、今後患者さんに処方するかを検討していたら・・・以前服用した漢方薬って大建中湯じゃなかった疑惑が生じてしまいました。

ブログを書きながら薬を保管していある箱をゴソゴソいじっていたら他の漢方薬が出てきました。その漢方薬は同じくツムラの製剤で「六君子湯」です。

この六君子湯の効果・効能を見てみると「体力中等度以下で、胃腸が弱く、食欲がなく、みぞおちがつかえ、疲れやすく、貧血性で手足が冷えやすいものの次の諸症:胃炎、胃腸虚弱、胃下垂、消化不良、食欲不振、胃痛、嘔吐」となっています。私の今回の症状は年末年始のダラダラ生活による胃腸の不調、食欲不振、嘔吐感が主なものでしたので、大建中湯の漠然とした効果より六君子湯の方がピッタリ。ってことは大建中湯が効いたと思ったのはプラセボだったのかな?

加湿器はインフルエンザ感染予防に効果があるか?と素朴な疑問


まずは「インフルエンザは空気感染しないよ!!」が大前提

ヘンテコで不正確な健康医療情報がいまだにネット上にはびこっているようです。例えば「インフルエンザの予防方法:3つの感染経路をおさえよう!」とタイトル書かれている記事(感染経路をしることは予防する上では重要ではあります)を目にしてざっくり読んだところ、残念ながら監修している医師がインフルエンザをどうも空気感染すると思い込んでいる様子。感染症の感染経路として

1:接触感染
2:飛沫感染
3:空気感染
の3つが知られていますが、

インフルエンザに感染しない様に加湿器を!!は空気感染を防ぐ目的じゃな無いよ!!

じゃあ、なんで今の時期になると、インフルエンザの予防に的に加湿器のCMが増えるのか?そのあたりについてうんちくを述べてまいります。

東京都福祉局「冬季における有効な加湿方法」より  この図だと確かにインフルエンザの生存率は湿度に強く左右されています。

インフルエンザの予防に確かに湿度は重要だけど

プラズマなんチャラなんてネーミングの加湿器のインフォマーシャルがバンバン流れてきます、特にCS。個人的にはトーカ堂の北社長のが好きなんだあ、あの情熱的な表現に釣られてついつい「うなぎ蒲焼カット50g×10パック、うなぎ蒲焼キザミ50g×10パック」なんてものを購入しちゃった私です。

話を戻します、冬の空気が乾燥している時期に加湿器はそれなりの効果をインフルエンザ感染予防に果たすことは間違いありません。でもそれは厳密な意味での空気感染を防ぐわけじゃないです。

ウイルスが加湿器の水滴と合体して重くなり、空気中を漂えなくなるから

なんて感じの説明をしています。これ空気感染しないインフルエンザウイルス対策としてはちょっとヘン。

加湿器を使用して室内の湿度を高めに設定する目的は

ウイルスは比較的乾燥に強いことが知られています。また、乾燥状態が続くと、のどや気管支は防御機能が低下するため、インフルエンザウイルスによる感染が起こりやすくなります。そのため、乾燥しやすくなる冬季にウイルスによる感染を防ぐ方法の一つとして、室内では加湿器を上手に利用し、適正な湿度(概ね相対湿度40%以上)を保つことが重要だと言われています。

と東京都健康安全研究センターも述べています(http://www.tokyo-eiken.go.jp/assets/issue/health/webversion/web15.html)。

確かプラズマなんちゃら加湿器の花粉症対策向けCMでは、花粉に水滴が付着して、室内を漂うことができなくなり床に落下するイメージ動画があったような気がします。花粉症対策の説明としては〇、でも空気感染しないインフルエンザ感染経路とゴッチャになっている人が多いんじゃないでしょうか?

インフルエンザウイルスが乾燥した環境では生き延びやすく、室内の湿度を一定以上に保つことによって、ウイルスの活動を抑えることはそれなりの効果は期待できます、でも基本的には空気感染はしないと考えると加湿効果の目的は粘膜の活動レベルを下げないためです。

マスクが効果を発揮するのも理由は粘膜保護

インフルエンザに感染して苦しまないための基本中の基本はインフルエンザワクチン予防接種と手洗いです。数年前から公的機関のインフルエンザ情報サイトでも「マスクによる予防効果は限定的です」「うがいの効果はエビデンスがありません」などと記載されるようになってきました。マスクの効果は他人様にインフルエンザを感染させない(これは飛沫感染ルート対策)であり、自分を感染から守る働きに関しては、あまり期待できません。この時期にマスク姿の人を多数街中で目撃しますけど、

ところで加湿器のメインテナンス行っていますか?

レジオネラ菌により集団感染する、「在郷軍人病」というのがあります。1976年米国で開催された在郷軍人大会で集団感染が確認されたためにそのような病名が付けられています。これと類似した集団感染が時々日本でも報道されています。たとえば本年も

レジオネラ菌3人感染 高齢男性1人死亡 国東の施設

が報道されています。米国の集団感染は空調設備からレジオネラ菌が飛散したことが原因と考えられています。この感染経路を十分認識していたと思われる大分の高齢者施設はタンクの水は毎日交換していましたし、週に1度は本体も清掃していた様ですが、残念ながら集団感染は起きてしまいました。この施設で使用されていた加湿器は超音波式のために、加熱式と違いいくら掃除を丁寧に行っていたとしても、レジオネラ菌が増殖したのではないでしょうか?

超音波式(プラズマなんチャラもこれ)で加湿を行うのであれば、加湿器用殺菌剤を使用を検討しても良いと思います。

早く風邪を治したい、注射をお願いします!!って言われても・・・。


風邪を一発で治す秘密の治療なんて無いよ!!

風邪症状で来院された患者さんに時々「先生は風邪ひかないんですかあ?」って質問されます。「もちろん、私だけじゃなくて医師でもみなさんと同じように風邪は引きますよ」って返答すると、「先生、明日どうしても出かけないといけないので、注射でいいから一発で風邪治してください」と言われることがあります(多くの医師が経験していることなんじゃないかな)。

速攻で風邪を治す方法があれば、それはそれは今の時期に大変助かるのですけど、現実問題としてそんな治療方法はありませんぜ。医師だけが知っている風邪を一発で治す方法、なんてタイトルの記事を書けばそれなりに受けるとは思いますけど、それはありえません。

そんな治療方法があるんだったら、久々に風邪を引いて年末からつい先日まで苦しんでいませんもん、私。

昔は注射一発で風邪を治療したもんだが・・・

私と同年代くらいの人は子供の時に風邪を引いて近所の医院を受診したら、ぶっとい注射をされた記憶がある人多いんじゃないでしょうか?時々いますよね、

◎昔は風邪を引いたら注射を打ってもらって一発で治ったのに

なんてボヤくオッサン。あの注射の中身の多くはブドウ糖とビタミン剤だったと思われます。当時は高熱で苦しんでいる患者さんのために解熱剤の注射を使用していた医師もいるようですが、ショック等の副作用があるために今時の医師で使用する人は滅多にいないと思います(そういえば、ついこの前まで医師会の休日診療所にそんな注射薬常備されていたっけ、爺ちゃん医師のリクエストだったかと)。

長引く風邪によって食欲が無く、水分も足りない、そんな時に

◎点滴とか注射でビタミンを補給することは悪いことではないでしょうけど、風邪を治す、ってことにはなっていない

と考えます。大昔、水虫を治す薬を開発すればノーベル賞ものと言われていましたけど、既に水虫を治す飲み薬も普及していますがノーベル賞は受賞していない模様。同じように風邪を一発で治す薬ができればノーベル賞ものとも言われていた記憶があります・・・でも、現時点では発明されていません。理由の一つとして風邪症状を引き起こすウイルスの数が多すぎて手に負えない、もう一つの大きな理由として風邪なんて数日で治ることがほとんどだから研究開発する必要性が高くない、ってのが挙げられます。

インフルエンザと風邪って違う病気なの?

インフルエンザは予防接種や特効薬と一般的には考えられている薬があるのに、風邪には予防接種も特効薬もないの、との素朴な疑問が出てくると思います。風邪の症状をもたらす原因の一つがインフルエンザウイルスであり、そのほかにはライノウイルス・コロナウイルス・アデノウイルスなどが原因の微生物が挙げられます。ウイルス以外では肺炎球菌やマイコプラズマなどが同様に風邪症状を引き起こしますが、90パーセント以上の風邪はウイルスが原因です(ウイルスと細菌は別の生き物に分類されていて、大きく括って微生物と医学的には呼んでいます)。

国立感染症研究所の2017ー2018年インフルエンザ流行レベルマップ 全国的に警戒レベルになっています。

風邪という病気を厳密に定義すること、これは実はかなり難しい問題で急性的に上気道が微生物の感染によって引き起こされる病気として捉えるしかなさそうです。内科医が参考とする「ハリソン内科学」であろうと、医学生が頼りにする内科の教科書である朝倉書店の「内科学」であろうと、私が理解できる範囲では前述の解釈となっています。

風邪症状になってしまう感染症の中で、特に生命に及ぶ危険性が高いものの一つとしてインフルエンザがあるわけで、これを予防すること、あるいは早期に治療することはそれなりに価値があると考えられたために予防接種が考案され、タミフル等が開発されることになったのです。

ちなみに日本呼吸器学会は風邪症候群に対してこのように述べています。

かぜ症候群はあらゆる年齢層に発症し、健常な人の大半が罹患するごく普通の疾患です

なんと簡潔かつアッサリ。

風邪を早めに治すためには

風邪対策の一番は風邪を予防することです。風邪の原因であるウイルスが自分の体に入り込まないようにするためにマスクを着用している人が多いのですが、マスクの予防効果には疑問があります。一番の予防方法は手洗いであり、それと十分な休息が必要です。私が年末年始に風邪を引いてなかなか治らなかった理由を省みると

・年末年始にダラダラとAmazonプライムで映画を見まくって睡眠不足

・年末年始に昼間っからビールを飲んでダラダラしていた

なんて感じの「十分な休息」の間違った解釈が挙げられます。あと、これ結構重要だと思うのですが、

・鼻水がダラダラと出ていたので、鼻をかみながら鼻をいじくりまわした

これが風邪を長引かせた原因だと考えられます。鼻って外からの異物が上気道に侵入しないバリアの働きをしているのに、鼻についつい指を入れていじくりまわすと病原菌が指に移り、手に拡散したり身の回りにあるスマホやテレビのリモコンに付着して、それを触った手で食べたり飲んだりすると、次から次とウイルスが口の粘膜から体内に侵入してしまいます。

ある幼稚園で他人のマスクと取り違えをしないように「マスクには自分のものとわかるように絵などを描きましょう」との指示が出ているそうです。これってなんだか変な話じゃないでしょうか?マスクを着脱するときに確実にマスクに手を触れるのですから、マスク表面に付着したウイルスを素手でいじることになります。ウイルスがくっ付いた手を口にやってしまうと、感染するリスクが非常に高まるんじゃないでしょうか?もしもマスクで風邪を予防しようと考えているのなら、

◎家でマスクを着用したら帰宅するまで外しちゃダメです

これじゃお昼ご飯食べられないけどねえ。

熱がでた!!おでこに「冷えピタ」は本当に効果があるか??


熱が出るときに冷えピタを使用すると本当に熱は下がるか?

10数年ぶりに年末年始にかけて長引く風邪を引いてしまいました。熱こそ派手には出なかったのですけど、鼻水と痰がらみの咳、さらに涙目でPCに向かう気も起きずにダラダラ日々が経過してしまいました。お正月明けの日常の診察を初めて見ると、昨年末に予想した通りにインフルエンザが大流行しておりまして、さらにA型インフルエンザではなく、B型インフルエンザがこの時期には珍しく多く見受けられました・・・これも昨年予想したけどね。

2017年インフルエンザ、オーストラリアでは73人が死亡!!今年の傾向と対策は?

インフルエンザはもちろんのこと、風邪などで熱が出た時に冷却用のシート(冷えピタとか熱さまシート)をおでこに貼り付けている方って多いと思うんですけど

◎おでこを冷やすのって発熱時に本当に効果があるんでしょうか?

家庭内における伝承民間医療的には発熱、即おでこを冷やす、って図式が出来上がっていると思われますが、病院に入院している患者さんでおでこを冷却している人って滅多に見かけないんだけどねえ・・・。熱が出た → おでこを冷やせ!!は発熱時の対策として本当に正解なのか、その辺りについて少々述べてまいります。

https://www.kobayashi.co.jp/seihin/brand/netsusama/index.htmlより

冷えピタの正しい使用方法

風邪を引いて熱が出た時の対応として、昔は氷のうや氷枕を使用していましたが今は何と言ってもピタッと貼って熱を冷却するシート状のものがメインです。商品名としは「冷えピタ」や「熱さまシート」が有名どころではないかな。私の周囲にいる数人尋ねたところ「冷えピタ」と呼んでいる人が大多数でした。「冷えピタ」はライオンの商品、一方でネーミングセンス抜群の小林製薬さんの「熱さまシート」は発熱時の冷却対策商品としては残念ながら一般的じゃなかったようーです。ライオンの冷えピタの商品説明サイトによればその使用方法として

高含水性基剤PAC-55を使用した含水率85%のシートです。シートにたっぷりと含まれる水分が熱を取り込みながら蒸発するので、高い冷却効果が約8時間持続します。

に続いて

大きさもロングタイプとなっているため、額にしっかりと貼れます。

と書かれています(http://www.lion.co.jp/ja/products/186)。この文章からして冷えピタの使用場所はおでこ(額)に貼ることを推奨しているように受け止められますよね。小林製薬の「熱さまシート」の方はどうなっているのかというと

赤ちゃん用 ・赤ちゃんのおでこに最適な大きさのシート ・無香料・無着色なのでカブレにくい!

と書かれていますので、これまた使用箇所はおでこ(額)。でもネー

◎おでこに冷却用のシートを貼り付けても発熱に対する効果ってあまり無いんじゃないの!!??

と医療関係者は考えてしまうのですよ。なぜならおでこには全身を駆け巡る血管、特に大きな太い動脈が無いんだもん。人間の体温を大きく左右するのは、血管を流れる血液の温度なので本当に発熱対策として熱を下げる目的で冷却するためには首筋や脇や太ももの付け根に冷却剤を当てるのが医療のプロやり方です。

解熱剤を使用しないで正しく発熱を抑える方法はこれ!!

大した高熱じゃ無いのに安易に解熱剤を飲んでしまうと、風邪の治療期間が長引くんじゃ無いか、との経験則が医療関係者にはあります。詳細はこちらを・・・

やっべー、今まで風邪の処方を間違って出してたかもしれない(汗)

真っ赤な顔をして、フウフウと苦しそうにしている人を目の当たりにして「解熱剤って風邪を長引かせるからね〜」なんて薄情なことは言いにくいのですけど。じゃあ、解熱剤を使用しないで体温を下げようと思った場合、当然のように冷却用シートを使おうとなるはずです。この冷えピタ・熱さまシートに代表される冷却用シートの使用方法として発売元のサイトを見てみると、使用場所として想定されているのは「おでこ」。ここを冷却しても体温を下げる効果はイマイチじゃないの、と考えるが医療関係者。

◎体表表面近くを通っている首回りの血管、脇の血管、太もも(鼠径部)の血管を冷やす場所として正解

これらの体の表面に近く太い血管が通っている場所を冷却することによって、全身を駆け巡る血液の温度を効率よく下げることができるんです。おでこは太い血管が通っていませんから、ここを冷えピタ等で冷却しても体温を下げる効果はあまり期待できませんものね。

なんで熱が出たらおでこを冷やすんだ?

