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3歳から脱毛サロン通いが自然な流れ、ってワケないじゃん❗

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よそのお子様が茶髪であっても、パーマでクルクルでも、ジャンボ尾崎のように後ろの毛が長くても(最近あまり見かけないか)、口出しする気は一切ございません。でもさあー、

3才から無駄毛処理で脱毛するかあ⁉とオッサン的には声が裏返ってしまうような記事を見かけました。

なんの意味があって3歳から脱毛サロンに通うのか⁉

最近の若い親は、なんてことではなくて医学的見地から考えると、3才で脱毛しても効果はないし、やけど等のリスクを考えているのでしょうか?ってことをお伝えしたいと存じます。

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今回取り上げるヘンテコな記事は、女子SPA! (https://joshi-spa.jp/849652) に掲載されていました。

お伝えしたいこと次の3点です。

  1. 3才で脱毛しても、無駄毛処理という意味では全く効果は望めないこと
  2. 脱毛はそれなりにリスクがあるので、あえてそのリスクを犯す必要があるのか
  3. 3才児の脱毛を請け負う医療機関あるいはエステがあるという驚き

3才から脱毛を始めても医学的には効果がない

女子SPA!の記事によると

女性専門脱毛サロン「エピレ」は7歳から、ハイパースキン脱毛機メーカー直営のエステサロン「カレン」は小学2年生から、そして敏感肌専門脱毛サロン「ディオーネ」にいたっては、なんと3歳から脱毛サービスを提供しているのだとか!

まあ、「だとか!」という断言口調を使っていない点がなんとなーく責任を負いたくない雰囲気を醸し出しています。

当院調べですが、脱毛で一番人気というか需要が高い部位は脇、ついでひざ下、そして前腕部です。この記事から3才児がどの部分の脱毛をしているのか明確ではありませんが、3才で脇に無駄毛が生えるはずもなく、多分腕それも前腕部ではないかと予想します。脇毛などは二次性徴を迎える年齢で生え始めますが、前腕部やひざ下の無駄毛は幼少期であっても薄っすら生えていますからね。でもさー、

産毛に脱毛してもそれって効果ないはずなんだけど❗とレーザーであれ光であれ脱毛の理論を知っている医療関係者は考えちゃうのです。

医学的に幼少期はまだ全身の毛が生えそろっていないと考えるのが一般的です。二次性徴期に生えてくる毛以外の腕やひざ下のいわゆる無駄毛も小学生くらいだと生えそろっていないと考えられています。

小学生で脱毛しても、その後バンバン無駄毛は生えてくる、とまともな医療関係者は考えているはずです。

レーザー脱毛は黒い色に反応する波長を用います。毛根部の大きさに対して毛が太ければ太いほど脱毛効果があります。というのも、毛のメラニンが含まれる黒い部分に大きなエネルギーが吸収されることによって、毛根を破壊して以後毛が生えて来ないようにするのがレーザー脱毛の原理だからです。

光脱毛と呼ばれエステで使用されている脱毛機器も理論的には同じはず。子供の産毛というや無駄毛って大人の毛と比較して細いですよね。

その細い毛に対してレーザー機器や光脱毛機を照射しても、毛根へダメージを与えるほどのエネルギーは吸収される効率は非常に悪いのです。つまり

細い毛にレーザー脱毛を行っても効果は期待したほど出ません❗

女子SPA!によれば

脱毛機械や脱毛方法は大人に使用するものと全く同じですが、肌に優しいオリジナルのマシンを使用しているので、脱毛を行っているときは子どもでも『あたたかいな』と感じる程度。痛くて泣き出してしまうような子は今までいないですね

と書かれていますが、そりゃ当たり前でしょうが。

レーザー等のエネルギーが十分に吸収されていないのですから、痛いとか熱いとか感じないで「暖かいな」レベルの熱エネルギーしか出ていないからだもん。

脱毛って熱を利用する方法なんで火傷のリスクがゼロとは言えないよ

当院の経験上、レーザー脱毛をした場合リスクがゼロとは言い切れないことを白状します。ヘタッピな施術な火傷は論外ですが、火傷が起こりやすい部位があります。一番需要がある脇毛の脱毛で火傷ってまずあり得ません(当院調べ)。

一番多いのが鼻の下、その次が背中、そして腕、特に前腕です。以前こんな事件がありましたね。

脱毛で火傷の被害が続出❗エステだけじゃなく、なぜ医療機関でも被害者続出したのか?

