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悪質クレームの被害No. 1は医療・介護・福祉❗から考える医療機関のクチコミサイトの信頼度。

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東洋経済オンラインで悪質クレームに対して法整備が必要性を訴える記事が目に付きました。悪質なクレームの被害に会うNo.1は私が営んでいる医療だそうです。

最近聞かなくなった悪質クレーマー「モンスターペイシェント」はどこに行った?

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東洋経済 サービス業に蔓延「悪質クレーム」の被害実態

人と接する業種なので言葉の行き違い等が不平・不満になりそれが苦情となり、さらに悪質クレームになることを100パーセント未然に防ぐことは不可能だと考えます。

しかし、一時期医療系の悪質クレーマーをモンスターペイシェントと呼んで医療業界のみならず一般的にもその存在が知られることになったのですが⋯。

当院ではそう言えばどう見ても理不尽な苦情というか、モンスターペイシェントというか、悪質クレーマーは最近ほとんどと言って良いほど見かけなくなったような気がします(症例報告的にはn=1であり、エビデンスレベルとしては一番信頼性が無い)。

そんな悪質クレーマーは今はどこに行っちゃったのか?当院の医師や看護師や事務スタッフが急速に対応が改善された為であると喜ばしいことなんですが⋯多分、違うんじゃないかという目線でこのモンスターペイシェントによる悪質クレームについて検証してみます。

そもそも医療はサービス業なのか?サービス業なので悪質クレームが多いのか?

先日こんなブログを書きました。

週刊現代さま、医療はサービス業なんでしょうか?

週刊現代さま、医療はサービス業なんでしょうか?

医療はサービス業の良い点は積極的に取り入れるべきである意味究極のサービス業ともいえるかもしれませんが、世間一般でいうサービス業とは異なるのが医業です。医療行為において、お店が客に対してとる態度と同じように医師が患者さんと接することはありえません。

私のブログを愛読している方的には私は週刊現代に対する悪質クレーマーかもしれませんけど(笑)→週刊現代「女性医師の手術はいやだ」は稀に見る悪記事❗エビデンスつけて反論します❗

それはさておき、今回の東洋経済の悪質クレームに記事においても医療はサービス業として分類されています(苦笑)。

威嚇・脅迫を受けた業種別として医療・介護・福祉が前掲のグラフのようにダントツです

⋯もっとも悪質なクレーム被害を受ける、というか

別の見方をすればクレームをしやすい、そのクレームが悪質化しやすい業種が医療・介護・福祉なのかもしれません。

今サービス業のお手本として帝国ホテルの「100-1=0」との法則が私の周囲で話題になっています(症例報告としてはn=3くらいで、エビデンスレベルとしては先ほどよりは若干信頼度が増す?)。まあ、この法則の意味としては一つのミスがお客さんの満足度を0にしてしまう、との解釈です。

私が当院でクレームというか悪質クレームが体感的に減少していると先ほど述べましたが、こんなデータがあります。

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高知医療センター

高知医療センターは

患者さんの苦情は宝物であると考えています。 患者さんに安心、安全、快適に診療を受けていただけるよう心がけていますので、 ご意見や苦情などがございましたら、各フロアに設置しています宝箱にご投稿いただくか、1階の[0まごころ窓口]でご相談くださいますようお願いいたします。 いただきましたご意見や苦情につきましては、真摯に対応し、今後の患者さんサービスおよび医療の質の向上に活かしていきたいと考えております。

とサイトに表記して苦情を汲み上げることによって、ユーザビリティを高める業務改善努力を継続することによって苦情の件数を年々減少させたようです。

これと同様のことを当院でも以前から採用しています。患者さんの満足度の抜き打ち的調査、当院に対してこのような点を改善してほしいとの希望の吸い上げ、スタッフには内緒で覆面調査等も行なっています⋯それらのご意見をもとに業務を改善してユーザビリティを高めたために、体感的に悪質クレームが減少したのでしょうね、ってことを言っていたら経営者として失格です。

悪質クレーム、モンスターペイシェントはこんな所に潜んでいます

苦情件数が年々減少していると報告している高知医療センターのこんなデータもあります。

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これは患者さんから寄せられたお誉め感謝の言葉の件数です。苦情は年々減少してるけど、お誉め感謝の件数は対して増加していないように感じませんか?そうなんですよ、医療機関(他のサービス業)って苦情はあったとしても感謝の言葉をいただくことってかなり少ないのです。

わざわざ感謝やお誉めを文章にして医療機関に届ける人なんて稀なんです(当院も時々ですけど、感謝やお褒めのご丁寧なお手紙をいただきます)。

となると、少なくなったと思われた苦情や悪質クレームは水面下に隠れてしまっている可能性があります。見つけました、それはクチコミサイトです❗

医療機関のクチコミサイトの情報はあてになるか?という素朴な疑問

グーグルのサービスの一つとしてGoogleマップというのがあり、そこにクチコミを投稿することができます。このクチコミによって評価が五段階になっていますよね。例えば苦情が減って感謝のことばが若干増えている高知医療センターはこんな感じです。

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あれだけ企業努力をして苦情は宝物であると考えて業務改善に力を入れている中核病院でさえこのような評価になってしまうのです。恐る恐る当院のGoogleマップのクチコミを見てみると

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ひぇ〜❗星2.1かよーーーー❗ (?_?)

リアル苦情は減っていると体感的なデータをもとに、にんまりしていた経営者の顔が見て見たいです(って私じゃん)。

高知医療センターは医療系のネット情報に力を入れて、様々病気に関するキーワードで検索するとGoogle先生のアルゴリズムの改善効果によってここのところ上位表示されるようになっていたので私は定点観測していました。

当院も私のブログもたまには人様の役に立っているようでネット検索ではある程度上位表示される傾向があります。

病気になって医療機関を探すときにネットを利用する人が多いことは、苦情はネット上のクチコミサイトに書き込まれる比率が高くなって当然なんでしょうねえ。

高知医療センターの担当者さん、時間の調整がつきましたら一度お会いしてこの問題について語り合いませんか?

こんなご意見もあります。

このツイートに関しては私は激しく同意します。

このクチコミサイト、あまりにお褒めの言葉、感謝の言葉が多く、評価の星が多数の医療機関って本当にいわゆる「良い病院」「良い医療機関」なのでしょうか?つまりクチコミサイトって信頼のおける情報なのか、との素朴な疑問が当然出てきます。こんな医療関係者向けの記事があります。

医療機関から金銭授受を受ける医療情報サイトは広告

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つまり、クチコミサイトに金銭を支払えばクチコミ内容を操作することが可能であるから、医療機関から掲載料等を徴収して運営されている医療情報サイトは広告である、広告であるから広告規制の対象となるよ、ってことですね。

掲載料等を支払ってまで自分のクリニックの悪口を書いてもらおうと思う医師や経営者がいるはず無いですよね。となるとクチコミサイトの信頼度はあてにならない可能性も出てきます(注意:Googleマップのクチコミはオーナーサイドとしてはどうしようもないです)。

話は飛びますがどっかで食事をしようと思ったときに使うツールとして食べログとかを使う人は多いと思います。クチコミをあてにしてその店に行ったけど全然書かれていたことと違うじゃん、って経験した人は少なくないと思います。そんな場合はヤラセ投稿疑惑を感じませんか?

逆に同業他社が依頼して悪口を投稿するような有料掲載、無料掲載は別として評価を下げることを生業としているけしからネット系広告会社もあるらしいです。

医療機関を含むクチコミサイトの信頼度はどこに書かれていたかより誰が書いているのか、の方が重要なんじゃないかなあ⋯。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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