風邪などで熱が出ると家庭内では当たり前のようにおでこに冷えピタなどを張り付けますが(当家でも伝統的におでこを冷やしちゃいますけど)、医学的に全身を冷却する効果には疑問符がつきます。熱が出ると酸素消費量も増えますし、全身倦怠感も出ますし、頭痛もおきてきます。さらに発熱によって体が興奮してしまい、風邪の一番の治療方法のひとつと考えられる、グッスリ眠る、という行為を妨げます。多分、民間医療としての発熱対策としておでこを冷却する伝統的な方法は、頭部を冷やすことによって不快感を取り除き、スッキリ爽快にして、休息を取るための良好な睡眠への補助手段であったと考えます。

発熱時におでこに冷えピタを貼ることを否定はしませんけど、気分的に楽になることが目的であり、発熱自体を抑えている訳ではない、とお考えいただいて間違いないと思っています。

見つけちゃったよ、医師による保険薬の適応外処方!!ヒルドイドを化粧水代わり、とお薬手帳に明記!!


健康保険で処方される薬は使用する目的が決められていますが・・・

先日より私は世界的に優れている国民皆保険制度を財政的に危うくさせている「処方薬の適応外処方および適応外使用」についてガタガタ文句を言っております。医師が処方する薬、いわゆる処方薬を患者さんに出す場合には健康保険の使用が認められる病気名が限られています。

例えばアトピー性皮膚炎にともなう皮脂欠乏症に対して処方される

◎「ヒルドイド」という塗り薬が美容液・化粧水代わりとして健康保険を適用して処方されていることが問題となっています

怒号飛び交う「ヒルドイド逆ギレおばさん」、どうして処方してくれないのよ!!

健康保険を使用しないで自費なら良いのでは、という考え方もあります。しかし、厚生労働省によって承認されている以外の使用を目的として処方された場合、万が一副作用が出ても、国の救済制度である「医薬品副作用被害救済制度」も使えない可能性もあります。

【国難】健康保険制度破たん寸前!!「肝斑治療にトランサミン」これは適応外処方だし、こんなリスクも!!

今回、健康保険の適応外処方と適応外使用を推奨するような記事とリアル処方箋を見つけちゃいましたので、これって正しい医療なのか、多くの方に考えてもらいたいと思います。

メタボ予防に糖尿病治療薬を処方!!??

健康保険で薬が処方される場合、病気の予防に処方しておくね、ってのは基本的には禁じられています。同じように検査もこんな病気が心配だから念のために血液検査をして欲しい、こんな場合も本来は健康保険の対象にはならず100パーセント医療費を自己負担してもらうことが健康保険制度の正しい運用方法です。

しかーし、週刊ポストの2018年1月5日号の「各分野の名医8人が飲み続けている薬飲むのをやめた薬」に驚くような医師の話が掲載されています。糖尿病専門医である某医師は

今もメタボや糖尿病の予防のために飲んでいるのがSGLT2阻害薬です

と述べています(P62 これ実はネットでも読むことできます http://www.news-postseven.com/archives/20171226_638916.html)。

◎糖尿病治療薬であるSGLT2阻害薬を堂々とメタボ予防に飲んでいると述べる医師

「先生、運動しても食事を制限してもお腹の贅肉が落ちないんです。SGLT2阻害薬処方して下さい」と言われたらサクサクと処方しているのでしょうか、それも健康保険を使用して。「いや~、これは糖尿病じゃないと健康保険じゃ処方できないよ」って返答しているとしても

◎この記事を読んだ読者は医療機関に「メタボ予防にSGLT2阻害薬処方して下さい!!」って殺到する可能性があります

メタボ予防は保険適応外だから自費だよ、と医師が患者さんに答えたら多分ヒルドイド同様「キーっ!!」ってブチ切れる患者さんも出てくるでしょうし、「他の医師は処方してくれたのにケチっ!!」ってネットの口コミサイトに書き込まれる可能性もあります。基本的にオッサン向けの週刊誌ですから、取材した医師が言いたかったことが十分理解できていない記事であったことを祈りたいです。

堂々とヒルドイドを化粧水代わりに使用して、と処方していた医師見っけ!!

処方薬であるヒルドイドを化粧水あるいは美容液代わりにに使用している患者さんが多数いることを前掲のブログで書きました。もし副作用が出ても医薬品副作用被害救済制度が適用されない可能性もありますが、自費ならOKではないか?とのご意見も多数頂いています。新聞等のメディアでこのヒルドイド問題が取り上げられても、いまだに

◎健康保険を使用して美容液代わりにヒルドイド処方している医療機関があるとの情報を得ました!!

を私のブログの読者から頂いた画像がこれです!!

薬が処方された時にお薬手帳に薬剤師さんが貼ってくれたものです。ここに記載されている「ビーソフテンローション0.3%」、これはヒルドイドにはジェネリック(後発品)です。これを処方した医師はかなり不思議なことをやっており、同成分であるヒルドイドローションも同時に処方しています。さらに下の方には「ヒルドイドソフト」も記載されていますが、他の薬も書かれていて処方を受けた患者さん個人が特定されないために、画像の下半分は掲載いたしません。

薬価が低いビーソフテンローションをヒルドイドローションと同時に処方することによって、健保連などの財政負担を考慮したためと解釈したいのですが(嫌味かな?)・・・しかし、この処方箋を受けた薬剤師さんも気の毒です。先発薬と後発薬を同時処方する医師に対して、疑義の電話問い合わせって立場上かなり勇気が必要ですから。さらに明らかな適応外処方の指示に対しても「先生、この処方はダメです」って言いにくいでしょうね。この患者さん、

◎使用箇所は「顔」だけなのに、ヒルドイド及びヒルドイド類似薬が合計で250グラムも処方されていた

ことも書き加えておきます。

なぜ医師はこのような処方をしてしまうのか?

以前NHK「ガッテン」が「ベルソムラ」という不眠症改善薬が糖尿病を改善するかのように取り上げて医療現場が混乱に陥ったことがありました。

睡眠薬で血糖値をコントロール!!??NHK「ガッテン」がまたやらかしちゃいました!!

薬の予想外の効果や極々稀に見られる副作用をセンセーショナルに取り上げるメディアの問題は今回は論じません。しかし、メディアにそんなこんな話をしてしまう医師もいること、そして適応外処方であると認識しつつ処方を継続する医師もいます。台湾では保険証がICカードになっていて、薬の投与履歴が記録されているそうです(これは伝聞なんで間違っていたら失礼)。医療費削減を目指すならまずはシステムの見直し・システムの導入が急がれるのでは、なんて生意気なことを考えている今日この頃です。

追記2018年10月19日 やはりヒルドイドは問題になっていることがYahoo!ニュースに掲載されました。

ヒルドイド乱用問題再燃!!患者さんも患者さんだけど、こんな医師いるんだ・・・絶句

炎上!!長谷川豊さんのインフルエンザ論は元ネタがオカルトだよ。


長谷川豊さんがインフルエンザを語っているけど・・・これはアレで

長谷川豊さんという過激な発現を行っている元アナウンサーがいます。昨年、人工透析患者さんに対して心無い発現をして、少なくともネットでは炎上した方です。この長谷川豊さん、かなり医療方面への興味もあるようでブログなどをお書きになっていますが・・・少しはまともな医療関連本をお読みになった方が宜しいのではないでしょうか?

先日も長谷川豊公式コラム「本気論 本音論」でこんなことを述べていますが、これこそ本気で言っているのでしょうか?「WHOさえもインフルエンザの治療ガイドラインから永久に削除することを決めた『タミフル』がなぜ日本ではいまだに処方され続けるのか」とのネット記事を受けて長谷川豊さんは

世界中で相手にされていない「タミフル」がいまだに日本で大量に導入されている闇と仕組みを解説している良記事。

と述べています(http://blog.livedoor.jp/hasegawa_yutaka/?p=5)。あのー、あなたが引用している「In Deep」ってサイト、まともな医療系サイトじゃないだけじゃなくて、このサイトはオカルトですぜ!!

長谷川豊さんの情報ソースはインフルエンザは宇宙から来ると主張

長谷川さんが良記事と褒めたたえている「In Deep」って、一部の熱狂的な読者がいることは確実です「こんなアホな話あるわけないじゃん」って感じで。例えば

なぜ風邪やインフルエンザは冬に流行するのか・・・「それはウイルスが宇宙から定期的に地球に運ばれるから」という確定的な説を無視し続けるせいで無意味な予防と治療に明け暮れる現代社会

(https://indeep.jp/this-is-the-answer-germs-spread-in-the-winter/) はあ、なるほど、だからインフルエンザって冬に流行すんのね、なんて納得する人いません。まあ、この「In Deep」を面白い考え方をする人のブログと思って読む分には全く問題ありませんが。人工透析患者さんへ対して常識外の発言をされた国会議員に立候補するようなジャーナリストさんが医療系記事を書く時に引用するべき一次ソースではありません。時々国会議員でも医療モノとなると、トンデモ発言する方もいますし、医療ジャーナリストと称していてもトンデモ記事を書く人がいますけどね(笑)。

タミフルと異常行動の関連性

インフルエンザに感染したときにタミフルを処方されて異常行動が現れ、残念ながら死に至った若年者がいることは間違いありません。厚生労働省が本年2017年にこんなインフォメーションを行っています・・・「小児・未成年者がインフルエンザにかかった時は、異常行動にご注意下さい」この内容は

インフルエンザにかかった時には、抗インフルエンザウイルス薬の種類や服用の有無にかかわらず、異常行動(注1)が報告されています

となっています。「服用の有無にかかわらず、異常行動が報告」という点にご注意ください。タミフルだけではなくリレンザやイナビルといった抗インフルエンザ薬でも異常行動が確認されています。一方でインフルエンザに罹っただけでも異常行動が「インフルエンザ脳症」として起きることが知られています。

国立感染症研究所「インフルエンザ脳症について」より
https://www.niid.go.jp/niid/images/iasr/36/429/graph/df42951.gif

タミフルを服用いても、服用していなくても異常行動をともなう脳症は報告されています。

インフルエンザ治療薬としてのタミフルの位置づけ

前述のようにタミフルだけがインフルエンザ治療薬ではありません。タミフルだけが脳症にともなう異常行動への関連を指摘されているわけではありません。インフルエンザに感染したことにより脳症を合併することは間違いありませんが、タミフルなどの治療薬がそれを加速している確実なエビデンスはありません。逆にタミフル等が脳症と全く無関係であることも、一般の方にわかりやすく証明しているものもありません。

WHOタミフルに関して必須医薬品モデルリストで格下げしたことは事実です。その大きな理由は「予想されていたほどの効果はない」から。長谷川豊さんのコラムにある

効果があまりにも限定的であり、その割に副作用が強く精神障害を引き起こすなど、世界中で「これはないわ」とほぼ断定されている「タミフル」

は大きな間違いではないけど、引用する一次ソースを間違えると記事本来の価値が疑われてしまいます。長谷川豊さんが医療ジャーナリストをもしも目指しているのなら、エイリアン等の超常現象をテーマとしているサイトを引用して、良記事!!なんて書かないことをお勧めいたします。じゃないと、ご自身の主張が正しく伝わらないだけでなく、医療系炎上商法との誤解を受けてしまいますよ。

ADHDを「グルテンフリー」で治療した話、素朴な疑問多数。


大人でもADHDと診断される人が増えているらしいけど

注意欠如多動症/注意欠如多動性障害、英語だと「attention deficit hyperactivity disorder」で略して「ADHD」と一般的には使われています。ADHDと診断されると医療機関で当たり前のように処方されていた中枢神経刺激薬である「リタリン」。このリタリンの服用に対して強い抵抗感を持っていた親御さんも多かったと思われます(第一種向精神薬「麻薬及び向精神薬取締法」に指定されていること、副作用の問題、同じような効果があるアンフェタミンを想起するなど)。

ADHDの診断方法もいくつかありますが「落ち着いて座っていられない」「行事におとなしく参加できない」など漠然とした症状であり、大人のADHDだと「衝動買いをしてしまう」「思ったことをすぐ口にしてしまう」「ケアレスミスが多い」「忘れ物が多い」など職場でしばしば目撃される光景もADHDの特徴的な症状とされています(大人のためのADHD https://adhd.co.jp/otona/shoujou/ より)。

◎このADHDの治療にグルテンフリーが有効である

との記事がありました。

「現代ビジネス」http://gendai.ismedia.jp/articles/-/53763 週刊現代に掲載された記事が転載されることも多いようです。グルテンフリーといえばハリウッドセレブ御用達のダイエット方法、そもそもは自己免疫疾患であるセリアック病の人に対してグルテンを除いた食事を提供する医学的治療法なのです。セリアック病でなくてもグルテン過敏症の方もいます、この場合も治療であり肥満を改善するとの意味あいの「ダイエット方法」ではありません。

◎このグルテン除去食でADHDを治療することが可能である

との話、本当かよ的な疑問が少々あります。

これはたんなる症例報告レベル、しかも一般図書だし

現代ビジネスに掲載されている記事は米国の医師による症例報告であり、医学論文ではありません(論文になっていないから価値がない、なんてカタイことは申しませんけど)。

私はS君にグルテン過敏症の簡単な検査を行ない、グリアジンという小麦タンパク質の一つに対する抗体の値を測定した。予想どおり、その値は正常と考えられている値より300パーセントも高かった。ここまでの状況を見て私は、S君の抱える一番の問題である炎症の原因を標的にしようと決めた。炎症がこの幼い男の子に起きているほぼすべての事柄(たとえば、耳の問題、関節の問題、落ち着きのなさなど)における大きな問題になっていると考えたからだ。

これ不思議な文章です。

小麦粉に含まれる糖タンパクである「グリアジン」に対するアレルギーがあったことは理解できますので、除去食を進めるのは普通の思考回路。でも、なんで「幼い男の子に起きているほぼすべての事柄」の原因が炎症であるとこの米国の精神科医が考えたのが一向に理解できません。

その後、このストーリーに登場するSくんの振る舞い(ADHDの様々な症状)が改善したとの報告を幼稚園の先生の電話でこの医師は受けています・・・なんで再診して確認しなかったの?とまた新たな素朴な疑問が湧き出てしまう私です。

ADHDと診断され、グルテンフリー食で治ったと言うけどねえ・・・・

Sくんのお母さんはリタリンを処方され飲ませることに不安を感じてデイビッド・パールマター医師を訪ねたようです。Sくんを診察してグルテンフリー食の実践を提案しています。SくんがADHDであると診断したのは他の医師であり、パールマター医師自身が確定診断している風景は記載されていません。

さらにグルテンフリー食の実践を指示していますが、処方されたリタリンの服用を中止するような指示は出したのでしょうか?ひょっとしたらグルテンフリー+リタリン服用、ってことはないのでしょうか?

このような詳細なデータが無いものは、あくまで個人的な体験談に過ぎず医学論文にはなりえません。この記事を読んでADHDのお子さんを持った方が医師に相談しないで断薬して、グルテンフリー食を開始することによる弊害も考えなければなりませんね。

グルテンフリー食事療法のマイナス面

こんなことも書かれています。

医者たちにも理解不能だった脳疾患(統合失調症、癇癪、双極性障害、うつ病、さらに最近の自閉症やADHDなど)との結びつきは証明されている。これは問題なくグルテンを消化できる人や、グルテン過敏症の検査で陰性だった人にさえ当てはまる。

あのう・・・これって本当なんでしょうか。私の検索能力が低い可能性も十分考えられますが、グルテンフリーで統合失調症が治ったとか、自閉症が改善したなどの信頼たる医学系の論文が見当たりません。実はグルテンフリー食が心臓の病気に効果あり、との話が出回っていてそれを検証した医学論文があります。「Long term gluten consumption in adults without celiac disease and risk of coronary heart disease: prospective cohort study」(BMJ 2017;357:j1892)、6千529人の男女を26年間追跡して、グルテンの摂取量と心筋梗塞の発症率・死亡率の関連を調べたものです。その結果

◎グルテン摂取大量グループとグルテン摂取少量グループで統計学的な有意差はなかった

ことがわかりました。さらにこのようなことを伝えています「セリアック病のない人々の間でグルテンの回避が増加しており、グルテンが健康に有害な影響を及ぼす可能性がある」(原文 Avoidance of gluten among people without celiac disease has increased in recent years, partly owing to the belief that gluten can have harmful health effects)、グルテンフリーにこだわる為に必要な栄養が足りなくなり、逆に健康を害する可能性もあるのです。

なおグルテンフリー食によってダイエット効果(減量効果)があるとされていますが、多くの場合は炭水化物の摂取量が減ったことによる減量効果であると考えられます。

ADHDと思ったらまずやることはこれ!!