脱毛で火傷の被害が続出❗エステだけじゃなく、なぜ医療機関でも被害者続出したのか?

国民生活センターによれば脱毛による危害の相談が年々増加しているようです。医療脱毛という言葉があるように、いわゆるお店(エステ)での脱毛はレーザーを使う医療脱毛とは別物で、ワックスを使ったり光を使います。脱毛による被害はエステ・サロンでの施術によるものが一般的でしたがなんと医療機関でも患者さんに被害が出ているようです。

女子SPA!では

最近では、水泳やダンスなどの習い事で肌を露出することが多く、それがきっかけでキッズ脱毛を利用するというパターンもありますね。今の時期は、学校の授業で水泳が始まるので、それにあわせてサロンに通う方も増えてきます

となっています。

水泳で気になるのは脇毛だと予想しますので、「3才児脱毛サロン通い」には当てはまらないでしょうね。

となると3才で脱毛する部分として考えられるのは前腕とひざ下となると勝手に予想します。

前腕の脱毛で火傷のリスクが高いと述べましたが、軽い火傷等により皮膚に色が着いてしまう外傷性皮膚色素沈着と言う問題も発生してきます。

国民生活センターのサイトに「脱毛エステにご注意!」とのページがあります。これかなり古いデータなんですが、脱毛のリスクを把握する手助けにはなると考えます。

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このデータを見ると被害を受けた方は20歳代が一番多く、ついで30歳代、そして10歳代となっていて3歳の被害報告は当時は無かったようです(ちょっと白々しいかw)。

被害の内容としては

危害の内容は腫れ、色素沈着、カブレなどの皮膚障害が 607件で、8割以上を占める。ついで熱傷57件が多い。その他はしびれ、擦り傷、感電などさまざまな症状である。

となっています。

これだけのリスクを十分に事前に説明されても、3才の子供に脱毛しようと思う親がいることに驚いた❗と普通は考えるのでないでしょうか(ひょっとして3才児に脱毛を行っているサロンは説明していないかも)。

キッズ脱毛、それを請け負う医療機関はないと思うけど⋯

当院では美容部門の一つとしてレーザー脱毛を行ってはいますが、積極的にアピールすることはここ10年くらいは行っていません。

だってエステの脱毛料金って医療機関じゃ不可能なくらい安いんだもん❗(涙目)

医療機関における脱毛料金がエステとは比較にならないくらい高くなる理由はいっぱいありますが、今回はそれについての記載はやめておきます。でも興味ある方はこれをどーぞ。

全身脱毛300円❗って脱毛専門エステはどんな料金システムになっているんだ??

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月額300円で全身脱毛という衝撃のキャンペーンを展開した某脱毛エステの料金システムは本当に大丈夫なのか?誰もが何かしらの不安や疑問を持ったはずです。エステの脱毛と医療脱毛の違いを踏まえて、脱毛にかかる料金・使用する機器などについて解説します。お金をかけたくない方向けにもっともコスパのよい脱毛方法を提案します。

脱毛はリスクを伴います。お子さんの場合は肌が大人と比較して弱いと言う点を考えてもリスクは高くなると考えます。それなのにあえて子供向けの脱毛を請け負う医療機関はあるのでしょうか(調べてないけど、耳にしたことは無いです)。

今回の女子SPA!は多分よんどころない事情による脱毛サロンのヨイショ記事だとは思いたいのです、だって私は週刊SPA!の大フアンなんですから(週刊新潮や週刊文春の取材をペンディングしても週刊SPA!の取材は受けた実績複数回あり)。

でも今回の記事は納得できないんだよねえ、特にこの辺り

デメリットは、子どもの肌は大人よりも敏感で、肌にすこしでも異常がある状態だと、脱毛することでさらに肌荒れを悪化させる場合もあり得ること。そのため、日焼けをしていないか、肌に異常がないかなど、事前のカウンセリングでエステティシャンがより慎重に声をかけるなどのケアが行われているそうです。

医療従事者でも無いのに、的確なアドバイスってできるんでしょうか?さらにこの最後の締めが気になります。

カラダのことやおしゃれに敏感になってくる女の子たちにとって、サロンに通うという選択肢は自然な流れなのかもしれませんね。

これって脱毛サロンの術中にばっくりハマっているだけじゃん❗

タイトルにもなっている「3歳から脱毛サロン通い」を行っているサロン、ぜひぜひ反論というかご意見を賜りたいと存じます。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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