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大失敗、危うく炎上の可能性もあった、私のステロイドに関するツイート。

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医師向け講演会で医師でSNSを使っている人に挙手を求めたところ、予想以上に少ないことに驚かされました。SNSを避ける大きな理由の一つが炎上です。医師向け雑誌に上手なSNSの使い方を寄稿した著者ですが、あわや大炎上ということがあり、猛反省をしました。炎上寸前のところを日頃SNSで交流のある医師に救われた経験をお伝えしつつ、炎上を恐れないで医師も積極的に参加してもらいたいと筆者は強く考えています。

医師がTwitterに参加する時はこんな点に注意していね

つい先日、医師向けサイトから、「先生は積極的にネットでソーシャルを活用していますよね、いまだにソーシャルでご自分の考えを発信することを躊躇している医師たちに、アドバイスありませんか?」的な取材を受けました。

そんな私ですが、Twitterで大失敗してしまったので、その顛末をお伝えします

積極的にTwitterなどで、正しい医療情報を発信している皮膚科の京都大学特定准教授の大塚篤司先生( @otsukaman )の投稿

大塚篤司【医師’医学博士】のツィート

https://twitter.com/otsukaman/status/1189491374191591425

これに対して糸井重里さんがこのようなツイートをしました。

 糸井 重里さんのツィート

https://twitter.com/itoi_shigesato/status/1189537186456039424

これに私がこんな引用リツイートをしたのです。

桑満おさむが糸井重里さんのツィートにRT

https://twitter.com/kuwamitsuosamu/status/1189542153027866625

すると、私のフォロワーの方からこんな質問が

たまたま撮り溜めていたNHKのBS世界のドキュメンタリー「テストステロンの真実 謎多き男性ホルモン」を観ていた私はこんな返信をしてしまいました。

この私のツイート、非常に大きな誤解を招く大問題を抱えたものだったのです。

ステロイドに対して大きな誤解を招く発言をしてしまった⋯あああ、どうしよう、困った、困った

いくら泌尿器科医の守備範囲にあるステロイドであるテストステロンに関するドキュメンタリーを観ていたとしていも、そもそもTwitterで話題になっているのは、あくまで皮膚科領域で使用されるステロイドに関してです。

画像

ホルモンに分類されるステロイドには皮膚科領域で主に塗り薬として使用される副腎皮質ホルモンと、私の専門である泌尿器科で使用されることが多い男性ホルモン(産婦人科の場合は女性ホルモン)があります。

ついさっきまで副腎皮質ホルモンである皮膚科領域のステロイドに関して、自分で引用リツイートしておきながら、たまたま観ていたビデオとダイナマイト・キッドの画像に影響された私はいきなり、男性ホルモン系のステロイドに関して語り出しています。

この軽率な行動は当然、周囲の方々に迷惑をかけてしまうことになりますので、深夜に近い時間であってもこのようなご指摘をいただきました。

この方が仰っていること、全くその通りです。

私も患者さんに時々処方する皮膚科領域のステロイドに関して、泌尿器科で使うステロイドとの違いを「普通に食べるうなぎと八目鰻ほどの違いがあります」とさらに混乱を招いてしまうような伝え方をしたり、「副腎で作られるホルモンが皮膚科の塗り薬で、筋肉増量剤として受け止められているステロイドは睾丸で作られるものだから、全くの別物です」と説明することが多いです。

速攻で私の大きな誤解を招くツイートを指摘してくれた方もプロフィールを見ると医師です。

一連の流れからして、大きな誤解を招く可能性がある

私の不用意なツイート、下手すりゃ大炎上だよ❗

今回医師向けの媒体から取材を受けたときに、ソーシャルを積極的に使わない医師は炎上を恐れている、なんて話も記者さんから伺っていました。

私の大失敗から、医師がTwitter等のソーシャルに参加する時の注意を述べるとともに、ぜひぜひ多くの医師に参加してもらって、正しい医療を広く伝えてくれることをのぞみつつ、注意点と反省点とソーシャルは怖くないよ、ということをお伝えしています。

下手すりゃ大炎上、ステロイドに対して大きな誤解を招きそうなツイートはこんな感じで終息しました

まずは観ていたテレビを消し、ツイートの流れを再検証。どこが変だったのか、どこで私はやらかしてしまったのかを確認しました。

どう見ても私のツイートはコルチコステロイドとアナボリックステロイドの区別のつかないレベルの低い医師と見做されてしまうようなものでした。

ほとんどのツイートはPCを使うことが多い私なのですが、ここ数日、家のWi-Fiの調子が変になっていたので、運悪くiPadを使用していました(スマホでのツイート等は老眼のため、出来るだけ控えています)。

PCだと、複数画面を同時に見ることができますが、iPadの場合は同じアプリを同時に開くことはできないですし、GoogleChromeをWi-Fiが使えない状況でサクサク展開することもできません。

焦りに焦ったところ、神のように大塚先生が舞い降りてきました。

画像

大塚先生、ありがとうございます(涙)。

大塚先生がアエラに投稿した記事で皮膚科で使われるステロイドと私たち泌尿器科医が使うことの多いステロイドの違いを丁寧に解説しています。

ここで医師がTwitterを使用する時の注意点を反省を込めて考察をしてみます。

医師向けメディアの取材時に私は

1:可能であれば匿名ではなく、リアルの名前を使用することによって説得力が増す。もちろん、所属する医療機関に迷惑がかかることを懸念している医師は匿名でも可能。

2:発言する時は可能な限り、一次ソースを明記すること

3:私の場合は特に不得意分野の医師をフォローしていることによって、かなり勉強になっている

4:炎上しても、日頃真っ当な発言をしていれば、多くの場合、レスキューが現れる

5:短文で医療を語ることは大きな誤解を招くことがあるが、短文で説明するスキルが磨ける

なんてことを偉そうに記者さんに語ってしまいました。

今回、私がひやっとしたことも上記の注意点でどうにか炎上しないで収束あるいは終息することが可能になったと思います。

1:私は実名でアカウントを作り、ソーシャルで発信していた。フォロワーの人も私が医師であることを理解している。私の誤解を招くツイートに対して、ご指摘いただいた方も医師であり、私の焦ったツイートにもご理解をいただけている。

Happy Halloweenさん、ありがとうございました。

2:大塚先生が一次ソースであるご本人の記事を投稿してくれたことによって、ダイナマイト・キッドの件をご質問された方も納得していただけた。

3:私は泌尿器が専門ですが、専門外の皮膚科でネットで積極的に正しい医療を発信している大塚先生をフォローしていたことによって、色々と学べ、さらに時々大塚先生とTwitter上でやりとりをしていたので、相互にどんな人物であるかを認識していた。

4:炎上はしなかったが、私のツイートが言葉足らずであったことを、しっかりとレスキューしてくれた白馬に乗った王子が舞い降りた。

5:短文で伝えることの難しさ、特にそもそもの定義に関しては明確に述べることが重要であることを再認識した。

さらに、医師でソーシャルに参加することを躊躇している人にアドバイスを。

くれぐれも、「ながらツイートは控えましょう❗」を追加しておきますね。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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