ネット上にはADHDが自己判断(自己診断?)できるようになっているサイトが多数あります。でも、これだけに頼るのもかなり危険。

ADHDは今では発達障害の一つとして「注意欠如・多動性障害(ADHD)とは」とのページを設けています。また「発達障害支援法」が改正されADHDも対象となっています。まずは医療機関を受診して診断を受けることが重要と思います。

成長期の偏った食生活って栄養不足なるんじゃないの、なんて素朴な疑問もありますので、勝手に診断して勝手に食事療法を開始することはやめましょうね。

ブーメラン「お前のところの治療、エビデンスあるのかよ!!」に対するお答えです。


エビデンス、エビデンス、エビデンスは大切だけどエビデンス至上主義もいかがなものか?

エビデンスという言葉をよく耳にするようになりました。特に医療健康情報に対しては昨年のヘンテコな寄せ集め医学情報で構成されたサイト、今年に入っては医師が監修していることを売りにしたクラウドソーシングを利用した医学的間違いが多数あった健康情報サイトが問題となりました。だからこそエビデンスが重要視されるように、少なくともウェブの世界ではなっています。

「エビデンス」とは証拠という意味です。医療で使われる場合は病気を治す効果を示す証拠やデータがあるのか、そのデータにインチキは無いのか、治療効果は数字等で第三者に明確に判別つくものかなどが要求されます。もちろん当院の保険診療部門はそのエビデンスにしたがって検査をして病名を鑑別診断し、その病名に対しての治療エビデンスのある薬・手術などによって行なっています。

しかーし、当院別部門として「美容外科・美容皮膚科」があるのですが、この領域は歴史も浅いためか、保険診療で使用されるエビデンスに乏しい治療法が少なからず存在していることは否定できません。

例えばシワに対する美容的治療方法として「ボトックス注射」があります。ボトックスは多汗症や顔面痙攣に対しては保険診療が可能になっていますので、治療効果のエビデンスは間違いなく存在しています。しかし、シワの治療にボトックスを使用した場合「何本シワが無くなったか」「どれだけシワを作ることができなくなったか」を判定して、効果に対するエビデンスが確立されますが、数値的かつ客観的評価方法となるとツッコミどころ満載、とのご批判を受けてもしかたない状況です(まあ、実際にはある程度客観的なデータはありますけどね)。

私がブログでトンデモ系の医学を批判するためかブーメラン的に「お前のところでこんな治療やっているけど、エビデンスあるのかよ!!」って感じのご意見というか、からみを受けることがありますので、頻度の高い「パワーアップ注射」という当院独自の治療方法にエビデンスがあることを、今までツッコンで来た方への回答といたします。

パワーUP注射の構成成分はこれです

当院の自由診療部門サイト(保険診療サイトとは別に設けています)に書かれている「体内から若返させる」中の「パワーUP注射(にんにく注射)」がSNS等でエビデンスあんのかよ的に批判されることが多いです。

「若返り注射」の項目に入れ込んでるために「このパワーUP注射で若返るエビデンスあんのかよ」とのご指摘を受けているのかもしれませんが、問題あればサイト内で別の項目を設けるつもりですが、まずは話を聞いてくださいませ。このパワーアップ注射はビオチン、ハイプレアミンS、アリナミンF、強力ミノファーゲンで構成されています。各々保険診療でも使う薬剤ですから副作用面での安全性は担保されております。この薬効として

1:ビオチン もともと、ビタミンH(ビオチン)の"H”はドイツ語のHaut(皮膚)が由来である通り、マウスの皮膚の炎症を防止・沈静化する因子として発見された。ビオチンは生体において4種類のカルボキシラーゼ(ピルビン酸カルボキシラーゼ、アセチルCoAカルボキシラーゼ、プロピオニル CoAカルボキシラーゼ、メチルクロトニル CoA カルボキシラーゼ)の補酵素として、カルボキシル化反応を触媒している。すなわち、糖新生、分岐鎖アミノ酸、脂肪酸合成、エネルギー代謝に重要な役割を担っている。

ビオチンは哺乳類では生合成ができないため、必須の水溶性ビタミンであり、食品から摂取するほか、腸内細菌によっても合成されるが、その含有量だけでは必要量を維持できないと言われている。また、ビオチンは食品加工や保存加工によって損失し、残存率は20-90%といわれている。その為、1日の必要量は50μgにも関わらず、食事からは平均45.1μg/日しか摂取できていない。加えて、ビオチンは薬事法により保健機能食品以外には認可されておらず、サプリになどによる効率的な補填が困難である。

パワーアップ点滴では静脈に十分量のビオチン(ビタミンH)を直接投与することで、ヒスタミン等の生理活性物質によるアレルギー症状を緩和し、皮膚を構成するタンパク質の生成を促進させ、皮膚のターンオーバーを正常に保つ効果がある。具体的にはコラーゲンやセラミド(細胞間脂質)の生合成を高め、実際にアトピー性皮膚炎や掌蹠膿疱症の治療にも用いられている。また、ビオチンは多量に摂取しても速やかに尿中に排泄されるので、一般的に過剰症は認めない。パワーup注射におけるわかりやすく言えば「動力源としての働き」の役割を担当しています。

2:ハイプレアミンS  目的は炭水化物や脂肪と異なり、エネルギーを供給することではなく、組織のタンパク質合成に必要なアミノ酸を供給することである。本剤は生理的に分解・利用されたタンパク質、あるいは外傷は疾病時の細胞傷害および破壊により欠乏したタンパク質の補給に役立っている。

本剤は、国連食糧農業機関(FAO)基準に基づく必須アミノ酸パターンを有するL型アミノ酸製剤で4.5.6)、蛋白質の需要が増大している場合に、アミノ酸補給の目的で用いられている。さらに、他のアミノ酸合成のための窒素源として、非必須アミノ酸のL-アルギニン塩酸塩、L-ヒスチジン塩酸塩水和物、グリシンを加えている(以下表)。すなわち、ビオチンやアリナミンにより活性化したエネルギー産生回路の材料源としての役割を担っている。

3:アリナミンF  本剤はビタミンB1の誘導体で、天然のビタミンB1より体内で利用されやすい特徴がある。ビタミンB1は糖質及び脂肪酸が代謝の過程で生じるピルビン酸をアセチルCoAに変換する時に必要なものである。すなわち、TCA回路においてエネルギーを効率よく産生する役割を担っている。しかし、ビタミンB1は水溶性であり、調理時の水洗いや加熱により失われやすく、かつ食事中の利用効率は約60%とされている。また、日本人のビタミンB1の一日の平均摂取量は0.86mgであり(平成27年国民健康・栄養調査)、食事摂取基準による一日お推奨量を満たしていない(女性:18~49歳で1.1mg、50~69歳で1.0mg、70歳以上で0.9mg、男性:18~49歳で1.4mg、50~69歳で1.3mg、70歳以上で1.2mg)。

パワーアップ点滴では、普段不足しているビタミンB1(誘導体)を効率的に十分量加えることで、エネルギーの産生効率と絶対量を増加させる。またビタミンB群は水溶性ビタミンであり、尿から容易に排泄されるため、過剰摂取による副作用の心配はない。

4:強力ネオミノファーゲン 剤はグリチルリチンを主成分とするもので、慢性肝炎7)や肝硬変8)等に対する大規模比較試験でその肝機能の改善が報告されている。具体的な薬理作用としては、

1)抗炎症作用(抗アレルギー作用、アラキドン酸代謝系酵素の阻害作用)
2)免疫調節作用
3)実験的肝細胞障害抑制作用
4)肝細胞増殖促進作用
5)ウイルス増殖抑制・不活化作用が挙げられる。

特に皮膚に対しては、L-システインによる抗炎症作用の効用として、メラニンの過剰な生成の抑制や色素沈着の改善に働いている。また、実際に肝機能の改善や肝細胞の細胞膜の再生を促すことにより、エネルギー合成の場所である肝臓の働きに貢献している。

以上のようにそれぞれの製剤の利点を十分に活かせるように工夫をしています。

つまり
a:エネルギー源の材料を補充する(ハイプレアミンS)
b:エネルギー産生の場を強化する(強力ネオミノファーゲン)
c:エネルギー産生の動力源を促進する(ビオチン、アリナミンF)
と考えているわけです。

【参考文献】
1)ビタミン研究のブレークスルー:日本ビタミン学会編
2)ビタミンの辞典:朝倉書店
3)Drill's Pharmacology in Medicine,4th ed.,1309(1971)
4)井上五郎,日本臨牀,24,12(1966)
5)小出来一博 ほか,臨牀と研究,50,463(1973)
6)木村信良 ほか,臨床薬理学大系,第8巻,40(1972)
7)鈴木 宏ほか:医学のあゆみ, 102, 562, 1977
8)Iino, S., et al.: Hepatol. Res., 19, 31, 2001.

でもお前のところでパワーUP注射して、効果があったとのエビデンスはあるのかよ!!

当院のサイトには掲載されていますが、このパワーUP注射を実際に受けられる患者さんは年間数名で、民間の医療機関ですからダブルブラインドで効果を確認できるだけの対象数は得られていません。そもそもこのパワーUP注射が考案されたきっかけも、私や他の医師が診療+論文書き+研究でクッタクタになった時にユンケルとかリポビタンを飲むよりは、有効成分がたっぷり入って理論的にも効果があるはずと考えられる点滴をした方がいいじゃん、との必要は発明の毋的に開発されたのです。だからこそ最後に「ドリンク式の栄養剤よりは効果があると当院では考えていますが、通常の疾患に使用することはおすすめいたしません」との注意書きも添えているのです。

今このサイトのページを見直しました・・・若返りの項目にあるのが「エビデンスあんのかよ」とのご批判をいただく要因だと思われます。他の項目を設けて今回の詳細な説明を記載すれば「エビデンスあんのかよ」的なご質問が減るかもしれません、明日、サイトのデザイン会社に早速相談いたします。

前立腺肥大症に効果があるとされる「ノコギリヤシ」泌尿器科の専門家の評価はこれなんだけどなあ・・・。


夜中にソワソワ、スッキリしない方、夜忙しい方へ、って表現のノコギリヤシサプリ

中年以降のオッサンを悩ませる夜間頻尿やオシッコがスッキリ出ない症状が出てしまう病気の多くは前立腺肥大症が原因になっていることが多いです。腎臓で作られたオシッコが膀胱に溜まり、膀胱の下にある前立腺を通過して尿道から外に尿は出ます。

この通り道の一つである前立腺が老化によって肥大することが原因となって前立腺肥大症となり、尿が出にくい、スッキリ出ない、夜にオシッコになんども行ってしまう夜間頻尿を招きます。

前立腺肥大の症状を改善するとされるノコギリヤシを成分とした、サプリメント販売会社としては直球の表現が取れないために

◎「夜間にソワソワ」「夜忙しい方」「スッキリしない方」なんて感じの広告をしまっくっています

このノコギリヤシの効果については、泌尿器専門医の間でも「あんなの全く効果ないよ」という医師もいれば「まあ、それなりの効果もあるらしいから飲んでいても問題ないよ」という泌尿器科医もいます。

「ノコギリヤシ」のキーワードで検索すると大手サプリメーカーの広告がズラズラ表記されます。これらの宣伝文句は明らかに前立腺肥大症に伴う症状の改善をイメージさせる表現ですね。

ちなみに当院所属の複数の泌尿器専門医は「ノコギリヤシ全く効果なし」派です。よく患者さんから聞く言葉として「医師によって言っていることが違う!!」というものがあります。患者さんとしては泌尿器科を受診する方がもっとも多い当院としてのノコギリヤシの前立腺肥大症に対する効果についての評価を述べてまいります。

前立腺肥大症って前立腺が肥大するから出てくる症状じゃないんだよ!!??

お前何を言い出すの?と思われたかもしれませんが

◎前立腺が大きくても前立腺肥大症じゃない場合は多いのです

さらに

◎前立腺肥大症の症状があっても前立腺が肥大していないこともあります

これ益々「お前、泌尿器科医なのに何言ってんだよ!!」と思われるでしょう。

実は前立腺肥大症という病名が混乱を招いているのです。前立腺肥大症を英語で書くと「Benign Prostatic Hypertrophy」これを略してBPHと泌尿器科医は呼んでいます。このBPHは前立腺が悪性でないけど大きくなっている状態を示す言葉であり、正確には病状を示した病名ではありません。オシッコの出方を排尿、オシッコをためることを蓄尿と呼びますが、この排尿・蓄尿に異常が出た状態を下部尿路機能障害と専門的には呼び、英語では「The Lower Urinary Tract Symptoms」と書き略して「LUTS」(ラッツ)と泌尿器のプロは呼んでいます。

排尿・蓄尿状態に異常があると夜間頻尿や残尿感、日中の頻尿、尿の勢いが悪い、尿のキレが悪いなどの症状が出て、これがノコギリヤシサプリメントの広告の表現である「夜中に忙しい方」「そわそわする方」「スッキリしない方」って感じの表現になっています。多くのノコギリヤシサプリメントは明らかに前立腺肥大に伴う下部尿路症状を改善するような表現を取っていますが、果たしてノコギリヤシの前立腺肥大に伴う排尿障害を改善するのか、そのエビデンスはあるのか、現時点での大方の泌尿器科を専門としている医師の見解は「効果なし」なんです。

ノコギリヤシを飲んでも、尿の症状は改善しない

男性特有の気になる部分のケアをサポートする(http://www.angfa-store.jp/ITEM/SPNGY000A1)、「ドライブや旅行の不安をなくす」「昔のようにスッキリしたい」(サントリーのノコギリヤシサプリの広告などより)の表現で溢れかえる

◎ノコギリヤシを主成分としたサプリメントですが、前立腺肥大に伴う症状に対する効果は多くの研究で否定されています

例えば「Effect of increasing doses of saw palmetto extract on lower urinary tract symptoms: a randomized trial」(JAMA. 2011 Sep 28;306(12):1344-51.)という比較的新しい医学論文があります。これは45才以上の男性369人を対象としてダブルブラインドによって行われたランダム化比較試験(Randomized Controlled Trial)であり、結果の信頼度が高いものです。この研究の結果「夜間頻尿」「尿流量」「残尿量」などの

◎下部尿路障害についてノコギリヤシの効果はプラセボと差がなかった

となっています。つまり、ノコギリヤシは前立腺肥大症の症状を改善するエビデンスは得られなかった、ということです。これは北米で行われた研究なんで日本人との人種差もあるから、ひょっとして日本人には効果があるかも?と思われた方もいらっしゃるでしょう、でもね〜・・・あえて泌尿器科医の専門団体である「日本泌尿器科学会」の公式見解ではなく(泌尿器科医の陰謀だ〜、って言われないため)公益財団法人日本医療機能評価機構機構の見解をご紹介しますね。

日本医療機能評価機構機構の前立腺肥大症ガイドラインの健康食品というページには

ノコギリヤシに関しては,benign prostatic hyperplasia,Saw-palmettoもしくはSerenoa repens,ノコギリヤシをキーワードとして検索して得た96論文から,エビデンスの高い5編を引用した。

その結果

有効性を支持する根拠は乏しい(レベル5),または一貫しない(レベル1)。安全性の保証も不確実で,患者負担も高い。

ってことです。ノコギリヤシの下部尿路障害に対する効果は有効性も確認されていなければ安全性も担保されていないし、費用も自費なんで(サプリだから当たり前)患者さんの金銭的負担も大きい、つまり

◎ノコギリヤシの前立腺肥大に伴う効果は無し!!

ってことです。

ノコギリヤシはオッサンにとって全く効果がなく無駄なサプリなのか?

ノコギリヤシだけじゃ効果が出ないからかどうかは知りませんけど、ノコギリヤシを主成分としたサプリの多くはセサミンとかカボチャのタネとかを混ぜ込んだ商品が目立ちます。まあ、効果がありそうなものはなんでも混ぜちゃえ、との考え方がサプリメント業界にはあり、使用者もそれをお得だと感じる方もいるんでしょうね。

ノコギリヤシの効果として、なんとなーく薄毛を改善するような表現を使用している会社もあります。

http://www.angfa-store.jp/ITEM/SPNGY000A1#page2より

薄毛に対するノコギリヤシの効果については、いつか詳しく調べてみる予定です。

美容整形、こんな患者さんは診たくない!!「傷跡がない、手術してないじゃない、キーッ!!」


効果のない美容整形で数百万騙し取られた!!

当院は保険診療は泌尿器を専門としており、それに付随する生活習慣病や皮膚科をカバーしている、どちらかと言うと地域に密着した診療を行なっています。一方で皮膚科から発展して、自由診療では美容外科・美容皮膚科を行なっています。この美容医療分野は最初はご近所の方が患者さんの中心でしたが、最近はかなり遠方からも多くの患者さんにいらしていただいています。当院の地域密着型の美容整形・美容皮膚科という立ち位置は美容医療業界的には珍しいものなのです。風邪で来院した方が「先生、私のこの顔のたるみって治療できますか?」とか膀胱炎で通いつつ「ここのシミをレーザーで取って!!」って感じの患者さん多数です。

そんなノホホンとした美容医療を行なっている当院として、この事件の闇を驚愕してスタッフ一同情報共有いたしました。

新聞折込広告で美容医療被害…「効果のない施術で数百万円騙し取られた」と女性が提訴(弁護士ドットコムNEWS より)

折り込みで情弱の患者さん(多くは高齢)を集めて、いい加減な整形手術を行い、ある程度の患者さんの治療を行なったらトンズラ・・・以前からこんなことを行なっている美容医療系クリニックがあるとの噂は聞いていましたが、今現在でもこのインチキシステムを大掛かりに行なっているとは。当院でこんなことやっちまったら、スタッフはご近所にお弁当も買いに行けませんし、通勤時に石を投げつけられてしまいます。保険診療部門もかなり悪評がたち、経営に行き詰まるのは必至です。

今回、提訴されたかたの詳細は不明ですが、当院としても20年近い歴史のある美容外科・美容皮膚科部門において

◎こんな患者さんはちょっとやだなぁ〜、美容医療はご遠慮くださいませ

と思った事例がありましたので、ご紹介いたします。

来週結婚式があるので、胸と背中のシミを取ってください!!これ困ります

切羽詰まったタイトなスケジュールで綺麗になりたい、とのリクエストの患者さん、これかなり困ります。中でも多く見受けられるのが「今月末、結婚式があってドレスを着るので胸と背中のシミをレーザーで取ってください」です。レーザーによってシミが取れる、との認識が世の中に広まったのは喜ばしいことです。しかし、レーザーは魔法の医療機器ではありませんので、治療後1週間程度でシミ自体は無くなりますが、正常な皮膚本来の状態に戻るまではある程度のメインテナンスが必要です。

その方は胸の大きく広がったドレス(デコルテって言うのかな)かつ背中がほとんど丸出しのドレスを結婚披露宴で着る予定とのこと。レーザーは色素だけに反応することによってシミを取り除きますが、基本的な理論は熱を利用しています。胸と背中一面にできた数百個のシミを一気に取り除くことは、大きな部分に熱のダメージを加えることになり、オススメできる治療ではありませんし、切羽詰まったスケジュールで行う医療こそ、思わぬトラブルを引き起こしがちです。当院としては、当然お断りしたところ

◎何よ!!レーザーでシミが簡単に取れるって院長のブログに書いてあったのに、キーッ!!

とブチギレて同伴したお母様とお帰りになりました(当然のごとく、書き込みサイトに悪口かかれましたけど 涙)。

目の下のたるみの除去手術をしたのに傷跡がない・・・手術してないじゃん、キーッ!!

当院には傷跡を目立たなくする技術を持った形成外科の専門医が複数人在籍しています。

手術する場所によっては手術の跡、多くは縫い跡が肉眼では見えなくらいになることも多いです。ある時、目の下のたるみに対しての治療として、余った皮膚を切除(切った上で余った部分を取り除く)する美容外科手術を希望されて来院した患者さんがいました。小一時間の手術によって綺麗に目の下のたるみ除去手術はトラブルもなく終了。1週間程度おいてから抜糸に来ていただきました、もちろん患者さんはニコニコでお帰りになったのですが、それから半年後

◎目の下のたるみの手術、全く傷跡が無いから、実は手術なんてしていないんじゃないの、騙された〜、キーッ!!

とのお怒りの電話が来ました。詳細を尋ねると地元の美容クリニック(大手チェーン店)でボトックスやらヒアルロン酸の注入治療(多分、おでこのシワ取り目的)を受けた際に「五本木クリニックんで目の下のたるみの手術を受けたんです」と美容クリニックの医師に伝えたところ「傷跡が全然ないじゃん、それって本当に手術したの?」と言われたそうです。

◎その患者さんは「傷跡が無い、手術をすると称して何にもしていなかった、騙された」とのロジック

いかに傷跡を目立たせないか、それに命をかけている形成外科出身の美容整形担当医師はその抗議に「自分が今までやって来た修行と工夫の価値を全く理解していない患者さん、こりゃ虚しいです院長」と涙目で私に訴えて来ました。

あのねー、手術の前後写真および手術中の写真、さらに切り取った皮膚の一部の写真も当院はカルテに貼り付けてあるので、手術しまーす、何にもしませーん、なんてことはありえません。修行の足りない大手チェーンのなんちゃって美容外科としては、手術跡が全くわからない美容外科技術が存在することが信じられなかったのでしょうね。術前・術中・術後直後の画像があるのに「手術してないじゃん、キーッ」となるような患者さん、実際に目の下のたるみは解消しているのに、傷跡が見えないこと理由にそんなこと言われても・・・こんな患者さんは二度と診察・治療したくないです。

10才若返ると言われて治療したけど、効果がなかった、だから提訴

冒頭でご紹介した最新の美容医療でマイナス10才の効果がある、との広告をみて治療を受けた方、それも注射2本で260万円も請求されています(詳細はyahoo!ニュースにあります https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171130-00010003-houdoukvq-hlth)。

私が知る限りどこに注射をするのか不明ですけど、注射を打つことによって10才若返ることができる美容系の医療は知りません。今年の事件化した臍帯血を使用したアンチエイジング治療ならそんな謳い文句を使った宣伝をしているのかも知れませんけどね。この提訴された方に対して、批判的なコメントがyahoo!ニュースの下の方に投稿されています。しかし、たった2本で260万とは、訴えられたクリニックも大きく出たものです。

◎当院でも以前「5歳若返りコース」なんてものをリピーターの方にご紹介したことがあります

その効果の根拠は運転免許証。当院スタッフの運転免許証、多くはゴールド免許のために今まで使用していた免許証の写真と更新後の免許証の写真を比較して「わああっ、5年前より若返っている!!」と数人が言い出したのです。

当院のレーザーを中心とした医療機器は実験的な意味合い、本当に効果があるのかの確認、スタッフの技術向上のためにスタッフ間での施術を推奨しています。何回も地味に治療を継続することによって、肌はツヤツヤ、ハリもプルプル、シミなんて消え去った現在の免許証の写真と更新前の免許証の写真を比べると、明らかに若返っているのです。これをきっかけとして「5才若返りコース」なんてものを設けたのですが、今回提訴に至ったインチキと思われる美容クリニックが出現してくると今後はこのコースはお蔵入りにせざる得ないですね。効果があっても「4才と10ヶ月しか効果ないじゃない、キッー!!」って方が出てこないとも限りませんから。

美容系の治療を受ける場合、くれぐれも慎重に医療機関を選択していただきたいと存じます。

こんな患者さんは診たくない!!って症例はまだまだあるのですが、限りなく守秘義務や個人情報に抵触する可能性がありますので、今回はこのくらいにしておきます。

腫瘍マーカーPSAが高い!!即、前立腺がん、ってことではありません。


万が一、前立腺がんと診断されても長生きできる可能性は高いです

高齢化社会になると共にがんと診断される患者さんが増加するのは当たり前です。かつては死亡数の1位は脳血管疾患(脳の血管が詰まる脳梗塞・脳内出血やくも膜下出血などの脳出血)が飛び抜けていましたが、1981年(昭和56年)からは「がん」・・・悪性新生物が日本人の死因の第1位となって今も続いています。

◎ここで気をつけなければならないことは、死亡原因として1位であるから、必ずしもその病気になる人が一番多いとは限らないことです

例えば2017年にがんと診断される人は101万4000人と予想されています。男女合計だと、がんと診断された人(罹患した人)の内訳としては大腸がんが14万9500人になっています。しかし、実際にがんと診断され亡くなる方は肺がんが7万8000人でトップとなっています(国立がん研究センター がん情報サービス 2017年のがん統計予想より)。

2017年の予想だと8万6100人が「前立腺がん」と診断されることになっています。前立腺がんは男性だけの病気ですが、近年このように急速に増加しています。

がん情報センターのグラフデータベースより 男性に限って言えば前立腺がんと診断される人は全がん患者さんの中で胃がん・肺がんについで第3位。しかし、このグラフをご覧ください。

がんの統計'16」より前立腺がんで亡くなるかたは順位で言えば6位となっていますよね。つまり

◎前立腺がんと診断される人は急増していても、前立腺がんで亡くなる方は少ない

ということがザックリですが読み取れます。

がんの死亡率を下げる一つの対策として、早期発見・早期治療が考えられますが・・・これが全てのがんに当てはまるワケでは無く、早期発見が過剰診断の原因になり、早期治療が過剰治療になってしまう場合もあります。

泌尿器科医を長年悩まさせていた問題がPSA(前立腺特異抗原)と呼ばれる腫瘍マーカー、これがあまりにも敏感であることなんです。

前立腺がんの腫瘍マーカーであるPSA(前立腺特異抗原)の正しい見方

50才を過ぎて尿の出が悪い、夜中にトイレになんども起きてしまうなどの症状で泌尿器科を受診すると血液検査の一つであるPSA検査(前立腺特異抗原 prostate specific antigenの略)を調べられます。一般的にはPASが4以上であると「前立腺がん疑い」と診断されます。

このPSAは年齢によっても基準値を細分化する考え方もあります。50~64才だと3.0ng/mL以下、65~69才だと3.5ng/mL以下、70才以上だと4.0ng/mL以下を基準値(前立腺がんの疑いがない)と診断する施設(多くは人間ドック)もあります。日本泌尿器科学会のサイトではPSAの値によって、どのくらいの確率で実際に前立腺がんと診断されるのかをグラフにしています。

日本泌尿器科学会の一般方向けのページ「PSAが高いと言われた」より PSAの基準値以下と判断される3.0ng/mL以下であっても20数パーセントの確率で前立腺がんと確定診断されることもありますし、20ng/mLを超えていても20パーセント近くの方には前立腺がんが見つかりません。

◎PSAが高い=前立腺がん、ではありませんし、PSAが低い=前立腺がんではない、でもありません

実際の診療ではPSAの値の変動、エコー検査、MRI検査などの多くの検査結果を踏まえて、最終的に前立腺針生検で得られた病理検査の結果によって最終的に前立腺がんの確定診断を行います。

前立腺がんは非常に緩慢に育っていくがんです。また、がんと診断されても積極的な治療をしないでPSAの動きを監視する方法もあります。

前立腺がんは治療しても、治療しなくても死亡率に変化は無い!!??との医学論文の正しい解釈。

前立腺がんの監視療法は近藤誠医師のいう「がん放置」とは全く違うものです。

腫瘍マーカーであるPSAが無かった時代の前立腺がんの患者さんは悲惨でした

医学の急速な進歩によって、自覚症状が出る前に検査によってがんが発見されるようになりました。前立腺がんを早期発見できる検査方法であるPSAが実用化され一般的に使用されるようになったのは1990年頃です。それ以前に前立腺がんが早期発見されることは稀でした。PSAが一般的になる前は

1:泌尿器の病気で泌尿器科を受診して、直腸診で前立腺がんが疑われ前立腺の針生検をした結果前立腺がんと診断された。

2:前立腺肥大症の手術を受け、摘出した前立腺を病理検査に提出して前立腺がんと診断された

以上の二つによって前立腺がんと診断されていました。

1は泌尿器科受診すると、いきなりヘンテコな体位を取らせられお尻から指を入れてグリグリやられる検査方法です。私の先輩で「お前、手袋なんてしていたら微妙な前立腺のがんを発見できないだろ!!素手でやれよ!!」って言ってたオッサンいました(子供が生まれたら、いきなり手袋しだしましたけど)。前立腺がんの場合、硬くなっている前立腺が触診である程度判別できます、しかし、早期発見は職人技でもあり医師によっても差が出てしまう検査方法でした。

2の場合は今思い起こしても胸が痛みます。前立腺肥大症の手術を受けるつもりで入院。病理の結果、前立腺がんが発見された・・・そのまま前立腺がんの治療開始、2週間程度の入院の予定だったのに、それが二ヶ月にも及んでしまった、なんてことが珍しくありませんでした。検査を進めるに従って転移が見つかってしまい、最悪の場合は骨への転移も発見。最終的には前立腺肥大症の手術のつもりで入院したのに、2年間入退院を繰り返し(ほとんどの期間を入院)最終的には社会復帰できないで、病院で亡くなった患者さんもいらっしゃいました。

画期的な検査方法であるPSAですが・・・

前述の1の例であれば早期発見となり、結果的にめでたしめでたし(この時点ですでに転移している場合ももちろんありました)。2の例のようなことを防ぐ意味でも前立腺がんの腫瘍マーカーであるPSA検査が普及したことは画期的なことなのです。しかし、あまりにもPSA検査は敏感であるために(感度が高い、との表現を使用します)、前立腺がんが死亡原因にならない場合であっても「前立腺がん」との診断が下されます。さらにこのような場合も腫瘍マーカーである前立腺特異抗原は高くなります。

1:前立腺の容積が大きい

2:前立腺に炎症がある

3:なにがしかの理由でたまたま高かった

以上の3つが原因となってPSAが高い場合もしばしば見受けられます。前立腺がんに対するがん検診、効果を疑問視する派と効果ありと主張する派がありました。この前立腺がん検診に対する評価も本年になってエビデンスが出て来ました。

「前立腺がん検診」有効、有効じゃない論争に幕?意外な結果が出ました!!

PSAの取り扱いもこれでスッキリすると考えます。あとは確定診断で必要不可欠な前立腺針生検の安全性を高めることが宿題として残ります(当院は都内では極々少数の日帰り前立腺針生検実施施設です)。

世の中に出回っている健康関連書籍で「◯◯を食べて前立腺がんが完治!!」とか「△△健康法で腫瘍マーカーPSAがぐんぐん下がった」って感じのものを見かけます。PSAが高い、と言われただけで前立腺がんであると思い悩む必要はありませんけど、泌尿器科を受診することは必要です。

受験生はぜひ試してみてね、風邪を引かないポイントはこれでOK!!だと思いますけど・・・。


インフルエンザワクチン不足の今シーズンはこれで対策を

今シーズン2017年から2018年の冬、医療現場は大混乱です。というのもインフルエンザワクチンの配給が滞っているからです。普段はインフルエンザワクチンなんて接種しないでも大丈夫、なんて言っていた人も家族に受験生がいるとなると「今年は家族全員ワクチン打つぞ!!」と珍しくお父さんが宣言したりします。でもワクチン自体が不足しているんです(涙)。理由としてワクチン製造過程で、あるインフルエンザウイルスの種菌(種ウイルス)が上手く増殖しなかったからです。

昨年、受験生を抱えていた私は当然インフルエンザワクチンは家族全員接種。それ以外に

◎インフルエンザ以外の風邪対策方法としてスマホを除菌シートこまめ目に拭こう!!

を実践しました。この習慣を取り入れたことにより、毎年冬になると1か月に複数回高熱を出していた当家の受験生が風邪ひとつひかないで無事受験を終えました。データ解析に耐えうる研究対象人数には遥かに及ばないn=1という情けないものですが、この方法は考えれば考えるほど優れた、インフルエンザを含むいわゆる風邪対策方法として、ぜひみなさまに取り入れていただけたらと考えています。

東京都感染症情報センター「インフルエンザの流行状況」より
今シーズンのインフルエンザの流行状況は赤い線です。例年通りとなると、お正月前後から大流行の可能性が出てきます。

風邪の予防方法としてうがいはNG、マスクもたぶんNG

風邪の予防方法として当たり前のように言われていた「うがい」、これって効果としてかなり疑問が呈されています。さらにうがいと言えばイソジンが頭に浮かびますが、イソジン嗽は逆効果って話まで出ています。

イソジンの効果はウソ?うがいをしても風邪の予防にならないよ!!

一般の方向けに政府が広報活動として冬はインフルエンザ予防対策を激しくおこなっていますが、多分ほとんどの人はこのサイトのページをご覧になったことは無いのでは。

首相官邸「(季節性)インフルエンザ対策」より 首相官邸のサイトなんて見る人ほとんどいないんじゃないかなあ、ここにも「うがい」はインフルエンザ予防に効果あることのエビデンスはないと書かれていますね。

もちろん公衆衛生上のエチケットとして飛沫感染を防ぐ意味で、感染者がマスクをすることは推奨されています。しかし、

◎マスクでインフルエンザや風邪を予防できるかは、かなり疑問です

目の前に風邪を引いたオッサンがいて、くしゃみや咳をしたその飛沫を目の前に立っていた人が吸い込むことってめったにないと思います(医師だと診察時に喉を診察する時に患者さんのくしゃみや咳をまともに顔に浴びせられることはありますけど)。マスクをして飛沫からの感染を防いだとしても、マスクの表面を手で触ってしまうと、手にウイルスが付着しますから、その手で口周りをいじると接触感染となり感染予防になりません。

手についたウイルスが口に入って感染する、これが感染経路の基本

押しボタンがあった携帯電話の場合、下手すりゃトイレの便座より汚いとの研究結果がでています。

スマフォはバイキンがいっぱいです、トイレの便座より汚いとの説あり

凹凸がある場所ってウイルスにしろ細菌にしろ棲息しやすいですからね。スマホの場合、ゴテゴテしたカバーを付けていない限り表面はツルツル、でもよくよく見れば手あかが着きまくりじゃないでしょうか。公共交通機関の椅子やドアや取っ手に風邪を引いた人の飛沫が付着していたら、それを手でさわってしまった後でスマホをいじれば当然画面や裏面にウイルスが付着します。スマホをいじりまわしている人の多くに、特に女性に見受けられるしぐさとして時々口周辺に手を当てる、あるいは指先を咥えるがあると思います。この感染経路に着目した私は

◎スマホは風邪のウイルスがうようよ棲息しているリスキーな感染源との仮説を立てました

交通機関を利用したら必ず除菌シートでスマホを拭く、たったこれだけの習慣で当家の受験生は無事に受験シーズンを乗り越えました。医学データとしては症例報告レベルであり、データ解析に耐えうるもの対象数でもありませんし、ダブルブラインドで調べたものでもないですが、理屈で言えばこれかなり効果あると考えております。

おまけ:喫煙者ほどインフルエンザ等に感染しやすいのも、同じメカニズムです。接触感染と同じ理由です。喫煙する前に手を洗う人って皆無と思いますから。

受験生以外もスマホを拭く習慣、ぜひお試しくださいませ

除菌シートで全ての細菌やウイルスからの感染を取り除けるかというと、除菌という用語自体が医学用語ではなく、医学上は清潔か不潔かの2つにくっきり分けます。細菌やウイルスの汚染を完璧に無くした状態の機材を手術では使用しますが、方法としてはガス滅菌、あるいは高圧蒸気滅菌(オートクレーブ)をしなければなりません。風邪を引いたオッサンをガス滅菌したり、オートクレーブしちゃうとオッサン自体も滅菌されますからダメ。スマホを滅菌といわれる状態にもちこむと間違いなく壊れます。となると、消毒薬が含まれた除菌シートでスマホを拭く、でそれなりの効果は期待できるんじゃないでしょうか?

今年はまだ嘔吐と下痢を主症状とするノロウイルス感染症は当院の診療圏では流行していない様子です。このノロウイルスの感染経路もウイルスが口から入り込むですから、スマホを拭くという予防方法が多分それなりの効果発揮するはずです。

しかし、風邪のシーズンであり、さらには降雪の可能性もある冬に受験日を設定している日本、これっていつまで続くんでしょうかねえ。

知ってた?どんな動物もオシッコにかかる時間は、みんな仲良く21秒!!


おしっこの時間は何秒なら健康?

泌尿器科をやっていますと、寒くなるこの時期に多くなる病気が膀胱炎と頻尿です。頻尿だと尿の回数が多くなって生活の質が低下しますが、多くの患者さんは「尿が多いのですけど」とご自分の症状と医師に伝えます。そんな時「尿の量を測っているのですか?」との質問すると「いやいや尿の回数が・・・」なんてやり取りが日常の泌尿器科では行われています。尿の回数が多いことを「頻尿」と呼び定義としては朝起きて寝るまで8回以上オシッコをすることです(日本泌尿器学会「尿が近い、尿の回数が多い ~頻尿~」より)。

次に患者さん、特に中年以降の男性に多いのが「おしっこに時間がかかる」「排尿が終わるまでの時間が長い」という訴えです。泌尿器科では尿の勢いや尿の量、そして排尿する時間を測定する「尿流測定」という検査を行うことがあります。尿の出る勢いは最大で15ml/秒以上が正常です。、一回の排尿量を仮に300mlとすると20秒前後で排尿が完了すれば特に問題なしと考えます(たまっている尿の量によって排尿時間は変化します)。

◎この排尿時間、哺乳類ならみんな仲良く21秒との研究論文があるのです

そんなバカな、って思った人はこの論文読んでみてね。「Duration of urination does not change with body size」(Proc Natl Acad Sci U S A. 2014 Aug 19;111(33):11932-7)、タイトルをそのまんま訳すと「排尿時間は体の大きさによって変わりません」になります。

どんな動物でも排尿時間はみんな仲良く21秒!!??

食べもの・飲み物が身体で吸収され、代謝され血液の一部となって体内をめぐり、最終的に腎臓でろ過されて、最終的に尿として体外に排泄されます。前掲の論文によれば身体の大きなゾウであっても、体の小さなネズミであっても、もちろん人であっても排尿に要する時間は21秒!!ってことです。本当かよ!!??と感じた方はご自分の愛犬を散歩に連れて行った時にぜひぜひ測定してみてくださいませ、たぶん21秒前後になるはずです。

http://www.pnas.org/content/111/33/11932.full より 

ゾウの膀胱の大きさとネズミの膀胱の大きさ、そして人間の膀胱の大きさはかなり差があるはず。体の大小、つまり膀胱の大小に関わらず排尿時間が同じってことは、おしっこの通り道である尿道の太さや排尿筋の収縮力の影響によって、大きな体の動物は勢いよくジャア~!!と出るはずですし、体の小さい動物は弱弱しくチョロチョロと用を足しているんですね。

なんで排尿時間は21秒ってことになったの?

この哺乳類排尿時間みんな平等説ですが、なぜこのような結果になったのかと素朴な疑問が・・・。尿をしている時間はどんな動物でも不用意であり、危機管理ができていない状態なので、敵に襲われる可能性が出てきます。人間でも1日8回おしっこをしていて、そのたびに10分かかってしまえば敵に襲われる可能性、大昔だったらケモノの餌になるリスクが高くなってしまいますものね。だからこそ21秒程度で排尿を済ませることができる動物が現在まで生き残ってきた、おっしこ時間21秒進化の法則を思いついたのですけど・・・あまり、合理的な説明になっていない様です。

この研究行った研究者はベルヌーイの定理などを持ち出して検討していますので、ダーウィンの進化論的な方法でこの説を考えるよりは、物理学的思考で「どんな動物でも排尿時間は21秒説」が説明できるようです。

うぁっ!!これイグ・ノーベル賞を受賞している

今回取り上げた論文について調べていたら、この論文は2015年にイグ・ノーベル賞の物理学賞を受賞しています。ウィキによれば2015年は他に「車が減速用スピードバンプの上を乗り越える際に患者が感じる疼痛によって、きわめて正確に急性虫垂炎と診断できることを判断したことに対して」とか「ニワトリの尾部に重しとなる棒を取り付けることにより、恐竜の二本足での歩き方の推定と同じような歩き方をニワトリがするようになることを観察したことに対し」ての論文が受賞しています。今回取り上げた論文、よくよく見てみると哺乳類の平均的な排尿時間は21秒±13秒・・・これって統計学的に分析して「哺乳類は体の大小に関わらず排尿時間は同じ」って言い切れるのかな?

http://www.pnas.org/content/111/33/11932.full でフルテキストで読むことができます(さまざまな動物の排尿する動画もあります)ので、お時間のあるかたはぜひご覧くださいませ。

朗報!!ビールを飲むと記憶力が改善して認知症にも効果的、って本当??


朝日新聞とキリンが言うことですから、信頼度高いですよね〜、違ったっけ?

朝日新聞といえばかなり信頼度の高いメディアと一般的には思われています(最近は隣国のヘンテコな銅像の件で信頼度急降下なんて声も聞こえてきますけど)。ビールといえばキリンと言う時代もありましたが、このキリンは協和発酵キリンという会社名で創薬も行っていて、処方薬も販売しています。

◎キリンがビールの原料のホップに認知症における記憶力を改善させる効果がある<と発表

を行いそれを朝日新聞デジタルが「ビール苦み成分、認知症の記憶力改善? キリンなど実験」との見出しで取り上げています(http://digital.asahi.com/articles/ASKCN76MKKCNULFA02V.html)。

以前、キリンホールディングのサイトでホップが体脂肪を減らすとの記事を見つけて、このグラフに対していくつかの疑問を抱いてしまいました。

論文に掲載されたことを示すために「引用文献:Nutrition Journal 2016, Volume 15, No.25」と記されていても普通の方はこの論文にたどり着けないと思います。

せめて論文のタイトルを明記してもらいたかったのですが、これだけじゃヒトに対する実験なのかマウスによる実験なのかもわかりませんし、ヒトに対するものなら対象者は何人であり実験結果を確実なものにするためにダブルブラインドで行われたのかさえ不明です(調べたところ成人200名を対象に行われたようですが、厳密な意味でのダブルブラインドであったかは不明です)。

となると今回のビールに含まれるホップの苦味成分が本当に認知症に効果があるのかという点を検証して見たくなりました。

マウスと人間では大きな違いがあるんだけどなあ

朝日新聞デジタルはこのように報じています。

http://digital.asahi.com/articles/ASKCN76MKKCNULFA02V.html より

研究では、ホップに含まれる苦み成分「イソα酸」を認知症のマウスに1週間、毎日体重1キログラム当たり1ミリグラムを経口投与し、記憶力を測る実験を実施。

その結果

事前に触れさせた積み木などを「すでに知っている」と認識するまでの反応時間などをみると、投与した認知症のマウスは、与えていない認知症マウスと比べて9・5倍よいとの結果が出たという。

とのことですから、マウスを使った実験であり、そのままヒトに通用するかどうか明確ではないので朝日新聞デジタルは見出しに「?」をつけたようです。この記事に出てくる「イソα酸」が認知症改善効果を持っているよう解釈できます。

この実験を人間の体重に換算すると・・・ちょっとヤバイぞ!!

最近物忘れが多くなってきた私はビールを愛しています(アサヒスーパードライだけどね)、そうなると家族に「またビール飲んでる」との非難に対して「ビールに含まれるイソα酸が記憶力を改善してくれるんだから、健康のために飲んでいるんだぞ」と反撃できるはずです。

薬の効果を見るためにはまずは動物実験、マウスが頻用されますが、マウスの体重は20グラム程度です。オッサンの平均的体重は多分65キロから75キロくらいと仮定して、計算しやすいように70キロとします。そうなるとオッサンはマウスの3500倍の体重ってことになります。キリンの研究はマウス1キログラムあたりイソα酸を1ミリグラム経口投与しているんで、オッサンに対しては70ミリグラム服用させれば体重換算あたりのイソα酸は同じ条件になります。記事中にこんなことが書かれています。

キリンによると、効果が得られるイソα酸の一日の摂取量は、体重50キロの人で4~5ミリグラムとされる。例えば、ノンアルコールビール1缶(350ミリリットル)で、4ミリグラムのイソα酸が摂取できる。ふつうのビール1缶にも6ミリグラム含まれる

・・・ってことは、

◎この実験と同じような効果を発揮させるためには缶ビール11.6本を毎日飲まないと人間(私の計算はオッサン)が認知症による記憶力の改善は期待できない

ことになりますよね、これじゃあアル中にもなりますし、肝機能障害や痛風の心配が出てきちゃうのではないでしょうか?さらにアルコールの副作用として脳が萎縮することが知られていますので、認知症による記憶力の改善がはかれても脳全体の機能低下のリスクも出てくると思われます。朝日新聞デジタルの記事で大喜びしたオッサンは奈落の底に(私のことですけど)。

キリンさま、サプリメントなんて言ってないで医薬品として開発してくださいませ

サプリメントや健康食品、あるいはトクホ・機能性表示食品・栄養機能食品より処方薬の方が価格は高くなると考えれます。認知症の薬として有名なアリセプトは10mgで薬価は537.40円、 メマリー20mgは439.70円となっています。ちなみにアリセプトは2015年の売上高は海外も含め633億円あります(ミクスonline調べ https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/54107/Default.aspx)。

アリセプトは日本の製薬メーカーであるエーザイが開発したもので、認知症改善薬は世界市場に進出可能ですからキリンも健康食品市場を狙うより医薬品として「イソα酸」を開発販売した方が利益が出るんじゃないでしょうか?「イソα酸」に認知症改善のヒントがある可能性は非常に高いものと考えられます。生き馬の目を抜くという表現がぴったりの業界ですから、医薬品として開発する間にキリン以外の健康食品会社がサプリメントとして売り出しちゃうかな「うっかりが増えた方」「モヤモヤが増えたなと思ったら」「ボーッとすることが多くなった」なんて感じのフレーズで。

うどんVSそば、どっちがダイエットに効果的か論争に終止符!!??


白いものほど太る伝説がありますが、うどんとそばならどっちが太るか?

近所のお蕎麦屋さんに行ったところメニューにそれぞれの食べもののカロリー表示が書かれていました。私はそば派ですが、一緒に行った人はがちがちのうどん派。関東ではうどんを置いていても蕎麦屋さんって呼びますが、関西方面はイメージ的にはうどん屋さんが圧倒的に多く、そのうどん屋さんにそばが置いてあるのかは微妙(関西出身のスタッフに尋ねたところ、うどん屋さんでもそばはあるらしい)。

オッサンにはおなじみの「富士そば」、最近では女性客も多く見られます(http://fujisoba.co.jp/)。

体験談的には関東と関西の間に位置する名古屋の味噌煮込みうどんの有名店では味噌煮込みそばなんてメニューはありませんでした。一般的にうどんとそばを比べると、うどんの方が太ると思っている人も多いのではないかと勝手に予想しますが、日本食品標準成分表を調べてみると

◎うどん270.1 kcal VS そば273.9 kcalとなっています

100グラム当たりのカロリーを比較すると差は微妙ですけど、そばのほうがカロリーは高いのです。じゃあ、なんで蕎麦よりうどんの方が太りやすいとの話が出回っているのか(少なくとも私の周囲はそのような話が定説になっています)を考察してみます。

白いものほど体に悪く、太りやすいとのダイエット理論がある

白い粉状の食品は体に悪く、太りやすいとの説の健康方法があります。中には砂糖は悪魔である、なんて過激な説もあります。

白砂糖は悪魔、さらに、体も心もぼろぼろにする!!??そこまで悪者にしなくても

元ミスユニバース公式栄養コーチ・エリカ・アンギャルさんもこの説を採用しています。彼女のダイエット理論はグルテンフリーが中心となっていて、小麦粉は白い粉であるからダイエットの敵らしいです。

うどんは見た目白いけど、そばは一般的には白くないので、白い悪魔説をたよりにするとダイエットするにはうどんは悪魔であり、そばは天使ってことになるはずです。さらにエリカ・アンギャルさんのグルテンフリー理論に従うと、うどんは小麦粉が主成分ですからダイエットの敵であり、そばはグルテンを含まないためダイエットに適した食品と言えるのです。

◎白い悪魔理論とグルテンフリー理論からすると、ダイエットに適しているのはそばであり、うどんはダメって

ことになります。カロリー至上主義者である私としてはニンマリです。

GI値をあてにしたダイエット方法でうどんとそばを比較してみると・・・

ダイエットを考える場合「GI値」というものがあります。これはGlycemic Index(グリセミック・インデックス)の頭文字をとったもので、GI値が高ければ高いほど太りやすく、GI値が低ければ低いほど太りにくい・・・ダイエットに適した食品であるという考え方です。

このGI値をはじめに知った時は半信半疑だった私ですが、米国糖尿病学会(American Diabetes Association 略してADA)にもその記載があり、糖尿病を患っている方の指標としてはそれなりの地位を確保している理論です。

うどんとそばのGI値を比較しようと検索すると・・・まともなサイトがヒットしません、なんだかアフィリエイト風のサイトばかりが上位表示されて、結局はダイエット食品に誘導されちまうので、ご注意ください。

日本糖尿病学会が出している糖尿病診療ガイドラインによれば確かにGI値が高いと急激に血糖値を上昇させるためにGI値の低い食品(ガイドラインによれば精製された白米より玄米や雑穀米が良い)を推奨しています。でもこれって糖尿病患者さんの血糖値コントロールが主目的であり、体重を減少させるいわゆるダイエット食品として推奨されているわけじゃないだけどなあ・・・と思いながら

◎GI値を調べてみるとうどん85VS蕎麦は56

と、またまた太りやすいのはうどんってことになっています。GI値に関して「International Tables of Glycemic Index and Glycemic Load Values: 2008」(Diabetes Care. 2008 Dec; 31(12): 2281–2283.)に記されているこの表が一番信頼度が高いとおもわますが、残念ながら「そば」は見当たりません(The average GI of 62 common foods derived from multiple studies by different laboratories)。

グルテンフリー理論、GI値理論で圧勝のそばですが・・・

カロリー至上主義者であった(早速過去形、思考回路が柔軟性があるといわれますので 笑)私としては不甲斐ない結果になっています。単純なカロリー計算だと僅かですが、蕎麦の方がダイエットには不利。グルテンフリー理論、グリセミック・インデックス理論だと圧倒的にうどんが不利との結果になっています。

やっぱりそばの方が太らない、との結論になりつつあったのですが、うどん派のオッサン(当院医師)から横やりが入りました。うどんの方がそばより圧倒的に水分を含んでいるとの「うどん水分増量説」です。そば粉メーカーの高山製粉のサイトによれば(http://www.takayamaseihun.co.jp/how-new.html)そば粉とつなぎ粉合わせて500グラムに対して水は215mlですから、水分は43パーセント。

一方、さぬきうどんの原料を提供している木下製粉株式会社のサイト「手打ちうどんの加水率」(http://www.flour.co.jp/news-backnumber/v051_075/na064.html)によれば、なんと水分は50パーセント!!ということは白い悪魔だとかGI値が高いなど、太る原因である

◎小麦の量を考えると「うどんVSそば」問題はそばの圧勝というわけにはいかないようです

とくにオッサンが大好きな立ち食いソバの場合、かなりの量の小麦が入っていますので、コロッケをトッピングした日にゃ、蕎麦だろうがうどんだろうがダイエットの敵になっちゃいますので、ご注意くださいませ。

美容整形・美容外科・美容皮膚科、これってどう違うの?


名前は似ているけど、美容系医療として違いがあるの?

私の感覚的には美容系の医療が一般的になったのはここ十数年のこと。名称も美容整形・美容外科・美容皮膚科、さらには美容内科なんて標榜を掲げているクリニックもあるようです。アンチエイジングって名称で呼んでいるクリニックもありますが、一重まぶたを二重にするのはどう考えてもアンチエイジングじゃないですね。

看板や広告を出すにあたって使っていい科目が厚生労働省によって制限されていて、医師会でもそれを守るように指導しています(診療科名の組合せの表示形式)。

雑誌等で「〇〇に美容整形疑惑」とか「△△が整形していたことを告白!!」と書かれているものを興味津々でお読みになった方もいるでしょうけど

◎美容医療で美容整形という標榜科目は無いのです!!意外でしょ

一般の方が鼻を高くする手術のことを美容整形って呼んでも問題ないですが、メディアは正しい用語を使用しましょうね。

Plastic Surgery Singapore Guide より

ところで美容外科・美容皮膚科・美容皮膚科そして形成外科の違いってご存知でしょうか?この違いについて少々説明させていただきます。

美容外科と美容内科の違いは明らかだろうけど、美容皮膚科は微妙

外科と内科の違いは、メスを使うか使わないか、要するに手術をするかしないかの違いと捉えて大きな間違いはありません。美容外科と美容内科の違いは、美容内科はサプリメントとか点滴で美肌を実現という流派?と薬やサプリメントで対老化、いわゆるアンチエイジングを目指す流派とかダイエット専門と考えられます。

美容外科と美容皮膚科の違いとはなんだ?って思われるのではないかな?美容外科の医師はフェイスリフトや豊胸術や脂肪吸引をおこなって、美容皮膚科の医師はレーザーやボトックス注射・ヒアルロン酸注入を行っている、と考えてもこれも大きな間違いではありません。

しかし、当院のように美容外科医が中心で行っているクリニックだと、レーザー治療もしますし、ボトックスでしわの治療もしますし、ヒアルロン酸の注入も行います。美容皮膚科を専門としている医師には大変失礼な話かもしれませんけど

◎美容外科医 > 美容皮膚科医という図式も成り立ちます

レーザーでシミ取りを得意としている美容皮膚科医は「美容外科医のレーザーはねえ」なんて言い方をしているかもしれませんけどね。じゃあ、切らないでリフトアップする方法(当院では「ハッピーリフト」というのが名前がいまいちだけど人気・・・ちょっと宣伝)はどうなんだ、と問われると美容皮膚科医でも行っているから話は複雑になってきます。顔のたるみを手術によって引きあげるフェイスリフト至上主義の美容外科医は糸を使ったたるみ改善方法なんんて「フンッ」て感じかと思うと、切る方法の前段階としてせっせと糸を使うリフトアップに励んでおります(当院の医師たちも同じ)。

五本木クリニックは自由診療部門は美容外科・美容皮膚科になっています。美容外科だと「整形だあ、美容整形だあ!!」ってイメージが前面に出ちゃうので、美容皮膚科も一緒に標榜しています。

同じ外科である美容外科と形成外科の違いは?

メスを使って切る手術をする美容外科と形成外科の違いとなると一般開業医では大差ないです。しかーし、大病院とくに大学病院だと大きく違ってきます。以前このブログ「誰々の鼻が危ない!!とか芸能人の整形疑惑が話題になる風潮から色々考えてみた」でも触れましたが、先天疾患や熱傷を大学病院で担当するのが形成外科です。元々は整形外科(美容じゃないよ)の流れで形成外科がなりたっています(私が大学時代は形成外科は独立した科ではなく、整形外科の一分野で教授がいないためにか、半講座なんて呼び方をしていました)。形成外科の再検手術の技を美容方面に応用したのが美容外科なのです。そういえば当院の美容診療部長の松下医師がブログにそのあたりのことを書いています。

当院は美容外科医中心に、なんて先ほど書きましたが美容部専任の医師のほとんどが形成外科出身なのは手術ができる、顔の筋肉や神経・血管について確実に把握している点で私としては全面的に彼ら彼女らに美容医療を任せることが出来ている大きな理由です。

突然ですが、12月から特定商取引法が医療にも適応されます

特定商取引法という法律が2017年12月1日から美容医療にも適応されます。一定期間は無条件で契約解除できるクーリングオフを美容医療でも可能になります。でも、こんな法律が美容医療に適応されることが不思議で仕方ありません。なぜなら当院はクーリングオフも途中解約も当然のこととして今まで行ってきましたから。

当院でもセット料金というのがありますが、これは当方から言い出したことではなく、常連の患者さんが「一回ごとに支払うの面倒なんで10回分まとめて支払うわ」といいつつ「まとめて払うから負けなさいよ!!」って院長である私がオバサマ達に押し切られたからなんです。今回、特定商取引法の対象となるのは脱毛・脂肪の溶解・シワ・たるみ取りなどです。今まで特商法は美容系だとエステの痩身とか脱毛が問題になっていたから、それなりに納得でしたが医療にまで適用されるとは予想だにしませんでした。一気にセット料金をがっぽり取ってトンずら、って美容クリニックが存在しているんでしょうね。

当然、当院も車のローン契約書のような書類を作ることになりました。当院をご利用の際は、ご面倒でも一読いただけると幸いに存じます。生命保険の契約時に渡されるほどの量でもありませんし、字の大きさも通常と変わりないものを用意していますので「院長、この契約書読んでよ!!」ってのはダメです。

トンデモ国家北朝鮮のインフルエンザ対策は覚せい剤!!??


いくらなんでも覚せい剤でインフルエンザや風邪を予防できないぞ!!

ミサイルをバンバン日本周辺に打ち込んでくるヘンテコ国家北朝鮮ですが、ミサイルや核以外にも世の中の迷惑になる覚せい剤を大量生産していることはご存知の方も多いかと思われます。そんなデタラメ国家である北朝鮮で覚せい剤は万能薬である、なんてトンデモ話が流布していて

◎インフルエンザの予防のために子供に覚せい剤を使用している!!

って報道がありました(ちょっと古い記事ですが、インフルエンザ関連キーワードでふらふらしていたらたどり着いたんです)。

脳卒中と心血管系疾患の治療にも効果あると、オッサンたちも覚せい剤まみれのようで

NKジャパンの報道によれば

覚せい剤の煙にあたれば1年間は風邪をひかないと言われている。ある住民は、春と秋にインフルエンザ予防接種の代わりに子供たちに覚せい剤の煙をあたらせろと言うぐらいだ

であり

この情報筋は、北朝鮮住民が覚醒剤を風邪予防のための万能薬と認識しており「脳卒中と心血管系疾患に効果が優れた最高の救急薬と思っている」と語る。

(http://dailynk.jp/archives/56179 より)ってことで

◎脳梗塞・脳出血・心筋梗塞・狭心症の急性期の治療薬としても覚せい剤は皆々さまに親しまれているようですね

覚せい剤って交感神経系が亢進するのが薬理的作用ですから、血管は収縮して、血圧は上昇し、心拍数も上昇・・・脳卒中や心血管系に対しては火に油を注ぐ状態になるはずなんですけど。国家をあげて破綻の道をまっしぐらの北朝鮮ですが、国家指導者も覚せい剤をご愛用となるとかなりヤバイことになるはずです。

国家指導者が覚せい剤を使用すると、ボタンをポチりしちゃうかも

覚せい剤の薬理作用として、交感神経系が興奮することの他に「多幸感」というものがあります。Wikiに

多幸感(たこうかん、英語: Euphoria)とは、非常に強い幸福感や超越的満足感のことである。脳内で、快楽などを司るA10神経のシナプス間に、幸福感を司る神経伝達物質であるセロトニンが、大量に放出されている状態とされる

と書かれていますので、脳内はお花畑状態の現実逃避。Yahoo!ニュースでは2017年10月14日に前掲デイリーNKジャパンの編集長高英起さんによって「北朝鮮で『餓死者発生』との情報…金正恩体制の動揺につながるか」(https://news.yahoo.co.jp/byline/kohyoungki/20171014-00076747/)との話を伝えています。

北朝鮮は1990年代半ばから後半にかけて、「苦難の行軍」と呼ばれる大飢饉に見舞われた。餓死者の数は一説に100万人以上とも言われるが、少なくとも数十万の単位であることは間違いないと見られる

という悲惨な歴史も国家上層部は覚せい剤乱用で忘れ去っているんでしょうね、多分。北朝鮮の国家指導者等の幹部が覚せい剤の乱用の副作用で死亡を歓迎する人もいるかもしれませんね。しかし・・・

◎長期連用によって精神的に破綻したら核のボタンをポチり、って命令を出す可能性が出てきちゃいます

(本当は核ミサイルってボタンじゃなくて、キーを回すんだと思います)。

覚せい剤の外需が期待できなから、内需強化??

北朝鮮における風邪やインフルエンザ予防に覚せい剤が使用され、一般市民や国家上層部にまで蔓延している原因は毎日新聞によると

北朝鮮では1990年代に通貨偽造やミサイル輸出と並び麻薬取引が外貨稼ぎの主力といわれた。近年、中朝国境での密輸摘発強化など国際社会の締め付けが厳しくなり、国内での密売が増えたという背景もある

ってことらしいです(https://mainichi.jp/articles/20170823/ddm/001/030/183000c9。どう見ても終わっている感がにじみ出ている北朝鮮、アホな覚せい剤の乱用でいたいけな子供を危険に晒しながらの逃避、核やミサイル以外にも覚せい剤乱用国家として懲らしめるべきなんじゃないかな。パナマ侵攻って前例もあるので、トランプ大統領、ここはひとつやっちゃう可能性もないわけじゃないかも知れません。

やっべー、今まで風邪の処方を間違って出してたかもしれない(汗)


風邪の時の解熱剤の処方っていいの、悪いの?

私はなるべく薬の数は少なくなるように処方するよう心がけていました。例えば抗菌剤を処方する時「私って胃が弱いので胃薬も処方してくれませんか?」とのリクエストに対しても「今までこの抗菌剤で胃に問題あったことほとんどなので、万が一胃の調子が悪かったら次回は処方します」と回答していました。さらに風邪で受診した患者さんにも「解熱剤を飲むと風邪が長引くから処方しませんね」と伝えていたのですが・・・

◎風邪の時に解熱剤を処方しても統計学的には罹患期間には差がなかった!!

と読み取れる医学論文を見つけてしまいました!!ってことは私が今まで患者さんに伝えていた

◎鎮痛解熱剤風邪を長引かせる説は間違っていた可能性が出てきて焦りまくり

風邪と鎮痛解熱剤の関係を調べた医学論文はこれ → 「Influence of loxoprofen use on recovery from naturally acquired upper respiratory tract infections: a randomized controlled trial」(Intern Med. 2007;46(15):1179-86)、どうも名前を見る限りでは日本人による研究のようです。ヤッベー、と思いながらこの論文を読みました。

追記 https://www.jstage.jst.go.jp/article/internalmedicine/46/15/46_15_1179/_pdf/-char/en からフルテキストダウンロードできるの見つけました(2017年12月3日)。このグラフから読み取れるのは、ロキソプロフェン(ロキソニン)を服用した方が風邪の症状が若干長引くように見えますけど、統計学的には有意差はない、との結論になっています。

鎮痛解熱剤を風邪の時に服用すると風邪が長引く説を検討

風邪って上気道の感染症の総称であり、原因となるウイルスは100種類近いとされています。今回引用させていただいた論文はロキソプロフェン、皆様にロキソニンとしてよく知られている鎮痛解熱剤です。最近はOTCとしても販売されています。

注意:インフルエンザの時にロキソニンを服用するのはリスキーです。

この論文では上気道感染者174人に対して、ロキソプロフェンを処方しています。プラセボを処方された人は90人です。その結果として「Loxoprofen did not significantly modify the recovery process of URTIs except for a slight tendency to delay」とありますから、上気道炎の症状の回復に対しては有意差ないということになります。

◎風邪の症状はロキソプロフェンを処方された人の方が長引く傾向があった

と読み取れます。

いくつかのキーワードで検索したところ「解熱剤の使用は風邪を長引かせる」説が多数見られます、それも医師が監修したと思われるサイトで。しかし、今回引用した論文の結論は

◎解熱剤の使用は風邪を長引かせる傾向はあるが、統計学的には有意差は無かった

です。みなさん、一次ソースを読んでいるのか、少々疑問があります。

困った時はコクラン・レビューでチェック!!

一見差があるように見えて、統計学的な有意差が無い、ってことは医学研究以外でもよくある話です。そこでコクラン共同計画(Cochrane Collaboration)で調べて見ました。コクラン共同計画は世界中の医学論文を集めて、正しい医療情報を伝えるために英国の国民保険サービス(NHS National Health Service)が行なっている大掛かりな調査です。

このコクランの上気道炎に対する鎮痛解熱剤に対する見解はこのように書かれています。

NSAIDs are somewhat effective in relieving the discomfort caused by a cold but there is no clear evidence of their effect in easing respiratory symptoms. The balance of benefit and harms needs to be considered when using NSAIDs for colds.

http://www.cochrane.org/より これをざっくり訳しますと「鎮痛解熱剤は風邪による症状をちょっとだけ抑える効果はあるけど、呼吸器に対する効果は明らかではありません。利益と不利益のバランスを考慮する必要があります」って感じでしょうか。

◎なんだよ~、風邪が早く治るとか治りが悪いとかの記載無いじゃん

非ステロイド系の鎮痛解熱剤「Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drug、略してNSAIDs(日本語読みだとエヌセイズ)と呼ばれています。ロキソプロフェンもNSAIDsですから、コクランレビューを見る限り、鎮痛解熱剤を服用すると風邪が長引くことには触れていません。

結局風邪の時に鎮痛解熱剤を処方するとどうなるの?

話が堂々巡りになってきちゃいました(泣)。一般的には医師の間でも風邪の時に鎮痛解熱剤を処方すると風邪による不快な症状を抑えることは可能だが、風邪に罹患している期間がほんの少し長くなる、と解釈されていると考えます。しかし、2007年というちょっと古い論文では統計学的には有意差なし、との結論になっています。

風邪で喉がメチャクチャ痛い、39度の熱がある(インフルエンザの場合はロキソニンはダメ)、頭がガンガン痛い、こんな症状がある患者さんには副作用に注意しながら鎮痛解熱剤を処方することにした方が無難なようです。これからはコクランに書かれているように「チョットだけ症状を抑えるけど」と言いつつ「日本の研究だとほんの少し風邪が長引く可能性があるよ」ってこれからは説明します。

文春の医療系記事がヘン!!米国産牛肉とがんの関係、こりゃどう見ても因果関係では無いぞ!!


ホルモン漬けアメリカ産牛肉で乳がんや前立腺がんになる!!??

文春砲を打ちまくる週刊文春ですが、医療記事となるとかなり怪しげです。ここ一ヶ月ほど、色々ありまして、外部からも内部からも「トンデモ系」に関するブログをあまり書かないで欲しいとの要望がありました。トンデモ系ばかり書いているワケじゃないのですが、まあトンデモさんの行動は様々なんで(あとはご想像にお任せします)。

私からトンデモ系ニセ医学を取り上げたら、ピタリとブログを書く意欲が無くなってしまった次第です。

ところが文春オンラインで「『ホルモン漬けアメリカ産牛肉』が乳がん、前立腺がんを引き起こすリスク」なんて記事を見つけちゃったら、ブログを書きたくてウズウズ、やっと内部の許可をもらってこれを俎上に載せてブログを書いちゃいます!!

この記事で危ない、危ないって言っている牛の肥育に使用されているホルモン、本当に乳がんや前立腺がんを引き起こすんでしょうか?

◎少なくとも文春が騒いでいるエストロゲンは前立腺がんのリスクと全く関係ありません

と、いうのもこの記事に登場する

◎女性ホルモンであるエストロゲンの仲間であるエストラジオールって前立腺がんの治療に使うんだぞ!!

この文春のタイトルはどう見ても、アメリカ産牛肉が乳がんや前立腺がんの原因である、と思わせるものになっています。しかし、この記事かなりヘンテコであり、読者を誤解させる記事なんで、どこがどうヘンなのか少々解説させていただきます。

文春オンライン(http://bunshun.jp/articles/-/4917)より。

70年代から牛肉の輸入が増加しているから日本でがん患者さんが増えている!!??

文春ではこんなことが書かれています。

これらはいずれもホルモン依存性がんと呼ばれているものだ。なぜ日本人にホルモン依存性がんが増えているのか。藤田博正医師(北海道対がん協会細胞診センター所長)は、昔からアメリカに移住すると卵巣がんや子宮体がんが増えると言われていたことを思い出し、食事の変化に注目した。

こんな話は聞いたことないです、まあ私の知識が足りないのかもしれませんけど。

そして日本でがんが増えた理由を

アメリカからの輸入牛肉に思い当たったという。日本では70年代から牛肉の輸入が増加し、その頃からハンバーガーも食べ始めた。

らしいのです。この文章を裏付けるように尤もらしいグラフが掲載されていますが、これって完璧に原因と結果ではなく、たんに相関関係にあるだけ、って普通の医師なら捉えるはずです。40-50歳代の女性にがんが増えている、その原因はアメリカ産の牛肉を使用したハンバーガー、というロジックらしいのですが、グラフにある数字って有意差あるの?と感じてしまいます。

データに使用したサンプルがたったスーパー1店舗??

スーパーの牛肉から高濃度のエストロゲンが検出された!!って大騒ぎしていますが、その牛肉は札幌市内のあるスーパー1店舗のもの(笑)、こんなサンプリングでエストロゲンがー、とかアメリカ産の牛肉から大量のホルモン剤ガー、なんてこと言えるのでしょうか。

◎アメリカ産の牛肉が輸出されていない英国でも子宮がんは年々増加しています

Cancer Research UK より

日本人だけがなぜか米国産牛によって子宮がんが原因となってがん患者さんが増えているってことなの、文春の記事を書いた奥野修司さん。

普通に考えてがん患者さんが増えているのは、検査技術の向上と高齢化が一番影響しているのです。また、がんという生命を危険にさらす疾患に対する研究で、たった一軒のスーパーの牛肉を検査して、高濃度のエストロゲンが検出された!!って本当に藤田博正医師(北海道対がん協会細胞診センター所長)が述べたとは思えないです。

あのー、すいませんけどアメリカ産牛肉と前立腺がんのリスクについて記事がないのですが・・・

相当気合いの入ったタイトルのこの記事ですが、タイトルにある前立腺がんのリスクはどこに行っちゃったんでしょうか?記事は2ページで構成されていますが、前立腺がんがアメリカ産牛肉の残留ホルモンが原因であることは全く書かれていません。エストロゲンの影響で精子の数がうんぬん、との記事があるだけです。まあ、普通こういったタイトルは「釣り」っていわれていまして、昔は「羊頭狗肉」と呼ばれていました。

もしも万が一、肥育ホルモンとしてアメリカ産牛肉に使用されているエストロゲンが基準値以上検出されたとしましょう。でも、これは前立腺がんに対してはリスクとなるというより前立腺がんを抑え込むんじゃないの?繰り返しになりますが

◎エストロゲン系の薬って前立腺がん治療に使用されているんですけどね!!

例えばエストラジオールが主成分の「プロセキソール錠」はごくごく一般的に前立腺がん治療に使用されています(実は私は泌尿器科医です)。この記事を書かれた奥野修司さんは、多分医学知識はほとんどないと思われます。

じゃあ、日本の肥育ホルモン剤対策はどうなっているか?

アメリカ産の牛肉怖い怖いさんが伝えているホルモン剤とがんのリスクは無関係であると考えて良さそうです。ところで国はどのように考えているのでしょうか?内閣府食品安全委員会のサイトにこんなことが書かれています。

食品の国際規格を設定する FAO/WHO 合同食品規格委員会(CODEX)において、天然型のホルモン剤については肥育ホルモン剤として適正に使用される場合の残留は、ヒトの健康に対して危害となる可能性はないとして、残留基準値そのものが必要ないとされています。

そうなんです

◎政府は公式見解として残留ホルモン剤によって健康が損なわれることは無いと考え伝えています

さらに国民の健康を担う厚生労働省は厚生労働省は食

品衛生法に基づき、毎年、輸入食品監視指導計画を策定し、食肉等の輸入時に検疫所において合成型ホルモン剤などの残留物質のモニタリング検査を実施し、検査結果を公表しています

とされています。もしも、文春に書かれているような某スーパーの牛肉から基準値超えの残留ホルモンが検出されたのなら、文春の取材に応じるより先に管轄の保健所あるいは直接厚生労働省に連絡するべきなんじゃ無いでしょうか、だって研究している人は国立大学の職員や医師なんですから。

そういえば近藤誠氏による記事を掲載したり、本を出版していたの文藝春秋社でしたね。芸能ネタ、政治ネタで文春砲と恐れられていますが、医療ネタは残念な状態のようです。

プールでおしっこしちゃう人、こんなにいるんだぞ!!ジャクージはもっとヤバいかも??


オリンピックサイズ1/3のプールに75ℓのおしっこ!!??

一昔前まではプールって夏の風物詩だったと思うのですが、今はスポーツクラブや地域の学校のプールで一年中泳いだり、水中ウォーキングをしたり、リハビリしたりすることが可能になっています。以前、プールに入ると目が赤くなる理由は塩素等が原因じゃなくて、実はプール中に含まれる尿が原因である、つまりプールでおしっこをしちゃう輩がいるんだよ!!ってブログを書いてしまいました。

プールで目が赤くなるのは塩素が原因じゃなく、おしっこと塩素が混じって有害物質を作るから!!??

冷えたり水を触ってしまうだけで、尿意が強くなり我慢できなくなる病気として過活動膀胱というのがあり、ある報告によれば日本で1000万人以上いると言われています(「1000万人が悩んでいる排尿トラブル『過活動膀胱』日経Gooday)。これだけか過活動膀胱を患っている人がいると、プールに入っていて急に尿意をもよおし心ならずも失禁なんて事態もおこり得ます。それを裏付けるかのように

◎「おしっこプールは実在する 75リットルの尿を検出」

なんて記事がNewsweekの日本版に掲載されていました(Newsweek 2017年3月9日

この原因のすべてが過活動膀胱の人ってわけじゃなく、多分子供とかが遊びに夢中になって思わずおもらし、あるいは不埒な大人がトイレに行くのが面倒だから、なんてことの影響もあるかもしれません。

プールだけじゃなく、ジャクージにもおしっこが混入!!

ニューズウィークの記事の元ネタはカナダのアルバータ大学の研究者による「Science proves it: people pee in the pool」というもので、アルバータ大学のサイトに掲載されている小ネタです。研究方法はアセスルファム・カリウムという成分がどれだけプールやジャクージに含まれているかによって汚染度を予測しています。

このアセスルファム・カリウムですが、人工甘味料として使用されていて、人体内で代謝されないでそのまま尿中に排出されるから、これを測定すればどれだけプールにおっしっこが混じりこんでいるかを予想できるんだそうです。その結果、ニューズウィーク日本版によれば

83万リットル(オリンピックサイズのプールの約1/3)と42万リットル、大小2つの公共プールを3週間にわたり調査した。それぞれの水に含まれるアセスルファム・カリウムを計算すると、大きい方のプールには約75リットル相当、小さい方のプールには約30リットル相当の尿が含まれている計算になった。

とのこと。プールの水全体に占めるおしっこの割合はかなり小さな数字ですが

◎少なからずもプール中で排尿しちゃっている不埒な輩がいることが証明された

ようです。

えーっと、この研究ここがちょっとヘンじゃないの?

一見、へーなるほどね~、と思ってしまうこの研究、よくよく考えるとヘンです。ニューズウィークに書かれていますが

◎アセスルファム・カリウムの検出はプールよりジャクージの方が多い

との研究結果もあり、最高値を記録したのは某ホテルだった模様です。海外のリゾート系のホテルのプールの多くはプール内で飲み物を飲むことが可能ですし、おしゃれーなリゾートホテルのジャクージに入って飲み物を飲む風景が頭に浮かびませんか?

◎ジャクージに入りながらダイエット飲料を飲んでいて、飲み物をこぼしたら・・・ジャクージ内のアセスルファム・カリウム量は半端ない数字になるはずです

アルバータ大学の研究者の方、飲食禁止のプールやジャクージに限って調査しないとこんな因縁をつけられちゃいますぜ(笑)。

日本のプールはどうなっているのでしょうか?

日本のプール、特に公共施設の多くはプール内では飲食不可だと思いますので、おしっこプール問題を調べた研究が日本にあるかを検索したのですが・・・残念ながら見つけられませんでした。しかし、日本でプールを設置する場合、こんな感じのかなり複雑なシステムが必要なようで、万が一プール内におしっこが混入しても、濾過機や消毒装置によってクリーンな水質が得らると思います。

東京都福祉保健局 プールのてびき より

ですから、プールはおしっこで汚染されて危険、危険って騒ぐことはないのではないかと個人的には思います。

ホメオパシーというヘンテコな民間医療があるのですが、それを紹介しているサイトで

マーサ・クリスティが言っているように、尿ホメオパシーの効用は素晴らしいものがあります。特に、尿をホメオパシーに希釈したものは子供たちには有効で、重症なアレルギーや過敏症、または情緒障害、ヒステリーなどにも優れた効果があります。

なんて記述を見つけちゃいました(http://blog.jarda.jp/?eid=383)。ホメオパシー信仰者は今回のおしっこプール問題を大歓迎しているかもしれませんね。

気のせいじゃないの?「加熱式タバコ、半年吸ったら健康になった!?」


加熱式タバコに変えたら健康になるのか?

喫煙が健康に悪いことはもちろんのこと、受動喫煙問題もあり通常のタバコから加熱式タバコに変えた方も多いようです。一般的に加熱式タバコは通常のタバコより健康被害が少ないように思われているようで、先日こんな記事を見つけました。「IQOSアイコス愛用者に『健康改善』を聞いてみた!!」(2017年11月20日 日刊大衆)。

「大衆かよ」なんてことは言わないで下さい。週刊大衆の記者さんって、調査力が優れていて自分のペン一本で生活を営んでいるような、ベテラン記者さんが多いのです。さらに義理人情に固く、ちょっとした取材を受けても必ず謝礼が振り込まれてきます(数千円、でも、人からいろいろな知識を得ておきながら謝礼もないマスメディア多いです、特にテレビね)。

これは@niftyに転載されていた記事の画像です。

加熱式タバコに変えたらこーんなに健康になった??

わが愛する週刊大衆のデジタル版、日刊大衆では加熱式タバコに変えたらこんなに健康になったと感じている人の話がいくつか掲載されています。

「紙巻きのときは常に喉がいがらっぽくて飴ばっかり舐めてたけど、アイコスにしてからはそんなことはない。風邪気味のときに吸うと少し違和感が残る程度」

と37歳の男性。そりゃ当たり前でしょ、通常のタバコは紙で巻いてあるんだから、紙を燃やした煙を吸入していたんだから、今まで。昔、学校にあった焼却炉は煙を吸い込まないように煙突が立っていましたよね~。

次はこんな証言も。

「タバコで一番嫌なのはヤニで歯が黄ばむこと。紙巻きを吸っていた頃は3か月に1度は歯医者さんで歯のクリーニングをしていたけど、アイコスにして7か月たった今でも、まだ歯医者に行かずに済んでいます」

と40歳の女性。昔のハリウッド映画では、女性がタバコを吸っている場面がかっこよく見えるように演出されていましたね。そんな姿に憧れて喫煙者になったのかもしれません。しかし、加熱式タバコによってタールが除去されただけであって、中毒物質であるニコチンからは彼女は脱却はできていないようです。三ヶ月に一度の歯科医でのクリーニング。これがネックであるのであれば、自宅でホワイトニングできるキットを歯科医で購入可能です。クリーニングの費用と手間が浮いた、なんてことは加熱式タバコが優れていることの理由にはなりえません。

さらにこんな証言も。

「紙巻きを吸っているときは、あんまりおなかが減らず、飲んだときなんてツマミをほとんど食べなかった。でも、アイコスにしてから食欲が正常になった。その分、食費がかさむけどね」

このように語るのは55歳の男性。消化器の血管収縮を引き起こす成分はニコチンが主のはず。消化器の血管収縮と運動性の低下のために喫煙をすると食欲が落ち、消化管からの栄養の吸収を邪魔します。残念ながらこの方は食費がかさむ問題より、急激な食欲のためによるメタボの心配がでてくるんじゃないのかなあ。

これが最後の証言です。

「アイコスに変えてから、タバコが切れたときの"禁断症状”が激減したんです。前はタバコを切らしたら、土砂降りだろうと夜中だろうとコンビニに買いに走っていたんですが、アイコスにしてからはそれが我慢できるようになったんですよ!」

これ43歳男性の証言なんですけど・・・アイコスってニコチン含まれていますよね。加熱式タバコってタールの被害を少なくするためのもんでしたよね。ってことはニコチンでどんだけ強い習慣性がある成分なんだよ、ということが良くわかります。この43歳の男性のお話が今回の加熱式タバコに変えた方の記事で一番ためになる話かもしれませんね。

加熱式タバコに対する日本呼吸器学会の考え方

喫煙に対して肯定するような意見・見解を述べている医療系の学会は皆無です。喫煙および受動喫煙の危険性を常に啓蒙している学会として日本呼吸器学会があります。

今までの通常のタバコから加熱式タバコに変更する方が多いところに水を指すようですが、日本呼吸器学会の考え方はこのようになっています。

非燃焼・加熱式タバコの主流煙中に燃焼式タバコとほぼ同レベルのニコチンや揮発性化合物(アクロレイン、ホルムアルデヒド)、約 3 倍のアセナフテン(多芳香環炭化水素物)等の有害物質が含まれていること、が報告されています。

さらに

「煙が出ない、あるいは煙が見えにくい」とされていますが、特殊なレーザー光を非燃焼・加熱式タバコ使用者の呼気に照射すると、大量のエアロゾルを呼出していることが明白になります。

と受動喫煙の危険性も訴えています。そして最後に

新型タバコは、従来の燃焼式タバコに比べてタール(タバコ煙中の有害物質のうちの粒子成分)が削減されていますが、依存性物質であるニコチンやその他の有害物質を吸引する製品です。従って、使用者にとっても、受動喫煙させられる人にとっても、非燃焼・加熱式タバコや電子タバコの使用は推奨できません。

つまり、加熱式タバコに変えても有害物質を吸引しているに変わりはないのだよ、ということです(非燃焼・加熱式タバコや電子タバコに関する日本呼吸器学会の見解より)。

加熱式タバコであっても有害物質(発がん物質)を含み、煙が少ないからと言って受動喫煙を避けることはできません。

開業医の落とし穴:開業5年、順風満帆なのに差し押さえ・競売・・・なんじゃこりゃ!!??


開業して順調なのになぜかクリニックが売りに出されていた

今から開業しようと思っている医師のみなさんに、私が経験したとんでもない事態を知ってもらいたいと思います。1997年に目黒区で当院は開業いたしました。分譲マンションの1階部分が店舗として使用できるようになっていて、その1階部分を賃貸で(確か月60万円の家賃)借りて開業しました。

◎開業5年目、やっと余裕が出てきたある日、内容証明の郵便物がクリニックに届きました

それまで内容証明の郵便なんて見たこともない私は恐る恐る封筒を開けると、あなたの家賃を差し押さえします、なんてことが書かれています。なんで家賃をテナントのオーナーさんじゃなくて、見ず知らずの人に差し押さえされるのか、まったくわけがわかりません。旧知の弁護士さんに相談すると「まずはすぐにテナントの登記簿を取り寄せなさい」とのアドバイス。登記簿なんて知らない世界で生きてきた私は、生まれて初めて法務局を訪れ、テナントの登記簿を取り寄せました。

これが現在の登記簿、付箋をつけたところにオーナーのお名前と家賃を差し押さえた方のお名前等が記載されています。

その登記簿を見るとオーナーさんが当然所有権を持っていたのですが、そのあとに平成14年6月付けで、私に家賃を差し押さえたと内容証明を送った方の名前で「仮差押え」って記載されています。なんでこんなことになっているのか理解できないパニック状態の私。

オーナーさんに電話すると奥様が出て

◎「主人が先日急死して、いろいろなところから請求書とか差し押さえるぞとかの手紙がバンバン届いて、私もわけがわからないんです」

との回答。クリニックとして借りていたテナントのオーナーさんはかなり手広く事業を行っていた立派なオジサンでしたが、事業を行う上で多数の金融機関から借り入れの返済が遅れたり、取引先への支払いが滞っていた様子。

ギャーっ、クリニックが売りに出ていた!!

家賃をオーナーさんの会社に払うのか、それとも差し押さえした人に払うのか、普通の医師だったらそんなことわかるわけありません。弁護士さんのアドバイスにしたkがって毎月の家賃は裁判所にあずかってもらう(正式な名称は忘却)ようにして、クリニックを運営していました。ちなみにクリニックの経営状態は順調でした。

ある日、再度登記簿を取り寄せたところ某都市銀行の名前で「差押え」と記載されていました。慌てふためいた私は都市銀行に勤務する友人に電話したとこと「お前のクリニック、競売になってるぞ!!」との驚きの回答。今ほどネットは一般的じゃなかった時代ですが、裁判所が差押えの通知をした不動産がその当時でもネットで見られる様になっていました。自分のPCでその競売物件を探して見てみると・・・

◎しっかり五本木クリニックの看板付の外観がくっきり明瞭に「競売物件」として画像つきでアップされていました

ひーっ、これじゃまるで当院が競売物件として売りにでているって第三者は思っちゃうじゃないですか。順調に患者さんがいらして、開業5年になってやっと夏休みに家族旅行でハワイに行く計画を立てていた私は目の前が真っ暗になってしまいました。地元の方にやっとなじんでもらった五本木クリニック、簡単に移転もできません。

当院の立地は住宅街であり、そうそう簡単に近くで開業できるような場所・テナントなんて見当たらないもん(涙)。

売りに出ている当院を取り返すまでの道のり

にっちもさっちも行かなくなった私は決断しました。

◎競売物件となっているクリニック(正確にはテナント)を自分で買うことです

しかし、開業時に銀行から借り入れもしていますので、借金がある状態でさらに銀行って融資してくれるんでしょうか?開業時にお世話になった銀行に相談すると「競売物件に対する融資はちょっとねえ、さらに銀行の差し押さええ前に、個人が差し押さえているからこれは・・・」。競売を避けるにはまず、個人の差し押さえを解除して、それからオーナーが取引していた銀行と話をして、オーナーが借りていたお金を肩代わりするしか方法はない、ってことのようでした。

毎月の家賃を裁判所に届けつつ、まずは個人で差押えした方にお話しをしました。1000万円程度をオーナに貸し付けていた方は私の事情を理解してくれて、1000万円には満たないお金で納得してくれて、差し押さえを解除してくれました(その節はほんとうにお世話になりました、ありがとうございます)。

これで毎月の家賃を裁判所に毎月毎月届ける手間は省けましたし、差し押さえしている銀行と話がつけば、無事クリニック競売問題は解決です。

クリニックが当地で運営できない可能性もあって、家族もヒヤヒヤしていました。夏休みのハワイ旅行も近づいてきています。窮地に立たされた私、当然ハワイ旅行はキャンセルするのが当たり前なんでしょうけど、家族に心配をかけてしまったことを考慮して、そして自分も差押え、差し押さえ解除なんて、今まで経験したことの無い苦労でクッタクタ、そしてクリニックが売りに出ていると勘違いされるような環境から逃避行動であろうと今考えると異常な判断をして、家族とともに旅行に出ちゃったのです。

銀行との折衝・・・時差でボケボケ

開業時にお世話になった銀行にとりあえずは、個人の差し押さえは解除できたことを報告して、残るは某都市銀行との折衝だけであることを報告しました。すると銀行の態度は変化して、某都市銀行と話をつければ私のテナント買い取りの融資を考慮する、って方向になりました。

私が突然某都市銀行を訪れて「あのー、競売になっている私がお借りしているテナント、買い取らせてくれませんか?」なんて申し出でも、先方が相手にするわけありません。クリニックのテナントを仲介してくれた不動産屋さんが、その交渉を承諾してくれたので、私は家族とともにハワイに旅立ちました(このあたりの感覚がお前は狂っている、とのご批判ありと思います)。

ハワイとの時差は17時間、逆に考えれば7時間、銀行が融資の会議をするのはその当時17時くらい、ってことはハワイにいる私の携帯に途中経過が報告されるのはハワイ時間の夜中の0時ってことになります。不動産屋さんは某都市銀行と折衝して、売却に応じてもらえる金額が明らかになりました。その金額に近い融資を自分は銀行から融資してもらうように連絡、融資に対する会議が終わってから途中経過が携帯電話にかかってくるのはハワイでは当然夜中。

日中は家族サービスで遊びまわり、夜中になると不動産屋さんと銀行とのやりとり。せっかくの旅行なのに身も心もボロボロ、多分家族も「パパ、夜中になにこそこそ電話しているんだ」と楽しい休みにはならなかったでしょうね。

◎最終的には銀行も融資に応じてくれて、競売物件を買い取ることができました

五本木クリニックのあるマンションの1階は私が所有することになりました、目出度し、めでたし。まあ、この時に銀行とのやりとりも、実際はそうそう簡単にいきませんでしたが、今回ははしょります(いつかこれもブログネタにする予定です)。

開業を考えている医師の方、テナントを借りての開業なら必ず登記簿を取り寄せることをお勧めいたします、それも定期的にね。

開業を考えている方へ、これも参考にしてくださいませ。

悲劇!!開業3ヶ月目で水疱瘡に感染、死の恐怖と倒産の恐怖に怯えたあの時

自分ひとりでクリニックを運営するので、当然こうなりますのでご覚悟を。

悲劇!!開業3ヶ月目で水疱瘡に感染、死の恐怖と倒産の恐怖に怯えたあの時。


開業3ヶ月目に水疱瘡に感染してしまった私、死の恐怖と倒産に怯えた1週間

今から20年前の1997年2月に私はクリニックを開業しました。自分の勤務していた病院の近くでもなく、土地勘もない場所、さらに駅からも遠く離れた場所での開業ですから、患者さんも本当にボチボチしか来院しないような状況でした。家に帰るとまだ幼稚園に入っていない子供が「今日は何人だった?」と尋ねられるのが辛い日々。

そんな不安定なスタートを切った開業医生活でしたが、やっと1日に10数人患者さんが来院し出した、開業3ヶ月目に水疱瘡に感染してしまいました。慣れない開業医生活、開業準備による疲労、資金繰り、初めて開業資金として銀行から借り入れをして、その返済のプレッシャーなど身も心もクッタクタだったことが原因となって水疱瘡になったようです。

最初、なんだか熱っぽいなから始まり、関節痛、特に腰の痛みを感じて体温計で測って見たら39度以上ありました。風邪を移されたのかな、って考えていたら翌日には体中に赤い発疹が出だしました。この時点ではまだ水疱瘡に感染したとは思いもしませんでした。その翌日は日曜日で、朝起きたら高熱と昨日出現した発疹が水ぶくれになっています。

そういえば先週、水疱瘡に感染した患者さんを診たっけ、こりゃ水疱瘡に間違いないと考えましたが、念のために母親に電話して「私って水疱瘡なったっけ?」「学校で流行ったことがあったけど、あなたは幸い水疱瘡にならなかったのよ」と呑気な返事が返ってきました。

大人になって水疱瘡に罹患すると重症化(肺炎になる確率は子供の20倍!!)しやすく、下手すりゃ死亡ってこともありえます。もちろん完治するまで、クリニックは休診です。死の恐怖とクリニック倒産なんてことに怯えながらの1週間、これまでの人生最大の危機に直面してしまったのです。万が一、死亡した場合、妻と幼子を残して、さらに開業資金の膨大な負債を残してしまいます。路頭に迷う妻子が脳裏に浮かびました。

成人の水疱瘡は稀、でも重症化しやすいし、最悪死亡ってことも

当時は今ほどネットが充実していなかったので、教科書を開いてみると大人の水疱瘡は肺炎などの合併症を起こしやすく重症化して、死亡率は10万人に30人程度と書かれていた記憶があります。

10万人に30人って必ずしも多い頻度ではありませんが稀とは言えません、開業3ヶ月目、膨大な借金、さらに妻と幼子がいての状況だと、普段はポジティブな私でさえ高熱で苦しみながら、どうしても最悪な考えになるのは致し方ないことだと思います。当時はバルトレックスがまだ販売されていませんでしたので、クリニックのスタッフに在庫のゾビラックスを持ってきてもらい、解熱剤と一緒に飲み続けました。

肺炎を起こしていないか自分で聴診器を胸にあて、2時間ごとにチェック。もちろん検温も2時間ごと。しょっちゅ聴診しても検温しても、病状の回復が早くなるわけないのに、こんな思考回路になってしまうんですよ、崖っぷちだと。

https://www.niid.go.jp/niid/images/iasr/rapid/graph/Vol.36/graph/pf42411.gifより 成人しても水疱瘡になって入院した人です。重症化することが多いので、子供の入院と比較してもそれなりの数になっています。予防接種を受けることをお勧めいたします。

クリニックを休診にしたら運転資金が回らなくなり倒産の恐怖

余裕のある資金で開業した訳ではなく、もちろん貯金はすっからかん。1週間休診したら、月あたり単純計算で25パーセントの収入減になります。開業したてで、固定した患者さんも少ないですし、再診で来院したらいきなり休診の状態だと、間違いなく患者さんからの信用を落としてしまいます。

もちろん、今後固定患者さんになり得る新規の患者さんも失います。たった1週間程度の休診でも、今から患者さんの数を増やしていかなければならない時期では、当然後々の増患は難しくなってきます。薬の仕入れ代、テナントの家賃、従業員への給与の支払い、銀行への返済、そして家族の生活費。

私は死の恐怖より、倒産の恐怖の方が強くなってきました。

やっと回復してクリニックを再開

土日2回に挟まれた1週間の休診、述べ11日間の闘病生活の後、診療を再開しました。ボチボチ訪れる患者さんには正直に水疱瘡になっちゃって休診にしたことを伝えました。「あら、先生でも病気になるのね」「わっ、先生って子供みたい」なんて声をかけていただきました。スタッフからは「院長、今月の給与の支払い後回しでいいですよ」とも言われて涙が出そうでした。

これから開業を考えている医師の人にこれだけは伝えたい

医師は健康であって初めて的確な診断が行えます。ご自分が病気になって休診という事態が発生すると患者さんやスタッフに迷惑がかかります。休診になると当然収入が減ります。開業前はとにかく忙しいので、予想以上に肉体的精神的に疲労が溜まっていますので、今まで気づかなかった病気が発症することもあります。開業前に行っておきたいチェックポイントは

・いくら忙しくても健康管理は今まで以上に気をつけましょう。

・開業にあたりたっぷりの運転資金と生活費を用意しましょう、カツカツだと精神的にまいります。

・あらゆる予防接種を事前に受けましょう。

・休業補償制度には必ず加入しましょう。

おまけ:昨日水疱瘡の予防接種は任意、ってツイートしてしまいました。平成26年10月より、水痘ワクチンは定期予防接種になっています。妊婦さんが水疱瘡に罹患すると、生まれてきた赤ちゃんの17ー30パーセントが重症化して、致死率が20ー30パーセントにもなってしまいます(横浜市衛生研究所)。

水疱瘡になってカサブタを取ってしまうと凹んだ痕になります。私もいくつか痕になってしまったのですが、当院のフラクショナルレーザーで一個だけ残して消してしまいました。一個だけわざと残した理由は、人生って思わぬところに落とし穴があるということを忘れないためです。

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